ノーベル平和賞を2018年に受賞したアフリカ・コンゴ民主共和国のデニ・ムクウェゲ婦人科医師が昨年来日し、広島市はじめ1週間の滞在中、各地で講演をし、NHKの番組(https://www4.nhk.or.jp/kokoro/x/2019-12-28/31/501/2008356/)にも登場していました。終始、訴えたのは、コンゴの性暴力の問題が私たち日本国民にも無関係ではないというものでした。
* https://www.jiji.com/jc/article?k=2019100300975&g=int
コンゴには国際的に高く取引されるレアメタルなどの鉱物資源が豊富に眠っており、武装勢力が資源のある地域を支配するために「武器」として性暴力を使い、住民が抵抗できないよう恐怖心を植えつけ、こうして奪われた鉱物資源はスマホ等で世界中に行き渡っているといわれています。
婦人科医デニ・ムクウェゲさんが暮らすコンゴ東部は、スマホなどの通信機器の部品に使われるコルタンなど希少金属の利権をめぐり、武装勢力が殺戮や残虐な性暴力を繰り返しています。治療してきた女性は20年間で55,000人。なぜ、争奪鉱物とレイプが結びつくのか。牧師の息子として生まれ、敬虔なキリスト教徒でもあるムクウェゲさんが医師として生きることを決めた理由は何か。その闘いの日々とそれを支える信条や人生について、道傳愛子さんがインタビューしています。
道傳愛子さんは、昨年、北海道日米協会例会で講演されました。
* http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=37287
道傳さんはこれまで国際NGOへの取材も数多く、これからの時代、世界を変える原動力にNGO活動はなっていくと、札幌での講演で期待を語っていました。
「性暴力=レイプ」が戦争の「武器」として使用される時代、まさに人間の尊厳への冒涜であり、これは平時の教育の問題でもあり、日本も無縁ではないと。昨今の日本におけるレイプを巡る裁判でも、あまりに加害者に対して甘い社会通念には、「武器」として使われる隙が潜んでいると懸念します。男の私も他人事ではなく、大いに関心を持たなければ、まさに沈黙する者として「共犯」なのだと再確認した次第です。
デニ・ムクウェゲ医師の言葉一つ一つが私の心に刺さった番組でした。