環境系企業・団体が集う枝廣淳子さんの「第36回企業・団体パートナー限定フォーラム」、今回は23名の参加者で密度の濃い意見交換でした。日本を代表する大手企業、地域で地道に活動する企業他と一緒に、秋山財団の環境分野での学びの場です。
* 「企業・団体パートナー」メンバーはこちら――> http://www.es-inc.jp/network/partner_list.html
今回のテーマは、今年12月にパリで開催される「COP21に向けて-企業の大転換」でした。
「SDGs」をはじめ、重要なトピックが目白押しの今年、未来を見据えて正しい選択ができるように、世界の流れをみつつ、企業・組織は何を考え、行動していくべきかを考え、自身の方向性を見出す試み。ゲストには、大和総研の河口真理子さん、「SDGs、COP21の意味するもの~顕在化するESGリスク~」と題し、ご講演いただきました。
SDGs、COP21だけでなく、ESG、自然資本など幅広く、かつ大変わかりやすくお話でした。このような総括的な概念をきっちり頭に入れてから、個別議論を始めることの大切さを感じます。そして、この会はそれに留まらず、それぞれ参加者の組織の中での課題解決へのヒントを得るワークを主眼にしています。先日の数回の意見交換の機会もよかったですね。
以下、河口真理子さんのお話から冒頭部分だけ紹介します。
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1.包括的な開発目標:Sustainable Development Goals(SDGs)
MDGs=途上国の社会的側面(貧困撲滅、ジェンダーの平等など)中心 vs
SDGs “Transforming Our World: The 2030 Agenda for Sustainable Development”
途上国+先進国 を対象にしたMDGsの社会的側面
+ 環境側面(持続可能なエネルギー、気候変動、海洋資源保全、陸系生態系の保護など)
+ 経済側面(持続可能な経済成長、ディーセント・ワーク、 レジリエントなインフラ、イノベーション)
+ 統合(不平等の是正、持続可能な都市、 持続可能な生産消費形態)
= MDGsより包括的、統合的、複合的で、現在のグローバル経済・社会システムの変革を求める
出所) CSOネットワークウェブサイト http://www.csonj.org/mdgsnews/owg-sdgs-japanese-translation より大和総研作成
特に、統合された目標から、途上国の貧困や資源開発問題、教育、水不足などの個別の問題をそれぞれ解決するというスタンスではなく、社会経済の仕組みそのものを変革しなければ、持続可能ではない、という危機感からと社会デザインの発想。
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基調講演の後のワークでは、実際のSDGsの17の目標をみながら考えたり、社内・組織を変える事例を共有する時間を持ちました。
* SDGsについて(IGES) http://www.iges.or.jp/jp/sdgs/sdgs.html
* ESGについて http://www.dir.co.jp/research/report/esg/
河口真理子さんの近著 『ソーシャルファイナンスの教科書――「社会」のために「あなたのお金」が働くということ(http://amzn.to/1OC6yMS)』にもありますが、「お金が働く」、「お金に働いてもらう」という表現は面白い、従来のように「資金運用」ではなくて、ですね。
10月2日からのトヨタ財団さんとのコラボ企画「地域の再生可能エネルギー(http://www.akiyama-foundation.org/news/1405.html)」をステップに、秋山財団における「環境」をテーマ」とした支援事業も発展させていきたいものです。