3年前に札医大リレー講座(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=1690)でも札幌でお話をされたJT生命誌研究館(http://www.brh.co.jp/)館長・中村桂子(http://www.brh.co.jp/about/message/nakamura/profile.html)先生が、今年の秋山財団講演会(http://www.akiyama-foundation.org/what/index.php?year=2012&mon=08&day=10#48)で再びお越し頂きました。
当日は180名の方々が出席されて、演題は 「生命(いのち)と向き合う科学を求めて~生命誌の視点からの北海道への期待~」、心に沁み入るご講演でした。
* 21世紀は生命と水の時代: 「想像する力」、「分かち合う心」、「世代を越えた助け合い」、がキーワードとも
* 「機械」は「利便性」、「均一性」に優れて、「生きもの」は「継続性」、「多様性」が特徴
* 「生きもの」は時間・空間で「つながり」の中に: 「絆」という言葉は「しばる」を連想して窮屈過ぎる
* アダム・スミスのメッセージ: 本来、「経済」は「経世済民」、今の経営者は原点に帰るべきではないか
1)人間は社会的存在である
2)富の重要な役割は人と人を繋ぐことである
3)富の役割を生かせる社会を目指すべき
4) 今できることに真の希望を見出すべき
* 日本古来の言葉 「愛づる」の意味を再度噛みしめたい
中村桂子先生はお忙しい中、当日午前中に新千歳空港にお着きになり、講演終了後はすぐにお戻りになる強行軍でした。秋山財団の第二四半世紀のスタートに当たり、あらためて「生命科学」の原点を振り返る素晴らしいご講演に、心から感謝申し上げます。