鴨下重彦先生の遺志を継いで

Posted by 秋山孝二
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 東京大学名誉教授・小児医学研究振興財団(http://www.jpeds.or.jp/zaidan.html)理事長・鴨下重彦先生が、2011年11月10日に前立腺がんでお亡くなりになりました。

 今から4年ほど前に、褒賞事業「新渡戸・南原賞」を秋山財団で引き受けました(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=35)が、それから、ご一緒に多磨霊園へ新渡戸稲造・内村鑑三・南原繁・矢内原忠雄のお墓参り、南原繁の母校の四国・三本松高校の訪問等、鴨下先生には運営委員長として、この間大変お世話になり、昨年9月の秋山財団「新渡戸・南原賞」授賞式には、お元気な姿でご出席・ご挨拶をされていました(http://www.akiyama-foundation.org/nitobe/)。

 その後、11月3日、東京神田・学士会館で、「南原繁研究会:http://nanbara.sakura.ne.jp/」シンポジウムが開催されて、そこでの基調講演が最期の講演となりました。私はこのシンポジウムに3年前に出席(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=215)しましたが、昨年は出席できず、後日、山口周三事務局長から送って頂いたDVDで拝見しました。概略は下記の通りです。

* 南原繁「人間の使命」:昭和23年9月30日、東京大学卒業式での演述(http://www.utp.or.jp/bd/978-4-13-001004-7.html

* 矢内原忠雄:昭和36年7月8日、北海道大学で最期の講演:内村鑑三とシュバイツァー「畑は広い、働き人は少ない」

* 内村鑑三:明治27年7月(日清戦争2週間前):「後世への最大遺物・デンマルク国の話:http://www.aozora.gr.jp/cards/000034/card519.html

* 大災害をどう受け止めるか、「災害社会学」~~「非常時の礼節」-大混乱の中で日本人が世界に示した勇気と美徳

* 渡辺和子(ノートルダム清心女子大学学長:http://www.ndsu.ac.jp/):2・26事件で射殺された渡辺丈太郎教育相の娘さん、目の前で射殺され、その後の人生に強い影響を与えた。第7師団長の時に、北海道・旭川市で誕生

 

 「鴨下重彦先生を偲ぶ会」は12月4日に国際基督教大学で開催されましたが、私はどうしても都合がつかず欠席でした。その数日前にご自宅に弔問に参りました時、奥様がご在宅でしばしお話ができて、先生の書斎にもご案内して頂きました。あふれるほどの書物に机、ここで鴨下先生が深く思索されていたのかと思うと胸が詰まってきました。

 2月には「新渡戸・南原賞」運営委員会を開催して、新しい代表を決める予定です。鴨下重彦先生、これまでのご指導に心から感謝申し上げます、先生のこの「新渡戸・南原賞」に込めたご遺志をしっかり受け継ぎます、どうか安らかにお眠り下さい。