ワグナー・ナンドール 秋季展 2016

Posted by 秋山孝二
Categorized Under: 日記
Comments: 0

 栃木県・益子の秋、色とりどりですね。ワグナー・ナンドール記念財団(http://wagnernandor.jp/)の秋季展(http://kankou.4-seasons.jp/asobu/509.shtml)が、今年も1ヵ月にわたり開催され、多くの皆さまがお越しになりました、ありがとうございます。

 これまでのWN財団の記事――> http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?s=%E3%83%AF%E3%82%B0%E3%83%8A%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%83%8A%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83

WN財団オフィス棟

WN財団オフィス棟

展示室横の庭も秋真っ盛り

展示室横の庭も秋真っ盛り

空高く

空高く

ヨーゼフ・アティラ像も

ヨーゼフ・アティラ像も

母子像と茶室

母子像と茶室

 今回の特別展示は菊地武彦展でした。

菊地武彦展

菊地武彦展

線の形象

線が描き出す形象

WNギャラリー展示会 春 2016

Posted by 秋山孝二
Categorized Under: 日記
Comments: 0

 「ワグナー・ナンドール・ギャラリー展示会 春」が、今年も開催されました。

* http://kankou.4-seasons.jp/asobu/509.shtml

 毎年少しずつ場を整備しています、アトリエ奥の工房、彫刻作品のバックヤード(作業場)です。

まさに町工場ですね

まさに町工場ですね

 そこから見える外の風景、茶室でのイベントは今後の課題です。

「母子像ふるさと」が設置され、茶室も今後活用していきます

「母子像ふるさと」が設置され、茶室も今後活用していきます

 受付周りも整備が進み、細い梯子を上ると敷地全体が見渡せる特等席!

受付横の梯子を上って

受付横の梯子を上って

敷地上部には「アーロム」も設置

敷地上部には「アーロム」も設置

 今回の五角堂ギャラリーの併設展は、「宇都宮城跡蓮池再生検討委員会」の事務局長・印南洋造さんによる「蓮の招い~宇都宮氏と印南蓮」でした。今後、「蓮」をテーマに、日本とハンガリーの交流を一層親密にとの夢も、印南さんから伺いました。

五角堂の特別展示、今回は「蓮」がテーマです!

五角堂の併設展示、今回は「蓮」がテーマ、「宇都宮氏と印南蓮」!

蓮のカレンダーほか

蓮のカレンダーほか

印南さんとちよさん

印南さんとちよさん

 以下のようなミニ講演会も開催し、参加者との交流も盛り上がりました。ギャラリーに併設展示、そしてミニ講演会&ワークショップと、回を重ねる毎にプログラムは厚みを増してきています、嬉しいことですね!

【講演会】
4回の講演会は午後1時半〜3時開催です。
※参加費は無料

①4月24日 講師:印南洋造(宇都宮城跡蓮池再生検討委員会 事務局長)
「蓮の実発掘から開花まで」

②4月30日 講師:印南洋造(宇都宮城跡蓮池再生検討委員会 事務局長)
「蓮の開花からDNA分析まで」

③5月8日 講師:松本一夫(栃木県立上三川高等学校校長)
「宇都宮氏と益子」

④5月14日 講師:大澤慶子(文星芸術大学准教授)
「益子・地蔵院の観音・勢至菩薩像と快慶」

母、叔母の誕生日祝い!

Posted by 秋山孝二
Categorized Under: 日記
Comments: 2

 札幌在住の母(92歳)、栃木県益子町在住の叔母(85歳)は、一日違いの誕生日です、先日、札幌で一緒に誕生日祝いをしました。元気な二人を見ていると、こちらが力を貰います。母は今もコーラス、ダンス、ゴルフを、叔母は、益子のワグナー・ナンドール・アートギャラリー(http://wagnernandor.com/indexj.htm)」のオーナーとして年に数回、ハンガリーほかの海外に一人で旅行をしています。

9月22日はワグナー・ちよの誕生日祝!

9月22日はワグナー・ちよ(左)の誕生日祝!

9月23日は母・寿美と叔母・ちよの誕生祝!ケーキの上には年齢の数字!

9月23日は母・寿美と叔母・ちよの誕生祝!ケーキの上には年齢の数字!

お祝いに対しての返礼「合唱」!

お祝いへの返礼「合唱」、左・叔母のちよ、右・母の寿美!

 お返しに歌を披露してくれました、その歌は福山雅治の「ひまわり(https://www.youtube.com/watch?v=le-oxm6dzxo)」、映画「サウンド・オブ・ミュージック」から「エーデルワイス(https://www.youtube.com/watch?v=EhkXJn8EOug)」でした。

 いつまでもお元気で!!

卒業式、それぞれの旅立ち

Posted by 秋山孝二
Categorized Under: 日記
Comments: 0

 3月といっても日本列島は広いですね、北海道札幌市と栃木県益子町でも随分風景は異なっています。これからは日一日春が近づくのでしょう。

札幌市中央区の北海道神宮境内で

札幌市中央区の北海道神宮境内で

栃木県益子町のワグナー・ナンドール財団前庭・白梅

栃木県益子町のワグナー・ナンドール財団前庭・白梅

 3月と言えば卒業シーズン、役回りから公立高校の全日制、定時制、そして今年は通信制を含む私立高校の卒業式にも続けて出席する機会を得ました。

* http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=653

* http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=12046

* http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=19219

* http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=19522

 私が評議員を務める公立高校で、全日制は極めてシンプル、来賓挨拶、送辞、答辞は一切なく、卒業証書授与も名前を呼ぶことなく各クラス代表が一括して受け取ります。ただ、その後が思い思いのパフォーマンスでまるでライブ感覚で保護者、来賓、教職員もノリノリで拍手喝采です、「今年はあっさりね」とかの論評、「もっと遠慮しないでやればいいのに!」とかのリクエストも飛び出したりします。これは昔の「欺瞞的卒業式粉砕!」運動の歴史を引っさげていると言われています、私たちが卒業した1・2年後、学校側はとにかく出来るだけ簡素にして早く終了したい、そんな時代もあったとか。

 定時制の場合は、言ってみれば極めて「オーソドックス」ですね。卒業生が少ないこともあるのか、送辞、答辞、最後には「蛍の光(https://www.youtube.com/watch?v=zzcWPu7dxSw)」の斉唱です。特に今年の「蛍の光」は心に沁みました、NHK総合テレビの朝ドラ「マッサン(http://www.nhk.or.jp/massan/)」で、本来のスコットランド民謡の唄として繰り返し紹介されています。

* https://www.youtube.com/watch?v=VZ5IloX7OtE

 昨今の定時制に通う生徒たちの状況は、昔の働きながらというよりも、不登校等で学校に通えなかった子ほか、その理由も多様です。学校評議員として定時制授業を参観する機会が数回ありましたが、先生と生徒がまさに教室内で真剣勝負でした。入学時の子供っぽさが年を経るに従って落ち着いてきて、顔つき、態度まで変わってくるから毎日の教育の力はすごいですね。先生達のご努力も想像を越えるものがあると思われ、頭が下がります。

 私立高校の卒業式は、来賓の多さに驚きました。地域社会の代表の方はじめ、私のような者にまでご案内状を頂くのですから、普段から多くの関係者との繋がりを重視している姿勢がうかがわれます。こちらもどこか懐かしさを覚える「儀式」で、ひと時ノスタルジックな雰囲気に浸ることになりました。

 いずれの場合も、新しい「旅立ち」の子供たちを横から観ていると、本当に「巣立ち」という言葉がピッタリです。社会の荒波の中で、どうかめげずに生き抜いて貰いたいなと、祈りにも近い気持になりますね。

 何はともあれ、それぞれの子供たち、卒業おめでとう!!!

秋の展示会 in 益子

Posted by 秋山孝二
Categorized Under: 日記
Comments: 0

 本来は始まる前にアップしたかったのですが、栃木県益子町の「ワグナー・ナンドール・アートギャラリー(http://kankou.4-seasons.jp/asobu/509.shtml)~秋の展示会」が盛況で終了しました。先日、終わった後の静寂の中、ゆっくり噛みしめながら散策してきました。

 これまで何回もここに書きました:http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?s=%E3%83%AF%E3%82%B0

秋の展示会を終えて

秋の展示会を終えて

帽子を被ったワグナー・ナンドール

帽子を被ったワグナー・ナンドール(ハンガリーからの寄贈):室内展示室

特別展示室:ハンガリー・ブダペストのアトリエ修復事業ほか

ハンガリー・ブダペストのアトリエ修復事業ほか:特別展示室

 今年の特別展示室では、ハンガリー・ブダペストの王宮下にあるアトリエ大修復の様子が展示されました。「修復」といっても日本でイメージする「修理」とは趣を異にして、まさに賑やかに「リニューアル」された感じです。1956年のハンガリー動乱(革命)以前は、王室の下で芸術家の創作活動は大変活発だったようです、ワグナー・ナンドールもそんな芸術家の一人でした。

 事務局員の小方良子さんの話では、最近の傾向として、下村徹著「ドナウの叫び(http://www.gentosha.co.jp/book/b1717.html)」とか新聞記事、テレビ報道等をご覧になっての来館者、リピーター、毎回それぞれをお楽しみになっていく方も多いとか。私の叔母・和具奈ちよをご指名で「生ちよ」さんにお会いする目的の方、お弁当を開いてひと時ごゆっくりとか、お茶を飲みながらの団欒の場として過ごされる方もいらっしゃるそうで、嬉しいですね。

 昨今の日本の状況を見るにつけ、戦後日本の行き詰まり、瓦解、劣化・・・・、国の崩壊過程は、経済と芸術文化のバランスの崩れであり、言い換えるなら「リベラルアーツ」教育の欠如によるリーダー職にいる人材の劣化によるところが大きいですね。ヨーロッパの呻吟した時代を経ての鍛えられた市民一人一人の思想・哲学に比べると、簡単に社会と距離を置くと言って逃避する無関心層が多い日本社会の脆弱さ。

 昨晩、小樽で開催された「道新文化センター特別講座 昭和史に学ぶ~保阪正康さん」のお話が心に染み入りました。

大満足、「想い出のメニュー」

Posted by 秋山孝二
Categorized Under: 日記
Comments: 0

 札幌グランドホテルの創業80周年企画「想い出の料理プラン(http://www.grand1934.com/rest/fair/anniversary_dish.html)」を知り、先日、益子の叔母・和具奈ちよも丁度札幌に来る機会があり、親族5名で懐かしのメニューを存分に楽しみました、素晴らしいアイディアに拍手です。

* 「札幌グランドホテル創業80周年」サイト――>http://www.grand1934.com/anniversary/rest.html

* ホテルの歴史はこちら――>http://www.grand1934.com/concept/history/

* 和具奈ちよが創設者の「ワグナー・ナンドール記念財団」のサイト――>http://www3.ocn.ne.jp/~wagner/TOP.html

 以前にもこの欄に書きましたが(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=4345)、札幌グランドホテルの新館と旧館の間にあるオフィススペースに、「昭和31年5月12日秋山家祝宴メニュー」が展示されています。何かの機会に再現できないものかと思っていたので、まさに丁度ピッタリの企画で、すぐにホテルに連絡をしました。折り返し料理長の雲井徹さんから料理についての問い合わせ。勿論、随分昔なので詳細は覚えているはずもないのですが、当日もお部屋にいらっしゃってしばし懇談しました。

 当日の私のミッションとして、しっかりこの記念すべき料理をカメラに収めてと思ったのですが、飲むほどに酔う程に当時の話に花が咲き、気がついてみると食前に撮影できたのは2品だけ、後は食後に「あっ、忘れた」となってしまいました。それでも1枚だけはアップしておきます。

札幌グランドホテル80周年企画「懐かしのメニュー」

札幌グランドホテル80周年企画「懐かしのメニュー」

まずは「寿肴」として「メリーウィドゥ」

まずは「寿肴」として「メリーウィドゥ」

続いてのスープは「コンソメロワイヤル」

続いてのスープは「コンソメロワイヤル」

メインの「ローストビーフ」、食後の様子?

メインの「ローストビーフ」、1人前+α、食後の様子でご勘弁を!

 アッという間の数時間、本当に素晴らしいひと時を過ごすことができました、総支配人の秋月清二さん他、札幌グランドホテルの皆さんに心から感謝致します、今後とも宜しくお願いします!!

益子では「春季展示会」、開催中

Posted by 秋山孝二
Categorized Under: 日記
Comments: 0

 栃木県益子町にある「公益財団法人 ワグナー・ナンドール財団」の春季展が、5月15日まで今年も開催中です。今年のポスターは、小野田寛郎さんをモデルにしたワグナー・ナンドールの作品を掲載しています。小野田寛郎さんは、旧制海南中学校・久留米第一陸軍予備士官学校・陸軍中野学校二俣分校卒。 情報将校として太平洋戦争に従軍し遊撃戦を展開、戦争終結から29年目にしてフィリピン・ルバング島から帰還を果たしました、最終階級は予備陸軍少尉となっています

 小野田さんが再び日本の土を踏んだ姿に感動した生前のワグナー・ナンドールが、その深い精神性を込めて作品を創りました。小野田さんご自身は数年前に、益子のこの地をご訪問になり、しばしの間散策されました。昨年のご逝去後は活動を休止していますが、「小野田自然塾(http://www.onodashizenjuku.or.jp/」でも子供たちの教育にご尽力されていました。

* http://kankou.4-seasons.jp/asobu/509.shtml

春季展2014

春季展2014

 五角堂ギャラリーの併設展は、成島行雄著「コノハナサクヤヒメものがたり」で、仲田育代さんの挿絵をパネル展示しています。

コノハナサクヤヒメ

五角堂ギャラリーでは併設展「コノハナサクヤヒメものがたり」

 ハンガリー・ブダペストでは今回の展示に先立って、仲田育代さんもご出席になって「ハンガリー語出版記念会」が開催されました。赤いセーターの男性は出版社社長で、今もこだわりの工房で書籍を作成しています。

ハンガリー・ブダペストでの出版披露パーティーで

ハンガリー・ブダペストでの出版披露パーティーで

歴史的建造物の製本会社工房

歴史的建造物の製本会社工房

 「古きを温めて新しきを知る:温故知新」、まさに芸術文化のすそ野の広さと深さを感じます。毎年毎年、話題豊富なワグナー・ナンドール財団、アートギャラリーです。どうかお時間のある方、栃木県益子町まで足をお運び頂き、お弁当でもお持ちになってしばし散策されることをお勧め致します。

ワグナー・ナンドール財団、益子で

Posted by 秋山孝二
Categorized Under: 日記
Comments: 0

 ワグナー・ナンドール財団(http://www3.ocn.ne.jp/~wagner/TOP.html)の定例理事会ほかが栃木県益子町で開催されました。今回は茨城空港(http://www.ibaraki-airport.net/)から益子町へ、札幌から初めて日帰りでの出席、初夏の日差しの中、ひと時北関東の緑いっぱいで心地よかったですね。

2013.6 益子・ワグナー・ナンドール財団
2013.6 益子・ワグナー・ナンドール財団

 会議自体は、いつもながら前向きの事業報告、提案、素晴らしいアイディアで、参加された皆様も年齢にも関わらず(失礼)元気いっぱい。その中で、つい先日の三浦雄一郎さんのエベレスト登頂成功に関連して、マナスル初登頂で教科書にも載った日下田實(ひげたみのる)評議員の体験談は、ひと際興味を惹かれました。敗戦から間もない時期、決して十分な装備ではなかったにもかかわらず3度目の挑戦で初めて日本人として頂上を極めたこの登頂成功は、当時の国民に大きな勇気と誇りを与えました。https://my-mai.mainichi.co.jp/mymai/modules/climb14/

マナスル登頂成功の日下田さん

マナスル登頂成功の日下田實さん

<マナスル登頂成功までの経過> ウイキペディア参考

  • 1950年 - ビル・ティルマンが偵察を行い、最も容易なルートは北東からのルートだと考えた
  • 1952年 - 日本隊が5,275 m地点に到達(第一次登山隊)
  • 1953年 - 日本隊が7,750 m地点に到達(第二次登山隊)
  • 1956年  5月9日 - 槙有恒ら12人の日本山岳会隊の今西壽雄、ギャルツェン・ノルブが初登頂に成功(第一次登頂)
  • 5月11日 - 加藤喜一郎、日下田實が頂上に立った(第二次登頂)
  • 11月3日 - 日本山岳会隊の登頂を記念した記念切手郵政省から発行

特別展示・高橋千代子作品展

特別展示・高橋千代子作品展

「いのち」への優しい眼差しが

「いのち」への優しい眼差しが

 一方、この春の「特別展示」として、評議員の高橋千代子さんの作品展が人気を集めました。「いのち」への優しい眼差しが作品の随所にあらわれていて、優しい空間を醸し出していました。

ハンガリー 2012 (2)

Posted by 秋山孝二
Categorized Under: 日記
Comments: 0

<「ワグナー・ナンドール」シンポジウム in ブダペスト>

 昨年出席しましたが(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=10355)、今年は会場は同じ「ペトフィ文学博物館(http://www.pim.hu/object.1160b1a4-08c9-4ea9-bb65-1d30e97d1eb0.ivy)」で、テーマは「ワグナー・ナンドールの人生の軌跡」をたどるものでした。

会場はブダペスト市内中心部の美術館

会場はブダペスト市内中心部のベトフィ文学博物館

  私は今回、トップバッターで以下のような挨拶をしました。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

今日、ここで「ワグナー・ナンドール記念財団」の理事長として、皆さまの前でご挨拶できることを、大変光栄に思っています。当財団は、20114月から「公益財団法人ワグナー・ナンドール記念財団」として、新たに活動を始めています。さらに、今年6月に私が二代目理事長に就任しました。勿論、ワグナーちよは変わらず元気で、引き続き理事として情熱を傾けています。

 

 せっかくの機会ですので、この数年間の<新しい事業>を報告致します。

まず、2011年に「ワグナー・ナンドール記念研究助成事業」を開始し、第1回として陶芸家の成良仁(なりよしひとし)氏に贈呈しました。つづいて2011年、DVD 日本語版のNo2 No3を完成し、新しい視点からのWNの思想・哲学の紹介を試みています。

一方、2011.3.11震災で益子の財団では多少の被害があり、修復のためにしばし休館しました。2012春季展開催(4/155/15)は、「ワグナー・ナンドール没後15周年記念展示」として、多くの方々に訪問して頂きました。2012年、DVD 英語版3巻を完成、秋季展は1016日から1カ月を予定しおり、併設展としてWN研究助成受賞者・成良仁さんの作品展示も開催します。最近の来館者の特徴は、1)栃木県外からの来館者が増加、2)新規来館者が増加、3)HPを見て興味もち、来館する人も増加しています、関係HPとのリンク、モバイル版もUP等の効果だと思います。

 

 次に、今日、私がここにお集まりの皆さまに是非お伝えしたいことは、この間、ハンガリーと日本の二つのWN財団の交流が「作品」を通じて一層進化していることです。

一つは、ハンガリー、アカデミア・フーマーナから贈って頂いた「ハンガリアン・コープス」ブロンズ像は、2012429日に益子アトリエで除幕式を開催しました。EU協議会前副議長テーケシュ・ラスロー氏(ルーマニア代表)、大塚朋之益子町長を始め、地元の皆さん、財団関係者多数のご出席を頂きました。さらに、「ヨーゼフ・アティラ」ブロンズ像は、益子の庭園に設置完了し、「嘆き」石膏原型は、禅の廊下に展示しています。

次は、2年前から【母子像・ふるさと】石彫をブダペスト市に設置の企画が起こり、写真資料とテラコッタを「ハンガリー・アカデミー・フーマーナ」に送付し、今年、これらの限られた資料から素晴しい石彫が完成したと、ワグナー・ちよが絶賛していました。明後日、こちらで除幕式が開催されることを心からお喜び申し上げます。また、【母子像・ふるさと】ブロンズ像は、ワグナー・ちよのふるさと札幌市・市長公邸跡に設置完了し、除幕式が20111118日、札幌市副市長、隣地のアメリカ総領事館リース総領事、地域の保育園の子どもたち・保護者の皆さん等のご出席で、なごやかに執り行われました。当日は雪が少し積もっていましたが、その後、春を迎えたこの場では、多くの子どもたち、親子連れ、お年寄り、若者たちのくつろぎ、癒(いや)しの場として人気を集めています。

 

以上ご報告したように、この間の、ワグナー・ナンドールの作品を軸とした、ダイナミックな活動は、あらたな発展の段階に入っていると思います。ワグナー・ナンドールを直接知る方々の時代から、作品を通じて彼の哲学・理念をしっかり伝えていく時代を迎えていること、言い換えると、益子町のアトリエを本拠地として、「哲学の庭11体」の東京都中野区、「母子像・ふるさと像」の東京都麻布(あざぶ)、札幌市、そしてハンガリー各地、ナジュバラド等、作品と土地を結ぶネットワークを基盤に、WNの思想・哲学をあらたなメッセージとして世界に発信していく段階に進化してきています。

これまでの皆さま方のご尽力に心から感謝申し上げるのと同時に、このことを今後活動の軸に据えていきたい、私はそう感じています。

 

ご清聴ありがとうございます。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

シンポジウム終了後の懇親会で

シンポジウム終了後の懇親会で

会終了後に玄関を出て見ると、雰囲気のある街並みの路地

会終了後に玄関を出て見ると、雰囲気のある街並みの路地

 今年のシンポは、原点に戻って、ワグナー・ナンドールの生涯を、特にハンガリー、スウェーデン時代の創作活動を通じて、出席した皆さんと共有するひと時となりました。

ハンガリー 2012 (1)

Posted by 秋山孝二
Categorized Under: 日記
Comment: 1

<追悼記念式典 in セーケシュフェヘールバール>

 ワグナー・ナンドールの作品、「ハンガリアン・コープス」については、これまで何回か書いています。今年4月に、益子で除幕式が開催されました(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=12758)。

 昨年10月に、初めてハンガリー・セーケシュフェヘールバール市の広場に設置されているこの像を訪れ、10月6日の記念式典にも参加して献花しましたが(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=10357)、今年も、ワグナー・ナンドール記念財団(http://www3.ocn.ne.jp/~wagner/TOP.html)理事長としては初めて参加し、市長、軍、教会の代表者の次ぎに献花をしました。

街なかの広場に建つ「ハンガリアン・コープス」

街なかの広場に建つ「ハンガリアン・コープス」

献花する来賓:左から教会トップ、県議会議長、市長、軍トップ

献花する来賓:左から教会トップ、県議会議長、市長、軍トップ

式典終了後に取材に応じる市長

式典終了後に取材に応じる市長

  この式典、行く途中に気がついたのですが、私は何か革命勝利の祝典と勘違いして赤と白がベースのネクタイで臨んでいたので、会場での来賓の皆さんの黒ネクタイを見て、一人違和感を感じていました、申し訳ありません。出番はないけれども、会場には多くの地元の小学生も参加していて、数年後には自分たちも合唱・詩の朗読等の担い手になることを自然のうちに見取るのでしょう、これぞ生きた歴史教育です。

 歴史の掘り起こし(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=10423)について、昨年は旧市街の発掘作業を見学して、記載しました:

~~~~セーケシュフェヘールバールでの発掘作業と復元プロジェクトは実に面白かったですね、そしてそこに世界からの考古学者が参画している事実も。古い歴史を検証することとこれからの新しい時代を創る仕事が、「今、この場」の活動で結合している、腑に落ちるお話でした。~~~~:

 今回はワグナー・ナンドールの作品の復元プロジェクトです。

美術館の作品復元プロジェクト責任者のお二人

美術館の作品復元プロジェクト責任者のお二人

 古代ローマ時代のものと思われる大きな石の断片が廊下に並び、その奥の部屋で、作品の復元プロジェクトの意見交換です。ワグナー・ナンドールの作品は、記録からここの美術館に収納されていたことは明確ですが、様々な時代の変遷の中で、あるものは破壊され、あるものは紛失し、復元はそう簡単な作業ではないようです。共産党政権下での数々の作品コンクールに応募し、そのリスト・写真の記録が、彼の作品の存在の動かぬ証拠となっています。お話のやり取りを聴いていて、昨年見学した旧市街の発掘作業と同じように、「歴史の再発見」、「歴史を生きた軌跡の発掘」、そんな活動の価値を強く感じましたね。

 激動の時代を生きた一人の芸術家の「再評価」は、言葉で言うほど簡単ではありません。残った人々の地道な活動とあふれる情熱が不可欠です。そして、もう一つ、それを支える風土もですね、このマチ、市民、政治、行政には、そんな伝統・文化がしっかりDNAとして内在されている確信があります。

 抜けるようなハンガリー平原の青空の下、今年もまた、何か大きなヒントを得たような気がします。

テーケシュ・ラズロー氏は語る

Posted by 秋山孝二
Categorized Under: 日記
Comments: 0

 日本を初めて訪問したテーケシュ・ラズロー氏(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=12758)は、私の一つ年下で、同時代を生きてきています。

 成田空港到着後、まずは成田ビューホテル(http://www.viewhotels.co.jp/narita/)前庭に建立されているワグナー・ナンドール作のステンレス像「道祖神」の見学、そこから益子に直行して除幕式に出席しました。次の日に東京に移動して外務省を訪問、在日ルーマニア大使、ハンガリー大使等とも面談し、翌日には、広島、京都を相次いで訪れて、先日、東京経由で日本を離れました。お帰りになる前日の晩に、「SAYONARA晩餐」で今回の旅の感想等を聴くことができました。

ハンガリー民謡を歌うテーケシュ・ラズロー氏(右)とキッシュ・シャンドール氏

ハンガリー民謡を歌うテーケシュ・ラズロー氏(右)とキッシュ・シャンドール氏

 初めての日本訪問、最初の見学が成田ビューホテルの「道祖神」だったことには大きな意義がある、とお話を始めました。日本の外務省では高官との面談もあったとか。かなり遠慮しながらもその時のやり取りの概略を伺いましたが、何とも恥ずかしくなるような気がしました。

 テーケシュさんは、ティミショアラの集いの前に、奥さま・お子さまを含めて、当時のチャウセスク政権、直接的には秘密警察に命を狙われ続けた聖職者です。彼の逮捕を予測してルーマニアの西部・ティミショアラに集まった数万の民衆のエネルギーが、1週間後のチャウシェスク政権崩壊の引き金になったのです。

 その彼を前に、先日、「チャウシェスク大統領自身は良い人物で、夫人がひどかったと聞いている」と、日本の外務省高官の政治家は言ったそうです。テーケシュさんは苦笑しながら私たちにお話をされていましたが、何という井戸端会議以下の情報レベルに、歴史観も見識も無く、「恥を知れ!」と残念ながら言わなければなりません。どこに行ってもこのレベルの情報で各国の代表と会っているとすれば、何とも「日本の品格」を疑われても仕方ないですね。

 ティミショアラの集会から20周年、2009年にはこのサイトも創設(http://timisoara1989.ro/en/)、実に興味深い真実の数々です、最初の画面にある動画には、若かりし日のテーケシュさん、父ブッシュ・アメリカ大統領と会談する姿等も見られます、是非アクセスしてみて下さい。遠い昔ではなく、つい20数年前の出来事で、日本はバブルの頂点、まさに歴史の転換点で、ルーマニア国民の声が聞こえてきそうです。

ティミショアラ1989年から20周年を記念したパンフ

ティミショアラ1989年から20周年を記念したパンフ裏表紙 & サイン(左中央)

 広島では、広島平和記念資料館(http://www.pcf.city.hiroshima.jp/)の副館長が丁寧に説明をされたとか。ルーマニアでもハンガリーでも、8月6日の原爆投下日は、祈りの式典を今でも続けているそうです。ただ、彼は聖地と思っていた広島の平和公園では、ゴールデンウィークの最中でもあり、ジャズ等のかなりの音量のイベントも開催中で、少々意外で、がっかりしたとも。難しいですね、広島といえども365日追悼の日々でもないのでしょうから。

 京都・祇園のお茶屋では、三味線・舞子さんの演奏も堪能されて、「比較的哀しい曲風が多く、トランシルバニアと同じ心情」と喜ばれて、お話の途中途中でハンガリー民謡を数曲大きな声で唄っていました。また、新幹線の時間の正確な運行には感動し、駅に到着した時に、自分の腕時計をその時刻に合わせた程正確だ!との冗談も。

 

 と、ここまで書き続けたのですが、今回、成田空港でお出迎えをして以来、彼の周辺の方々への立ち振る舞いで少々気なることもありました。「上から目線」と言うか、「強者」を感じさせるやや傲慢な言動を見てしまったのですね。以前ナジュバラドでお会いした時より少し違った印象なのですが、と、ある方に私はつぶやいた所、「いや、もともとそうだったのかもしれない」と、苦渋の表情で返答をされました。民衆の絶大な人気を集めて独裁政権打倒の先頭で戦った闘士・聖職者が、その後の立場の昇格により変質したとすれば、私は残念であり、何とも失望する今の彼の姿です。

テーケシュ・ラズロー氏、来日!

Posted by 秋山孝二
Categorized Under: 日記
Comments: 2

 欧州連合(EU:http://www.deljpn.ec.europa.eu/modules/union/development/)・欧州委員会(http://www.deljpn.ec.europa.eu/modules/union/institution/commission/)の副委員長だったルーマニアのテーケシュ・ラズローさんが、初めて来日しました、私とは2004年以来、久しぶりの再会です。

 1989年のティミショアラの集会(http://blog.goo.ne.jp/azianokaze/e/9b41d4b8aaefbf91438dd4e8738601de)は、ルーマニアのチャウシェスク政権崩壊のきっかけとなりました。昨年、私が式典・フォーラムで訪問したナジュバラド(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=10353)は、彼の本拠地です。このティミショアラの集会後、初めての外国メディアの取材が1990年の日本のNHKで(http://www.nhk.or.jp/archives/nhk-archives/past/2005/h060313.html)、20周年の2009年にもドキュメンタリー番組で新たな取材もありました。これを記念したHPも出来ています(http://timisoara1989.ro/en/)。

初来日のテーケシュ・ラズロー氏

初来日のテーケシュ・ラズロー氏

 今回の彼の訪日の主たる目的は、益子にあるワグナー・ナンドール記念財団(http://wagnernandor.com/indexj.htm)での「ハンガリアン・コープス:http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=10357」の除幕式出席です。昨日は、地元益子町(http://www.town.mashiko.tochigi.jp/)の大塚朋之町長、ハンガリーのワグナー・ナンドール・フーマーナ財団のキッシュ・シャンドール理事長ほか、大勢の方々が参集されました。昭和天皇の誕生日、ナンドールとちよの結婚記念日と、おめでたい日のイベントでした。

益子での除幕式

益子での除幕式

大塚朋之・益子町長

大塚朋之・益子町長

キッシュ・シャンドールさんと通訳・お嬢様のレイカさん

キッシュ・シャンドールさんと通訳・お嬢様のレイカさん

 テーケシュさんはご挨拶の中で、「トランシルバニアにはこれまで政治的転換点が三度ありました。最初は、1848~49年の『オーストリアからの独立運動』、2度目は1956年の『ハンガリー革命(日本では動乱と言っているが)』、そして、1989年の『ティミショアラでの集会』を契機としたルーマニアの社会主義体制の崩壊です」と。この「ハンガリアン・コープス」像は、3つの革命で人類の自由獲得のために戦った人々の象徴であることを強調しました。

 ワグナー・ナンドールの生まれ故郷・ナジュバラドと歴史への関わりでの共通点(1956年ハンガリー動乱と1989年ティミショアラ)で始まる人間関係の織り成す物語は、まるでドキュメンタリー番組のようです。トランシルバニアの歴史から見ると、ルーマニアにおけるハンガリー人への弾圧と差別は、計り知れないものがあったのでしょう、彼の言葉の端はしから聞こえてきました、「ルーマニア人を恨んだことは一度も無かった、ただルーマニアの政権は、ひどいものだった」と。

 また、チャウシェスク政権下での、巧妙なハンガリー人排除政策(http://yosukenaito.blog40.fc2.com/blog-date-20091217.html)についても、幾つかの実例で示されました。歴史の転換点のど真ん中にいた彼が、「第二次世界大戦でともに敗戦した日本とハンガリー」、「戦う」、「立ち上がる」と語る時、今の日本ではあり得ない骨太のリーダーの姿を見た気がします。同じ時代を生きてきた私の人生と重ね合わせ、「歴史」を創ってきた堂々たる人間の生きざまを感じました。

宇都宮餃子、No.1奪還へ

Posted by 秋山孝二
Categorized Under: 日記
Comment: 1

  「ワグナー・ナンドール財団:http://wagnernandor.com/indexj.htm」となって早1年、先日、栃木県益子町の財団で理事会・評議員会が開催されました。昨年は公益財団法人移行前の最後の会議、3・11大震災の直前だったことを思い出しました(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=7747)。昨年の春の展示会は3・11被害で中止でしたが、今年は4月15日から5月15日まで、「ワグナー・ナンドール没後十五年の歩み」の併設展とともに春の展示会が開催予定、財団運営は極めて順調で、今後の夢も膨らみます。

 毎回、3月と6月の会議の前日はJR宇都宮駅前に泊まって、翌日朝の路線パスで益子に向かいます。宇都宮は長い間、「餃子全国一」ですが、昨年は、3・11の影響があり、その地位を静岡県浜松市に譲ったそうです(http://www.at-s.com/news/detail/100096269.html)。

宇都宮駅東口で

宇都宮駅西口で

 これまで「No.1」を誇ってきたのにお気の毒と思って、先日は少しでも「トップ奪還」に貢献しようと 、いつもより一皿(6個)余計に注文して勢いで食べてしまったのが大誤算、夜中に苦しくなり、翌朝になっても調子が悪く大変でした。さらに悲劇は続きます、「少しでも宇都宮市に貢献したかったもので」と、午後の財団の会議でつぶやいたら、元副知事だった方が、「あの家計調査には、お店で食べた売り上げは入っていないのですよ、サンプル的家庭をあらかじめ選んでの年間消費ですから、実際とはかなり違っています」とおっしゃるではありませんか!簡単に言えば、前夜の私のささやかな努力は、宇都宮のNo.1奪還には「無駄だった」ということです(?!)

 バスに乗る前にJR新幹線改札口に行ってみると、選抜高校野球大会(http://www.mbs.jp/senbatsu/)に出場の作新学院(http://www.sakushin.ac.jp/)一行の出陣式でした。周辺の話では、今年は昨年のメンバーが10人程残っていて、もしかするともしかすると、栃木県民の期待も大きいようです。

作新学院野球部メンバー

作新学院野球部メンバー

出番を待つチアガールと応援する人たち

出番を待つチアガールと応援する人たち

全国各地、それぞれの3月ですね。

<参考:これまでの宇都宮餃子への私のこだわり>

http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=2491

http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=3618

http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=11073

「マルニ」復活、足利銀行

Posted by 秋山孝二
Categorized Under: 日記
Comment: 1

 「足利銀行(http://www.ashikagabank.co.jp/)のスピリッツ」として、25年ぶりに「マルニ」バッジが復活しました。

 これと相呼応して、ワグナー・ナンドール記念財団(http://www3.ocn.ne.jp/~wagner/TOP.html)理事長・和久奈ちよさんが、この度、足利銀行に「故藤松正憲」ブロンズ像を寄付しました(http://www.shimotsuke.co.jp/town/region/central/mashiko/news/20111025/643499)。故藤松頭取が、財団の和久奈ちよ理事長の実父・二代目秋山康之進(私の祖父)と日本銀行札幌支店長時代から交友があり、ワグナー夫妻が益子町にアトリエを建設(昭和45年)、創作活動に際して親交がありました。ワグナー・ナンドールが、その際の感謝の気持を表現したく足利銀行に寄贈する目的でこのブロンズ像が製作されましたが、在任中は設置がかなわず、数十年を経て本店ロビーでのお披露目となりました。

足利家家系図と紋章

足利家家系図と紋章

左・渋沢栄一胸像と復活した「マルニ」ロゴ

左・渋沢栄一胸像と復活した「マルニ」ロゴ

「信為萬事本」の書と故藤松正憲頭取のブロンズ像

「信為萬事本」の書と故藤松正憲頭取のブロンズ像

 宇都宮市内にある本店ロビー、玄関を入ってすぐの場所に、控えめに展示されていました。渋沢栄一の孫(娘の子)である明石正三は、足利銀行の役員で、胸像は渋沢青淵記念財団龍門社(現在の公益財団法人渋沢栄一記念財団:http://www.shibusawa.or.jp/)から寄贈されたそうです。

 日本の銀行の創始者であり、「論語と算盤」でも有名、経済道徳合一主義の提唱者でもある渋沢栄一の「信為萬事本」の書は、「信を万事の本となす」と読み、山岡鉄舟が西郷隆盛とのやり取りの中で書したものとして知られています。原典は、1060年成立の中国史書「新唐書:http://kodaishi-21.web.infoseek.co.jp/p3-6.html」に由来して、「信とはお互いに信じ合うことであり、すべての物事の根本である」という意味です。

 日本の銀行はバブル期から今日まで、本来の信用創造としての間接金融の機能を忘れて、大変な危機を経てきたはずです。破たん、国有化等、いろいろな経緯はありましたが、現在そこからどれ程の教訓を学んだのか、私は「?」と思うばかりです。何が変わったのか、相変わらずの手数料商売のビジネスモデルでは、日本経済の復興、地域経済の活性化は見込めません。元に戻ることだけでは「進化」とは言えませんね、猛省を望みます!!

 ところで、宇都宮と言えば「餃子」です。地元の方に伺うと、「みんみん派」と「正嗣派」で人気を二分しているとのこと。これまで「みんみん:http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=2491」は何回か試していましたので、今回は探し歩いて初めて「正嗣」に、「焼き」と「水」を一つずつでした。

「正嗣(まさし)」宮島店

「正嗣(まさし)」宮島店

 小さなお店(カウンター席10人程度)で、大変安く美味しかったですね。これでやっていけるのかと思いましたが、店に居たわずか20分程度の間に、お客さんがそこで食べる餃子、持ち帰り冷凍餃子、出前の注文等で売れること売れること、100個以上の売り上げはあったのではないかと思われます。店の入口には、「この店には餃子しかありません」の張り紙がありました。

 驚くべき「餃子人気」です!

「母子像・ふるさと」札幌に到着!

Posted by 秋山孝二
Categorized Under: 日記
Comment: 1

  昨年のフォーラム(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=6371)から1年を経て、ワグナー・ナンドール記念財団(http://www3.ocn.ne.jp/~wagner/TOP.html)が札幌市へ寄付した「母子像・ふるさと」が、旧札幌市長公館跡(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=4981)に10月31日に到着しました。

 栃木県益子町から大洗のフェリーに乗って、地元益子町の田中さんご夫妻がトラックで搬送して設置も完了しました。今後は周辺の整備・養生を終えて、今月18日午後2時の除幕式を迎えます。

益子からはるばるやって来た「母子像・ふるさと」

益子からはるばるやって来た「母子像・ふるさと」

18日午後2時からの除幕式まではひっそりと

18日午後2時からの除幕式まではひっそりと

 田中さんは、一昨年の中野区哲学堂公園に建立された「哲学の庭・群像:http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=2792」も、一週間泊まり込みで11体の像を設置しました。今回は数時間でしたが、大きな木箱に梱包して、陸路・水路を経ての搬送、終了後もとんぼ返りでまた深夜のフェリーに乗って、益子に戻りました。3・11以降の震災復旧のお仕事が地元で目白押し、とても札幌でゆっくりしている時間は無い様子でした。

 「母子像・ふるさと」は、台座に23度横向きにボルトでしっかり固定され、18日の除幕式までカバーが丁寧に掛けられました。周辺が整備されるとまた一段と雰囲気も出るのでしょうが、思えばワグナー・ナンドールと出会った私の叔母・ちよさんのふるさとに、しっかり固定された、まさに劇的瞬間なのですよね。

 3・11以降、「絆」の大切さが再認識される昨今、この像が放つ「いつの世でも、どんな国でも確かな絆としての母と子」、それが「札幌市長公館跡地」に建立される大きな意義を感じます。

田中さんご夫妻に金メダル!

田中さんご夫妻に金メダル!

 遠くからありがとうございます、この仕事を成し遂げた田中さんご夫妻に、表彰台で「金メダル」です!!

ワグナー・ナンドール秋季展 2011

Posted by 秋山孝二
Categorized Under: 日記
Comments: 0

 栃木県益子町にある、「公益財団法人 ワグナー・ナンドール記念財団:http://www3.ocn.ne.jp/~wagner/TOP.html」の秋季展示会が、11月15日まで開催中です。今年の春は、震災の影響で彫刻が一部破損等もあり中止されていましたので、今月15日のオープン以来、大勢のお客さまで賑わっています。先日、開場前に一回りしました。

ワグナー・ナンドールのアトリエ

ワグナー・ナンドールのアトリエ

益子の財団、中庭で:右にヨーゼフ・アティラ像も

益子の財団、中庭で:右にヨーゼフ・アティラ像も

元祖:益子の「哲学に庭」

元祖:益子の「哲学に庭」

 先日、訪問した時にも、入れ替わり立ち替わり見学者の方々がいらっしゃいました。早い方は、開場30分以上前にお越しになり、11月にツアーを組んでグループをお連れする「下見」とおっしゃって、熱心に見学されていました。

 また、ご夫婦で到着するなり、「全て踏破した!」と。何のことかと思ったら、中野区にお住まいだそうで、「哲学の庭」像群について、地元の「哲学堂公園:http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=2792」、ハンガリー・ブダペストの「ゲレルトの丘」手前、そして元祖・益子のワグナー・ナンドール・アートギャラリーの3地点を全て訪問したとの意味でした。大変に熱心なファンもいらっしゃるのだなぁと、スタッフともども胸が熱くなりました。

 しばらくすると女性がお一人、受付でお話すると、これが何と北海道・知床から車でいらっしゃったとか。岐阜でしたか、目的地に車で移動中に、独自で調べられて栃木県益子町のここのお寄り頂いたそうです、嬉しいですね。

 僅か1時間程の間に、様々なストーリーで訪問されたお客さまを見ていて、実に興味深く、数年前から明らかにすそ野が広がったこの場を実感しました。翌日、またその翌日も予約が続き、今もちよ理事長はじめスタッフも忙しくしていることと思います。

 この美術館は、展示物を見るだけでなく、DVD3本の上映、棟の間に椅子・テーブルもあり、お弁当を食べたり飲物・お菓子でくつろいだり、「滞在型?」美術館でリピーターも多く、面白いです。出版された「ドナウの叫び:http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=459」の影響でしょうか、ワグナー・ちよさん、最近は「生ちよ」さんと呼ばれて大人気で、先日のハンガリーから帰国してすぐにこちらに張り付きで、元気いっぱいです。

ワグナー・ナンドールの足跡を訪ねて(2)

Posted by 秋山孝二
Categorized Under: 日記
Comment: 1

 翌日、ルーマニアからハンガリー・ブダペストにマイクロバスで移動中、大平原のフン族の末裔が多く住む農村での一コマです。

大きな風車:ハンガリー西部の農村

大きな風車:ハンガリー東部の農村で

 ブダペストに到着して午後5時からは、ペトフィ文学博物館(http://www.pim.hu/object.1160b1a4-08c9-4ea9-bb65-1d30e97d1eb0.ivy)で、「『哲学の庭』建立10周年記念シンポジウム」が開催されました。在ブダペストの伊藤大使ご夫妻他200名の参加者があり、大変盛大な会となりました。ナジュバラドとこのフォーラムは、いずれもハンガリー・ブダペストを本拠に活動する「Academia Fumana Foundation」が主催しています。

 この様子は「在ハンガリー日本大使館・館員日誌:10月5日」に掲載されています(http://www.hu.emb-japan.go.jp/jpn/annai/diary1110.htm#1)。また、1年前のサイト(6月17日:http://www.hu.emb-japan.go.jp/jpn/annai/diary1006.htm)にも「哲学の庭」について掲載されています。

「哲学の庭」建立10周年記念フォーラムで

記念フォーラム壇上でご挨拶をされる伊藤哲雄・日本大使

 私は最前列に着席していて会場全体を撮影できず、雰囲気を伝えられないのが残念です。終了直後にやっと撮った一枚です。

満席の聴衆:終了直後の様子

満席の聴衆:終了直後の様子

 「哲学の庭」の彫像群は現在、ハンガリー・ブダペストのゲレルトの丘近く、東京都中野区の哲学堂公園、そしてワグナー・ナンドール記念財団の本拠地である栃木県益子町の3か所に置かれています。ナンドールは、「私は文化、宗教などの相違点よりも、各々の共通点を探しているのです。共通点を通してしかお互いに近づくことは出来ないのです」と、この彫像群のメッセージを語っていました。

 ブダペストにある彫像群は、数年前に3体が盗難に遭い、円形台座の一部も切断・持ち去られました。世界的な金属需要による盗難事件の一環と思われますが、地元・関係者のご尽力でその後修復・設置されました。ワグナー・ナンドールの人生同様、幾多の困難をも乗り越えて今日を迎えている、そんなお話も興味深かったです。

ワグナー・ナンドール記念財団のスタート

Posted by 秋山孝二
Categorized Under: 日記
Comments: 0

  これまでこの欄に、「タオ財団」に関して何回か掲載して参りました(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?s=%E3%82%BF%E3%82%AA%E8%B2%A1%E5%9B%A3)。

 一番直近の理事会・評議員会は、今年3月5日土曜日、大震災の直前でした。4月1日から「公益財団法人」格に移行し、名称も「公益財団法人 ワグナー・ナンドール記念財団:http://www3.ocn.ne.jp/~wagner/TOP.html」として、新たな展開が始まり、その第一回理事会が開催されました。

財団建物前の新しい看板

財団建物前の新しい看板

 今年の春の展覧会は、地震の影響で彫刻が数作品か倒れたために、「休館」となりました。たくさんの問い合わせのお電話も頂いたようですが、秋に向けての修復も進んでいますので楽しみです。

今年春の展示会は震災の影響で中止

今年春の展示会は震災の影響で中止

 益子・宇都宮市内・近郊では、建物等にも随分被害があったようですが、全てを夫婦で建設した財団建物は驚くほど壊れていません。ワグナー・ナンドールの設計哲学・リスクマネジメントを証明する結果となりました。大きな政変を自らの命を掛けて生きた人物のたくましさを、敷地内をちよ理事長と一緒に歩きながら、今回あらためて感じました。

 「私は文化、宗教などの相違点よりも、各々の共通点を探しているのです。

 共通点を通してしか、お互いに近づくことは出来ないのです。」

  『哲学の庭』  於 益子  ワグナー・ナンドール

映画「ハーブ&ドロシー」

Posted by 秋山孝二
Categorized Under: 日記
Comments: 3

 映画「ハーブ&ドロシー:http://www.herbanddorothy.com/jp/http://www.herbanddorothy.com/2010/」の監督、佐々木芽生さん(http://www.iseeny.com/success/success_30.html)は、高校の私の後輩です。札幌のシアターキノ(http://theaterkino.net/)で初日上映開始は超満員のお客さん、上映後に故郷に錦を飾った(表現が前時代的?)佐々木さんのご挨拶もありました、素晴らしいメッセージでした。

映画「ハーブ&ドロシー」のチラシ

映画「ハーブ&ドロシー」のチラシ

  昨日は、道立近代美術館(http://www.aurora-net.or.jp/art/dokinbi/)でトークショウもありました。

舞台で語る佐々木さん

舞台で語る佐々木さん

  NHKニューヨーク総局の一員として活躍中、ニューヨーク・ナショナルギャラリーの取材を通してハービィー&ドロシー・ボーゲル夫妻と出会ったそうです。4年間の資料映像の撮影を経て、ドキュメンタリー映画作品となりました。「Minimal & Conceptual Art」という概念は、まだまだ私には咀嚼出来ていませんが、言葉で説明する類のものではない、見る「現代アート」という概念は少し分かった気がします。「間違ったアートはない」という挨拶ではじまり、現在、全米50州で「VOGEL 50×50:http://vogel5050.org/」と題しての展示が開催されていて、それも佐々木さんは取材中とのこと。いつか近いうちに札幌でも「ハーブ&ドロシー展」を行えればと思います。

 このトークショウは、札幌ビエンナーレ・プレ企画委員会(http://www.sapporo-biennale.jp/?p=234)とシアターキノの共催でした。入口左では特別展示もあり、道内で活躍する現代アートの若手の作品も興味深かったです。

隣の特別展示会場では、「札幌ビエンナーレ・プレ企画2011」も開催中

隣の特別展示会場では、「札幌ビエンナーレ・プレ企画2011」も開催中

  日本では、映画とアートが全く別分野で、これは日本独特のもののようです。地元の役者・アーティストを応援するには、作品を買ったり、コンサートに足を運ぶ、そんな身近な各人の行動から始められます。そしてコレクターの面白みは、アーティストと直接交流する機会により共に進化出来る点、それを通して作品への興味もひと味違ったものになる、そのあたりにあるようです。「キュレーター」という機能も面白そうですね。

帰りは4月の雪道に足跡をのこして・・・・

帰りは4月の雪道に足跡をのこして・・・・

 会場から家に戻る帰り道は、4月というのに猛吹雪、素晴らしいメッセージの数々を反すうしながら歩いていてふと振り返ると、足跡がずっと続いていました。4月から新しくスタートした益子のワグナー・ナンドール記念財団(http://wagnernandor.com/indexj.htm)の活動も同じですが、「芸術・文化の力」を、こんな時期だけにあらためて感じます。

大地震、今、感じること(2)

Posted by 秋山孝二
Categorized Under: 日記
Comments: 0

 今回の地震の件、いち早く海外にも伝えられたようですね。11日夜にお会いした上海のビジネスパーソンには、直後からインターネットでたくさんのお見舞い・励ましメールが中国から届いたとか。私のところにも、海外からのお見舞いメッセージ、アポイントのキャンセルも来ました。ヨーロッパの方は、特にチェルノブイリ事故の経験があり、敏感な反応があります。集団に属している場合、その責任者は、何の渡航禁止処置もしないことの責任追及も懸念するのでしょうね。幾つかご紹介します、表現の仕方、心配りに感激します。

*私のアメリカの友人から~~~

Hi Koji,

We are so sorry to hear about the problems in Japan this week. I want you to know I’m thinking about you and hoping that your family is safe and healthy.

How is life in Hokkaido? Did you have problems with the hurricane or tsunami?
Are your children safe?

 

*17日に東京で会うことになっていたスイス人から~~~

I would like to send our sincere thoughts to you and to your country for what is happening in Japan these days which will remain, for sure, in the Japanese history.

I hope you and your loved ones are safe, without injuries and that you have no damage at home. I keep closely following the information on the development of the situation.

My trip to Japan has been postponed further to this dramatic event as our management believes that this is not an appropriate timing to come to Japan during these difficult times for you. My apologies for that cancelation, we shall contact you again when this emergency situation has settled down.

Please do not hesitate to contact me anytime should I be any help.

 

*栃木県益子町にあるワグナーナンドール記念財団理事長・ワグナーちよさんは、東京にも住まわれていますが、彼女からのメール~~~

ナンドールがいたら、すぐ東北に向かって走り出すの止めるのが大変でしたでしょう。

神戸の折にも切断機や溶接機を車に積んで助けに行くというのを、若くない私共が行ったら
かえって足手まといになるからと必死で止めました。

ここの対策はよく出来ていて水、電気も十分ですしスタッフも一生懸命です。医者もいるし
その上キシュさんもいてラッキーでした。イロナさん他ハンガリーの方々はTVで悲惨な状態を
見て、切符を二枚手配するからすぐちよさんとハンガリーへ戻れ、と何人もから電話が来ます。
あなただけ早く帰って、と言わないところがハンガリー人らしいです。おそらくキシュさんは
ナンドールに対しても私への責任を感じて下さっているのでしょう。

 

 1956年の革命(ハンガリー動乱)はじめ、幾つかの理不尽な体験をしている人々は、「Dear friends」の絆が強く、危機に直面した時の「同志的助け合い」にスイッチが入るのかも知れません。私たちも頑張らなければなりませんね!!

 日本でも渡辺謙さんほかが新しいサイトを立ち上げました、「Kizuna311:http://kizuna311.com/」。