ハンガリー 2012 (2)

Posted By 秋山孝二
Categoirzed Under: 日記
0 Comments

<「ワグナー・ナンドール」シンポジウム in ブダペスト>

 昨年出席しましたが(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=10355)、今年は会場は同じ「ペトフィ文学博物館(http://www.pim.hu/object.1160b1a4-08c9-4ea9-bb65-1d30e97d1eb0.ivy)」で、テーマは「ワグナー・ナンドールの人生の軌跡」をたどるものでした。

会場はブダペスト市内中心部の美術館

会場はブダペスト市内中心部のベトフィ文学博物館

  私は今回、トップバッターで以下のような挨拶をしました。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

今日、ここで「ワグナー・ナンドール記念財団」の理事長として、皆さまの前でご挨拶できることを、大変光栄に思っています。当財団は、20114月から「公益財団法人ワグナー・ナンドール記念財団」として、新たに活動を始めています。さらに、今年6月に私が二代目理事長に就任しました。勿論、ワグナーちよは変わらず元気で、引き続き理事として情熱を傾けています。

 

 せっかくの機会ですので、この数年間の<新しい事業>を報告致します。

まず、2011年に「ワグナー・ナンドール記念研究助成事業」を開始し、第1回として陶芸家の成良仁(なりよしひとし)氏に贈呈しました。つづいて2011年、DVD 日本語版のNo2 No3を完成し、新しい視点からのWNの思想・哲学の紹介を試みています。

一方、2011.3.11震災で益子の財団では多少の被害があり、修復のためにしばし休館しました。2012春季展開催(4/155/15)は、「ワグナー・ナンドール没後15周年記念展示」として、多くの方々に訪問して頂きました。2012年、DVD 英語版3巻を完成、秋季展は1016日から1カ月を予定しおり、併設展としてWN研究助成受賞者・成良仁さんの作品展示も開催します。最近の来館者の特徴は、1)栃木県外からの来館者が増加、2)新規来館者が増加、3)HPを見て興味もち、来館する人も増加しています、関係HPとのリンク、モバイル版もUP等の効果だと思います。

 

 次に、今日、私がここにお集まりの皆さまに是非お伝えしたいことは、この間、ハンガリーと日本の二つのWN財団の交流が「作品」を通じて一層進化していることです。

一つは、ハンガリー、アカデミア・フーマーナから贈って頂いた「ハンガリアン・コープス」ブロンズ像は、2012429日に益子アトリエで除幕式を開催しました。EU協議会前副議長テーケシュ・ラスロー氏(ルーマニア代表)、大塚朋之益子町長を始め、地元の皆さん、財団関係者多数のご出席を頂きました。さらに、「ヨーゼフ・アティラ」ブロンズ像は、益子の庭園に設置完了し、「嘆き」石膏原型は、禅の廊下に展示しています。

次は、2年前から【母子像・ふるさと】石彫をブダペスト市に設置の企画が起こり、写真資料とテラコッタを「ハンガリー・アカデミー・フーマーナ」に送付し、今年、これらの限られた資料から素晴しい石彫が完成したと、ワグナー・ちよが絶賛していました。明後日、こちらで除幕式が開催されることを心からお喜び申し上げます。また、【母子像・ふるさと】ブロンズ像は、ワグナー・ちよのふるさと札幌市・市長公邸跡に設置完了し、除幕式が20111118日、札幌市副市長、隣地のアメリカ総領事館リース総領事、地域の保育園の子どもたち・保護者の皆さん等のご出席で、なごやかに執り行われました。当日は雪が少し積もっていましたが、その後、春を迎えたこの場では、多くの子どもたち、親子連れ、お年寄り、若者たちのくつろぎ、癒(いや)しの場として人気を集めています。

 

以上ご報告したように、この間の、ワグナー・ナンドールの作品を軸とした、ダイナミックな活動は、あらたな発展の段階に入っていると思います。ワグナー・ナンドールを直接知る方々の時代から、作品を通じて彼の哲学・理念をしっかり伝えていく時代を迎えていること、言い換えると、益子町のアトリエを本拠地として、「哲学の庭11体」の東京都中野区、「母子像・ふるさと像」の東京都麻布(あざぶ)、札幌市、そしてハンガリー各地、ナジュバラド等、作品と土地を結ぶネットワークを基盤に、WNの思想・哲学をあらたなメッセージとして世界に発信していく段階に進化してきています。

これまでの皆さま方のご尽力に心から感謝申し上げるのと同時に、このことを今後活動の軸に据えていきたい、私はそう感じています。

 

ご清聴ありがとうございます。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

シンポジウム終了後の懇親会で

シンポジウム終了後の懇親会で

会終了後に玄関を出て見ると、雰囲気のある街並みの路地

会終了後に玄関を出て見ると、雰囲気のある街並みの路地

 今年のシンポは、原点に戻って、ワグナー・ナンドールの生涯を、特にハンガリー、スウェーデン時代の創作活動を通じて、出席した皆さんと共有するひと時となりました。

Comments are closed.