心震えたトーク、学術会議任命拒否問題!

Posted by 秋山孝二
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 インターネットサイトに『Choose Life Project(https://cl-p.jp/』があり、様々なテーマで情報発信をしています。私は少し前からここのサポーターに登録してたくさん学んでいますが、先日の「学問と表現の自由を守る会主催・第1回ライブ&オンライン座談会」は、心が洗われるような素晴らしい内容でした。登壇者も納得のいく方々でしたが、「学問をする自由とは」ほかその発せられるメッセージの力強さに心が震えました。それぞれご専門の立場からの今回の「日本学術会議新委員任命拒否問題」を鋭く批判する姿勢、私は原発事故、コロナ禍等に関して従来の「専門家」への強い憤りを感じていたので、ここに登壇された方々の見識に、日本の希望を見出した思いです、特に若い温さんの率直なご発言は、私自身原点を見つめ直すような気持でした。

学問と表現の自由を守る会主催・第1回ライブ&オンライン座談会

https://cl-p.jp/2021/10/01/gakumon_hyogen_liberty/

出演】
<司会>
佐藤学(東京大学名誉教授)
<座談会登壇者>
加藤陽子(東京大学教授)
田中優子(法政大学元総長)
広渡清吾(日本学術会議元会長)
温又柔(小説家)

 社会に激震が走って1年、今なお6人の任命拒否はそのまま、新しい政権においても何ら説明されず、大学への統制は強まり、忖度によって報道の自由も狭められ、息苦しい窒息状況が続いています。あれから1年、これからの社会における「自由」、「自分からの自由」について語りました。

* 昨年の私の記事ーー> http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=40025

 任命拒否の当事者である加藤陽子先生のこの問題の一連の分析と考察、さすがに高校時代まで物理部所属の「リケジョ」の本領発揮、時系列と資料に基づく精緻なご発言には感動致しました。また、「既得権」としての「基本的人権:フンダメンタル・ヒューマンライツ」の意味付けほか、そもそものお話も新たな気付きを与えて頂きました。

 田中優子先生の前法政大学総長として、菅を巡る法政大学卒に関わるコメントは笑いましたね。また、ご専門の江戸時代文化等からの今の日本社会・政治に関するピリッとした辛口コメントも素晴らしい。

 広渡清吾先生は日本学術会議の元会長として、日本語の「忖度」の意味、ドイツ語では「先取りした服従」を深掘りして、また任命拒否の内閣としての法的根拠の脆弱性に言及し、説得力がありました、「内閣法」と「内閣設置法」の存在です、「波長を合わせる」政府の行為、総動員法的行動の危険性。「多様性」はそれぞれが「自立的」でなければ意味がないとも。「社会の水準を上げる」重要性。

* 広渡清吾先生の私の関連記事ーー> http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?s=%E5%BA%83%E6%B8%A1%E6%B8%85%E5%90%BE


 
 温又柔さんは切れ味抜群の発言で大変感動しました、自分の言葉を獲得すること、それが自分から自由になること、自分の立場が不自由への加担になっていないか。詳細は最初に記載した動画でご覧ください。

* 『Choose Life Project』関連の私の記事ーー> http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?s=Choose+Life+Project

 秋山財団は日頃から生命科学の広い領域の研究者の皆さまとお付き合いしていますので、今回のこの問題は看過できない忌々しき事態だと私は昨年から推移に注目しています。狭い意味の「学問の自由」という視点からだけでなく、広くこのところの安倍・菅政権のアカデミック・メディア・市民社会セクターへの異常なまでの介入に、引き続き緊張感をもって時代を見つめていかなくてはならないと思うのです、近代日本の歴史を検証するとその危険な状況は容易に理解できるはずです。結論として、最後に佐藤先生がおっしゃっていたように、一人一人、一団体一団体が、「それは変だ、おかしい!」と声を挙げることです!

日本学術会議人事問題 @ 専修大学

Posted by 秋山孝二
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 2020年も今日から師走を迎えました、とにかく大変な1年でしたね。昨年の12月のこのブログの記事を読んでも、何か遠い昔のノスタルジーです、まさに「三密最後の年末」だったと言えます。

* 昨年12月の記事ーー> http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?m=201912

 そんな今年、永年、研究助成を行っている秋山財団としても、絶対見過ごせない政治権力の不当な介入『日本学術会議任命拒否問題』は、しっかり検証し続けなければなりません。

 先日、専修大学公開シンポジウム『日本学術会議任命拒否問題をめぐって』は、拒否された当事者の方もパネリストとして参加し、あらたな問題提起をされていました。

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【 シンポジウム 】

司会:白藤 博行 氏(専修大学法学部教授) https://researchmap.jp/read0052875

シンポジスト

晴山 一穂 氏(専修大学名誉教授) https://research-er.jp/researchers/view/576853

廣渡 清吾 氏(東京大学名誉教授、元学術会議会長) https://www.youtube.com/watch?v=O8vQGWyAUb4

佐藤 学 氏(東京大学名誉教授、元学術会議会員) http://manabusato.com/profile/

岡田 正則 氏(早稲田大学教授) https://okada-seminar.wixsite.com/index

小澤 隆一 氏(東京慈恵会医科大学教授) http://www.jikei.ac.jp/academic/course/36_ningen.html

【 論点 】

(1) 日本学術会議が公的機関として設置された歴史的使命

(2) その歴史的使命を果たす上で必要不可欠なこと

(3) 日本学術会議を構成する会員の人選の定められた手続き

(4) 3 の定められた手続きから考えられる任命拒否の問題性

(5) 憲法第 23 条から考えられる任命拒否の問題性

(6) 学問の自由が必要な理由

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広渡先生も

広渡清吾先生も

* 広渡清吾先生関連記事ーー> http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=40028

 広渡清吾先生の日本学術会議の歴史的使命に関するご発言から。

* 「学問の自由」の記載は、大日本帝国憲法(明治憲法)には記載なし

* 戦後の再出発として、「学問の自由」、「科学の政治からの独立」が基本

* 1949年設立会議は、戦時の「反省」から出発

* 1955年第6回会議で「戦争に加担しないという声明」

* 1955年ラッセルーアインシュタイン宣言の最終部分 『Your humanity !

< 参考 >

* 専修大学学長 佐々木重人先生のお言葉ーー> https://www.senshu-u.ac.jp/news/nid00011864.html

 それぞれのお立場からの今回の問題へのコメントに比べて、レベルの低い政治はまさに日本の劣化の元凶であることを再確認した時間です。

広渡清吾先生 新議長にご就任!

Posted by 秋山孝二
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 『パグウォッシュ会議(https://www.pugwashjapan.jp/』の新しい議長に広渡清吾先生がご就任されました。広渡先生といえば、以前、秋山財団で引き受けていた『新渡戸・南原賞』授賞式に、2011年当時、日本学術会議会長としてご挨拶にお越しいただき、素晴らしいお言葉でした。

* http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=10292

乾杯:広渡清吾さん(日本学術会議会長)

(秋山孝二ブログより)

 今回はパグウォッシュ会議の議長のご就任、その記念講演がリモートで開催されましたが、相変わらない視座からのお話は、今、日本学術会議人事を巡る政治の不当な介入の日本社会に鮮烈な光を放っていました。

<参考記事>

* http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=40025

* https://www.youtube.com/watch?v=O8vQGWyAUb4

* https://www.web-nippyo.jp/20948/

廣渡新議長

(右)広渡清吾 新議長

新渡戸・南原賞授賞式2011

Posted by 秋山孝二
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 秋山財団の褒賞事業「新渡戸・南原賞:http://www.akiyama-foundation.org/nitobe/」授賞式が、今年も東京神田・学士会館(http://www.gakushikaikan.co.jp/)で開催されました。これまでこの欄に、何回かご紹介しています。
 
 今年の受賞者は、

三谷太一郎さん(左)と北城恪太郎さん(右)へ花束贈呈

三谷太一郎さん(左)と北城恪太郎さん(右)へ花束贈呈

 授賞式の冒頭で、新渡戸・南原基金の鴨下重彦(http://jura.jp/leuko1/disease/leuko/ldfj/article/kamosita.htm)代表がご挨拶を致しました。 

新渡戸・南原基金代表の鴨下重彦先生

新渡戸・南原基金代表の鴨下重彦先生

 式典後の祝賀懇親会は、100名を越す参加者で盛況でした。ご来賓のトップバッター、内閣府・公益認定等委員会(https://www.koeki-info.go.jp/pictis_portal/koeki/pictis_portal/common/portal.html)の委員長としてご活躍の池田守男(http://www.youtube.com/watch?v=CiamAus_ftQ)さんがご挨拶をされました。「民が担う新しい公共」として、秋山財団の事業を高く評価して頂きました。 

来賓祝辞:池田守男さん(資生堂相談役)

来賓祝辞:池田守男さん(資生堂相談役)

  続いて、日本学術会議(http://www.scj.go.jp/)会長の廣渡(ひろわたり)清吾さんのご挨拶は特に印象的で、「3・11以降、科学者はこれまで市民・社会にどんな貢献をしてきたのかを、厳しく問い直す日々である」とのお言葉でした。文科系として初めての会長就任と、会場でどなたかから伺いました。

乾杯:広渡清吾さん(日本学術会議会長)

乾杯:廣渡清吾さん(日本学術会議会長)

  テレビでもお馴染みの御厨(みくりや)貴(http://www.mikuriya.rcast.u-tokyo.ac.jp/int/index.html)さんは、今回受賞された三谷太一郎先生の門下生で、学生時代に緊張して先生と向き合っていた様子をご披露されていました。

来賓祝辞:御厨(みくりや)貴さん(東京大学教授)

来賓祝辞:御厨貴さん(東京大学教授)

 授賞式のご来賓挨拶の中で、「新渡戸稲造先生、南原繁先生は、『教養』というのは『共感力』と理解していたのではないか」とのフレーズがありました、3・11以降に益々心に残ります。

 秋山財団として、9月14日開催の講演会・贈呈式、先日の授賞式と、二つの大きな行事が終了した今、私は少しホッとしています。特に今年は設立25年目の節目であり、これまでにこの財団活動に絶大なご支援を頂いた全ての方々に、心から御礼を申し上げたい気持でいっぱいです、ありがとうございました。

 25年間を振り返ると、年を経るごとにその価値の蓄積を実感します。「地道な継続の力」、世の中が激変しても変わらない「理念」とか「哲学」、当初から関わった者として、あらためて「高い志」を大切にしたい、そう思います。皆さま、今後とも宜しくお願い致します!!