祭日早朝の「ち・か・ほ」2023

Posted by 秋山孝二
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 先日は、祭日の早朝にホテルでスモール朝食ミーティングがあり、札幌の「ち・か・ほ」を会場に向かって歩いていました。コロナ禍の風景を思い出させる人の少なさ、でもどこか新鮮で思わず写真を撮ってしまいました。

 11月札幌で開催中の『サッポロ・アートステージ(https://s-artstage.com/2023/』の一環、各高校のイベント企画です、コンテストの結果も発表になっていました。

* https://s-artstage.com/2023/sal/

この中の『札幌劇場祭:TGR(https://s-artstage.com/2023/tgr/』もいよいよ大詰め、今年も多彩な公演が札幌市内の劇場で繰り広げられています、私も幾つかには足を運んでいます。

* これまでのTGR関連記事ーー> http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?s=TGR

ブラボー、『ひかりごけ』!

Posted by 秋山孝二
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 劇団「イレブンナイン(http://eleven9.jp/」の話題作『ひかりごけ』が10日間12ステージ、大盛況で終演しました。「人食いの実話」との前評判で怖くて観に行けなかったとおっしゃる方もいました、事前に昔の映画をDVDで観ていましたが、今回の芝居は遥かにファンタジックで、ホラーではなく透明感もありました。ギターの音楽がリズムを刻み、軽やかな印象を与えていたのと、脚本の展開が追い詰められた観客の心理をふと現在に呼び戻して悪夢から覚めたかのような気持ちにさせる、脚本、演出、舞台装置、照明、そして山木将平くんの音楽、役者たち、素晴らしかったです!!!

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STAFF スタッフ

原作:武田泰淳

作・演出:納谷真大

ドラマトゥルグ:斎藤歩

音楽:山木将平

舞台美術:高村由紀子/舞台監督:高橋詳幸(アクトコール(株))/照明:熊倉英記/音響:奥山奈々(pylon Inc.)/宣伝美術:若林瑞沙(studio COPAIN)/演出助手:梅原たくと、内崎帆乃香/ゼネラルマネージャー:カジタシノブ(tab)/広報協力:越智香奈江/制作:小島達子、澤田未来、上總真奈、坂口紅羽、沢井星香/著作権管理:日本文藝家協会/協力:北海道演劇財団、F.C.S.、さっぽろアートステージ2021実行委員会、札幌劇場連絡会/制作協力:ダブルス/企画制作:ELEVEN NINES、tatt Inc.

斎藤歩

斎藤歩

左から納谷真大、菊地颯平、泉陽二

「あなただったら食べますか?」

「食べるかもしれません。生きるために。」

 「我慢してるんです!」、「せつねぇー」が耳に残る印象深い、久しぶりの大人の作品でした。

札幌劇場祭 TGR 2018 授賞式

Posted by 秋山孝二
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 今年の「札幌劇場祭TGR(http://www.s-artstage.com/2018/」も大盛況で幕を閉じました。若い劇団の登竜門として、しっかり札幌の地に定着した感じです。先日は、授賞式が開催されました、昨年から「公開審査会」ではなく「授賞式」として再出発しているようです。それぞれの作品に対する審査員からの講評が聞かれず少々物足りなくはありましたが。

【これまでの私のアートステージ・TGR記事】

* http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?s=%E3%82%A2%E3%83%BC%E3%83%88%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%BC%E3%82%B8

* http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?s=%E6%9C%AD%E5%B9%8C%E5%8A%87%E5%A0%B4%E7%A5%AD

 ここまでのイベントにご尽力された札幌劇場連絡会の現会長・斎藤ちずさんが授賞式で冒頭にご挨拶されました。

斎藤ちず会長

斎藤ちず会長

 私は、今年は数本しか観劇できませんでしたが、若い方々の舞台表現、今年もたくさんの観客を魅了したようです。

受賞者と審査員のみなさん

受賞者と審査員のみなさん

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◆今年の受賞作品一覧◆

【大賞】
世界エイズデー札幌実行委員会 世界エイズデーシアター「TEA FOR TWO~二人でお茶を~」

http://www.sartstage.com/2018/tgr/list/%E4%B8%96%E7%95%8C%E3%82%A8%E3%82%A4%E3%82%BA%E

エイズデイ実行委員長

エイズデイ実行委員長


【優秀賞】
劇団こふく劇場 「劇団こふく劇場第15回公演 ただいま」

http://www.s-artstage.com/2018/tgr/list/%E5%8A%87%E5%9B%A3%E3%81%93%E3%81%B5%E3%81%8F%E5%8A%87

【優秀賞】
空宙空地 空宙空地3都市ツアー札幌公演「轟音、つぶやくよう うたう、うたう彼女は」

http://www.s-artstage.com/2018/tgr/list/%E6%9C%AD%E5%B9%8C%E5%85%AC%E6%BC%94%EF%BC%9A

【審査員賞】
RED KING CRAB「ガラスの動物園 The Glass Menagerie」

http://www.s-artstage.com/2018/tgr/list/red-king-crab

【審査員賞】
旅木演劇工房 「丘の上の桜の木に」小島瑚乃美さん」※俳優賞は大賞エントリー作品の出演者からの選出になっているため、特別賞での受賞です。

http://www.s-artstage.com/2018/tgr/list/%E6%97%85%E6%9C%A8%E6%BC%94%E5%8A%87%E5%B7%A5%

【新人賞】
演劇家族スイートホーム「裸足でベーラン」

http://www.s-artstage.com/2018/tgr/list/%E6%BC%94%E5%8A%87%E5%AE%B6%E6%97%8F%E3%82%B9%

【俳優賞】
木山正大(RED KING CRAB)「ガラスの動物園 The Glass Menagerie」
村上義典 世界エイズデーシアター「TEA FOR TWO~二人でお茶を~」

◆TGRの首位打者2018◆
☆平均評価数4.88で、人形劇団ぱぺっとグース「人形劇「舌きりすずめ」ほか」

http://www.s-artstage.com/2018/tgr/list/%E4%BA%BA%E5%BD%A2%E5%8A%87%E5%9B%A3%E3%81%B1%E

◆TGRのホームラン王2018◆
☆1700個で、トランク機械シアター「ねじまきロボットα~バクバク山のオバケ~」

http://www.s-artstage.com/2018/tgr/list/%E3%83%88%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%AF%E6%A9%

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 札幌で活動する若手演劇人のスキルアップを目指す人材育成企画「TGRアカデミー」は素晴らしいですね。

「TGRアカデミー生」韓国レポート

 「札幌劇場連絡会奨学制度~TGRアカデミー」は、札幌で活動する演劇人のスキルアップを目指す人材育成企画です。今年度は、2018年10月に韓国ソウルで開催される「2018大学路(テハンノ)小劇場祝祭」にて国際的な演劇フェスティバルの舞台裏を視察し、現地スタッフとの交流会に参加していただきました。
 【TGR2017札幌劇場祭大賞作品】yhs「白浪っ!」の仕込みや上演の様子、そして韓国での演劇・アートの現場を実際に見て、体験したことをレポートとしてまとめてもらいました!

 今年度のアカデミー生の兼平瞳さんは、現在、北海道教育大学 岩見沢校でアートマネジメントを専攻している学生さんです。また、d-sapのメンバーとしての活動も行っており、d-SAPのHPでもレポートをアップしています!

◆TGRページの概要レポート
http://www.s-artstage.com/2018/tgr/news/266

◆d-SAP レポート記事
http://d-sap.com/kanehira-tgracademy/

北海道の演劇、過去から未来へ

Posted by 秋山孝二
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 今年も札幌で始まりました、「さっぽろアートステージ2012:http://www.s-artstage.com/2012/」、そしてその舞台芸術部門の「さっぽろ劇場祭:シアター・ゴー・ラウンド:TGR(http://www.s-artstage.com/2012/tgr2012/)」も盛況です。

 これまで以上に、今年の11月は盛りだくさんです。中島公園の北海道文学館(http://www.h-bungaku.or.jp/)では、特別展示「戦後の北海道の演劇:http://www.h-bungaku.or.jp/」で、多彩なトーク等も12月中旬まで予定されています。

特別展示「戦後の北海道の演劇」

特別展示「戦後の北海道の演劇」

(公財)北海道演劇財団 平田修二専務理事のトークタイム

(公財)北海道演劇財団 平田修二専務理事のトークタイム

 「さっぽろ劇場祭」では、私は今年3年目の審査員です。11月最初から12月1日まで、エントリー作品を12月2日の公開審査会までに札幌市内9劇場で観劇し、今年の「大賞」、「特別賞」、「新人賞」を決めます。公演日時が限定されているので、多い時は一日3つの芝居を渡り歩いて観る時。まさに来る日も来る日も幅広いジャンルの「演劇」鑑賞です。昨日現在、折り返し点間近といった感じでしょうか、熱演が続いていますし、この所は「人形劇」のジャンルが格段に進化しているような気がします。

中島公園から藻岩山を

中島公園から藻岩山を

 気がついてみると、中島公園もすっかり秋の気配、この写真は1週間程前ですから、今日あたりはもう葉っぱもすっかり落ちているかもしれません。色とりどりの紅葉、それぞれのシーズンの収穫期とでも言うのか、2年前にも書きましたが(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=6454)、私は「秋」が最も好きな季節です。

さっぽろアートステージ2011

Posted by 秋山孝二
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 今年で7回目、「さっぽろアートステージ2011:http://www.s-artstage.com/2011/」が始まりました。

 「さっぽろアートステージ」とは、札幌で活躍するアーティストに発表の場をつくり、その作品を市民と一緒に観て、ふれて、感じるアートイベントです、市内各所で関連イベントも盛んです。

駅前地下通路で

駅前通り地下通路で

 「アート」は、ふれて、感じて、はじめて楽しめるものだと思いますね、HPには次のように書かれています。

~~~~~その「アート」を街に開放し、気軽に楽しめるように、わたしたち「さっぽろアートステージ」はアーティストと市民がつながる「アートの入口」をつくり出しています。その入口は、舞台へ、現代アートへ、音楽へつながる入口です。そんな入口を街の至る所に出現させ、みなさんと「アート」の距離を縮めたい、「アート」を身近に感じてもらいたいと思っています。

 2011年もアートステージは「舞台芸術部門」「学生音楽部門」「音楽部門」「美術部門」の4部門で構成。「特別企画」として今年限定で、3月に開通した「札幌駅前地下通歩行空間」を舞台に「キックオフイベント」を開催いたします。アートステージのスタートとなる「キックオフイベント」ぜひ、ご期待ください!~~~~~~~~

 キックオフイベントは、今月5・6日に地下通路で開催されました。

地下通路での展示

地下通路での展示

 一方、 「札幌劇場祭:TGR(http://www.s-artstage.com/2011/tgr2011/)」も、先月下旬から、先立って市内9つの劇場で一層レベルアップし始まっています。

琴似・パトスロビーで、多様なチラシ

琴似・パトスのロビーに揃う多様なチラシ

 今年も私は審査員として、1カ月に32本のエントリー演劇を観ることになり、すでに8本は終わりました。昨年は初めての審査で要領も良く分かりませんでしたが、その後1年経ち、今年はかなり周辺情報も増えていますし、しっかりした審査で臨みます。今年の私の視点を、劇場祭のHPに掲載しています。

~~~~~<コメント> 3・11以降、芸術・文化の価値が人々に生きる力を与えるとして、高く評価されています。まだ一度も演劇を観たことの無い、或いは「敷居が高い」と敬遠している多くのごく普通の市民に対して、劇場に足を運んで貰う努力・意欲が感じられること、芝居を通して伝えたいメッセージ、問題提起が明確であること、そして何か新しいものを追いかけている姿、等が私の視点です。演劇に興味はありますが、基本的に「素人」の立ち位置にこだわりたい、北海道の演劇人に期待しています!~~~~~~

●今年のTGR札幌劇場祭大賞の審査員は以下の7人です。
・飯塚 優子 (レッドベリースタジオ主宰) ※審査委員長
・早川 渉 (映画監督)
・秋山 孝二 (NPO法人北海道市民環境ネットワーク理事長)
・松井 哲朗 (劇評誌「続・観劇片々」主宰)
・桑田 信治(株式会社インテリジェンス anウィークリー北海道版編集担当)
・北田 静美 (株式会社ウエス CREATIVE5 営業企画 プロデューサー)
・森  彩夏 (北海道教育大学岩見沢校 芸術文化コース  アートマネージメント音楽研究室所属4年生)

 12月4日は、午後から公開審査会があり、そこで大賞他が決まります。実は、私の所属、この「秋山財団」から「NPO理事長」に変更しました。肩書を入れると漢字が20文字以上も続くことになり、芸術・文化には馴染まない(?)と勝手に自分で判断して代えました!

 

  更に、今年から「常設」となった「500m美術館:http://www.s-artstage.com/2011/artstreet_about/」も一段とレベルアップです。

今年から「常設」へ:500m美術館

今年から「常設」へ:500m美術館

  芸術の秋、札幌は今、盛りなり、ですね。

今年の秋、多彩なイベントの札幌

Posted by 秋山孝二
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 9月の札幌、最初の日曜日は、台風接近中でしたが、イベントが盛りだくさん!

 大通公園5丁目では、「北海道有機農業フェスティバル:http://yuki-hirogaru.net/assets/files/Hokkaido_Organic_festa2010.pdf」、全国有機農業推進協議会(http://zenyukyo.or.jp/news_list/34.html)が主催し、全道の有機農家40店が直接販売、今年で第2回目です。

大通公園5丁目で、有機農産物の産地直売会

有機農産物イベント:大通公園5丁目

  次は4丁目十字街を中心に、第11回さっぽろパフォーマンスカーニバル「だい・どん・でん:http://www.daidonden.com/が、今年は台風接近中で雨・風・青空とめまぐるしく変わる天気の中、地下通路・広場・地上でたくさんの観客で溢れていました。地下鉄大通駅コンコースでは、ゲストパフォーマー・肉体派津軽三味線「セ三味ストリート」のライブ。

三味線パフォーマンス:地下鉄大通駅

三味線パフォーマンス:地下鉄大通駅

  今年3月に完成した札幌駅から大通までの地下通路の一角でも、たくさんの人だかりでした。

パフォーマンス:駅前地下通路

パフォーマンス:駅前地下通路

  地上の4丁目十字街・三越前では、晴れ間をぬって、地元保存会のみなさんによる「ひょっとこ踊り」です。この他、「だい・どん・でん」はたくさんの会場で、「同時多発ライブ・パフォーマンス」。贅沢を言えば、やっぱり例年のように、地上4丁目十字街で青空の下、大歓声が天高く飛んでいく感じが最高ですね!

地上では、ひょっとこ踊り?:4丁目三越前

地上では、ひょっとこ踊り?:4丁目三越前

 さらに、狸小路2丁目・1丁目には、「安田侃野外彫刻展―街に触れる―:http://www.city.sapporo.jp/shimin/bunka/kav.htmlの幾つかの作品です。すでに、創成川、駅前通り地下通路、大通には置かれていましたが、9月3日からはいよいよ秋の屋外展示会としてスタートです、マチ中に何気なくアートの香り、オシャレですね。

安田侃さんの作品:狸小路2丁目から1丁目

安田侃さん作品:狸小路2丁目から1丁目

 札幌駅前からの地下歩行空間、以前から芸術空間としての企画が検討されてきていますが、地上の光線他、せっかくの「空間」です、照明をふんだんに活用する非日常の演出が面白いと思います。パフォーマンスの場(平面)の提供ではもったいない、ふとそんな気がしました。地下鉄バスセンター前までの「500M美術館:http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=6621」のような雰囲気がいいのでは?

 初秋の札幌、晩秋の「さっぽろアートステージ:http://www.s-artstage.com/2011/」と相まって、芸術・文化の香りが満載です!

演劇の審査って?TGRで

Posted by 秋山孝二
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 「審査」って何だろう?と思いますね。もう何回も書いていますが、この一カ月と少し、「さっぽろアートステージ2010劇場祭:http://www.s-artstage.com/2010/tgr/2010/12/865/」の審査員をやってみて、そう感じます。賞自体の存在が、この祭典に参加した方々の今後のモチベーション向上につながることが大切です。今回、更に初めての「公開審査会」とのこと、普段舞台を専門とする数多くの関係者の前で、ライブ中継もあり、作品の講評・審査を行う「素晴らしい?」機会を与えて貰いました。以下、いくつか審査を通じて感じたままを書き留めます。

 

* 演劇の劇評については、日頃からいくつかのブログが面白いです。加藤さんの「シアターホリック:http://theater-holic.seesaa.net/」、市民記者ブログ「http://ameblo.jp/s-artstage/」等です。同じ演劇を観ても、実に多様な受け止め方をする、その辺が楽しいところでしょうか。今回の審査員との意見交換、事前審査、公開審査、いずれも大変面白いひと時でした。

* 30近い演劇のうち、私は26を観ました。新人賞に輝いた学生達の芝居は、今回私は残念ながら観ることが出来ていませんでした。いつもでしたら開始3分くらいで「ハズレ」と感じる演目もあるのですが、今回集中的に観たものはいずれも面白かったです。この札幌劇場祭の過年度分の記録を読むと、審査員の大変辛口のコメントが多い年もあったりで、そんな意味からは今年はレベルが高ったのかもしれません、有り難いことです。

* こぐま座・やまびこ座(http://www.katsudokyokai.or.jp/sisetu/gekijou/)には、今回のような機会が無ければなかなか足を運ぶことがなかったかもしれません。小さなお子様を連れた保護者の方、保育園の先生たちを含めての観客に対して、熱演の人形劇・芝居・パフォーマンスは、大変感動的でした。舞台だけでなく、観客の子どもたちを見ていても面白かったですね。ちょっと退屈なセリフのやり取りの場面では、大変素直に寝転がったりぐずったりの反応、感情表現も豊かで舞台にまで駆け上がらんばかりに近づく子もいたりしました。小さい頃からこういった「優れた」芝居に接することが、将来の芸術・文化の担い手育成の基盤なのでしょう、これからも大切にしたい札幌の宝です。

* 札幌オペラスタジオ(http://www.sos-opera.com/)「COSI FAN TUTTE恋人たちの学校」も大変良かったです。あらすじがパンフに書かれていたので、翻訳に目をそれ程やらずに舞台に集中することも出来ました。クラシック音楽の奥行きと生の迫力を感じました。私はボリショイ劇場、サンクトペテルブルク、ウィーンと、海外出張の時にこれまで観る機会がありましたが、札幌で今回このような機会に恵まれて嬉しかったです。

* 「大賞候補」となった5つの作品のうち、原作が今回オリジナルなのは弦巻啓太さん(http://www.t-gakudan.com/)の作品だけでした。この演劇祭が「すそ野を拡げて基盤をつくる」、「担い手育成」を目的とするのなら、何か地元発の新しい作品・脚本を促進する仕掛けがあってもいいのかな、と思います。もう一つ、「劇場祭」と銘打っての企画ですから、9つの劇場の大賞みたいな賞があってもよいのかな、とも。これは後日の反省会で提案しようと思っています。

* 私は、「気に入られたいオジサン症候群」で、若い方々の芝居をかなりの違和感があっても「分かろう」と努力しているつもりです。「あのセリフは良く理解出来なかったけれど、多分こう言う意味なのだろうな」と身勝手に納得させる自分がいます。決して創り手に対して攻撃的にはならないタイプだと自認しているのですが。でも、審査・選考では、その辺の私の思いは恐らく若い世代には伝わらないのでしょうね。自分の感想を「講評」と称して語ると、「還暦世代のオヤジに何が分かる!」と、まぶしいライトの向こうに座っている関係者からの声を感じます。「新しい観客を増やすこともこの劇場祭の目的であれば、観劇の次の予定を設定する為にも上演時間をあらかじめ表示して欲しい、事前に演出家の作品にかける思い等をチラシで明示してもえないか」、先日の公開審査会でもそう言うのが精いっぱいの私でした。

* 個々の自分なりの「講評」は手元にありますが、今回残念だったのは韓国からの二つの演劇が大賞・特別賞に選出されなかったことですね、私は二つとも自信を持って推薦したのですが、ノミネートにもなりませんでした。一昨年・昨年と韓国各地に札幌からの同行ツアーで行きましたが、彼らの観客を意識した確かな演技力と楽しませようとする姿勢は、今回の芝居でも十分発揮されていました。しっかりと伝統を受け継ぎ、現在の社会問題にも鋭く問題提起をする、そんな誠実な姿勢に感動しました。今後は、外国作品には事前・事後の簡単な文化・芸術の背景説明をする企画も必要なのかもしれません。これも後日の反省会で提案してみます。多様性社会の価値は、すなわち「違い」から学ぶ姿勢だと思います。

* 次に残念だったのは、劇団千年王国(http://sen-nen.org/index.htm)「ダニーと紺碧の海」でした。審査とかを離れて素晴らしい雰囲気で、私が最も印象に残り、もう一度見たかったなと思う作品でしたね。オシャレな会場設定、審査員でなければビールを数杯飲んでいたでしょう。眼前で展開される若い男女の会話の激しいやり取り、やがて変わっていく関係性等、遠い昔を想い出す(?)ような、何とも愛おしい切ない舞台でした。原作がシャンティでアメリカ的だからなのでしょうか、むき出しの言葉のやり取りの中に優しさを感じました。是非、再演をお願いします。

* もう一つ、劇団イナダ組(http://www.inadagumi.net/index.html)「ミズにアブラ ヌカにクギ」でした。今回、大賞5つのノミネートに入らなかったのは残念でしたね、私は一票入れたのですが。昨年の設定の方が良かったという人が多かったですが、実は私は今年のしか観ていません。「ネット社会」の息苦しさ、初めてその構図を目の当たりにした感じです。私たちの還暦世代にとっては、ネット社会は「選択肢の一つのコミュニケーション」なのですが、若い世代にとっては「全て」なのですね。学校で、家で、「敵は誰なのか」と追い込まれていく様子がリアルでした。

* このような「劇場祭」、札幌市内9つの劇場が連携して年一回の「お祭り」にまで漕ぎ着けるまでには、かなりの関係者のご努力があったのだと思います。率直に申し上げて、これまでの私の体験から、芸術・文化の担い手は「自分が自分が」の世界で、口を開けば他者の批評と悪口の数々、ビジネス世界に長らく身を置いた私からは、いかにも子供っぽく感じたものでした。ここまで創り上げてきた価値を高く評価すると同時に、この企画が札幌のマチの世界へのプロモーションとしても一層発展することに尽力をすると同時に、これから知恵を出して更に創っていきたいものですね、関係者の皆さま、お疲れさまでした!!!

さっぽろアートステージ2010

Posted by 秋山孝二
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 10月末から12月中旬まで、「さっぽろアートステージ2010:http://www.s-artstage.com/」が開催中です。「舞台芸術部門」「学生音楽部門」「音楽部門」「美術部門」の4部門とひとつの「特別プログラム」で構成されています。

今年のポスターから

今年のポスターから

  「舞台芸術部門」では、「札幌劇場祭」と「第5回北海道中学生演劇発表大会」でした。中学校演劇(http://www.s-artstage.com/2010/tgr/2010/11/848/)では、各地区の予選を通過した6校が作品を披露しました。私はその2つしか観ることが出来ませんでしたが、素晴らしい表現力で感動しました。まさに世界に向けて将来の演劇を背負う人材が、北海道から輩出されるでしょう。指導の先生のご尽力にも頭が下がります。

第5回北海道中学生演劇発表大会で

第5回北海道中学生演劇発表大会で

 「美術部門」では、地下鉄大通駅からバスセンター前を利用した「500メートル美術館:http://www.youtube.com/watch?v=cYsTUVySv0Y」が見事です。

500m美術館

500m美術館

 今年、私は、「舞台芸術部門」の「札幌劇場祭:Theater Go Round 2010:http://www.s-artstage.com/2008/archives/90」の6人の審査員の一人になり、約1ヶ月間、30の演劇(オペラ・人形劇を含め)を観ての審査でした。先日、その締めとして公開審査会と表彰式が、演劇関係者の方々も多数出席して開催されました。

 「TGR札幌劇場祭2010大賞」、「特別賞」、そして「サプライズ賞」の決定。今年は初めての試みで「公開審査会」の形で行われ、なかなかの緊張感でした。日頃はただ、「楽しみながら」の観劇ですが、今回は「審査」という目的もあり、当初は少々緊張して足を運んだものの、時が経つうちにいつもと変わらぬ感じになってくるから不思議ですね。当日も言いましたが、「『スポーツ』とひと言で行っても、柔道、野球、バレーボール、サッカーの試合の中で、誰が一番?」と問われているような、そんな舞台芸術の幅の広さと多様性でしたね。また、「総合芸術」と言われるだけあって、舞台上の役者だけでなく、原作・脚本・演出・音楽・効果・道具等、多くの方々の努力の結晶であることを再確認しました。

 審査発表に向けた審査員会の議論も面白かったです。事前審査で、一人5つの作品をあげる時も、一人一人かなり違っているのです。中には、私としては「?」と思うものでも、「素晴らしかった」とおっしゃる方もいたり、またその逆もあったりで。それ程、演劇というのは「指向性が強い」のかな、とも。結局は、「好き・嫌い」の選考になるのかも知れませんね。個別の感想はまた別の機会に。

 とにかく、北海道の演劇創造を担う方々との新たな出会いに感謝します。

忙しい今年の11月です・・・

Posted by 秋山孝二
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 この二日間の積雪で、すっかり冬化粧となった札幌です。宮の森地区は天気予報よりもやや多いような雪の様子ですが、このまま根雪になりますかね?

二日続きの雪、20センチくらいでしょうか

二日続きの雪、今朝まで25センチくらいでしょうか

  今年の11月は、秋山財団の追加募集も無く、静かに推移するはずだったのですが、私は、「第5回さっぽろアートステージ2010:http://www.s-artstage.com/」の舞台芸術部門の審査員を気軽に引き受けたもので、実は連日の観劇で大変忙しく過ごしています。市内9つの劇場で一カ月で30劇団が上演しています。週末の多い時には一日に3つの芝居を観たり、貴重な体験で楽しくはありますが、創作したことがない素人の私には、選考する「審査」は少々負担ですね。12月5日に「札幌劇場祭大賞:公開審査会・表彰式」が、cube garden(中央区北2東3:http://www.cube-garden.com/pc/)で開催され、それに先立って平田オリザさんの講演会(http://www.h-paf.ne.jp/forum.pdf)も予定されています。

 今晩も、そして12月に入って4日まで、まだまだ上演は続きます。札幌の演劇人たちの情熱に連日感動しながら、いつか彼ら彼女らが芝居だけで暮らしていける、そんな芸術・文化のマチにしたいものですね。日頃使っている脳とは全く別の部位に刺激を受けつつ、今年の11月は過ぎていきそうです。