「震災後」から「戦後」を検証する

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 「九条の会:http://www.9-jo.jp/」の事務局長・小森陽一さんをお招きして、「エンレイソウ9条の会」主催の「原発震災と憲法」と題した講演会がありました。3・11以降の日本の現状を、あらためて憲法に立ち戻って議論を組み立て、貴重なお話でした。

 「日本国憲法(http://www.houko.com/00/01/S21/000.HTM)」の前文

「日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、われらとわれらの子孫のために、諸国民との協和による成果と、わが国全土にわたつて自由のもたらす恵沢を確保し、政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものてあつて、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する。これは人類普遍の原理であり、この憲法は、かかる原理に基くものである。われらは、これに反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する。(後略)

 

* 前文の諸前提が崩れている現状、 「3・11」から問い直す憲法の「主権」者性は、前文と第13条における「生命、自由、幸福追求の権利」の思想に拠り所がある、今、「主権者としての自覚」が重要である(第13条 すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする)

* 第25条の「健康で文化的な最低限度の生活」の思想と「復興計画」の矛盾、生存権に基づく項目として思想の基軸にすべきである(第25条 すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。 国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない)

* 被災地で問い直される福島の子供たちを取り巻く現実、第22条、27条、そして26条の相互関係(第22条 何人も、公共の福祉に反しない限り、居住、移転及び職業選択の自由を有する。 何人も、外国に移住し、又は国籍を離脱する自由を侵されない:第27条 すべて国民は、勤労の権利を有し、義務を負ふ:第26条 すべて国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する)

* ヒロシマ・ナガサキの被爆者たちへの裏切りとしての「フクシマ」

* 「軍国主義の時代」から「原発主義の時代」への同質的な社会構造の移行、「震災後」から「戦後」を検証すべきである

* 3・11以降の日本では、「立憲政治」が行われていると言えるのだろうか、今、私たちが主権者としての自覚を持って事に当たらなければ誰が国を縛ることが出来るのか

* 現在の放射能汚染の諸基準は、ヒロシマ・ナガサキ、そして100キロ圏外にも関わらず被曝した1954年の第五福竜丸の犠牲に基づいて、医師・研究者により設定されたものである

* メディアに踊る言葉:「原子力神話」は、本当の「神話」に失礼である。「原発アレルギー」、そんなアレルギーなど存在しない

* 丸山真男が「現代政治の思想と行動:http://www.geocities.co.jp/fwtetsu/maruyama.html」で語るように、「無責任の体系」と「犠牲」が一対となって進行してきた、典型的な「フクシマ原発」である

* 復興議論中で、町の歴史の尊重か、新自由主義の復活か、引き続きの見極めが重要

* 今こそ、「原子力発電」は何をもたらすか、これまで何をもって「安全」と言ってきたかを検証すべきである。安全性の実証などどこにもなく、最終処分も全くの未知である

* 「脱原発」への政策転換とエネルギー政策の転換

* 「3・11」の経験と憲法九条の思想の統一

   1) オキナワとフクシマを同時に捉える視点に基づく東アジアの平和構想

   2 )放射能被害の拡大を食い止め、生命・健康・地域社会の健全を最優先させる政策へ

   3) 「大連立政権」と憲法改悪と原発推進勢力の一体化に対して、草の根で対抗する重要性

   4) 「核抑止力」と「安全な原発」の考え方が、同じ根を持っていることを明らかにする対話運動を!

 

 そして最後に、これまで「唯一の被爆国」であり、国際社会の中で「核廃絶」を主張する立場だった日本国が、3・11以降、「原発テロ国家」になってしまった、と。これからは、たとえば漁業関係者がアジアと草の根で連帯する方策、本当の復興とはどういう形かを議論する文化を醸成していこう、と結ばれました。

前田一歩園財団の理念と実践(2)

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 二日目は、財団の新井田利光常務理事、西田力博部長、酒井賢一係長のご説明で、阿寒湖北「一歩園・湖北の森」でのワークショップでした。パンケトーから阿寒湖に流れるイベシベツ川を上ってパンケトー畔まで、ポイントポイントで解説を聴き、針広混交林・倒木更新・萌芽更新等の森林樹木編、湿地、キノコ類、川の生態等、あらためて森の多様性と奥深さに圧倒されました。

阿寒湖近くの川面

阿寒湖近くの川面

パンケトウから阿寒湖への急流で

川真珠の群生

川真珠貝がびっしり

パンケトウ湖畔から山並みを臨む(背景の雄阿寒岳は霧の中)

パンケトー湖畔から山並みを臨む(背景の雄阿寒岳は霧の中)

 管理山林は、全域が阿寒国立公園に包含されていて、水源かん養保安林、風致保安林など保安林指定にもなっています。さらに、鳥獣保護区の指定を受けているので、自然環境の保全には特段の配慮が欠かせないとのこと。財団では前田一歩園財団 “森づくり 6カ条”を打ち立てて、森づくり活動を行っています。

第一条 一度に大面積にわたり一斉に木を切らない――>皆伐を行わない

第二条 300年前の姿に戻す――>山全体で針葉樹と広葉樹の割合を70:30とする

第三条 鳥や動物の巣になる木は切らない――>大径木、景観木、鳥獣類の営巣木、貴重木などは努めて保残する

第四条 川のそばの木は切らない――>河川の流域は原則禁伐とする

第五条 大人の木も、子供の木もある山にする――>人工林の上木と天然性幼稚樹を保残育成する

第六条 木の無いところには木を植える――>更新不良地には植え込みを行う

 

 私はこれまで阿寒湖畔には数回行ってはいましたが、湖北を歩いたのは初めてで、温泉街とは違った「自然」の姿を垣間見た気がします。川の流れの音、植物のかもしだす香り、パンケトー湖畔の静寂、写真に映った緑の多様性とエネルギー等、全てが新鮮な驚きでした。

 戦前・戦後と幾多の困難な時期、特に高度成長期・バブル経済期の「開発」という名の破壊行為をも跳ね返してこられた前田一歩園さんのこれまでのご努力に心から敬意を表するとともに、今後の益々のご活躍を祈念しています、この度はありがとうございました。

前田一歩園財団の理念と実践(1)

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 NPO法人・北海道市民環境ネットワーク(http://www.kitanet.org/index.html)が主催し、この度、北海道の道東・阿寒の「前田一歩園財団:http://www.ippoen.or.jp/」の多大なご協力を得て、「森づくりセミナー」が一泊二日で行われました。

阿寒湖北側の一歩園財団の森

阿寒湖北側の一歩園財団の森

~~~~深々と水をたたえてマリモが生息する湖と、その湖面を囲む広大な森林を有する阿寒国立公園:昭和9(1934)年指定。「この景観はスイスのそれにも比肩する。阿寒の山林は切る山ではなく、見る山だ」といったのは前田一歩園の初代園主・前田正名(まさな)翁でした。その自然への思想は子息の正次(まさじ)、光子夫妻へと受け継がれました。ことに“阿寒の母”と慕われた故光子さんは「『自然を保護する』という言葉さえも人間の傲慢であり、自然に人間が保護されているのだ。前田家の財産はすべて公共事業の財源とす」の家憲を体現するため、全財産を投じて宿願の『前田一歩園財団』を昭和58(1983)年に設立、その18日後に世を去ります。いま、その遺志を継いだ財団は、阿寒の森を守り、森林保全の施業と環境思想の普及に貢献する事業を着々と進めています。~~HPより(http://www.ippoen.or.jp/naritatsi1.htm

 「りんゆう観光(株):http://www.rinyu.co.jp/index.php」のウェッブマガジン「カムイミンタラ」にも、その歴史・理念が紹介されています(http://kamuimintara.net/detail.php?rskey=34198909t01)。

 セミナー一日目は、ゲストハウスで前田三郎理事長のお話と新井田利光常務理事の現況報告、続いて山本光一課長のガイドで財団事務所そばの「ボッケの森」散策でした。「一歩園」は正名の座右の銘「物ごと万事に一歩が大切」に由来すること他、いずれも歴史の重みと設立趣旨・哲学を分かりやすくお話して頂き、あらためて森を守る意気込みも感じ取りました。今風に言えば、「民が担う公共」の原点がここにあり、日本でも草分け的存在です。前田三郎理事長は、秋山財団設立以来、評議員として18年間ご指導して頂き、初代の評議員会議長も務められました。

阿寒湖南岸・ボッケから雄阿寒岳を臨む

阿寒湖南岸・ボッケから雄阿寒岳を臨む

前田光子記念館(旧ゲストハウス)外観

前田光子記念館(旧ゲストハウス)外観

ゲストハウス内でセミナー:前田三郎理事長のお話

ゲストハウス内でセミナー:前田三郎理事長のお話

 今年は、このすぐ近くでも熊が数回目撃されて数日間通行禁止になったとか、まぁ熊のテリトリーですから、それ程驚くことでもないですかね。地面から湧き出る温泉、熱を帯びた散策路の岩盤等、火山群の中にある湖畔も実感出来ました。思えば、雄阿寒岳・雌阿寒岳はじめ、周辺にはたくさんの火山があり、古阿寒湖の面影、ペンケトー・パンケトー等の湖も大自然の変わって来た今の姿です。何か大自然のとてつもないエネルギーを感じとり、畏敬の念を抱きます。

北海道エネルギーチェンジ100!

Posted by 秋山孝二
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北海道エネルギーチェンジ100プロジェクト」とは

 豊かな北海道の環境を未来の子どもたちに引き継ぎたい。安全・安心な資源を被災した方に届けたい。北海道の地産地消エネルギー最大限の活用、さらに自然エネルギーアイランドへのシフトをめざす団体・個人が、声をあげ、北海道の未来をつくるための提案を行うとともに、北海道の「北海道省エネルギー・新エネルギー促進条例」の周知と、自然エネルギー推進のために活動する市民活動の支援ネットワークをつくるプロジェクトです。

WEB◆http://www.enechan100.com/

Facebook◆http://www.facebook.com/enecha​n100

Twitter◆https://twitter.com/#!/enechan​100

毎日新聞朝刊に掲載(http://mainichi.jp/hokkaido/news/20110709hog00m040004000c.html

<4つのアクション>

1.私たちは、北海道の「北海道省エネルギー・新エネルギー促進条例:http://www.pref.hokkaido.lg.jp/kz/kke/johrei/johrei.htm」を支持し、自然力100%の北海道を実現します。~~みんさんの「エネルギーチェンジ宣言」を、HPに掲載します~~

2.私たちは、北海道の市民の力を結集して、自然エネルギー100%を実現するためのロードマップをつくります。

3.私たちは、北海道の産学官民を結び、持続可能な自然エネルギー政策実現の働きかけを行います。

4.私たちは、北海道の生物多様性と自然エネルギーの共存を実現するために活動します。

呼びかけ人

秋山孝二(NPO法人北海道市民環境ネットワーク 理事長)
金子正美( 酪農学園大学 環境共生学類 教授)
藤田郁男(環境学習フォーラム北海道代表)
岩井尚人(プロジェクトデザインセンター 専務理事)
高木晴光(NPO法人ねおす 理事長)
草野竹史(環境NGO ezorock 代表理事)

北海道エネルギーチェンジ100プロジェクト事務局

事務局長 宮本尚
岩井尚人 有坂美紀 松本公洋 相蘇かおり 黒子奈美江 

 

札幌市中央区南9条西3丁目1-6 彩木ビル2
NPO
法人北海道市民環境ネットワーク内
電話  011-531-0482  FAX  011-531-0483
E-mail
 e-office★enechan100.com@に変えて送信してください)

 本活動に、資金協力をお願いいたします。
使用目的/広報費・郵送費・印刷費・交通費等。
収支につきましては随時、本ホームページに掲載していきます。

寄付窓口
1
)ゆうちょ銀行 振替口座 口座番号 02760-3-84980 口座名義 北海道エネルギーチエンジ100
 他銀行から振り込む場合は
 ゆうちょ銀行 二七九店 当座預金 口座番号 0084980 
 口座名義 北海道エネルギーチエンジ100 (ホツカイドウエネルギーチエンジヒヤク)
 2)NPO北海道市民環境ネットワークの口座に振り込み(事前にメール、電話等でその旨をお知らせください。)
北洋銀行 本店営業部  普通預金 口座番号  2292978  
口座名義  トクヒ)ホツカイドウシミンカンキヨウネツトワーク
楽天銀行  ビート支店(210) 普通預金(1) 口座番号 7027982
口座名義  トクヒ)ホツカイドウシミンカンキヨウネツトワーク
近日、カードでのお振り込みも可能になります。もうしばらくお待ちください。

請求書・領収書の発行が可能です。事務局にその旨、お伝えください。

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 地に足をしっかり着けた取り組み、全国でもこんな取り組みが始まっています(http://ishes.org/news/2011/inws_id000118.html)。

 来週札幌ではこのような集会も予定されています。

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「子どもの未来と、食を守るネットワーク」~北海道の大地にたねをまこう~

第2回 意見交換会のご案内

子どもたちの未来と食を守るために私たちが出来ることは何か、

また、しなければいけないことは何か・・・

想いをひとつにし、認識を新たにするための1回目の意見交換会には、

たくさんのみなさまの参加を得ることが出来ました。

そして、様々なメッセージも頂きました。

その想いを共有し、さらに一歩踏み込んでネットワークをより有益なものとするために、第2回意見交換会を開催いたします。

前回以上のみなさまの参加をお待ちしています。

 

今回のメッセンジャーは、以下の方々を予定しています。(順不同)

 

①安斎伸也氏 福島市庭坂「あんざい果樹園」4代目 

②上島信一氏 北海道コカコーラボトリング執行役員(CSR担当)

③大島美貴子氏 神奈川の座間で麦っ子畑保育園 園長

④秋山孝二氏 NPO法人北海道市民環境ネットワーク理事長

開催日時 2011年7月22日() 午後6時30分~午後9時

開催場所 「札幌エルプラザ」3階ホール 札幌市中央区北8西3

 

今回は、資料代として、ネットワーク会員500円、

非会員1000円を頂きたいと考えています。ご協力よろしくお願いいたします。 

  

開催呼びかけ人代表

荒川義人 (天使大学教授)

       湯浅優子 (北海道スローフード・フレンズ リーダー)

                開催事務局 オフィスアイズ 今宮廉

                        問い合わせ先 011-215-8871

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 首都圏以外の「地方」から、今、エネルギー自給への模索が始まっています。今後のエネルギーについて、地域にあるものを棚卸して、その地に暮らす全ての人たちで、将来のエネルギー資源について議論し、提言していこうではありませんか!!

名古屋は、今

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 先日、ほぼ1年ぶりに名古屋に行く機会がありました。(株)スズケン(http://www.suzuken.co.jp/)の代表取締役副社長として、私は4年8ヶ月名古屋に居りました、とは言っていも、東京を主として全国への出張が多く、名古屋に留まっていたのは月10日程度だったでしょうか。週末の空いた時間に、街なかを随分一人で歩き回りましたね。

 名古屋は道が広いと言われますが、一歩メイン通りを中に入ると、昔の城下町ほかの風情を残した小路が今もたくさん残っています。今回、都会の喧騒から少し離れた堀川沿いの四間道(しけみち:http://matinami.o.oo7.jp/tyubu-tokai2/sikenmiti.htm)にある「右近:http://www.jfood-ukon.com/welcome.html」でひと時を過ごしました。江戸時代は名古屋城の城下町として賑わいをみせていた界隈です。四間道は元禄13(1700)年の大火の後、道幅を四間(約7メートル)に拡張して、東側に石垣を積み、土蔵を建てて火事を防いだと言われています。

堀川の畔、「右近」周辺で風情ある街並み

堀川の畔、「右近」周辺で風情ある街並み

店内の古地図

店内の古地図

  もう一つの大きな目的は、NPO法人地域の未来・志援センター(http://www.c-mirai.org/)の萩原喜之理事長との意見交換でした。萩原さんは、NPO法人中部リサイクル運動市民の会(http://www.es-net.jp/)、NPO法人エコデザイン市民社会フォーラム(http://eem.jp/ecode/)においても重要な役割を担っていらっしゃる市民活動一筋の草分けです。

愛知万博での地域通貨

愛知万博での地域通貨:EEM金町駅のお店で

 3・11以降のエネルギー政策に関して、企業・市民から代替エネルギーへの提案を行うべく、萩原さんは今、経済団体とのコラボを企画していて、つい先日立ち上げた北海道の「エネルギーチェンジ100プロジェクト:WEB◆http://www.enechan100.com/、Facebook◆http://www.facebook.com/enecha​n100 、Twitter◆https://twitter.com/#!/enechan​100」とも、どこかでコラボレイトできる可能性を確信しました。首都圏以外の「地方」から、今、エネルギー自給への模索が始まっています。

「株主総会」とマスメディア

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 6月末は3月期決算上場会社の株主総会が相次いで開催され、その様子は毎年この時期、テレビ・新聞紙面を賑わして、まるで「6月の風物詩?」ですね、最近ではインターネットでのライブも臨場感いっぱいです。

 私は、未上場会社、札幌証券取引所上場会社、東京証券取引所上場会社の代表取締役として、この株主総会に企業側としてヒナ段に並び、議長も7年務めました。この経験からすると、株主総会に関するマスメディアの報道が、いかにも違和感があり、何かの機会にその辺を発信したいなと思っていました。今年3月、東電福島原発の大惨事が起こり、各地電力会社の総会、とりわけ東京電力の株主総会が今年は注目されていましたし、少しコメントしたいと思います。

 電力会社の場合は企業とは言え、「地域独占企業」という極めて特殊な立場ですから、いわゆる厳しい企業間競争の中にいる「一般民間企業」とはかなり様子を異にすることは考慮しなければなりませんね、顧客は選択の余地なく電気に依存せざるを得ないのです、私はそれゆえに電力会社の経営者には、特段の「顧客に対するサービス精神」と「社会への責任」があるのだと思いますが。

 まず、一般の企業側からすると、そもそも「株主総会」というのは、建前としては経営の最高決定機関ではありますが、その場で議論を沸騰させて決める場とは考えていないでしょう。日々リスクを背負って、まさに24時間勤務で企業活動に目配りしている代表取締役から見ると、1年に一回、総会に出かけてきて勝手なことを言って大騒ぎする(失礼!)少数株主は、必ずしも歓迎する方々でないと思うのは、ある意味で当然のことです。こんなこともありました、ある年、ひどい質問が出された総会があり、終了後の控室で思わず副社長が、「そんなに文句が有るのなら、さっさと株を売ればいいんだ!何も株主総会に出かけて来て、下らない質問もないだろう、株主には売る自由があるはずだ!」と怒っていました。

 大株主とは日常的に情況報告・アドバイス等で意見交換しているでしょうし、日頃から信頼関係を築くために最大・細心の配慮をしているはずです。また、企業の総務部は、訪れる株主への情報開示・説明等をいつも整えています、いわば「ご意見はいつでもお聴きする体制を取っている」状態ですね。 以上のような現状からすると、株主総会では、経営陣として形式上どうしても予定通りに成立させなければならないとすると、出来るだけ速やかに終了させようと努力するのは、ある意味で当たり前の姿勢かと。事前に十分な準備をして限りなく速やかに終了し、最近では同時に、「株主の声に耳を傾けています、大切にしています」というパフォーマンスも重要だとは思う、そんなマインドでしょうか。ですから委任状により開会前から成立している現実、社章を外し、年休を取らせ、前方数列を陣取る、或いは会場に散らばらせた社員株主に大きな拍手をさせる(以前は「異議なし、議事進行!」の威圧するような大きな声:まるでヤ○ザです)パフォーマンスも理解できはしませんか?

 今思うと、未上場会社の株主総会の方が、真面目で真剣な経営者のやりたいようにできる環境があります。(株)秋山愛生舘の場合も、未上場の時はホテルの小じんまりした一室で総会、その後は隣の部屋で昼食懇談会で日頃の感謝と意見交換、まさに理想的な場でした、特に上場した後の株主総会を経験すると、一層その感を強くしましたね。「株主の声を聴く」ことの原点がそこにあったからだと思います、会社をこよなく愛している方々が株主だったとも言えましょうか。上場すると「株主」の価値観が違いますね、経営者として株主と対峙して一番感じる違いでした。怒号とヤジが飛び交う株主総会、それ自体が資本主義のグロテスクな姿、未熟な企業のような気がします。

 一方メディアは株主総会をどう伝えてきたのか、これがまた変わらずひどい姿勢です。今から20年くらい前、地元新聞の記者はあらかじめ電話をよこして、「30分を越えたら連絡して下さい(?)」です、明らかに「長引いた総会は問題あり」の世界でした。几帳面に「35分で終了しました」と連絡すると、物足りなそうに「ああそうですか」の素気ない返事で。ところが、これが2000年くらいを境に大きく変わってきました、短く終了した会社は「株主の声を聞いていない」、と叩き始めたのです。企業側のアドバイスする弁護士陣も、期を同じくして事前指導に変化が出て来ました、「紋切り型ではなく、誠実に説明する姿勢が大切です」と。ある時は私は、「株主席から何かモノが投げつけられたら議長としてどうしたらいいでしょうか?」と冗談めいて聞くと、「当たって眉間から血を流すくらいがいいです」と真面目に回答がかえってきて驚いたこともあったり。

 相変わらずなのは、株主総会の価値をただひたすら「所要時間」でのみ評価している視点です、メディアの貧困・見識の無さですね。そんな報道ばかりだからこそ、企業側も強引に一気に議事進行せず、「適当な時間を費やして」アリバイをつくり、あらかじめ予定した時間で「打ち切り動議」を企業関係株主が提案して、採決・拍手多数で終了へと、「予定通り」のシナリオです。

 今回の電力会社株主総会後の新聞各紙、「脱原発株主ら無力感」、「建設的議論ない」等、私からすれば「何を今さら」ですね、メディアは株主総会を全く分かっていない、さもなくば明らかに「原発推進に加担している」姿です。株主総会はどんなにたくさんの出席者であっても「株主」の集まりでしかない、そこで電力会社の存在自体を議論することは不可能ですし、定款の目的事項を議論するのもかなり無理があります。勿論、それを承知でパフォーマンスの場と割り切ってのプレゼンスであればそれはそれで目標達成です。

 株主総会でどうあれ、3・11以降の日本社会は、まさに「放射能とともに生きる世界」になったことに何の変わりもありませんし、社会的議論が必要です。今、私たちは真剣に自然エネルギーへのシフト、制御不可能な原子力から離脱(これも実際は長期間必要)を、迅速に、自分のフィールドから始めなければなりません。

エネルギーシフトで New Japan!

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 首相官邸において、「これからの自然エネルギーへの大シフトを目指して」の公開会議(http://nettv.gov-online.go.jp/prg/prg4972.html)が開催されました。一堂に集まって総理との懇談会、率直な意見と提言を行い、「これから、どう自然エネルギーを普及させていけばよいか」について、積極的な意見交換でした。新たな試みとして、この会議の模様はインターネットを通じて動画中継を行い、ツイッターでの質問を受けることにより、テーマに関心あるすべての国民とメディアがリアルタイムで参加できる「オープン懇談会」となりました。5万人以上の方々がライブで視聴し、8万人の方々がその後もアクセスが続いているようです。参加有識者(五十音順)は、次の方々でした。

 ・ 枝廣淳子 環境ジャーナリスト(資料:http://t.co/lXzfn7Y
 ・ 岡田武史 元サッカー日本代表監督
 ・ 小林武史 ap bank代表理事
 ・ 坂本龍一 ミュージシャン(ビデオメッセージによる参加)
 ・ 孫 正義 ソフトバンク社長(資料:http://minnade-ganbaro.jp/res/presentation/2011/0422.pdf

[司会]藤沢久美 シンクタンク・ソフィアバンク副代表

 

 その前日、「6・11 New Japan!」、全世界100か所・100万人以上でこの日開催されて、10数ヶ国、60を越える地域からの中継も行われました。インディペンデントメディアにより、全編で10時間を越える録画です、新しい世代による新しい表現ですね。この企画のテーマソングにもなりましたが、齊藤和義さんの唄もいいです!(http://www.youtube.com/watch?v=b01yohRgfyc&feature=related

1/4 http://www.ustream.tv/recorded/15299170
2/4 http://www.ustream.tv/recorded/15303240
3/4 http://www.ustream.tv/recorded/15306642
4/4 http://www.ustream.tv/recorded/15309276

  翌日の全国の新聞やニュースなど報道で、この2万人の新宿アルタ前のデモなどがほとんど報道されなかったのも、また日本の現実のようです。朝日新聞、北海道新聞には、デモの様子など中心に大きくはないですが掲載されていましたが。この番組の出演者(一部・VTR含)は次の方々です: 岩上安身、前田真理、斉藤和義、池田香代子、森ゆうこ、保坂展人、木野龍逸、日隅一雄、孫崎 亨、武田邦彦、広瀬 隆、岩井俊二、藤波 心、小林武史、湯川礼子、河野太郎、松田美由紀、石井麻木、飯田哲也、キャンルジュン、一青窈 、マエキタミヤコ、福島瑞穂、おしどり夫婦、小出裕章

 一方海外向けにも発信されています(http://www.youtube.com/uniontube55?gl=JP&hl=ja)。

 

 このところ都内の地下鉄駅改札では、こんな電光掲示板も見かけます、先日の東京駅丸の内口でも同じものでしょうかね。

地下鉄駅改札口で

地下鉄駅改札口で

 来月からの節電体制に向けて、企業系もいろいろな工夫を始めています。15%が国の要請目標ですが、かなりの企業はそれを上回る目標を掲げて知恵を出していますね。これまで2回の石油危機を乗り越えた日本企業は、その後、飛躍的に国際競争力をつけました。今回もこれをきっかけに力をつけて貰いたいですね、簡単に「どうしたらいいか苦慮している」などとは言って貰いたくないですね。首相官邸で岡田元監督がおっしゃっていましたが、日本人の現場レベルの高い把握能力、折り合いをつけての迅速な解決能力等の国民性レベルを考えると、必ず乗り越えて新たな競争力を獲得すると思います!

カカフカカ & SWEET SOUL

Posted by 秋山孝二
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 少し前になりましたが、札幌市西区琴似の コンカリーニョ(http://www.concarino.or.jp/)で行われた、「『劇をつくるということ』プロジェクト第2期 発表公演ー『カカフカカ~私たちはいつもハイかイイエの波の中を生きている~http://gekiws.blog11.fc2.com/』」、このタイトル、何なのか?と少々戸惑いましたが、「可か、不可か」と言うことで、理解できました。私が観た公演では、桟敷席が出て通路まで埋まるほどのお客様でした、若い世代が多かったような気がします、嬉しいですね!

若い人たちで超満員!

若い人たちで超満員!

終演後も舞台には、椅子のオブジェ?

終演後も舞台には、椅子のオブジェ?

  これからの演劇を担う若い方々の熱演で、観客も含めて空間全体の熱気が充満していたような気がします、楽しみですね。

 一方、シアターZoo(http://www.h-paf.ne.jp/ogist/index.html)では、弦巻楽団(http://tgakudan.blog98.fc2.com/)の「Sweet Soul」、ストーリーは怖いのですが、推理小説のようでしたね。ポイント・伏線のセリフとか場面が盛り込まれていて、「アッ、そーか!」みたいな面白さを感じました、引き続き楽しみです。

 「舞台の力」、「ほとばしるエネルギー」というのでしょうか、以前にも似たようなことを書きました(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=7983)、「3・11」以降続く何となく鬱陶しい気持の中、脳の違う部位が刺激されてリフレッシュできるのは幸せです。

ある結婚式にて

Posted by 秋山孝二
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  私の親友K.Aの息子さんが東京で結婚するにあたり、彼の厚意で招待を受けたので、先日今風の結婚式に出席しました。60名程の出席者、殆どは20代・30代の若い方々ばかり、結婚式は人前での誓い、披露宴は仲人の代わり(?)に入口前のスノーボードに託されたメッセージでした。二人は冬のスノーボードが出会いだったとか。

披露宴入口で

披露宴入口で:スノーボードに描かれたメッセージ

 仲人が新郎・新婦の両サイドに立って、というのが一般的だった昔に比べて、今はヒナ段はカップルだけ。でも何の違和感も無いですから昔は何だったのか、とも思います。全体を通して新郎・新婦の出番の多い企画、ケーキ一つとっても二人ばかりでなく母親が登場したり、会場スタッフと二人の事前の再三の打ち合わせで、盛りだくさんのプログラムでした。カメラの絵になる場面が実に多く、後日出来上がるだろう写真集が楽しみです。

 企業経営者時代に、社員の仲人を頼まれる時も多かったのを懐かしく思い出します。直接の出会いには関わっていないのに、「仲人」の務めとして新郎・新婦を紹介し、披露宴では終始ヒナ壇に出ずっぱりで座り続ける、今考えると、実に僭越な役回りでした。

 K.Aと始まる前に話をしていたのですが、20代とか30代の若い世代を前にすると、今日の状況下、我々の世代は何か「こんな世の中にしてしまって申し訳ない」と謝罪の言葉から始めなければならない心境だよね、と。国家財政の膨大な負債、原発を止められずに放射能汚染された海・大地・空気等・・・・。第二次世界大戦後の平和な時代に生まれ、高度成長期を一生懸命それなりに社会のため、家族のためと仕事一筋に働いてきた私たちの世代、浪費したつもりは無いのだけれど、バブル崩壊以後の「平成生まれ世代」からは、高度成長を謳歌しただけ(?)の私たち、結果的には行き過ぎた「消費社会」を造り出してしまった、そんな自責の念でしょうか。

 披露宴の出席者の中で、同じテーブルの2歳くらいの男の子、隣のテーブルの来月生まれてくる新たないのちを宿した近未来の母、日本の地域医療に意欲も燃やす医学生、そして輝くような若い世代の男女達を見ながら、思わず視線を下げる自分に気がつきました。同じ気持を共有する親友のK.Aは、その気持を最後の新郎の父の挨拶の中で語ろうと準備をしていたのですが、本番ではさすがに胸が詰まり、ただ「ありがとうございました」と言うのが精一杯のようでした。

 

 先日、北海道大学教授・山口二郎先生(http://www.yamaguchijiro.com/)が主宰する「フォーラム in 札幌時計台~パラダイムの転換http://yamaguchijiro.img.jugem.jp/20110410_1781910.jpg」がありました。「閉塞を嘆くばかりでは何も変わらない」という副題でしたが、その中で、政治の世界で、「未来への責任」という概念がいかに構造的に困難かが話題になり、大変興味深いお話でした。政党の理念として「未来への責任」と語っても、その「未来」を担う人々が、今現在は選挙権がない、まだこの世に生れてきていない、言葉がない等、「票」の獲得で、政治というのがどうしても目の前の課題解決に終始せざるを得ない構造があるというのです。確かに、公共投資・福祉財源としての国債発行、子どもの政策といっても次代を担う世代のためと言うより、「子ども手当」として現在の親への支援として実行してしまう、負債・改革の先送り、そんな繰り返しが今日の危機を招いているのでしょう。

 さらに、戦後、「一億総ざんげ」と時の総理大臣が国民に言い放ったように、今の原発事故の推移を見ていると、責任の所在を曖昧にしてしまう発言・報道がみるけられるとも。責任の概念を4つのレベルに分ける必要性、すなわち、「犯罪」、「政治的」、「道徳的」、「メタフィジカル(歴史に対して)」の説明は分かりやすかったです。

 そしてもう一つ、現在の原発事故等でも象徴される「リスク社会」についての言及もありました。「リスク社会」の特徴は、1)大変大きな破局的被害、2)確率はかなり小さく計算が困難、であるがゆえに、今までのような合理的・効率的概念では対応が難しいというのです。原発事故は、飛行機の墜落事故・自動車事故、とは基本的に異質なリスクです。普通のリスクの場合、伝統的なアイディアでは、起きる確率に対して「中庸をゆく」みたいな対策、「保険を掛ける」的発想が功を奏してきたのですが、現在のリスク社会では、中途半端な対策では何の役にも立たちません。

 そんな意味では、原発に関しては「事故が起こる」からではなく、「放射能」が制御できないものであるゆえに、地球上には在ってはいけない「存在」なのだと思います。生物的でない、普通に稼働している時でも危険、終わって廃炉にしても危険、と言えましょう。パラダイム転換、エネルギー政策の転換が必須です。

 朝日新聞の5月13日朝刊に、ドイツの社会学者・ウルリッヒ・ベック氏の論説が掲載されていました。そのタイトルは「限界のないリスク、近代社会が生んだ不確実性の象徴」、「産業界や専門家に判断独占させず、市民の関与を進めよ」、とありました。

 「原子力発電」、「地球温暖化」、「国際金融」、「テロ」等、現在のグローバルな課題に直面する「リスク社会」という認識の中で、社会への関与を一人の市民として一層強める、それが成熟した「シビル・ソサイアティ」なのでしょう。

 結婚式に参加して続いてのフォーラムにより、若いカップルの心からの幸せを祝福しながら、新しい時代の視座を獲得した気がします。

<追加コメント:17日> 政治では「未来への責任」を受け止めるのが難しいとしても、一人一人の市民意識、市民活動として「未来への責任」を提起することこそ、今重要になっている時代なのではないか、それが最終フレーズの「新しい時代の視座」ということです。投票行動を通して政治・議会に期待する一方で、シビルソサイアティの自立した市民としての意思表示、それを支える寄付金は、税金とともに車の両輪となるべきだとも思います。

大震災から2カ月以上を経て・・・

Posted by 秋山孝二
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 あっという間に「3・11」から2か月が過ぎました。この間私は、東京方面には4回程出張しましたが、様々な場で3・11以前と明らかに違っている世界も感じます。ただ、仕事場として移動・活動するのには、何の不都合もありません、これで十分です、いやもっと節約しても構いません。さらに自分のライフスタイルで「節電」に努めること、それは限られた電力を他の必要としている方々へ「贈与」することであり、これこそ「絆:きずな」の証明でしょう。

誰もいない到着ロビーへの道

誰もいない羽田空港到着ロビーへの道(2週間後)

節電努力:外資系金融機関が集まるテナントビル

節電努力:外資系金融機関が集まる都内テナントビル

節電努力:都内ホテルで

節電努力:都内ホテルで

 テレビ・新聞報道、東京電力経営者、経産省、原子力村の学者たちには、憤りだらけですが、一方、時が経つにつれて、優れたメッセージもたくさん目にするようになってきています。

 まずは、以前から尊敬す方のブログ「凛和総合研究所http://www.linhwa.jp/」です。今回、その中で紹介されている「復興か創造か―これからの文明―:http://www.tkfd.or.jp/topics/detail.php?id=268」は、その構想力に感服します。

 もう一つは、岩波書店月刊誌「世界2011年5月号『生きよう!』、6月号『原子力からの脱出』:http://www.iwanami.co.jp/sekai/」です。多くの識者が一連の災害・原発事故をどう受け止めて、新しい日本国建設に対する具体的方策も提起していて、読み応えがあります。この所あまり縁もなかった週刊誌も、この2カ月いつになく買い求めて読んでいます、知らない事実がたくさんあり、存在感抜群です!

 テレビ番組では、「チェルノブイリ原発事故」から25周年の今年、これをテーマとした深夜のNHK-BS放送ドキュメンタリー連続番組、「永遠のチェルノブイリ」「被曝の森はいま」「見えない敵」、5年前の「汚された大地で ~チェルノブイリ 20年後の真実」ほか、貴重なメッセージです、まさに「想定内」の内部被曝の現実に、私たちは歴史から学ぶ真摯な姿勢でなければなりません(http://www.nhk.or.jp/wdoc-blog/200/77575.html)。引き続き来週も特集があるようです。

 私なりには、取り敢えず浜岡原発は停止が決定しましたし、少しずつ動きが出てきているのを感じています。ただ、福島原発は炉心溶融、高濃度汚染水垂れ流しほか、ますます深刻な状態が明るみに出てきて、緊張感が高まります、これ以上悪化しない努力を期待するしかありません。

 等身大の身近な所では、これまでの「天気予報」とともに、放射能測定モニタリングデータに基づく「放射能・線量予報」、電気供給量と消費量を日々明示する「電気予報」を設定し、毎日数回告知することを提案したいです、すでに始まっているようでもあり、先日東京駅で、可能電気供給量と消費量を明示する電光掲示板を見ました。

 「日常性を取り戻すことが支援につながる」と、被災の現実から安易に眼を遠ざける都会人の上滑りな風潮は気になります。3・11がエネルギー・食の大転換点であること、放射能と共に暮らす時代を直視して、改革することから逃げてはならないことに変わりはありません。

 自分的には、北海道の資源を棚卸して、代替エネルギーの提案も模索したいですね、「火山国家」、「海洋国家」を逆手にとって、エネルギーを創り出すみたいな構想を持ちましょうよ、北海道電力にも積極的に提案したいし、北海道なら必ず出来る、そんな気がします。うつろな「がんばろう、ニッポン」、「ひとりじゃない」の連呼よりも、個々人のライフスタイルの変革で連帯する、それが地に着いた「支援」というものでしょう!!

ロシアと北海道のこれまで、これから

Posted by 秋山孝二
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 異業種交流の「北を語る会」第83回例会は、札幌市内のロシア領事館(http://www1.odn.ne.jp/ruscons_sapporo/japvisa.htm)で行われました。今回は、在札幌ロシア連邦総領事のワシーリ・サープリンさんの特別講演、ロシア民謡・歌曲の声楽家・中川速男さんのライブで、春の夜、素晴らしいひと時でした。

在札幌ロシア連邦総領事・ワシーリ・サープリンさん

在札幌ロシア連邦総領事 ワシーリ・サープリンさん(Vassili Saplin)

 中川さんの唄、特にトロイカの原曲、「郵便トロイカが走る:http://www.youtube.com/watch?v=ODrd6jSYwHQ」は、何と悲しいストーリーだったことか。最後の「鶴:http://www.youtube.com/watch?v=FoVMFCJ6pyY」も良かったですね、重厚な中に物悲しさが漂い、ロシア文化の奥行きを感じる素晴らしい歌声でした。

 ロシア民謡といえば、カチューシャ(http://www.youtube.com/watch?v=IHlq_P5CI18&feature=related)、赤軍合唱団(http://www.youtube.com/watch?v=lsUP8YusEg0)でしょうか。

 サープリンさんのお話は、17世紀からカムチャツカ・サハリンに交易目的でロシア人は来ていた歴史に始まり、「赤蝦夷」と呼ばれた「赤」は、コサックの赤い服からそう呼ばれたこと、その後しばしばカムチャツカ知事の交易状を携えて北海道に寄港している事実等でした。ラクスマン、ゴローニンも函館を訪問しています。1855年下田条約締結により、長崎・下田・函館にロシア領事館が開設され、函館の初代ロシア領事はゴシュケヴィッチでした(http://orthodox-hakodate.jp/history)。函館港は不凍港として重宝がられ、軍艦・商船が来航して、北海道の国際交流は、ロシアとの歴史が最も古いのでしょう、少なくともアメリカとではないようです。

 それ以来、北海道はロシアの窓口となり、独自の交易を始めていました。今、ロシアは、2008年の経済危機を乗り越え、日本ともっと深く新しい交流の可能性を期待しているようです。LNG等のエネルギー、IT、科学技術、建設技術、農業(特にサハリンで)分野でですね。平和条約は難しくても、「北方四島を特別区で共同開発」といった具体的提案もありました。

 3・11を経て、全く新しい露日関係構築の絶好の機会であると結ばれました。今回の締めの乾杯、私は近くのテーブルにあった特上ウォッカのストレートでした。芸術・文化の厚みを感じたひと時、しばしテクテク歩いて余韻を楽しみ、家路に着きました。

孫正義氏の記者会見

Posted by 秋山孝二
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 「エネルギー政策の転換に向けて」と題し、ソフトバンク(http://mb.softbank.jp/mb/customer.html)社長・孫正義氏の記者会見が、22日、自由報道協会http://fpaj.jp/)主催で行われました(http://fpaj.jp/news/archives/2500)。東日本大震災の復興プロジェクト例「東日本ソーラーベルト構想」、「自然エネルギー財団」創設について、統計・分析を交えて大変分かりやすいですね。説明の後、質疑応答も行われました。

 経営者の話は以前から分かりやすいものと思っていましたが、この説明はデータに基づき、殊のほか明解です。「そんなことを言っているより、早く回線の復旧をやれ」とクレームの嵐の中、上場企業経営者がこのような論点で記者会見する勇気に、経営に身を置いていた私は敬服します。

* 世界のすう勢、原発建設に対する誤解、寿命の認識不足

* 発電量と原発建設との矛盾

* 安全基準の見直し、代替エネルギー

* 原発コストの不透明さ(事故の追加コスト、保険等が含まれていない)――説明義務を果たしていない

* アメリカでのコスト構造の変化

* 自然エネルギー導入の真剣な検討

* 知ってしまった人間としての責任ーー「知って行動しなきは罪である!」、若い世代への責務、避けて通れない課題

* 2011年、エネルギー政策転換の年

* 「自然エネルギー財団」の設立趣旨

 

25日に追加分: 高い放射線量で苦戦する現場作業には、60歳以上の元技能者・技術者たちの志願が始まりました(http://www.kinyobi.co.jp/backnum/antenna/antenna_kiji.php?no=1975)。若い世代にはやらせたくない、今こそ、日本国民・世界のために覚悟を決めた方々です。「福島原発暴発阻止プロジェクト:http://park10.wakwak.com/~bouhatsusoshi/」というそうです!

忘れられない中谷さんの言葉

Posted by 秋山孝二
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 30数年前の原子力発電に関係する書類を読む一方、当時から反原発活動に関わった方々の話を個別に聴く場面では、今、多くの方が、「手がけた反原発運動の不徹底さを悔いている」と、今回の大事故を目の当たりに苦渋の表情で語っています。すべてが主張してきた「想定内」の出来事であるからにほかなりません、普通はその通りになるのは喜ぶべきことなのですが・・・・。

 1979年のアメリカ・スリーマイル事故を受けて、80年代には日本でも原子力発電を不安に思い、反対する多くのごく普通の市民がたくさんいました。小学校の保護者会等でも、子どもの将来を気遣う自然な気持として、原発問題について語る雰囲気もあったと聞きます。次第に時が経ち、「原発推進」と「原発反対」が鋭く対決する情況の中で、「反原発」は政治マターの範囲に限定されていき、何かごく普通の場でまともに議論することを避ける風潮となってしまったのではないでしょうか。変わらず原発への疑問を語り続けていると、ある種の「変わり者」として疎外されるような。

 そして、このような「時代」の推移で、推進勢力のパブリック・アクセプタンス(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=8003)の影響もあり、教育現場でも当たり前に、原子力発電のリスク・恐怖について、むしろ昭和20年・30年代に教えられたよりもはるかに少なく、「避けてきた話題」となり、「教育の敗北」を感じるのです。

 

 私はこのところ、繰り返し思い出しています。この欄にも書き留めましたが(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=1485)、一昨年6月に、ポーランドのアウシュヴィッツ収容所を訪問し、現地のただ一人の日本人ガイド・中谷さんのお話を伺った時の言葉です。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

* 日本の平均的教育レベルの高さに期待している。ただ極限状態に追い込まれた時に、どの程度理性的に行動し得るのか、人間の本生の赴くままになってしまうのか、それが今もこれからも問われるのだろう

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 ビルケナウで、「何と残酷な」、「どんな種類の人間がこんなことを実行できたのか」とかのやり取りの最後に、彼が私たちに向かっての言葉だったと記憶しています。

 今回の大震災で被災した人々に象徴される「日本人」への国際社会の報道は、「暴動等もなく秩序を保った」、「忍耐強い」等、大変な称賛で溢れていました。ただ、先月末の東電原発汚染水の海洋への漏えい、意図的投棄以降は、「日本国」への評価は大変厳しいものになっていることを、しっかり認識すべきでしょう。

 極限状態に追い込まれた時の行動、私は日本人の「耐えるレベル」、「理性的」には確信を持っていますが、むしろ、「集団の雰囲気を過剰に忖度(そんたく)する精神構造」、「他者への過剰な遠慮」に、大きな社会不正義を見過ごす、結果的に容認してしまう、弱さを危惧します。「主張することを躊躇する弱さ、勇気の無さ」とでも言うのでしょうか。中谷さんがおっしゃった「問われる」とは、私を含めた日本人の「勇気の無さ」なのではないかと、今思います。憲法に書かれている「人権」を、本当に市民社会のものにする活動を躊躇してはいけないのでしょう。

 

 昨日、北海道経済同友会の幹事会が早朝に開催されました。今までになく多くの役員の方々がお集まりになり、会の終り頃に北海道電力の経営幹部から、今回の東電福島原発事故の報告と、北電泊原発の安全性についての説明がありました。これまででしたら、恐らくただ黙って説明を承ってといった雰囲気だったと思いますが、昨日は明らかに違っていました。

 私はこう発言しました。汚染水海洋投棄以降の国際社会の厳しい視点から、今後の原子力発電継続の難しさ(停止・廃止)を勘案し、比較的電力供給では余裕のある今こそ、企業系・家庭系の北海道的節電・ピーク時削減プラン或いは議論を提案すべきではないか、と。やり取りはその後、「危険度の高い浜岡原発はすぐに停止すべき」等、各産業セクターの経営トップもかなりの危機感を持っている様子でした。エネルギー問題は、今や全ての日本で活動する人々が当事者であることを実感しました。

 ある出席者は、会議終了後に、節電等にはその動機が大切で、今回の場合は、北海道の節電分を、今の60万キロワットの本州への支援を大幅に増やすことに使うといったストーリーが良いのではないか、とおっしゃっていました。北海道民による福島支援の具体的方策としての節電・ピーク時削減プランとして、勇気を持って北電がこう提起して、企業・道民がムーブメントを起こすのは如何でしょうか。

30年以上前に、すでに「想定内」

Posted by 秋山孝二
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 我が家の書棚に、30数年前の「原子力発電とはなにか・・・、そのわかりやすい説明」<第三版>を見つけました。その「まえがき」から順番に読み進めてみると、あらためてこの数十年間の反原発活動の重みを感じます。今、目の前に起こっている現実すべてが「想定内」であることに加え、まえがきを読むと分かりますが、推進側、反対側の双方の問題点を的確に指摘しています。これらを「反原発」と一括りにして本当に宜しかったのでしょうか、この辺りからすでに推進派(通産省・学者群・産業)のプロパガンダが始まっていたことを見逃してはいけません。

家の書棚にひっそりと

家の書棚にひっそりと

まえがきには

まえがきには

その2

その2

 今回のまだ進行形の大事故を教訓に、飽くなき議論を戦わさなければなりません。企業系・家庭系双方のセクターにおいて、「需要」としての節電・ピーク時削減の具体案、「供給」としての当面の原発の安全性担保と代替エネルギーへのシフトです。

以下は引用です。
~~~~~~~~~~~~出所(枝廣淳子さんの環境メールニュース http://www.es-inc.jp

「原子力か、化石燃料か」ではなく、「原子力でも化石燃料でもない世界」への
移行は可能です(「ただちに」ではないですよ。「ただちには無理」だからといっ
て否定する必要もないですよね? 30年後、50年後にどうなっていたいか、です)

そのための技術開発も実用化も、日本でも世界でもぐんぐん進んでいるのは、本
当に心強いことです。

去年、日刊 温暖化新聞の「エダヒロはこう考える」コーナーで、こういうご紹
介をしています。

2010年06月02日
原発10基分!日本の洋上風力発電の可能性と取り組み
http://daily-ondanka.com/edahiro/2010/20100602_1.html

最近の日刊 温暖化新聞の記事を見ていても、各国/世界の再生可能エネルギー
・シフトの元気な足音が聞こえてきそうです。いくつかご紹介しましょう。見出
しだけでもわくわくしてきますよ。ニュージーランドでは電力の4分の3近くを
自然エネルギーでまかなっているって、ご存知でしたか?
2011年04月07日
IEA報告書:ニュージーランドの再生可能エネルギー発電、2009年は73%
http://daily-ondanka.com/news/2011/20110407_1.html

2011年04月04日
オレゴン州全域でクリーンエネルギーワークス計画始動、雇用創出と省エネに期待
http://daily-ondanka.com/news/2011/20110404_1.html

2011年04月02日
持続可能な方法で生産されたバイオ燃料の認証システム、始動へ
http://daily-ondanka.com/news/2011/20110402_1.html

2011年03月30日
英スコットランド政府、世界最大の潮流発電プロジェクトを承認
http://daily-ondanka.com/news/2011/20110330_1.html

2011年03月22日
2010年、独の再生可能エネルギーの割合は17%へ、雇用は37万人へ増加
http://daily-ondanka.com/news/2011/20110322_1.html

2011年02月21日
カナダ政府、ディーゼル燃料と暖房用燃料に再生可能燃料の含有を義務付けへ
http://daily-ondanka.com/news/2011/20110221_1.html

2011年02月19日
米国内務長官とエネルギー長官、大規模な洋上風力イニシアチブを発表
http://daily-ondanka.com/news/2011/20110219_1.html

2011年02月16日
英国、新たな職業技能アカデミーでグリーンな未来の構築を後押し
http://daily-ondanka.com/news/2011/20110216_1.html

2011年02月08日
米国:NOAAの気象・気候情報を利用して再生可能エネルギーを推進
http://daily-ondanka.com/news/2011/20110208_1.html

2010年12月30日
米エネルギー省、世界最大級の風力発電プロジェクト融資保証を最終承認
http://daily-ondanka.com/news/2010/20101230_1.html

2010年12月27日
豪政府助成金により太陽光発電を導入する学校が増加
http://daily-ondanka.com/news/2010/20101227_1.html

2010年12月22日
英ロンドン、市バス用に導入する水素バス第1号を発表
http://daily-ondanka.com/news/2010/20101222_1.html

2010年12月20日
米国、クリーンエネルギーに関する輸出振興のためのイニシアティブを開始
http://daily-ondanka.com/news/2010/20101220_1.html

2010年10月01日
世界最大の洋上風力発電所、イギリス海峡で正式に始動
http://daily-ondanka.com/news/2010/20101001_1.html

2010年09月15日
米国の各プロスポーツリーグ、競技場で太陽エネルギーを利用
http://daily-ondanka.com/news/2010/20100915_1.html

2010年07月10日
オーストラリア、クリーンなエネルギーの将来に向け前進
http://daily-ondanka.com/news/2010/20100710_1.html
2010年06月21日
オバマ大統領演説、クリーンエネルギーへの速やかな移行を呼びかけ
http://daily-ondanka.com/news/2010/20100621_1.html

2010年06月16日
米国:2009年の小型風力発電装置販売は15%増、世界の約半分を占める
http://daily-ondanka.com/news/2010/20100616_1.html

2010年05月14日
米内務省、マサチューセッツ州沖合の洋上風力発電プロジェクトを承認
http://daily-ondanka.com/news/2010/20100514_1.html

2010年05月12日
米国の太陽エネルギー、2009年も堅調な成長
http://daily-ondanka.com/news/2010/20100512_1.html

 

日刊 温暖化新聞でも、エネルギーシフトへの足音が聞こえる記事がトッ
プに出ています。どうぞお楽しみに~!
http://daily-ondanka.com/
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~引用おわり

 チェルノブイリ事故後、ベラルーシの汚染地域のある村に住む農民は語っています。

 「人々はパンを食べる。わたしたちは放射能を食べる。国は遠くに去っていった。わたしたちはこの地に、踏み留まっている。もしロシアを捨て天国に生きよ、といわれたら、私はいう。天国はいらない、故郷を与えよ、と」

 余震は、日本人への更なる警告のような気がします、「まだ気がつかないのか!!」という天からの声として。

博多の余韻、「自由人の十戒」ほか

Posted by 秋山孝二
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 今年の経済同友会全国フォーラムは、福岡で「緊急日本復興会議」となりました。15日のこの欄に掲載した大前研一氏講演の最後に、今の状況で、新たに輝く英国人哲学者、バートランド・ラッセル卿の「自由人の十戒:http://www005.upp.so-net.ne.jp/russell/DECALOG.HTM」が紹介されていました。

 その第9番目、「たとえ真実が不都合なものであったとしても、どこまでも良心的に真実であるべきである。なぜなら、もしあなたが本当のことをかくそうとすると、もっと都合が悪いことになるからである」。今、東京電力の経営トップに提起したい言葉です。これまで彼らの発言からは、顧客である「市民」へのメッセージが全く届いて来ません。ただひたすら、「原子力村」を守ろうとする醜悪な姿を多くの国民は看破しています。

 バートランド・ラッセル卿はノーベル文学賞にも輝きましたが、1955年7月の「ラッセル・アインシュタイン宣言:http://www.pugwashjapan.jp/r_e.html」では、核兵器廃絶を明確に世界に宣言しました。3月の東日本大震災・原発事故を受けて、私たちは私たちの立場から行動を起こしますが、今後のエネルギー政策において、現存する科学者たちは転換を迫る「勇気ある」行動を期待したいですね。

 

 もう一つ、被災地の岩手県、宮城県、福島県の方々の現状報告をお聞きして、それぞれ「固有の復興モデル」があるように思いました。すなわち、岩手県は水産業の復興、宮城県は水産業と稲作を中心とした農業復興、福島県は原発見直しによる復興です。それら全てに共通するのが「食を支える日本の第一次産業の復興」であり、21世紀の日本社会・地域の生きる道筋を示しているように思えます。北海道もこれを契機に、一層の「食ー農」の取り戻しとイノベーションの大きなムーブメントを興したいものですね。

 博多のマチは、新旧が同居していて、人々は元気でした。

櫛田神社で

櫛田神社で

福岡タワーから西を臨む

福岡タワーから西を臨む

「博多町屋」ふるさと館

「博多町屋」ふるさと館

カナルシティで

カナルシティで震災応援

「緊急日本復興会議」、福岡で開催

Posted by 秋山孝二
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  昨日福岡で、「第24回全国経済同友会全国会議」が、1000名以上の登録で開催されました。毎年4月に2日間、全国各地で持ち回りなのですが、今年は3月11日の大震災があり、急きょ日程を半日に短縮し、テーマも「緊急復興会議」として行われました。第二次世界大戦直後に、83名の経済人でスタートした「経済同友会:http://www.doyukai.or.jp/about/」に相応しく、現在的意義を見出そうとの意欲的な取り組みでした。

経済同友会全国会議、福岡で開催

経済同友会全国会議、福岡で開催

  大前研一氏「震災復興とこれからの日本」の特別講演は、有料インターネット番組「ビジネス・プレーク・スルー」の内容でしたが、彼が、原子力のバックグラウンドを持っているとは知りませんでした。海外の情報把握は的確で、当初極めてシンパシーを寄せていた国際社会が、東電による「汚染水の海洋投棄」を契機に一変して厳しくなり、今、日本の良識が問われていると警告していました。本来、「海洋」は世界共有のものであるはず、日本の責任として汚染水は自国に閉じ込めるのが世界の常識と(http://www.youtube.com/watch?v=9MfteXqFHzM&feature=relmfu)。

 以下の3回はオープンになっていますので、会員以外でも見ることが出来ます。

 *3月13日(http://www.youtube.com/watch?v=U8VHmiM8-AQ&feature=relmfu

 *3月20日(http://www.youtube.com/watch?v=2RztR0sRWk8

 *3月27日(http://www.youtube.com/watch?v=5mBlngPiaSY&feature=related

大前研一さんの講演

大前研一さんの講演

 

 続いて、被災地代表の経済同友会会員と有識者メンバーでのパネルディスカッションもありました。ロジスティックスの仕組みが構築されていないことの指摘等、緊迫した報告は大変新鮮でしたが、「道州制の先行モデルとして、東北復興を!」との提言では、中央左側の現地の方々と、やや距離を置く右側の方々との臨場感の違いも印象的でした。

パネルディスカッション

パネルディスカッション

 数回前にこの欄でも書き留めましたが、経済同友会では昨年11月に「2020年の『日本創生』:http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=7320」の提言もしています。

 昨日の会議では、最後に経済同友会として「緊急復興アピール:http://www.doyukai.or.jp/policyproposals/articles/2011/110414a.html」を「満場一致(?)」として採択しましたが、私は今後のエネルギーの原発の扱いについて、全く賛同出来ませんね、何かの機会にその旨を表明しようと思っています。これまで担ってきた日本の企業経営者は、やはり「過去を引きずる」しかないのかと、かなり失望しました。「復興」には、新しい担い手が必須です。

大地震、今、感じること(8)

Posted by 秋山孝二
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 放射能・原子力発電所で思い出すことがあります。

 「放射能」という言葉を初めて真剣に聴いたのは、昭和30(1955)年代だったと思います、もう50年以上前になるのですね。昭和21(1946)年の実験を皮切りに、ビキニ等では13年間に渡って計66回もの核実験が行われ、昭和29(1954)年には人類史上初の水爆実験が推定15メガトン、ビキニ環礁で行われました。この時の「死の灰」を、日本の漁船の第五福竜丸(http://d5f.org/top.htm)が浴びて乗組員が被爆したのはよく知られています。目に見えないけれど、人間の体に大変危険であること、雨が降った時に雨粒に溶けて、地面に落ちたり人の皮膚に着いたりするのも危険と教えられた気がします。雨に濡れると頭がはげると脅かされて、当時まだ幼かった私はすごく怖かったのを覚えています。ウラン、ストロンチウム、セシウム、プルトニウム等の言葉も、その頃から馴染みがあった言葉です。

 二つ目は、今から7年くらい前に、静岡県浜岡原発・原子力館(http://www.chuden.co.jp/hamaoka-pr/)を見学に行きました。実は、そこの近所に住んでいる私の知人夫婦のご案内で、静岡カントリー浜岡コース(http://www.scg.jp/hamaoka/)のクラブハウス・ホテルで食事をしたついでの訪問だったのですが。このホテルは、2002年日韓ワールドカップサッカー大会(http://www2.tba.t-com.ne.jp/tamaro/newpage8-1.htm)の時に、イングランド代表チームの宿舎として使用されて、あのベッカムが泊まったという建物でした。

 原子力館のHPには、「ようこそ、人・自然・エネルギーが出会う情報パークへ」というタイトルに始まり、「私たちの生活に欠かせないエネルギー『電気』、日本の電気の約30%を原子力発電が担っています。浜岡原子力館を中心とする浜岡PR展示施設では、『原子力発電のしくみ』や『新エネルギー』について学べる展示コーナーやジャンボスクリーンのオムニマックスシアター(無料)などがあり、一日中楽しめる施設となっています。みなさんも浜岡原子力館で、『見てふれて科学する』体験をしてみませんか?ご来館をお待ちしております!」と続いています。いまは、「プルトくん:http://www.youtube.com/watch?v=bJlul0lTroY」の方が有名です、異常な神経ですね、これらに関わっている方々は。

 この中部電力原発の危険性は、皆さまもご承知の通りです。図らずも今回の一連の事故で、ここまで足を運ばなくても、世界中の人々が原子力発電の危険性と出会ってしまい、固唾を飲んで状況を見守っています。今すぐにでも、日本政府はこの原発に停止命令を出さねばなりません。

 「お金を掛けて作った建物」という印象で、エレベーターなどもとてつもなく巨大でした。原子力関係予算で建設されたものだろうと容易に推測できましたが、壁に、「阪神・淡路大震災の5倍(?)までの地震にも耐えられます」みたいな標語が貼ってありました。直感的に、「ああ、そうか、それ以内には責任を持つけれど、それ以上だと壊れるのだな」と、いかにもあらかじめ責任を回避する逃げ道のようだね、と一緒に乗っていた人たちと話をしていました。今回の大震災・津波で、いち早く「想定外の地震だった」と東京電力幹部が語った時、私はあの時のエレベーター内の文言を鮮明に思い出しましたね。

 言葉と言えば、今回の一連の事態で「未曾有の」とか、「1000年に一度」とかをメディアで見掛けますが、後に発生する補償に対する「保険金支払い」を意識している様子も伺えます。姑息なプロパガンダに惑わされず、「想定していなかった責任」を企業経営者は負わねばなりませんし、エネルギー「電気」で選択肢のない顧客である国民は、その責任を見逃してはいけません。

 こんな中、今回の悲惨な出来事でも、数多くの「ファインプレー」もしっかり見ておく必要があります。昨日テレビで、宮城県山元町の中浜小学校の建物についての報道がありました。海岸から程近い場所に建っているので、水害を想定して、土盛りした土地に、向きを海岸線と垂直に、廊下の両サイドの大きな窓、吹き抜けにも大きなガラス戸をはめ込んで、いざという時にはそれらのガラスが壊れて水の通り道にする設計だったとか。80名以上の児童を含めた関係者は、全員救助されたとのことでした。過去の歴史から学ぶ姿勢とでも言うのでしょうか。

 一方、NHKラジオ第一では、国際的NGO「Save the Children:http://www.savechildren.or.jp/top/jpn/」の東京本部・津田さんという女性が、被災地の子どもに向けた新しいタイプのボランティア活動を紹介していました。活動それ自体も迅速で素晴らしいですが、彼女の簡潔明瞭な日本語、ラジオアナウンサーとのやり取りが実に清々しく立派でしたね。

 東京電力福島第一発電所(http://www.tepco.co.jp/nu/f1-np/camera/index-j.html)の状態は一進一退で、予断を許しません。相変わらずのプロパガンダが続く映像系メディアですが、インターネットには腑に落ちるブログ・会見もあり、以前よりはインディペンデントメディアが活躍しています。ボランティアの実情とそれへの提案サイト(http://www.ustream.tv/recorded/13788982)、 当面の緊急対処と同時並行的に、今、具体的な中長期提案(http://www.isep.or.jp/images/press/ISEP_StrategyNo2.pdf )(http://www.youtube.com/watch?v=5mBlngPiaSY&feature=related)も始まっています。こちらのニュースサイトも注目です(http://fpaj.jp/)。

 昨日昼過ぎ、札幌市内の小学校近くの交差点で、入学式に向かう新1年生と少し着飾った保護者の方々の姿に出会いました。昔よりランドセルが大きくなったからなのでしょうか、背中一面がランドセルで、地面すれすれを歩く子どもたちを見て、心が少し明るくなりました。あの子たちが大きくなった時、今より幸せな社会でありますようにと、祈るような気持でもありましたね。

2020年の「日本創生」

Posted by 秋山孝二
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 今年1月に、北海道経済同友会の新年例会で、講演「経済同友会が考える『この国のかたち』」と題して、公益社団法人経済同友会の提案概要(http://www.doyukai.or.jp/policyproposals/articles/2010/110111a.html)を聞き、私は少し時間が出来た時に自分なりに熟慮しようと思ってこの原稿をファイルしていました。

北海道経済同友会・新年例会の講演で

北海道経済同友会・新年例会の講演で

  さらに同じ1月、北海道大学高等研究センター主催のシンポジウム(http://www.juris.hokudai.ac.jp/~academia/symposium/symposium20110122.pdf)では、厚生労働省の香取政策統括官が、「安心社会をどう創るか~『少子化時代の社会保障ビジョン』~」と題して、基本的考え方を説明しました。香取さんとは、厚生省薬務局経済課勤務時代から機会ある毎に意見交換をしてきました。久しぶりにお会いしましたが、「相変わらずこんなことをやっています」と終了後に笑顔でお話をされていました。税金の再配分、新しい時代の社会保障ビジョン、収入・支出の関係性等、大変明解でした。

 この二つを軸に「2020年の日本創生」と題して、いつかここで掲載しようと思っていたのですが、「3.11」以降全く違ったかたちのメッセージとなりました。

 

 昨日、菅総理が、「東日本大震災」の復興に向けて「復興構想会議:http://www.kantei.go.jp/jp/kan/statement/201104/01kaiken.html」を提唱し、従来に戻す「復旧」を超えて、新しい東北づくりに向けて一歩踏み出そうと表明しています。この機会をむしろ前向きに、21世紀の「地域主権」も含めて、これまでの東京一極集中の弊害を大きく変える経済・エネルギー・社会保障での構想力を持って欲しいですね。

 このところの週刊誌、新聞の寄稿で、キラリと光る文章を幾つか眼にします。私と同じ視座の方々もいらっしゃるのだなと、自分自身勇気を貰います。法政大学社会学部教授・田中優子さん(http://lian.webup08.jp/yuu/)の「個として、共に生きるために」では、今年大佛次郎賞受賞された渡辺京二さんの言葉を引用して、素晴らしい文章ですし、ジャーナリストの桂敬一さん(http://www.news-pj.net/npj/katsura-keiichi/index.html)の「一番怖い放射性物質の濃縮蓄積」では、原発の内部被曝の危険を食物連鎖によって説明しています。

 当面の復旧への対処と同時に、新しい日本を創る志を基に、復興を目指す計画は極めて大切です。これからの「地域」がどうあるべきか、この際、北海道についてもしっかり議論して実践で示していきたいものです、現場で証明していくスタンスを忘れたくないですね。

原発事故、その後に思う

Posted by 秋山孝二
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<大地震、今、感じること(6)>

 3月もあっという間に月末を迎えています。大変な一月となりましたが、皆さまお変わりありませんでしょうか。

 この間、たくさんの情報がインターネットを通じても得られていて、昔に比べて、一層、従来の「マスメディア」の欺瞞性を具に感じます、大口企業広告との兼ね合いから、圧力による遠慮・自粛とは言え、とりわけ映像系メディアのですね。手元の震災関連の私のメモは、どんどん増えていきますが、月の締めとして、少し書き留めておきます。

 まずは株式市場では、ストップ安になっている東京電力の株価(http://company.nikkei.co.jp/chart/chart.aspx?scode=9501&ba=1&type=year)が、実に正直な動きを示しています。先を読む株式市場で独占企業の株価として、今起こっている現実への対処の不透明性と企業の脆弱なリスクマネジメントへの評価なのでしょう。安易に「国の支援」とかと言う前に、当事者としての社会に対する経営責任をしっかり問わなければなりません。現場の関係者の努力と経営幹部の責任を明確に分離して、経営者の経済的責任、社会的責任を曖昧にしてはいけません。そして、今後の電力供給体制の再構築を早急に議論すべきだと思います。さもなくば、エネルギーに端を発した日本売りの様相を招きます、株価のメッセージは、すでに企業破たんを暗示しています。

 「原発事故」に関して、一部の反原発派の即時廃炉主張に対して、東電・保安院の世論操作に警戒感を持ちますね。まさにこの「機」に乗じて、パブリック・アクセプタンス(public acceptance)活動を変わらず進めています。1)原発事故による「計画停電(実際は無計画停電!)」を、電力不足への不安を煽る材料として逆に市民を恫喝する機能を呈している、2)当面の防潮堤強化、ポンプへの防御強化等により安全性の向上、こんな大災害を乗り切った(?)日本の優れた技術等のアナウンスです。まるで、目の前の深刻な事態が収束したかのようなおめでたさです。

 私は、今回の事故・報道で、東京電力は勿論のこと、マスメディア、経済産業省等は、国民の信頼を失ったと思います。「風評被害」とテレビで繰り返されていますが、ちょっと待って下さいよ、食べ物の放射線の高い数値に不安を抱く行動は、「風評被害」などではなく、市民のごく普通の感覚であり、批判されるべくは曖昧なメッセージしか発していない当事者たちではありませんか。以前、「自己責任」が喧伝された時も、本来は「自分で責任を取る」が、「お前、責任を取れ、俺たちは知らないよ」という意味でメディアで使われたのと同じです。言葉は大切です、巧妙に責任を回避する当事者と、それとスクラムを組むマスメディアを、私たちは見逃してはいけません。

 インターネットを通じてのニュースチャンネル(http://www.ustream.tv/user/videonews.com)で、今回の件で冷静なメッセージを発信しているサイトがあります(http://www.ustream.tv/recorded/13551476)(http://www.ustream.tv/recorded/13552530)。トータル約3時間ですが、正しい現状認識、そして今、私たちが何をしなければならないのかを明示しています。

 こちらも注目すべきサイトです(http://www.youtube.com/watch?v=ovv2__vc-Nk&feature=relmfu)。「ステーション・ブラックアウト」、青森県六ケ所村にも言及しています、集める危険性の指摘です。

 私たちは何をすべきなのか、考えてみました。

1)持続可能な省エネ・節電計画をそれぞれ考え、電力会社に提案し、20~30%程度の節減は不可能ではないことを示す。そして電力会社は、特に、大規模な「計画停電(無計画停電)」については、ライフラインの確保を最優先に、きめ細かく優先順位を決めて周知すること。情報が集中している独占民間企業の優位性を活かして、早急にプランを示す、これ位できなくては民間企業とは言えません。

2)電力会社は、毎日供給できる電力を広く迅速に知らしめる

3)各家庭は省エネ・節電のライフスタイルへ変更する、昨日の札幌市内、まだまだ緊迫感がありません

4)企業は、これまで原発が止まった時の対処を参考に、一層の省エネ対策を練り直す、それは国際競争力を高めることになる

 これからも補償に幾らかかるか分からない原子力発電を続けるのか、膨大な安全対策をしながら活用し続けるのか、それがクリーンで安価な電力なのか、電力会社が民間企業と言うのなら、自らの力で冷静に検討をすべきではないでしょうか。社内では、「自分たちは国策に沿って事業を進めただけ、むしろ被害者だ」という雰囲気もあるとか。驚くべき無責任体質です、そう発言してはばからない企業風土が、問題の温床ですし、日頃の経営者の傲慢さではありませんか。

 パブリック・アクセプタンス(public acceptance)と書きましたが、この間の原子力行政推進では、1)反原発メディアに対しての集中豪雨的抗議文、2)小学校低学年からの原発推進のプロパガンダ、3)文化人等を使ってのパブリシティ記事掲載等、多額の資金を使って行われてきています。アカデミックセクターも、本来の「真理の探究」といった視座からではない、無責任で自己保身的立ち位置からのメッセージ発信を続けてきていました、産学官一体のですね。異様な一体感を以前から感じていましたし、今月のメディアに登場する方々を冷静に拝見して、確信を得ました。

 それとこれはまだまだ議論が浅いですが、送電線の国有化とか、安全審査規準・保険料の見直しとか、国レベルで早急に方向性を示す必要があります。

 引き続き予断を許さない福島県での「東京電力原発事故(東京電力の施設であることを明確にする必要があります)」、大変不幸ではありますが、新しい日本のエネルギー政策に向けた貴重な歴史的事実としたいものです、特に若い「いのち」、これからの「いのち」のためにですね!

大地震、今、感じること(3)

Posted by 秋山孝二
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 昨日の続きになりますが、海外メディア・外国政府関係者の今回の福島原発事故の認識は、連日、日本で報道されている内容とは大きく異なり、大変危機的で深刻です。

 私の身内に届いたカナダからの友人のメールでは、「自分の周りには住む場所が十分あるから、今すぐにでも家族全員でこちらに移動するように」と、真剣な内容だったとか。諸外国のメディアは、福島原発の爆発の連鎖とその対応の事実をつぶさに見つめながら、冷静に報道しています。この場合、冷静と言うのは、「真実を語る」という意味ですね。

 東京電力、保安院の記者会見、テレビに出て来る「専門家」、メディアスタッフの話は、何の役にも立ちません。とにかく、当該事故現場組織の「発電所所長」とか、現場の最高責任者の存在が全く見えないのは大きな疑問ですね。現場はこういう作業をしていて、こんな作業プランを持っているといった、やっている側発の報道が何もない、危機管理の中ではあり得ない状態です。無いなら無いと率直に言えば、市民はそれぞれの判断で責任を持って動けます。

 現場に一度も足を運んだことが無い連中が、「安全だ、安全だ」といくら叫んでも、市民はとうの昔にその「ニセモノ性」を見破っていますよ。理屈では「対策」になっていても、それが出来る環境が現在あるかどうか、直感的に理解しているのです、私たちは。発表される写真だけ見ても、「安全」などとは程遠い現実を認識できるのです。

 市町村長の何人かはメディアの取材に対して、現在の状況報告、必要物資の具体的要請等、大変な困難な環境の中、必死に訴えています。これ自体、本来はそんなことをしなくても支援の手を差し伸べなければならないのでしょうが。それと同様に、原発事故に関して、現場最高責任者は、「日本国民を守る」意識を持って語り続けなければなりません。もし、その任に誰も就かないのなら、これまでの原子力政策というのはその程度の覚悟だったということを、しっかり歴史に刻んでおかなければなりません。

 もう一つ、政府は今すぐに、全国各地の原発責任者及びその次席を招集して、現場に最も近い場でこの現実をしっかり観察して、現場はどんな状態なのか、今後の原発運営に活かす手立てをすべきです。廃炉・見直しも含めた、将来の日本のエネルギー政策に向けて、この未曽有の事故の連鎖を無駄にしてはいけません。

 少し離れた私たちに何が出来るか、枝廣淳子さんのメーリングから引用します。環境に関わってきた彼女が、この難局においても情報収集・発信し続けるその姿に感動致します、日刊温暖化新聞は秋山財団もパートナーとなっています。彼女はまさしく「ホンモノ」です。

~~~~~~~~~~~

日刊 温暖化新聞の企業・団体パートナーでもあるソトコトさんが、「被災地の
復興のために、わたしたちができること」というページをアップされました。

以下にご紹介します。もちろん、できることはこれだけではありませんが、「被
災地から遠く離れた自分に何ができるんだろう?」と思っていらっしゃる方がい
らしたら、ぜひ!

~~~~~~~~~~~~~ここから引用~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「被災地の復興のために、わたしたちができること」
<ソトコト・ホームページ>
http://www.sotokoto.net/setsuden/
<ロハスクラブ・ホームページ>
http://www.lohasclub.jp/setsuden.php

2011年3月11日に発生した、東北地方太平洋沖地震による甚大な損害は、私たち
がこれまでに経験したことがない災害です。被災地域に暮らしている方々、救助
活動や復興活動に尽力されている方々を支援するために、私たちができることの
ひとつが「節電」です。

未曾有の大地震による、電力施設への被害発生により、私たちの日本は電力が不
足しています。特に、被災地域においては、電力の確保は、救援活動や復興活動
にとっては極めて重要な問題です。

政府及び東京電力は、3月14日から「計画停電」の実施をアナウンスしています。
計画停電は、電力需要が現状の電力供給能力を上回ってしまった場合に実施され
る手段であり、電力需要を抑制するためには、鉄道、工場、大型商業施設などの
社会全体での節電努力、そして、一般家庭での節電努力が必要です。

いま一番大切なことは、まず被災地が必要とするエネルギーを確保することです。
そして、そのためには、私たち一人ひとりが「節電」を心掛け、続けていくこと
が重要です。

電気は、水道やガスの供給にも必要とされるエネルギーであり、被災地での救援
活動や復興活動に必要なライフラインの確保のためにも、私たち一人ひとりの節
電努力が必要です。

●私たちが生活のなかでできる節電

・外出の際、あるいは、使っていない電気製品のプラグはコンセントから抜きま
しょう。機器によってはプラグを挿し込んでいるだけで、待機電力を消費してし
まう場合があります。

・昼間は、なるべく必要最低限の照明で過ごしましょう。オフィスでは、昼休み
の消灯や、通路のなどの照明の間引きも節電になります。

・暖房機器を必要とするこの季節は、朝の時間帯や18:00~19:00の時間帯が電力
消費のピークタイムとなります。電子レンジ、洗濯機、炊飯器などの消費電力の
高い機器は、ピークタイムをずらして使用しましょう。

・冷蔵庫にはものを詰め込み過ぎないようにしましょう。また、電気炊飯器の保
温時間を減らすのも節電に有効です。

・屋内では、温かい格好をして、カーテンを閉める(断熱効果があります)など
して、エアコンやストーブなどの暖房機器を使う時間を減らしましょう。

・テレビよりもラジオのほうが消費電力が小さくてすみます。

電気を大切に使うことで、被災地を励ますことができます。
私たち一人ひとりの節電努力が、被災地が必要とするエネルギーを創り出します。
物資援助やボランティアなどの人的支援も必要ですが、被災地側の受け入れ態勢
も充分ではない今、私たちが、いまそれぞれの暮らしのなかでできるアクション
が「節電」です。
私たちが日々の暮らしのなかで、節電に努力し、続けていくことは、確実に、被
災地のチカラになります。

現在、節電が必要とされているのは、東日本エリア(東京電力、及び、東北電力
の管轄内)です。東日本と西日本では、周波数が異なることから東日本に周波数
を変換して送電できる容量に上限があります。このため、東京電力、東北電力の
管轄外で節電しても被災地のためにという意味では効果は生まれません。

それでも、電力以外にも燃料が足りないという状況もあり、日本全国で節電・節
約していたくことはとても大事なことです。そして、「電力消費量を自分たちの
意思で減らすことができる」ことを未来に向けて実証・伝えていくためには大き
な役に立つと思います!

~~~~~~~~~~~~~引用ここまで~~~~~~~~~~~~~~~~~

そして、イーズでも、これまでのコンテンツからヒントやアイディアをとりまと
めてご紹介するページをアップしました。

~~~~~~~~~~~~~ここから引用~~~~~~~~~~~~~~~~~

「被災地の復興のために、わたしたちができること。節電努力。」
http://www.es-inc.jp/news/001947.html
※※この呼びかけは、ソトコトの「被災地の復興のために、わたしたちができる
こと。節電努力。」に賛同し、同じタイトルで呼びかけています。※※

「いまの状況で私に何ができるのだろう?」と思っていらっしゃる方も多いこと
でしょう。義援金や救援物資の支援などのほかにも、毎日の暮らしの中で「でき
ること」の1つが節電です。特に、被災地と同じ周波数の圏域の方々は、その節
電が被災地への電力につながります。周波数が違っても、ガソリンその他、省エ
ネすることが役に立ちます。

「節電」や「省エネ」については、イーズでも枝廣のメールニュースや書籍等を
通して、ご紹介・ご提案してきました。これまでに蓄積した情報から、わたした
ちができる「節電」に関する部分をピックアップしました。お役に立てばうれし
いです。

被災地の一刻も早い復興を心より願っております。

枝廣・イーズスタッフ一同

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