「竹中大工道具館(http://www.dougukan.jp/)25周年記念巡回展:棟梁」が札幌でも開催されました。私の永年の友人・Mさんがメールで「今日午後7時まで」と連絡をしてくれたので、足を延ばしてじっくり見て来ました。
「鍛え抜かれた技と心をもって職人集団を束ね、数百年の風雪に耐える寺院や神社を築きあげる堂宮(どうみや)の大工棟梁。千年の伝統を受け継ぎ、難事業に信念を持って立ち向かうその姿は、変動の激しい現代社会において、より魅力的に映ります・・・」、この棟梁展に寄せて、主催者が挨拶で述べていましたが、まさにその通りの素晴らしい内容でした。
時代を超えて受け継ぐ「堂宮大工」の歴史的価値と実像を目の前にして、「修行の人生」、「人材育成の極意」等を、西岡常一(http://eco.goo.ne.jp/life/eco/tanbouki/tanbouki021225_2.html)と小川三夫(http://www.city.yaita.tochigi.jp/tannki-keisai/simineiyosyou-taidan-toryo.htm)の活動から知ることが出来ました。
いわゆる今風の、設計と施工が別れている「大工」の頭とは違い、昔は設計・積算(見積)・施工をすべて棟梁が仕切っていました、「棟梁は何でもやる」ですね。堂宮の棟梁は、技術の伝承ばかりではなく、弟子をはじめ材木屋・石工・建具師・左官・瓦師・葺師など様々な職人をまとめ上げる統率力も必要とされていたようです。
展示では、時代を超えて建つ歴史的建造物も、一つ一つの地道な仕事の積み重ねから成っていることがよく理解出来ました。原寸図を描く作業、様々な曲線の型板づくり、刃物を研ぐ作業、木組み、そして式祭。技術の軌跡と同時に、歴史と伝統文化を強く感じました。
最後のコーナーの映像作品では、「唐招提寺・金堂の平成大修理の記録集:http://www.toshodaiji.jp/shuri_gaiyou.html」、「平城宮跡・第一次大極殿の復元工事の記録:http://www.nabunken.go.jp/site/daigoku.html」、そしてつい先月訪問した「函館奉行所の復元の記録:http://www.hakodate-bugyosho.jp/」もじっくり見ました。とにかく、「技術の伝承」を超えた棟梁の実像に感動を受けました。