フジテレビ記者会見に思う

Posted By 秋山孝二
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 27日のフジテレビ記者会見、タレントの中居正広の女性に対する性加害問題で、フジテレビの嘉納修治会長と港浩一社長が対応の不適切(?)の責任を取って辞任しました。臨時取締役会後の「やり直し会見」には、オールフリーで開催されて437人の記者が参加し、その長さは10時間23分に及びました。

 私は途中で少しだけ見ましたが、何とも非生産的で幼稚なやり取りに辟易しました。日本のマスメディアの記者会見、壇上のテレビ局経営トップも、会場を埋めた日本のジャーナリスト(今となってはそう呼ぶのも恥ずかしい)達のレベルの低さを露呈した会見となった意味では、稚拙さを見える化した貴重な(?)時間となりました。オールドメディアの衰退の理由がよく分かります。

多くの報道陣が詰めかけたフジテレビの会見場

<写真 東スポWeb版より>

 会見で飛び交う「女性の保護」、「被害者のプライバシー」、「刺激しない」、「守秘義務」等、一つ一つの言葉がどこか腑に落ちない、基本的な姿勢が違っているとでも言うのでしょうか、そんな印象でした。「被害者のプライバシー」を言い訳として使い、不作為を正当化し自己保身に走る姿、中居正広もフジテレビ経営幹部も、その点は完全に同じです。

 一方会場に集まった参加者と言えば、今回は10時間を超える長丁場だったゆえに、ジャニーズの時以上に、記者たちのレベルの低さが特に目立ちました。私は以前のジャニーズ記者会見の時もコメントしたのですが、記者として参加するのであれば、それをどう報じるのか、どういう質問をして事実に迫るか取材するのが目的のはず。翌日のニュース番組でも「異例の長時間会見でいらだち」みたいな言葉が散見されましたが、日頃の記者としての修練が足りないのではありませんか、この程度の取材姿勢では、真実を極める気概があるのかと疑いたくなりました、これまで共感していた当日会場で質問していた東京新聞の望月記者、翌日のテレビ朝日で羽鳥さんのモーニングショーのコメンテーター・玉川さんにも失望しました、この件に関してはジャーナリストとしての傲慢さを強く感じて残念でした。

* http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=47572

 私のこの記事の中で、以下のように書いていますが、今回更に再確認した感じです。

~~~~~~~~~~~私のブログから

 同時に私は参加されたメディア関係者の方々にも猛省を促したい点があります、メディア関係者の傲慢さを今回の会見で感じたからです。記者会見は取材の場、自らをアピールするパフォーマンスの場ではなく、同時に複数のジャーナリストを集めて情報を得る機会ですよね、であればある意味で時間制限があるのは当たり前、もちろん十分な時間という意味ですが。仮に進行役から当てられなかった場合は、後日文書で公にする質問に返答することを約束させるような提案をするとか、今後の定期的記者会見・積極的情報発信を約束するとか、ご自身の質問に対して確かな返答を担保する何がしかの知恵が必要なのではないでしょうか。旧統一教会の取材を永く続けている鈴木エイトさんは、記者会見に参加したものの「前回(9月7日)とは異なり質疑応答は途中で終わり、最後まで当ててもらえなかった」と報告し、用意していた質問をSNSに投稿していました。これまで数多くの妨害ににもかかわらず取材を今も続けているしたたかさと真摯なジャーナリストとして姿勢を感じました。

~~~~~~~~~~~引用おわり

 今回のような会見を繰り返していては、ネット上の無責任な投稿と同じくフェイクニュースが飛び交う状況が会見でも露呈します。感情的な発言やヤジ、不確かな情報とか噂レベルの情報に基づいて質問するのは、記者会見の本来の目的ではないはずです。皮肉にもジャーナリズムとは何か、について学びの場になった面はありました。

 日本社会、政治、経済、芸術文化、メディア等、全ての世界で「人権」意識はまだまだ発展途上国なのでしょうね。

 そんな中、石田健さんのコメントには少しの光を見出した気がします。

* https://www.theheadline.jp/articles/1146

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