東京に出張する機会は度々ありますが、夜のマチの灯りをゆっくり見るときは滅多にありません。寒波に覆われた首都圏で(とは言っても普段札幌に居る私としては、実はそれ程とは感じません)、しばし多様な「光」を眺めていました。
一つは東京・汐留にそびえる40階を越える高層マンション(億ション?)です。昔、イギリスから中国への返還直前に香港で会議があり、多忙な日程の合間だったのですが夜景を見に行った時に、現地の方が眼下の夜景を見ながら、「青い光の家は貧乏人、赤っぽい光の家はお金持ちです」とおっしゃったのを妙に覚えています、まだ青色発光ダイオード(LED:エルイーディー:Light Emitting Diode)が広く世に出る前だったと思います。
東京・汐留付近の高層マンションに住んでいる方々は、基本的には皆さん富裕層なのでしょうが、建物を見上げると多様な光の色でした。朝6時半頃にこの付近を歩くと、住民と思われる十数人が昔から続くNHKラジオ体操を前庭で、雨の日は玄関のロビーでそろってやっている光景に出合います。私にとっては、小学校時代に北海道・有珠での臨海学校で、東京都江戸川区の教員時代に林間学校で、毎朝懐かしいラジオ体操第一・第二です。
もう一つは東京駅八重洲北口のイルミネーションです。札幌大通公園のライトアップを見慣れている私には、クリスマス的年末の雰囲気に何となく違和感があるのです。微妙に違う色合いは意図的なのかどうなのか、いずれにしても喉の・心の渇きは癒してはくれない気がするのですが。
やはり冬は、自然の「雪」にかないませんね。森林の景色として、枝の黒とそれに付く新雪の白とのコントラストは、日中も夜も何にも代えがたい美しさと暖かさです。