「RCE道央圏」設立総会

Posted By 秋山孝二
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 世の中は新しく2016(平成28)年度を迎え、終了・退任・新天地等、一つの区切り、あらたな出発の皆さんも多いのでしょう。私は、前年度末の報告を少し残しているので、まずはそれをアップしてからのスタートとさせて下さい。

 「持続可能な開発のための教育(ESD)(http://www.mext.go.jp/unesco/004/1339957.htm」は、2005年より「国連ESDの10年」として世界全体で推進され、2014(平成26)年は最終年という節目の年でした。また、ESDを推進するため、世界129カ所に国連大学が認定する「RCE(Regional Centre of Expertise on Education for Sustainable Development:ESD地域拠点)」が設置されており、RCEを通したESDの推進、活性化させるための活動は、2014年以降も継続していくことが決まっています。

ESDの概念図

 北海道では、「環境教育」の分野を中心にESDが推進されてきましたが、複雑化する課題に対応するためには、より一層のセクター、分野、地域を超えた連携が不可欠です。そこで、多様な主体が課題解決のために連携できる拠点を構築すべく、この間、RCE設立について呼びかけ人を中心に議論を重ねてきました。国内外の地域と直接的な連携を図り、持続可能な社会づくりにおける課題解決に向けて実践していきたいとの思いですね。

 このような準備期間を経て、先月16日、「RCE北海道道央圏協議会」の設立総会を開催し、多くの方々のご協力により協議会はスタートしました。私は、お声掛けを頂き運営委員の一人としてこの活動に参画することになりました。2008年のG8洞爺湖サミットをきっかけに、私の環境系活動への関わりが始まり、今回の活動へと繋がっています。

* 2008年G8洞爺湖サミット http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=54

設立総会で代表の金子先生のご挨拶

設立総会で代表の金子先生のご挨拶

参加の皆さん:私も運営委員として末席に

参加の皆さん:私も運営委員として末席に

 更に詳しい内容は、事務局の有坂美紀さんの説明から(http://sus-cso.com/kiji/suskiko160226):

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~趣意書から

 「RCE道央圏」では、特に取り組むべき課題として、

1.生物多様性の保全と回復
2.気候変動への対応
3.エネルギーの開拓の歴史の振り返りと持続性の確保
4.人口減少・少子高齢化・グローバル化に適応する地域づくり
5.持続可能な産業と暮らしの安心安全の確保
6.先住民族との公正な関係づくり

という6つのテーマを挙げています。

 「RCE道央圏」の活動は、これら6つのテーマに関連したものになりますが、特に大切なことは「+(プラス) 1 原則」を守るという約束です。これまでとは違うやり方、分野、地域に一歩踏み出すこと、意識的にハードルを越えること。多様なRCE道央圏のメンバーがこれまでの壁を破ろうとすることで、新しい連携やノウハウが生まれ、よりよい社会に向けた変革へと進んでいけると思っています。そのための交流の場づくりや、世界各地との情報受発信、北海道の課題や魅力の見える化するという役割をRCE道央圏は果たしていきたいと考えています。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 引用おわり

 グローバルな課題解決、「持続可能な開発のための教育(ESD)」の枠組みの中で、ローカルな北海道から発信する、そんな方向性だと私は理解しています。これまで日本では、「持続可能」というと「環境分野の活動」と狭い範囲で認識され、自然保護、森林保全等、自然環境を軸としたテーマと捉えがちでしたが、グローバルなテーマ設定としては、貧困、格差等も含む人文科学、社会科学的な側面からの課題解決の視座も重要なのだと思います。秋山財団でこのところ注力している「ネットワーク形成」、「アウトリーチ活動」と通じる概念だと、私は勝手に解釈しています。

 「+(プラス) 1 原則」で、新しい展開を模索したいものです。

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