私も世話人の一人の『メディア・アンビシャス(http://media-am.org/)』、「表彰式 2021」がZOOMによるオンライン方式で初めて開催されました。昨年はコロナ禍で急遽中止となりましたが、今年は新たな形で開催、ご協力は「北海道大学東アジアメディア研究センター(https://ceams.imc.hokudai.ac.jp/)」でした、心から感謝致します。
~~~~~~~~~~~
* 2020e5b9b4e5a4a7e8b39ee6849fe683b3e69687
▶選考経過
今回選考対象とした作品は昨年1年間(2020年1月1日―12月31日)に発表された記事、ドキュメンタリーです。活字、映像の2部門に分けて会員から推薦を受け、ホームページから閲覧、視聴できるようにしました。そのうえで、1月初めの意見交換、中旬の映像の集中上映を経て、月末の最終選考会で投票・審査の上、各賞を確定しました。
【活字部門】 オブザーバー会員を含めた推薦は新聞・週刊誌の記事に加え、ネット上のレポートも初登場し、総計37本を数えました。コロナ禍、安倍長期政権、核ごみ処分をはじめとした原発問題の記事が目立ちました。大賞となった「ヘイトスピーチ」(正式なタイトルなどは右ページ)は、民族差別のありようを冷静な分析で描き出していました。メディア賞の「子どもへの性暴力」は昨年の大賞にも輝いています。同じテーマの連載で2年連続入賞は初めてですが、報告の深刻さを受け止めたものです。学術会議問題のスクープでアンビシャス賞になった「しんぶん赤旗電子版」は初めての入賞です。政党機関紙の掲載記事ということで論議もありましたが、スクープの重さが優先されました。特別賞の北海道新聞、関口裕士編集委員は執筆記事への推薦も多く、長年の原発報道への取り組み姿勢として評価されました。
【映像部門】 推薦は30本に上りました。賞には入りませんでしたが、「家を失い車に住む人たち」「家庭に恵まれず行き場を失った青年たち」「病気のために自分でも思いがけない動作に悩む人たち」など普段光の当たらない問題を取り上げたドキュメントに投票がありました。大賞の「報道特集」(TBS)は選考対象とされた財務省近畿財務局の職員自殺はもとより、同日に取り上げられた学術会議問題の報告内容の濃さが印象的で、日ごろのジャーナリスティックな報道姿勢が高評価されています。ちなみに活字部門の入選となった「週刊文春」の記事も近畿財務局の職員自殺の事案で、森友学園問題に対する関心は持続しています。メディア賞の忘れられた「シリア難民」はコロナ禍の下、より深刻な困難に直面する女性,子どもに焦点を絞っていました。アンビシャス賞となったHBCの「ヤジと民主主義」は当会月例会でいち早く取り上げた経緯もあります。この作品をはじめ北海道関連に題材を取った推薦作品が今回は6本を数え、道内放送局の意欲的な取り組みを示しました。(文責・山本)
【映像部門】
▽大賞 報道特集 「独自入手・森友学園問題9時間半の音声記録」
「学術会議問題・官邸のキーマンとは?」TBS(HBC 10月17日)
▽アンビシャス賞 HBCドキュメンタリー「ヤジと民主主義~小さな自由が排除された先に~」(4月26日)
証言記録 東日本大震災「埋もれた声25年の真実~災害時の性暴力~」 NHK(3月1日)
【活字部門】
▽アンビシャス賞 「菅首相、学術会議人事に介入 推薦候補を任命せず 安保批判者らを数人」 (しんぶん赤旗電子版 10月1日)
▽入選 現場へ!コロナと憲法 (朝日新聞夕刊 7月6-10日)
「見えない予算 一般社団法人に1.3兆円」(毎日新聞朝刊 10月14日)
▽特別賞 関口裕士編集委員(北海道新聞):「核ごみ処分地 選定足踏み」(7月11日)「核のごみを考えるヒント」(9月13日)「神恵内・寿都 核ごみ説明会を終えて」(10月2日) 「核ごみ調査 動機は財政難」(同15日)など一連の原発問題報道について。
冒頭に上田文雄代表に代わって、私からお祝いの言葉と開催のご挨拶を述べました。
受賞者からはたくさんのメッセージも頂き、特に「市民から評価を受けた」ということに大変価値を感じ、感謝すると同時に今後の取材活動、番組制作に励みたいというお言葉を多く頂くことができました、こちらも大変嬉しかったですね。
* これまでの「メディアアンビシャス」関連記事ーー> http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?s=%E3%83%A1%E3%83%87%E3%82%A3%E3%82%A2%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%83%93%E3%82%B7%E3%83%