先月40年ぶりに会った教師時代の教え子たち、その時会った生徒たちが、都合が付かなかった子たちと地元で会う場をセットしてくれました。大勢では話を聞けなかった一人一人の人生、なかなか多彩で味わいのあるひと時でした。
*先月の様子はこちら――> http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=32009
ラーメン店を地元でやっているある教え子が、卒業文集と卒業アルバムを持ってきて、本当に懐かしい自分の文章、寄せ書き、写真に触れました。なぜか当時、私は「できるだけ遠くまで行くんだ!」のフレーズに心酔していたようです。さらに「静かに目を閉じよう」、誰の言葉か思い出せません。長渕剛(http://www.nagabuchi.or.jp/)の「しあわせになろうよ(https://www.youtube.com/watch?v=ifdG375NZ_U)」の一節に同じようなニュアンスの言葉があったかな?いや、今、歌詞をチェックしましたが何かの勘違いのようです。
他のクラスのページに、何と私の理科の授業風景。黒板をみると「ウェゲナーの大陸移動説」を紹介している所です、懐かしいですね、はっきり覚えています。理科の授業では、実験をたくさんして器材も随分壊したなぁ、教科書になかった「昭和新山の話」、「ギリシア神話と星座」とか、今思うと少々恥ずかしくなるようないろいろなエピソードを子供たちに語ったような気がします。
* 大陸移動説 https://kotobank.jp/word/%E5%A4%A7%E9%99%B8%E7%A7%BB%E5%8B%95%E8%AA%AC-92248
理科の授業と言えば、当時「第二分野」といわれていた生物系の授業で、「生殖」を懸命に教えていた時、「卵細胞に精子が向い・・・・」と、回りくどい説明で格闘していると、あるクラスの前の方に座っていた女子生徒が、「先生、そんなに気を使わなくってもいいよ、分ってるから」と不規則発言(!)、未だにあの瞬間は忘れられません。
一方、卒業文集にも、担任教師として書いていたのです。
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「予感を越えるもの」に期待をよせて
三年三組 担任 秋山孝二
人は何を行う時も、見通しを持つものだ。それを計画性というのかもしれない。しかし、君達の人生はこれから計画通りにはいかない。ミュンヘン五輪男子バレーボール準決勝戦、対ブルガリア戦の全日本の大逆転。いわゆるセオリーでは負けの試合が結果的にひっくりかえった。深夜テレビを観ていて深く感動した。選手12人、コーチ、監督など社会人が八年間自らをかけて努力してきた。彼らは言う。「根性」といった精神力だけでは勝てない。なぜなら、相手だってそれ位持っているだろうから、と。結果というのは多くの場合あまりに非情である。血の出るような努力を一瞬にして切り捨てる。しかし、勝負というのは時として夢を越える。まさに信じられない瞬間をつくり出す。自分をとりまく現実との勝負。心の底から感動できる時を夢みながら、私は静かに目をつぶりたい。
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この文章はすっかり忘れていましたが、当時のバレーボール指導に没頭していた自分の姿がいじらしく感じます。この日の帰りは、3年の時私のクラスだった竹川君、仕事以外に東京下町でボランティアで祭の応援をしているNPOの理事をやっているとか、昔とちっとも変わらない笑顔で、江戸川区から浜松町まで車で送ってもらいました。40数年経た今、胸に手をあてて振り返れば、自分の人生どうだったのか、余韻の残る出会いでした。