演劇シーズン冬 2015、終わる

Posted by 秋山孝二
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 「演劇シーズン冬 2015(http://s-e-season.com/」が終わりました。私も5演目全てを観劇し、2回足を運んだ公演もありましたが、回を重ねるごとに盛況になってきて、今後が本当に楽しみです。それぞれの演目に個性があり、人によって好き嫌いはあるでしょうが、「演劇シーズン」としてのプラットホームとしては、その「多様性」が私は一番の価値だと思います。個別の感想はHPを検索してご覧頂ければ嬉しいです。

 当初と比べて、まずは事前の広報・宣伝活動が、メディアの方々のご尽力で格段に露出が上がっています。先日用事で行った銀行のロビーにも、金融商品の棚に演劇シーズンのチラシが並んでいるではありませんか。新聞、ラジオ、テレビでの話題として、更に書店の棚にもポスター、チラシが貼られていました。

銀行ロビーにも

銀行ロビーにも

 「演劇シーズン」HPの中の「ゲキカン(http://s-e-season.com/gekikan/index.html」コーナーも興味深いですよ、今年からは「高校生バージョン・ゲキカンU18(http://s-e-season.com/gekikan_u18/index.html)」も掲載されて、これがまた実に新鮮!

 先日は関係者で「打ち上げ・反省会」が開催されましたが、ここでも細やかなお店のご配慮も頂き、最後まで感動でした。

反省会で

反省会で

こちらにも!

こちらにも!

 いろいろ反省点はありますが、ここまでの「場」を創るのにご尽力された皆様に、心からまずは感謝申し上げます。これからも多くの舞台関係者が活躍しやすい環境づくり、観る方々への幅広い広報・紹介、演劇で食べていける創造都市としての札幌、北海道にしていきたいものです。

「橋本久明賞 2015」 ほか

Posted by 秋山孝二
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 「公益財団法人 北海道演劇財団(http://www.h-paf.ne.jp/)」の付属劇団「札幌座」を応援する「札幌座クラブ」の例会・「シアターZOOサロン」が開催され、今回は第10回「橋本久明賞」と「【Re:Z】大賞」の発表・表彰式が行われました。

今年度受賞の高子さんと札幌座サロン有田代表

今年度受賞の札幌座劇団員・高子未来さんと札幌座クラブ・有田英宗代表:稽古場で

Reゼット賞韓国演劇を受け取る阿部さん

「【Re:Z】大賞」を受け取るシアターZooの阿部雅子さん

 さらに今回は特別ゲストとして、 「演劇シーズン 2015-冬(http://s-e-season.com/)」の5つの公演の一つ、「蟹と彼女と隣の日本人(http://www.h-paf.ne.jp/engeki/45_kani.html)」に客演する韓国からのお二人の役者の方もご参加されました。演劇シーズンの5演目は皆、再演ですが、この芝居も2月の公演がまた新しいチャレンジです。

韓国からの演劇人お二人も

韓国からの客演、チョン・ヨンジュン(劇団青羽)さんとチョ・アラ(フリー)さん

この芝居は:~~~~ HPより

日本語と韓国語が入り乱れる中華料理店で勃発する蟹の脱走劇
ススキノのはずれにある中華料理店でアルバイトの韓国人の若者が店番をしながらスープカレーを煮込んでいると、宅配便の荷物が届く。開けてみると、大きな活きたタラバガニ。しかし彼の不注意からタラバガニが逃げてしまう。日本人と韓国人の若者たちや、店主の中年日本人女性が大騒ぎをしているところへ、怪しげな韓国語を話す日本人の男が、茹でたてのタラバガニを持って現れた・・・。

~~~~~~~ 身近な場面の中、韓国の役者の方々の底力、やり取りの面白さが楽しみです。

 これまでの「演劇シーズンー冬」についてのコメントはこちら:

* http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=15837

* http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=9763

「TGR 2014」、終盤へ

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 札幌の舞台芸術にすっかり定着した登竜門的イベント「札幌劇場祭:TGR(http://www.s-artstage.com/2014/about/」が、今年で10周年の節目となり、今、終盤を迎えています。演劇部門では、韓国の劇団を含めて今年34作品がエントリーしています。

 先日は、札幌座pitのイヨネスコ作品「禿(はげ)の女歌手」を観ました。なかなか難しいイヨネスコ作品に果敢にチャレンジして、予想通り容易な理解とはいきませんでしたが、札幌座の「椅子」、「瀕死の王さま」に続くイヨネスコ作品への挑戦は、拍手喝采です!終了後のトークショウは、英国演劇の周辺も含めて解説・補足して頂き、ロングランを支える幅広い観客層の厚みの違いも感じる等、さらに作品を楽しむことができました。

 こちらの劇評は興味深いです――> http://theatrearts.aict-iatc.jp/201411/2246/

札幌座pitによる「禿の女歌手」

札幌座pitによるイヨネスコ原作「禿の女歌手」

 まだまだ面白そうな芝居が続きます、12月2日には恒例の「公開審査会」が予定されていて、7人の審査員がどんな論評をされるのかも含めて楽しみです、もちろん私も出席します。

* 公開審査会2013 http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=18601

* 私が審査員の時 http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?s=%E6%9C%AD%E5%B9%8C%E5%

 「演劇のマチ・サッポロ」を目指して、演劇関係者、観客、それを支援する団体・企業等、一層のレベルアップも必要かと。11月の「札幌劇場祭」、冬・夏の「演劇シーズン」等の「装置」も整い、いよいよ楽しみな状況が創られてきています、これまでご尽力して頂いた多くの関係者の皆さまに感謝ですね。

北海道演劇財団の新体制

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 「公益財団法人 北海道演劇財団(http://www.h-paf.ne.jp/」は、今年で創立18年を迎えますが、先月の評議員会、及びその後の理事会で、新しい体制がスタートしました。

 新しい理事長に私が就任しました(http://www.h-paf.ne.jp/hpaf/yakuin140701.pdf)。常勤の専務理事には田渕勝利さんが就任、一足早く4月から新しく事務局長の倉谷敦子さんとご一緒に、創立20周年に向けて基盤を強固にし、新たな発展ができる体制を早急に構築したいと思っています。

 事業系では、これまで日韓の演劇交流にご尽力されてきた木村典子さんが財団のメンバーにご就任。力強いスタッフをお迎えして、またこれまでの活動を支えて来られた従来のスタッフとともに、一層活発な活動をして参ります。

財団歓送迎会で

財団歓送迎会で:前列一番左が木村典子さん

荻谷・前理事長も「演劇シーズン」代表は引き続き。斎藤歩さんも。

荻谷・前理事長も「演劇シーズン」実行委員会代表は引き続き。斎藤歩さんも。

 まずは、8月1日から始まる「演劇シーズン 2014 夏(http://s-e-season.com/」の盛況ですね。

演劇シーズン 2014 冬

Posted by 秋山孝二
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 札幌演劇シーズン 2014 冬(http://s-e-season.com/」もいよいよ終盤を迎えています。これまでにいろいろこの欄に書き留めてきました。

http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?s=%E6%BC%94%E5%8A%87%E3%82%B7%E3%83%BC%E3%82%BA%E3%83%B3

「西線11条のアリア(http://s-e-season.com/program/nishisen/index.html)」

会場受付で

会場受付で

■キャスト
木村洋次 佐藤健一 弦巻啓太 宮田圭子 林千賀子 山本菜穂 高子未来
川崎勇人(劇団東京乾電池) 彦素由幸(札幌ハムプロジェクト)
上田文雄(札幌市長) ※上田市長のご出演は2月15日(土)14:00開演の回となりました。

■スタッフ
照明プラン:熊倉英記(株式会社ステージアンサンブル)
照明オペレーター:矢口友理(株式会社ステージアンサンブル)
音響プラン:百瀬俊介(shusa) 舞台スタッフ:札幌座員
宣伝写真:高橋克己
制作:笠島麻衣、横山勝俊
ディレクター:斎藤 歩
プロデューサー:平田修二
 

開場前にはすでに長い列ができて、特に子供連れのご家族、中・高校生ほか、若いお客さんがこれまでの演劇公演に比べて多かったような気がします、嬉しいことですね。

教育文化会館小ホール、開場前からのお客さんの列

教育文化会館小ホール、開場前からのお客さんの列

 この公演、札幌ではこれまでシアターZooでしたが、今回は教育文化会館小ホール(http://www.kyobun.org/)です。当日配布のパンフに私も寄稿しています。

~~~~~~~~~~~ 配布パンフより

札幌で生まれ、18歳まで中央区南1西5で育った私にとって、「市電」は札幌の原風景です。4歳から高校卒業までの毎日、通学は定期券で、特に、「西線:ニッセン」の響きは、藻岩山麓の四季の景色とともに、いつでも心地よさを醸し出します。

20113月、札幌座(前TPS)が初めて「レパートリーシアター」と銘打って、1ヶ月のロングラン公演を行いました。「アンダンテ・カンタービレ」、「西線11条のアリア」、「秋のソナチネ」のオリジナル三作品上演。途中、11日に大震災があり、継続を危ぶまれましたが、「今回の三作品は、いずれも生きることの意味、死とどう向き合うかを描いたものであり、今、多くの方に観ていただきたい」との見識と勇気ある判断で、予定通り公演を続け大盛況でした。

日本全国では、演劇公演はじめ、殆どのイベントがキャンセルになり、札幌でも同様の傾向が見られました。そんな中この企画により、こういった状況であるがゆえに、芸術・文化の価値を再発見した気がします。足を運んだ動機として、「毎日、悲惨な光景のテレビ映像で気が滅入ってしまったので・・・」とおっしゃる方も多かったのです。

もう一つ、シアターZOOがこの年に10周年を迎えました。ロングラン千秋楽お祝いとともに、10周年のお祝いの会も同時に開催されました。札幌にこのような場としての「劇場」がうまれ、演劇人が演劇の仕事に専念できるように、まずはロングラン公演を形にしてみましょうと。そして、「演劇シーズン冬・夏」へと発展し、11月の登竜門としての「札幌劇場祭TGR」を含めて、これまで多くの方々のご尽力で、札幌・北海道に演劇の種がまかれ、芽が出て、今、「産業」としての基盤が創られつつある手応えを感じています。

生命、安全、衣食住の確保、さらにもうひとつ私たちが望むものは、芸術文化に触れる時間です、生きる意味を問い、時空を超えて限りある時間を共有する、私たちの大切な営みです。

札幌座として新しい体制でスタートし、次々とチャレンジが続きます。昨年11月の札幌劇場祭(TGR)参加作品「ロッスム万能ロボット会社」は、すがの公が原作をベースに新ジャンルに挑み、多くの客演を迎えて、それぞれの役者がこの舞台で可能性と新たなイメージに体当たり、私はTGRでもトップレベルの公演だったと信じています。

オレゴン・シェークスピア・フェスティバル(OSF)を越える「創造都市・さっぽろ」の中核として、今、演劇の存在感が着実に増している、そんな実感です。

~~~~~~~~~~~~~ コピー おわり

 

今回の公演はこれまでより広い舞台、目線もいつもよりも下からの観劇となりました。猛吹雪の迫力は今回が一番、雪の量も随分増したのでしょうね、ご飯の炊ける香りは広い分だけ拡散したかなと、少々残念ではありました。「死」に向き合う重たいテーマですが、これまでの公演の中で最も突き抜けた明るさというか、後味の良さを感じました、何が違うのでしょうか、後日ゆっくり聞いてみたいなと思います。

演劇シーズンは札幌市内で演劇のすそ野を広げる目的が第一、子供連れ、小・中・高校生の若いお客さまが多いのは本当に嬉しいし、きっと喜んで帰られたと思っています。

 

今回、サイト「ゲキカン(http://s-e-season.com/gekikan/nishisen.html」の劇評は実に新鮮で面白いです、多くの方々にアクセスして頂きたいですね。

「OSF 2013」 in アッシュランド(前)

Posted by 秋山孝二
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 Oregon Shakespeare Festival:OSF(オレゴン・シェークスピア・フェスティバル)http://www.osfashland.org/とまちづくりをテーマに、北海道演劇財団(http://www.h-paf.ne.jp/)関係者による調査・研究のツアーに参加してきました。

 米国オレゴン州アッシュランドは、札幌の姉妹都市ポートランド市の南460キロ、サンフランシスコとのほぼ中間点にある人口2万人のこじんまりした町ですが、この「OSF」で世界的にも有名です。1935年にアンガス・ボウマーによって始まった最も古く大きなプロフェッショナル劇場でのフェスティバルで、全米、外国から、毎年40万人の人々が訪れます。

オレゴン・シェークスピア・フェスティバル 2013

オレゴン・シェークスピア・フェスティバル 2013 10演目(2月~11月)

中心部の劇場群

中心部の劇場群

商工会議所・スタッテリー専務理事(左)とOSF・ギブス理事(右)

商工会議所・スタッテリー専務理事(左)とOSF・ギブス理事(右)

 今回、私たちは今札幌で続けている芸術・文化都市創造の一環で、「演劇によるまちづくり」の基盤等について、現場感覚を磨くことと、継続的にこれらを支えて来ている方々にインタビューを試みて、札幌におけるヒントを得たいという目的でした。

 今、札幌では、毎年11月の「札幌劇場祭:TGR(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=6621」、「演劇シーズン夏・冬(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=17643)」等、これまでの多くの方々の努力により、市民の暮らしの中に演劇が定着し始めてきています。これをさらに発展・進化させて、プロフェッショナルな役者、演出家、照明、衣装等も含めた「産業」としての基盤を創り上げたいとの夢を持ちながら、アッシュランドの方々からのお話を聞きました、大変貴重なお話の数々、これらを活かして今後の札幌での活動に繋げたいものです。

メンバーと記念写真

メンバーと記念写真

【追記:10月4日】 地元メディアに掲載されました。
http://www.ashlandchamber.com/News.asp?NewsID=921

札幌演劇シーズン 2013 夏、後半

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 「札幌演劇シーズンhttp://s-e-season.com/」、昨年の夏、冬、も活況を呈して、すっかり定着してきました。今年も後半に入って、連日盛り上がっています。

http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?s=%E6%9C%AD%E5%B9%8C%E6%BC%94%E5%8A%87%E3%82%B7%E3%83%BC%E3%82%BA%E3%83%B3

演劇シーズン 2013 夏、後半へ

札幌演劇シーズン 2013 夏、後半へ

イザナギとイザナミ

イザナキとイザナミ~古事記一幕~

 今日、今年のシーズン3作目の千年王國(http://sen-nen.org/)「イザナキとイザナミ~古事記一幕~」公演でした。

HP より~~~~~~~

世界のはじまり。まだ天と地がしっかり固まらず、くらげのように浮いていた頃。高天原にうまれたふたりの男神と女神「イザナキとイザナミ」このおふたりは一つの体に二つの心が一緒に住まう、ふたりでひとつのものでした。

お互いの顔をみるために体を二つに引き剥がしたおふたりは、次々と神々を生み、幸福な生活を始めます。しかし、火の神を生んだイザナミはその体を炎に焼かれ、二人の愛は悲劇へと黄泉の坂を転がり落ちていくのでした。

ひとつになる事を望みながらすれ違っていく、普遍的な男女の姿を描いた愛の神話。

~~~~~~~ 引用 おわり

 音楽とセリフと榮田佳子さんの舞いの魅力が見事なコラボレーション、テンポよく古事記の世界に誘われました。「国の始まり」、ものごとの始まりは、いつも神秘的でドラマチックです。

 このところ、劇団のサービス精神が旺盛で、アフタートーク、アフターパーティ、バックヤードツアー等、内容も豊富でお客さんも大喜びです、年を経るごとにサービス水準が上がってきますね。ただ芝居を観るだけでなく、役者との平場でのやり取り、監督・脚本家のお話ほか、楽しみ方に奥行きが出てきています、素晴らしいことです!!

公演後のイベントも盛りだくさん

公演後のイベントも盛りだくさん:写真は札幌座クラブ横山さん提供

 役者の方々はじめ担う側のご尽力に頭が下がります、私たち市民もただ「消費者」として観劇するだけでなく、演劇に関わる方々を少しでも支える姿勢を持ちたいものです、「わがマチの誇り」としてですね。残りの公演、皆さん頑張って!!

「ブレーメンの自由」、ほか

Posted by 秋山孝二
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 「演劇」と私は、この数十年、何やかやでずいぶん長い付き合いとなっていて、この欄でも「演劇」で検索するといろいろ書き留めてきています(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?s=%E6%BC%94%E5%8A%87%E8%B2%A1%E5%9B%A3)。

 このところでは、札幌座Pit公演「ブレーメンの自由:http://www.h-paf.ne.jp/engeki/pit_bremen.html」と、弘前劇場公演「最後の授業:http://www.hirogeki.co.jp/next.html」が印象的でした。

ブレーメンの自由

札幌座ピット:ブレーメンの自由

「ブレーメンの自由」のHPより~~~~~~~~~

19世紀初頭ドイツブレーメンで実際に起きた事件をR・Wファスビンダー監督が戯曲化した衝撃作!!

工場経営者の妻ゲーシェは、夫ミルテンベルガーに日頃から家畜のように扱われていた。ある日、ミルテンベルガーが急死し、ゲーシェは夫の友人ゴットフリートと暮らし始める。恋人との同棲を非難する母親を毒殺し、別れ話を回避しようとわが子に手をかけて、逃げようとする恋人を毒殺する。愛に執着しながらも自由を求め続けるゲーシェの最後とは・・・・。「毒殺屋」と呼ばれた主人公ゲーシェ役に宮田圭子、彼女を取り巻く男たちに多彩な客演を迎えて届けられる「札幌座Pit」の初舞台。

~~~~~~~~~~ 引用 おわり

 この作品の演出の弦巻啓太(札幌座ディレクター)と本作翻訳者の渋谷哲也(東京国際大学准教授・ドイツ映画研究)さんによるアフタートークも作品自体の背景とかゲーシェの人となり等、一層作品を深く楽しめました、弦巻さんのこの作品に掛ける意欲を感じましたし、「札幌座Pit」として実験的プロジェクトに取り組む関係者たちの挑戦に拍手です。


 一方、私の最も好きな弘前劇場・長谷川孝治さんのオリジナル作品、「最後の授業:http://jiyuudai.com/guide/130626.html」も良かったですね。いつもながらのゆったりした時間の中に多彩な会話のやり取り、ハッとする時々のセリフ等、全く飽きない1時間半でした。

弘前劇場:最後の授業

弘前劇場:最後の授業の舞台

 そして気がついてみると、今年も「演劇シーズン:http://s-e-season.com/」の到来です。地下歩行空間にも大きな広報が展開されていて、パンフレットの取り出し状況も昨年を上回る勢いとか、着実に拡がりを見せる札幌の演劇界、これからも楽しみですね!

演劇シーズン 2013夏が間もなく開幕

「演劇シーズン 2013夏」が開幕!

演劇シーズン 2013 冬

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 札幌での「演劇シーズン」企画、今回は「演劇シーズン2013 冬:http://s-e-season.com/として始まり、その前半を終了しましたが、大変盛況です。

 今年は5つの演目です。

* 「ライナス:http://s-e-season.com/program/linus/index.html」 劇団いなだ組公演

* 「冬のバイエル:http://s-e-season.com/program/fuyuno/index.html」 札幌座公演

* 「春の夜想曲:http://s-e-season.com/program/haruno/index.html」 札幌座公演

<札幌発傑作セレクト>

* 「狼王ロボ:http://s-e-season.com/program/robo/index.html」 劇団千年王國公演

* 「ヘリクツイレブン:http://s-e-season.com/program/herikutsu/index.html」 yhs公演

 私の観劇は残す「ヘリクツイレブン」だけとなりましたが、これまでの4作品はいずれも全国各地で何回も公演されている演目だけあって、お客さんも多く、大変盛況です。私にとっても何回も観ている演目もありますが、キャストが代わり、時間も経て、同じ芝居がこうも違った印象なのかと、少々の驚きもあります。琴似の「コンカリーニョ:http://www.concarino.or.jp/npo/」、中島公園の「シアターZOO:http://www.h-paf.ne.jp/zoo/index.html」、新札幌の「サンピアザ劇場:http://www.arc-city.com/sunpi-theater/」と、それぞれの特徴を活かした芝居も楽しめます。

 思えば、私はこんなに演劇にどっぷりとはまり込むとは思ってもいませんでした。昨年のトーク(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=15265)でもお話したのですが、2003年に私が札幌に拠点を戻してから、演劇に費やす時間が大幅に増えました。特段に製作に携わっている訳でもなく、一観客として、北海道演劇財団副理事長として程度の関わりなのですが、自分の時間のかなりの部分を演劇関係の方々とともにしている感じがしているし、若い皆さんとのやり取りが自分にとっては心地よいのです、活き活きした表情、姿から元気をもらえるようで。

 この間に、地元北海道出身の演劇人が随分育ってきています。斎藤歩さんは、映画・演劇に頻繁に登場し、先日のテレビ60年記念としてNHKドラマ「メイド・イン・ジャパン:http://www.nhk.or.jp/drama/madeinjapan/」でもタフ・ネゴシエーター役で出演していましたし、脚本家の橋口幸絵さんは、昨年末に同じくNHK・プレミアムドラマの「神様の赤ん坊:http://www.nhk.or.jp/sapporo/drama/」、そして、今月のアナザー・ストーリーの「僕が父親になるまで:http://www.nhk.or.jp/sapporo/drama/spinoff/index.html」と、共に大活躍で大変嬉しいことです。

 この北海道で、プロフェッショナルとして演劇人が育ち、活躍し、そして羽ばたいて行く、芸術・文化の力に期待したいし、それを支える市民の応援にも力が入ります。(http://s-e-season.com/about/about-project.html

生態系の復活に挑む

Posted by 秋山孝二
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  正月番組、BSフジ「Earth Walker」第二夜「~幻のオオカミに逢う~:http://www.bsfuji.tv/earthwalker/02.htmlに、北海道の道東・標茶町虹別、(株)オオカミの森の主宰・桑原康生(http://www.howlin-ks.co.jp/)さんが出演しました。

 これまで私も数回訪問させて頂いています。桑原さんに乗馬を教えてもらったり、一緒に渓流釣りをしたり、ある時は彼のオープンジープで近くの川からの帰り道、とてつもない雷雨で全身ズブ濡れになったこともありました、本当に久しぶりにびっしょりで、心地よかったから不思議ですね。また、ログハウスの宿泊では、天井内側にコウモリが出現、夜中はオオカミの遠吠えが夜空に高く響き渡り、ひと時野生の森を感じながらの夜でした。

ホッキョクオオカミ
ホッキョクオオカミ

標茶町虹別の桑原康之さん

  オオカミは、歴史的にも「神」として奉られていました、三峯神社(http://www.mitsuminejinja.or.jp/new/index.htm)の紹介も。

大口真神(おおぐちのまがみ:http://www3.ocn.ne.jp/~snowwolf/wolf/myth/makami.htm)~真神(まかみ)は、現在は絶滅した日本狼が神格化したもの、なぜオオカミが神だったのか、それは肉食生態系の頂点に立つ存在だったからではないでしょうか。

 番組では旅人として滝川クリステルがレポーターでした。世界最初の国立公園・米国イエローストーン国立公園(http://www.nps.gov/yell/index.htmhttp://www.uswest.tv/wyoming/wy_02.html)でのオオカミ再導入による生態系復活の試み(http://www.asahi.com/shimbun/nie/kiji/kiji/20121214.html)も興味深かったですね。ここまでに至る間に、約30年の議論があったようです。

 日本でも、全国の幾つかの地域で「オオカミの再導入」が検討されています。有害鳥獣の駆除効果が期待される反面、マングースのように生態系に悪影響を及ぼしたり、オオカミが家畜や人間などを襲う危険性も指摘されていて、議論はなかなか進みません。そもそも「生態系の回復」というよりも、「駆除効果」とかの場当たり的数合わせみたいな議論に終始しては、多くの方々の賛同は難しいような気がします。「生態系の回復」という課題と正面から向き合う覚悟を示さないとですね。

 番組でのクリステルと博士のやり取りは少々物足りなかったですね、一観光客レベルの映像は、せっかく桑原さんからアドバイスを得ていながらもったいなく思いました。それにしても広大なイエローストーン公園だからできる再導入の試みだったのかも知れません、野生動物と人間との距離感が日本とは全然違います。

 20年近く前にアラスカに行った時も、同様の印象を受けました、人間の暮らしと野生動物との距離感、日本は近づき過ぎているのでしょうね。もちろん、人間側が近くに寄り過ぎてきたのですが。昨年来メディアでも紹介される札幌市内での熊の出没も、同様な理由によるものでしょう。

 オオカミと言えば、昨年の演劇「狼王ロボ:http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=11192」を思い出します、今年の1・2月の「演劇シーズン冬:http://s-e-season.com/season/2013/winter/」で再演があります。また、生態系の回復では、一昨年のヒグマの話(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=6054)も忘れられないです。

 オオカミによる「生態系の復活」、私の生きている内に是非北海道で実現を見たいですね!

札幌劇場祭(TGR)の審査を終えて(4)

Posted by 秋山孝二
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 公開審査会後に、いろいろ知ったことがありました、「客演」、「ロングラン」の難しさもその一つです。

 今の北海道では、演劇関係者(役者・脚本家ほか)がプロフェッショナル(専業)として生活するのはなかなか難しい環境であり、生活の糧としての「仕事」をし続けながらの公演にならざるを得ません。当然そこには「職場の都合」があり、未成年の場合は夜の時間制限等社会的制約も順守しなければなりません。一つの劇団であれば、その約束を長年共有してきていますが、客演となると、稽古・公演の時間帯等がいつもとは違い、なかなか全員が揃う場の確保が難しい、ロングランでも同様で、まさに「芝居以前の環境整備」ができていない状況なのだと思います。

 今、札幌では、「演劇創造都市札幌プロジェクト:http://s-e-season.com/about-project/」を展開中で、私はその副代表の一人です。札幌劇場祭も終り頃の先月末に、「このひとと語ろう~札幌の演劇へのアプローチトーク②~」が、第二回目として秋山財団2階で開催されました。第一回は代表の荻谷忠男さん(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=14386)、来年1月17日の第三回は副代表の高堂理さんの予定です。

 今回は私と「劇団yhs:http://yhsweb.jp/」主宰・演出家の南参さんとのトーク、司会はNPO法人コンカリーニョ(http://www.concarino.or.jp/events/)理事長の斎藤ちずさんで、40名の皆さまがお集まりになりました、ありがとうございます。劇団yhsは今年で15周年の節目の年を迎えています。苦節15年(?)、一直線ではなかった様子を先日も南参さんから伺うことができました、また彼は私の中学校の後輩ということも知りました。

中央が南参さん、右が斎藤ちずさん

中央が南参さん、右が斎藤ちずさん

 このプロジェクトでは、札幌で、仕事として、演劇に従事する演劇人が100 人誕生することを目標としています。演劇にかかわる専門技術者は、俳優だけではありません。舞台美術、装置、音響照明、衣装、メイク、ヘアなどの技術者、広告宣伝、印刷やメディアの業界、劇作家や演出家、作曲家、演奏家、歌手、ダンサー、振付家、劇場に欠かせない飲食業、などなど、その波及範囲は極めて広いのです。演劇人が、仕事として継続的に演劇創造ができる街・札幌、そこに、多彩な技術と才能が集まります。その軸として、「札幌劇場祭(TGR)」と「さっぽろ演劇シーズン」がしっかり根付くことが大切であり、今年の審査会を終えて、今、その手応えを実感しているのは私一人ではないと思います。

 芝居のクオリティを上げることは勿論ですが、多彩な公演の場を支える、演劇にかかわる人々「演劇人」が仕事として暮らせる芸術・文化の香りの高いマチを創っていく、それが3・11以降の地域の大切な価値なのだと思いますね。

<参考>

代表     荻谷 忠男(北海道テレビ放送株式会社代表取締役会長)
副代表    秋山 孝二(秋山記念生命科学振興財団理事長)
       高堂 理(株式会社電通北海道代表取締役社長)

幹事   飯塚 優子(レッドベリースタジオ主宰)、碓井 雅博(株式会社電通北海道マーケティング・クリエーティブ局長)、尾崎  要(舞台監督)、斎藤 ちず(NPO法人コンカリーニョ理事長)、林 亮一 (北海道テレビ放送株式会社取締役報道情報担当)、三上 敦(株式会社ノヴェロプロジェクト推進室・プランナー)、右谷 誠(シアターZOO幹事)、閔(ミン)鎭(ジン)京(キョン)(北海道教育大学岩見沢校准教授)

事務局長    平田 修二(北海道演劇財団専務理事/プロデューサー)

■連絡先
北海道演劇財団 Tel:011-520-0710 Mail:office@h-paf.ne.jp
NPO 法人 コンカリーニョ Tel:011-615-4859 Mail:mail@concarino.or.jp

札幌劇場祭(TGR)の審査を終えて(3)

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5) 札幌座「ディヴィッド・コパフィールド」は、協働の場としての「札幌座」の4番目の公演でした。ディケンズの自伝的小説64章の原作を2時間の脚本にまとめ、21名の役者が登場して、150以上の登場人物をあのシアターZooの空間でこなす、まさに意欲的挑戦作品だと思いました。「どこまで削ぎ落とせるか、何を残すのか」、構成・演出の清水友陽さんの葛藤を垣間見る気がしました。コパフィールドの人生、山あり谷あり、多くの人々の出会いそれ自体が彼の人生の宝物なのでしょう。多くの客演の中で、特に亀井健さん、小林エレキさんが、これまでのTPS・札幌座になかったカラーを呼び込んでメリハリが出ていて、コラボレーションの面白さがまさに発揮された作品だと思いますね。

6) 一昨年からずっと感じていたことに、「人形劇」のジャンルの奥深さがあります。今年もこぐま座、やまびこ座でのそれぞれの劇団の公演は、皆、実に面白くメッセージも明確でした。子どもたちは勿論のこと、大人にとっても余韻の残る素晴らしい作品と演技で楽しめます。私も毎回のチラシを2人の子どもを持つ長男家族に渡して、近いうちに足を運ぶことを薦めていました。何と言っても、劇場、劇団の方々のお客さんに対する優しい眼差しが素晴らしいです。開演前の諸注意、休憩中には人形が客席に現れたり、そして、舞台では場面の転換も流れるような見せる場面として、とにかく劇場に居るお客さまに喜んで頂こうという姿勢から学ぶものは多いですね。

7) 今年は、公開審査会後の交流会で、多くの創り手の方々とお話をすることができました。それぞれ実に内容があり、創り手の伝えたかったことをあらためて知る機会となり、私的には嬉しかったです。ただ、一方で、お話をしてみて初めて「ああそうだったのか」と分かる時、「それはそう説明を受けないと分からないよ」と思う時も多く、たった一回の観劇では、なかなかその創り手たちの意図を捉えきれない自分もよく分かっているので、可能な限り「再演」を希望したいですね。一回だけではかなり見逃しているセリフ・場面もあったり、創り手にとってもその後の手直し、作品の進化としても価値ある場だと思うのですが。時々再演を観て、「かなり修正したでしょ」と製作者に言うと、「いえ、脚本は全く手直しをしていません」などと言われる場合もあったりしますので。

8) 7)にも関係しますが、それ故に、昨年から始まった「さっぽろ演劇シーズン:http://s-e-season.com/」企画は、再演を集めての1カ月ロングランであり、この劇場祭を踏まえてさらにすそ野を拡げる企画として期待したい所です。このTGRでの公開審査会での辛口審査が、次のこれらの企画で活かされてくると、北海道での演劇のすそ野は大きく拡がり続けるような気がします。観てお仕舞いの演劇鑑賞の「消費」ではなく、ともに創る「パートナー」としての観客に一段レベルアップすることと思います。

いずれにせよ、多くの方々の情熱と時間を費やして創られた一つ一つの芝居を、これ程濃密に鑑賞し前後に意見交換できる場を与えて頂いた劇場連絡会の皆さまに、心から感謝申し上げます、これからも劇場に足を運び続けますよ、「審査員」ではなく応援する「一観客」としてですね!

祝、「yhs」 15周年!

Posted by 秋山孝二
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 早いもので今日から10月、2012年もあと残すところ3カ月となりました。

 札幌の劇団「yhs:http://yhsweb.jp/」は、今年で設立15周年を迎えました。記念公演は、「つづく、:http://yhsweb.jp/nextplay」でした。この公演のチラシ、「つづく、」の文字が少し角ばっていたので、ある財団のO理事長は、「コゴク、」と読んで、「変わった題名だな」と思っていたそうです、人の理解って様々ですね?!

「yhs」設立15周年記念公演、「づづく」

「yhs」設立15周年記念公演、本番前の「づづく、」の舞台

~~~~~~~~~~~~~~~「yhs」HPより

 2020年冬、札幌市周辺を記録的な寒波が襲い、凍死者が続出した。
さらに4月を過ぎても気温が全く上がらず、
積雪量がゼロになることのないまま、再び冬を迎える。
2021年3月に、ようやく政府は札幌市周辺地域を
「異常気象に伴う特別管理地域」と設定。
多くの避難者が発生する。
 
2112年、万年雪に包まれて60年以上が過ぎたSAPPORO地区。
研究者や観測隊、わずか500名ほどが滞在する土地となっていた。
産業も廃れ、文化も途絶え、かつての200万人都市の面影はなく、
冷凍保存されたビル群が立ち並んでいるのみだ。
 
そんなSAPPOROに、東京のテレビクルーがドキュメンタリーの取材にやってきて、
廃墟と化したかつての「劇場」に足を踏み入れる。
そこには、打ち捨てられたスピーカー、灯体、舞台美術、
チラシ、台本たちが散乱していた。
やがて、そこに残された「記憶」が少しずつ蘇ってくる……。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~引用 おわり

  代表の南参(ナンザン:http://nanzan.yhsweb.jp/)さんと、11月28日(水)に秋山財団で「札幌プロジェクト第2回トーク」で対談する予定です。このシリーズ、初回は、「このひとと語ろう~札幌の演劇へのアプローチトーク~」と題して、演劇創造都市札幌プロジェクト(http://s-e-season.com/about-project/)代表・荻谷忠男(HTB北海道テレビ放送 代表取締役会長:http://www.htb.co.jp/)さん、札幌演劇シーズン2012夏作品演出・イトウワカナ(intro主宰・演出家:http://www.intro-sapporo.com/)さんの対談が、平岸のHTB本社ロビーで開催されました。

 舞台で作品を観るたのしみだけでなく、脚本家、演出家、役者の方々のトークは、実にまた違った側面を知る気がして楽しいです。先日も、役者の方に、「公演終了直後に、ロビーとか近くの飲み屋で、観客と芝居についてのやり取りは負担だろうか」と聞いみたら、皆さん一様に、「終演後はテンションも上がっていて、疲労感とかよりもむしろ興奮状態。毎回毎回、お客さんの雰囲気で芝居の出来も違うので、そう言った場は自分たちにとっても大変興味深い」と。

 そんな発言に自信を得て、これからは、機会を見つけてはトライしてみようと思っています。「yhs」の皆さん、15周年おめでとうございます!

映画、演劇、さっぽろの街

Posted by 秋山孝二
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 「NPO法人北の映像ミュージアム:http://kitanoeizou.net/が、開館1周年記念事業で開催した「シネマの風景:http://kitanoeizou.net/blog/?p=2977」は、北海道でロケをした作品の数々、懐かしさ・面白さも含めて、場の放つメッセージと、あらためて昔の作品の強烈さを感じました。

シネマフェスティバル2012

シネマの風景・フェスティバル2012

  特に、「人間の條件:http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=138648」は9時間半の超大作、二日に分けてでしたが、気合いを入れて全編を観ました。戦中、戦後を立場を変えて体験する主人公、最前線での現実の不条理等、私自身の変化もあるのか、昔に観た時よりも遥かに興味深く受けとめることができました。中代達矢の役者としての凄さも。

 

 一方、演劇の分野では、「このひとと語ろう~札幌の演劇へのアプローチトーク~」と題して、演劇創造都市札幌プロジェクト(http://s-e-season.com/about-project/)代表・荻谷忠男(HTB北海道テレビ放送 代表取締役会長:http://www.htb.co.jp/)さん、札幌演劇シーズン2012夏作品演出・イトウワカナ(intro主宰・演出家:http://www.intro-sapporo.com/)さんの対談が、平岸のHTB本社ロビーで開催されました。

演劇プロジェクト・トークの夕べ HTBロビーで

演劇プロジェクト・トークの夕べ HTB本社ロビーで

 年間3万人が訪れるというこの開放系ロビー、「水曜どうでしょう:http://www.htb.co.jp/suidou/」の人気の下支えなのでしょう。お二人の軽妙なトークに、参加した方々も大満足だったようです。第2回目は11月28日(水)に、このプロジェクト副代表の私が、yhs(http://yhsweb.jp/)代表・南参さんとの対談を秋山財団で予定しています、何を話したら宜しいのでしょうね、困ったものです?!劇団「yhs」は今年で設立15周年の記念すべき年(http://yhsweb.jp/15th-thanks/)です。

 芸術・文化の香りのマチ「さっぽろ」、これからも楽しみですね!

2012.8.15 を過ぎて

Posted by 秋山孝二
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 この夏は、話題満載で、なかなかこの欄にも掲載しきれません。どうしても目の前の出来ごとに目を奪われがちですが、気になる記事・番組をこの間少しずつメモしてきました。今、お盆を過ぎてふり返り、この夏を忘れないように書き留めます。

 まずは、つい先日書いた札幌の演劇界の盛り上がりとロンドン五輪に絡んで:

 演劇シーズン2012 夏:http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=14067

 ロンドン五輪(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=14041

 

 原発関連では今も続く見逃せない動きです:

* 山本義隆の洞察 http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=11550 :彼の「科学技術(「科学」と「技術」ではなく)」に対する考察は、1960年代後半から一貫しています。未熟な技術としての原発、原発ファシズムの指摘、数十年ぶりの問題提起は「未だに健在」で説得力があります。

* 国会事故調(http://www.naiic.jp/

 再稼働反対の動きはまだまだ続きます:

* 原発再稼働反対デモ(http://www.youtube.com/watch?v=r7328uIAaqY

* 原発再稼働反対:タクシーでの取材 http://www.youtube.com/watch?v=w26klgPfBio

* 再稼働反対集会(7月16日) http://www.youtube.com/watch?v=YBeaTplNGBo&feature=related

http://www.youtube.com/watch?feature=endscreen&NR=1&v=8vTbW_y4V5c

 目を引く外国テレビ局2社の報道番組も: 

* 4号機が爆発した本当の原因と東電がそれを隠す理由/フランス・ドイツ共同の国営放送局 ARTE 「フクシマ-最悪事故の陰に潜む真実」(日本語字幕)、「4号機の建屋が爆発した本当の原因」が解説されている動画、ドイツのテレビ放送番組。
 
http://www.dailymotion.com/embed/video/xpzmuo_yyyy-yyyyyyyyyyy_news

  国の「エネルギー・環境に関する選択肢」に対する意見の募集(パブリックコメント)、2030年の原発依存度に関して 0%、15% 20-25% の3つの選択肢を提示し、国民の意見を募りました。これが開始された7月2日時点での日本国内の原発への依存度は0%。

* グリーンピースが提示した「エネルギーレボリューション」でも原発依存度0%は可能です。
http://www.greenpeace.org/japan/ja/library/publication/20110912/?gv20120707

 原発設置の歴史から学ぶ意味では、三重県芦浜の事例は貴重で、NHK名古屋の優れた番組です。

* 三重県芦浜の事例 http://www.dailymotion.com/video/xsuk17_yy-yy-yy-yyyyyyyyyyy_news

 

 そして、8月と言えば毎年忘れることが出来ないのは、日本の敗戦の総括です。

* 昨年の終戦特集記事:ビハール号事件を軸とした私の父の話(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?s=%E3%83%93%E3%83%8F%E3%83%BC%E3%83%AB%E5%8F%B7%E4%BA%8B%E4%BB%B6

* メディアの終戦特集: 「終戦 なぜ早く決められなかったのか」、3・11以降の今の様子は全く同じ構造です。

(前)http://www.dailymotion.com/video/xsuods_yy-yyyyyyyyyyyyyy-y_news

(後)http://www.dailymotion.com/video/xsuoi2_yy-yyyyyyyyyyyyyy-y_news

 昨年、今年とマスメディアの新たな面を知り、ジャーナリズムの価値を再確認しました。特に、昨年私の父の体験に寄り添ってくれた北海道新聞のデスク・記者の皆さまにには、心より感謝申し上げます。私自身の戦犯裁判記録の調査は、この1年間はあまり進んではいませんが、国立公文書館はじめ、海外のアーカイブス関連へのアクセスを含めて、引き続き行っていこうと思っています。文書の検索は殊の外困難で、何かコツがあるのかも知れません、もし、このブログをお読みの方で、検索・調査へのアドバイスを頂ける場合は、是非ご連絡をお願い致します。

 今年の夏もまだまだ残暑は続きます、ただ、確実に過ぎ去っていく多少の焦りを感じながら、また1年、戦後が過ぎました。

演劇シーズン2012 夏

Posted by 秋山孝二
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 2年目を迎える 「札幌演劇シーズン2012 夏:http://s-e-season.com/season/2012/summer/」が、今年は3つの演目で開催されています。

<シアターZOO(http://www.h-paf.ne.jp/zoo/index.html)>では、

 * 札幌座公演「アンダンテ・カンタービレ:http://s-e-season.com/season/2012/summer/andante/

 * 札幌座公演「瀕死の王さま:http://s-e-season.com/season/2012/summer/hinshino/

<コンカリーニョ(http://www.concarino.or.jp/)>では、

 * コンカリーニョプロデュース公演「歯並びのきれいな女の子:http://s-e-season.com/season/2012/summer/hanarabi/

 日替わりの公演の時もあり、役者のみなさんも大変ですね。毎回、熱演が続いていますが、あと数日で千秋楽を迎えます。

札幌座公演:「瀕死の王さま」の玉座

コンカリーニョプロデュース公演:「歯並びのきれいな女の子」

コンカリーニョプロデュース公演:「歯並びのきれいな女の子」

 

<アンダンテ・カンタービレ:作・演出・音楽 斎藤歩> 今回、これまでと違って一番よかったのは、和尚役のすがのさんではないでしょうか、気合いが入っていたというか、どこか吹っ切れた(?)、ピリッと締まって存在感がありました。「市町村合併」、「自衛隊の海外派兵」等、時の経過を感じさせるセリフも印象的でした。コーラスもそれぞれのパートが格段にランクアップし、歌と芝居が融合して北海道の風が吹きぬける気持のよい作品でしたね。

<瀕死の王さま:作 ウジェーヌ・イヨネスコ、翻訳 大久保輝臣、脚色・演出 斎藤歩> 2回観ました、作がイヨネスコということで覚悟をして臨みましたが、斎藤さんが1時間20分に、セリフも途中で切ってくれたお陰でしょうか、大変コンパクトに分かりやすい作品に仕上がっていました。第二王妃マリー役はダブルキャスト、宮田さんと坂本さんの回とで、こんなにも印象が変わって、王さまの人格まで影響を与えるような気がしました、女性というのは怖いですね。怖いと言えば第一王妃マルグリット役の橋口さん、しかしながら最終フレーズの王さまの臨終場面では、何か彼女に愛おしさを感じてしまいました、結局最後まで寄り添ったのは彼女だと。斎藤さん、橋口さん、弦巻さん、札幌座のスタートでもあり、熱演に感動しました。佐藤さん、高子さんも大変素晴らしかったです。

<歯並びのきれいな女の子:作・演出 イトウワカナ、監修 泊篤志(北九州・飛ぶ劇場)> こちらも座席を変えて2回観ました。特に2回目は格段に面白かったです。最初の観劇は、多少アルコールが入って着席したので、ひょっとしたら申し訳ありません、途中で夢の中だったのかもしれません。大胆な沈黙と緩急にメリハリがあってとても心地よく、舞台にくぎ付けになりました。ごくありふれた「家族」を取り上げて、「遺言書を開く」という非日常的場面での家族の動揺、思惑、等を、コンカリの広大な空間を駆使し、コミカルに描写、演出していて、実に楽しいひと時でした。イトウワカナさんが言う「札幌感」は、しっかり伝わってきましたよ。

 

 最後に、パンフレットにある斎藤歩さんの言葉:

~~~~~~~崩壊しつつある王国とか地域がある一方で、そこで生きていく人間達=個人は、生きるということに貪欲であったり、愚かしくもしたたかであったり、最後まで楽観的な希望を持ちたがっていることが鮮明に浮かび上がります。そうした人間たちの願いとか、絶望への抗(あらが)いのような、ほとばしりが「生命(いのち)」なのかもしれないですね。国王はあらゆる権力を駆使して「死」に抗い、合唱団は声を合わせて歌い上げることで生きている証(あかし)を実感する、そんな2つのドラマなんだと思います。~~~~~~~~~~~~~

 全くその通りだと思います、昨年の3・11以降、「生きている証を実感する」、そんな日々でありたいです。「秋山記念生命科学振興財団」の「生命」も、そんな「いのち」をイメージしています。

 あと残り数日となった「演劇シーズン2012 夏」、まだ間に合います、是非足を運んでみて下さい。役者の皆さんは、大変な毎日でしょうが、濃密なこのシーズン、多くの人々がそれぞれの感動を受けとめていますよ、熱演、本当にありがとうございます!!

「札幌演劇シーズン2012夏」、スタート!

Posted by 秋山孝二
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 「札幌演劇シーズン2012夏(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=13732)」が、21日からいよいよ始まりました。まずは、札幌座(http://www.h-paf.ne.jp/tps/tps.html)の「アンダンテ・カンタービレ:http://www.h-paf.ne.jp/engeki/34_andante.html」です。これまでの公演とはひと味もふた味も違った魅力的な仕上がりでした。

「アンダンテ・カンタービレ」初日、開演直前:シアターZoo

「アンダンテ・カンタービレ」初日、満席の開演直前:シアターZoo

  10年前では考えられなかったこの数年の盛り上がり、一番は足を運ぶ方々のすそ野の拡大のような気がします。映画に比べて生身の役者が演じる分臨場感があり感動も大きいのですが、ハズレの芝居の場合はストレス(疲労感)も強く、何となく「敷居が高い?」、そんな声を時々聞きます。それと、劇評とか報道とか、事前情報が少な過ぎて、人に紹介する時にも「自分も行ってみないと分からない」みたいな場合が多かったのですね。

 最近は、以前より格段にメディアへの演劇に携わる方々の露出も多くなってきました。昨日の北海道新聞の「かわら版」の大きな記事、その前の夕刊の取り上げられ方等、関わる方々のエピソード等も多彩で、大変楽しみな札幌・北海道になって参りました。これまであまり演劇に関わりの無かった方々が、多彩な場で芝居を語るようになってきた、雰囲気の盛り上がりも感じます。私自身がその一人です、30年程前に札幌に来た時に、観劇は好きではありましたが、こんなに演劇に関わるとは思ってもみなかったです、特に最近の時間の費やし方はどうなってしまったのか、関わる方々に「愛おしさ」を感じてしまう、まずいパターンです?!

 先日の初日公演後、シアターZOOでのささやかな祝賀パーティには、札幌市の上田文雄市長、一連のプロジェクト代表・荻谷忠男HTB代表取締役会長ご夫妻もご出席で、今回の芝居に出演の役者の皆さんと親しく懇談できました、「今日観るまではこの演目はあまり好きでは無かったが、今日の公演で印象がまるで変わりました」との激賞も複数飛び出しました。。コンカリーニョからは週末から始まる公演稽古の合い間をぬって駆けつけた役者の皆さんも勢ぞろいでした、お疲れ様でした。

 いつもは舞台上の役者の方と、こういった至近距離で親しく話ができるのは、新たな人間性に触れる思いで楽しいですね、みなさんの目に勢いがあって。先日は、「芝居を終えた直後に、観ていた観客と役者が飲みながらしばし懇談する場というのは、出演者には負担だろうか?」と役者の一人に聞いてみたら、「芝居後は自分たちもテンションも上がっている場合が多く、疲労というよりもむしろ楽しみでしょうね」との返答を得ました。何かの折に、自然な形で実現してみたいです!

 公演後のトークも、普段聞けないお話の数々で、一層演劇の面白みを味わえます。脚本製作の背景、再演を重ねるごとの芝居の進化、ご自身の演劇人生の披露等、芝居の余韻とともに、昼間の仕事で疲れていても普段使わない脳の部分を刺激されるようで、劇場を出る時には体にエネルギーが湧いてきているのを感じる時が多いから不思議です。

 誰か名の売れた役者を観に行く、それはそれで楽しみ方の一つだとは思いますが、地元の脚本家、演出家、役者等が日々進化・成長していく姿を、自分の人生と並走して生きていくみたいな感じで見続けて、時々は世界の大舞台とか映画とかテレビ番組に堂々と出演している、「あいつ、最初は札幌のこの舞台に立っていたんだよね」とか言って飲みながら語らい合える、これからの私の小さな夢ですね、自分なりのこだわりと言うか。

 これから8月20日までの長丁場、コンカリーニョプロデュース公演「歯並びのきれいな女の子」、札幌座公演「瀕死の王さま」も楽しみにしています。

札幌演劇シーズン2012・夏

Posted by 秋山孝二
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 「札幌演劇シーズン2012夏:http://s-e-season.com/season/2012/summer/」が、21日からいよいよ始まります。先日その記者会見とカウントダウン掲示板披露が、「札幌市駅前通地下歩行空間:http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=7828」であり、実行委員会の委員の私も出席しました。上田札幌市長、荻谷実行委員長、出演の斎藤歩さんほかも出席しました。

地下通路ディスプレイ:カウントダウン掲示板前

地下通路ディスプレイ:カウントダウン掲示板前

  この掲示板、毎日早朝に、アナログで数字を変えるそうですよ、まさに手作り、今の時代、価値がありますね!?

 

  今回は2か所で3つの公演です。札幌座は、シアターZOO(http://s-e-season.com/season/2012/summer/andante/)で2演目。

斎藤歩ほか札幌座メンバー

斎藤歩ほか札幌座メンバー

  もう一つは、コンカリ―ニョ(http://blog.livedoor.jp/shoot_the_works/archives/51363946.html)です。

斎藤ちず;コンカリーニョ

斎藤ちず;コンカリーニョ

  このところの札幌における演劇の盛り上がりで、何とかプロフェッショナルな演劇人(俳優、脚本家、演出家、舞台装置関係者ほか)を100人育成したい、そんなプロジェクトの一環でもあります。「総合芸術」としての舞台・演劇を、幅広い観る側からも創っていきたいものです。

  フェイスブック(FB)ではすでにシェアしたのですが、いつかプロフェッショナルのこんな舞台が札幌でも見られるようになれば嬉しいです(http://www.youtube.com/watch?v=UC5lMrQf69Q&feature=g-vrec)。サラ・ブライトマン(http://www.sarah-brightman.com/)は本当に魅力いっぱいですが、5人のファントムの立ち姿と洋服の似合い方が素晴らしいですね、「オペラ座の怪人」は、やはり彼らの世界なのでしょうか。

大いなるチャレンジ、「輪舞(ロンド)」

Posted by 秋山孝二
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 文化庁と(公社)日本劇団協議会(http://gekidankyo.blog59.fc2.com/blog-entry-38.html)主催、日本の演劇人を育てるプロジェクト・新進演劇人育成公演「輪舞-ロンド-」(原作アルトゥル・シュニッツラー、脚色・演出橋口幸絵=劇団千年王國・札幌座)の公演がありました。「国会議員」、「女優」、「夫」、「娼婦」、「人妻」、「作家」、「女子高生」、「ヤクザ」が織りなす一室でのやり取り、これまでとは違ったシアター「ZOO」の空気でした。

チラシの表紙

チラシの表紙

8通りの輪舞?

8通りの輪舞?

 2者間の関係性が、相手が変わることにより全く違うやり取りとかもし出す雰囲気、役者と観客のこれまでの人生によって、それぞれに受けとめ方も違う、そんな不思議な芝居でした。5年後、10年後、再演があると、自分も今回とは違ったメッセージを受けとめるような気がしています。 この種の性のテーマは、日本人を含めたアジア文化と欧米文化とでは、味の濃淡で、大きな違いがありますね。もっと濃厚な味が私は好きというか、役者の皆さんが少し若過ぎる?還暦過ぎの私にはそんな気がしました。

 このところの札幌の演劇環境は、「札幌劇場祭:http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?s=%E6%9C%AD%E5%B9%8C%E5%8A%87%E5%A0%B4%E7%A5%AD」、「札幌演劇シーズン:http://s-e-season.com/」等、企画も継続してきており、大きな盛り上がりを見せています。若い役者の皆さんの進化と今後の活躍に期待したいです。

札幌演劇シーズン、2012冬 (3)~最終

Posted by 秋山孝二
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 今年スタートした「札幌演劇シーズン、2012冬:http://s-e-season.com/about-ses/」は、

 劇団イナダ組(http://www.inadagumi.net/の「このくらいのLangit:http://s-e-season.com/season/2012/winter/inadagumi/

* 劇団TPS(http://www.h-paf.ne.jp/)の「亀、もしくは・・・・。:http://s-e-season.com/season/2012/winter/tps/

でした。それぞれ2週間、トータルで1カ月間のロングランで成功裡に終了しました。 

「亀、もしくは・・・・」も満席が続きました

シアターZoo:TPS「亀、もしくは・・・・」も満席が続きました

 完売が相次いできたTPSの「亀、もしくは…。」は、千秋楽日の25日(土)午前11時に追加公演を行ったほどです。通常、追加公演は最終公演の後ですよね、今回は最終公演後に、演劇関係者による「札幌演劇シーズン2012冬」のパーティー(招待制)が予定されているため、最終公演前の午前中の追加公演となりました、終盤に食事の場面もあるこの芝居、わずか3時間程の間に2回も食べきらなければならない役者も大変ですね。先日、2回目の観劇でしたが、何回観てもいいです、特に最後の「みーんなで一緒に、亀になりましょうよ!」というセリフが、ハンガリー・ブダペストでも良かったけれど、札幌でも印象的でした。

 この企画は、「演劇による創造都市札幌実現プロジェクト:http://s-e-season.com/about-project/」の一環で、今年度は「冬」のみでしたが、4月以降の新しい年度では「夏」と「冬」の年2回企画となります。

 劇作家・脚本家・演出家・役者・照明・設備・音響・デザイン・広告宣伝等、100人の演劇人が活躍する街を目指して、これからも幅広い多様な活動が続きます。演劇におけるプロフェッショナルですよ、民間劇団や民間劇場が生き生きと切磋琢磨する「札幌スタイル」です。

 今年、初めての試みに、本州からいらっしゃったお客さまもいたりで、これまで北海道の芝居には足を運んでいなかった方々も多く、演劇鑑賞の幅を拡げる効果はあったかな、と。今後継続することにより、札幌・北海道で演劇関係の方々が集う場が形成されてくると、面白い展開になってきます。いずれそんな札幌の街を見るために、「皆で一緒に、亀になりましょう」か?

 と、ここまで書いた所で、訃報が入りました。TPSチーフディレクターの斎藤歩さんのお父様がお亡くなりになったとのこと。猛烈社員で信念を貫いた営業活動を続け、51歳で脳出血の後、24年間の闘病・リハビリ生活、それを支え続けた妻の紀子さま、そしてつい先日27日未明にご逝去でした。山登りを好み、病床では油絵ほか芸術面でも多趣味で、たくさんの作品を残されていたそうです。

 昨晩のお通夜では、棺の上に、愛用のピッケルが置かれていました。歩さんの公演を見届けるように、打ち上げパーティ直後に息を引き取られました。心よりご冥福をお祈り致します。