富士通フォーラム 2021

Posted by 秋山孝二
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 今年の『富士通フォーラム』、初日基調講演は豪華メンバーで大変興奮するお話でした。サステナブルな未来の実現に向けた富士通の取り組みを時田隆仁社長が語り、イノベーション他、チャレンジに対しての貴重な提言の数々でした。

トーマス・ヘンドリク・イルヴェス 氏

エストニア前大統領(2006年〜2016年)

 大統領在職中はエストニアをデジタル社会へと導くトランスフォーメーション推進に尽力。その結果、現在、同国の公共サービスの99%がオンラインで利用できるまでになっています。2011年〜2012年にはeHealthに関するEUタスクフォースの議長を務め、現在は、世界経済フォーラムが設置するグローバルフューチャーカウンシルのテーマ別委員会であるブロックチェーン技術委員会の共同議長を務めていらっしゃいます。国家の最高責任者がこのDXに対する見識、素晴らしいですね。

時田 隆仁富士通株式会社
代表取締役社長

キャシー松井 氏

ゴールドマン・サックス証券会社元日本副会⻑
チーフ日本株ストラテジスト

 キャシー松井さんは、女性の労働市場参画促進を提唱して「ウーマノミクス」という言葉を発案したことで知られています。

* https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A6%E3%83%BC%E3%83%9E%E3%83%8E%E3%83%9F%E3%82%AF%

 これまでにここで何回か記事を書いていますーー> http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?s=%E3%82%AD%E3%83%A3%E3%82%B7%E3%83%BC%E6%9D%BE%E4%BA%95

 ESG(環境・社会・ガバナンス)投資を盛り込んだ経営戦略策定を熱心に提唱するビジネスエグゼクティブです。

リチャード・ブランソン 氏

ヴァージン・グループ創業者

 世界で最も象徴的なビジネスリーダーの一人、人々をエンパワーすること、困難な目標を達成すること、そして宇宙に行くという大胆な偉業を成し遂げました。

 一つ前のこの欄の記事、札幌農学校のイノベイティブな理念と重なる部分があり、感動致しました。

* http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=42654

2019年を振り返って

Posted by 秋山孝二
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 今年の一番のニュースと言われれば、私は「気候変動」と答えるでしょう。

 9月の千葉県館山の家の被害ほか、大雨・強風等、明らかにこれまでとは違う激しい自然災害、私にとっても自分事で深刻に受け止めましたし、これから目をそらして何が十大ニュースなのか、とも感じた年末です。

* http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=36697

 「気候変動」についてはこの間、アメリカ元副大統領のアル・ゴア氏が精力的に活動しています。

* https://www.ted.com/talks/al_gore_averting_the_climate_crisis?language=ja

 今年は、全世界で展開している彼のリーダー養成プログラムが、日本で初めて開催されて800人が参加して盛会裏に終了しました。秋山財団からもお一人支援を受けて参加され、大いにモチベーションアップに貢献したようです。

今年のアル・ゴアさんのリーダーシッププログラム800人

今年のアル・ゴアさんのリーダーシッププログラム800人

 5年前の外資系金融機関によるミニフォーラムで、私もアル・ゴアさんと至近距離でお話を伺いました、気候変動そのものの説明というよりも、グローバルマネーの大きな潮流が気候変動に取り組む企業へ投資を向けている最前線のお話でした。

* http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=21359

左はストラテジスト・キャシー松井さんと

左はストラテジスト・キャシー松井さんと

 日本でも、今年やっと「気候変動」の危機をマスメディアも報道し始めました。グレタさんの国連での演説も私にとっては衝撃でした。

* http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=36840

 NHKも積極的に番組を作成しています。先日は堅達京子さんから、以下のメールが届きました。

* 今年3月の札幌でのイベントーー> http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=35440

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 NHKエンタープライズのプロデューサー堅達です。災害の多かった2019年も残りわずか、来年2020年は、新しい10年が始まります。東京オリンピック・パラリンピックの年ですが、世界では、気候危機と立ち向かい、2030年にSDGsを達成できるのか、“行動”の10年、人類にとっての“正念場”の10年のスタートの年と位置づけられています。

 NHKでは、新年の巻頭言として、1月1日の夜のNHKスペシャルで、この重要な10年について考える番組「10years After 未来への分岐点」を放送します。グレタさんが訴える気候変動の危機に加え、水問題、AIの軍事利用や遺伝子操作などのテクノロジーも2030年に大きな分岐点を迎えると言われています。今、私たちに何ができるのか?国連グテーレス事務総長や、ヨハン・ロックストローム博士、”脱プラスチック”への挑戦でご紹介したオランダのNPOオーシャン・クリーンアップ の代表ボイヤン・スラットさんも登場します。そして再生可能エネルギー100%の動きも。スタジオMCは、武田真一アナウンサーと17歳の清原果耶さん。スタジオにもフレッシュなゲストをお招きしました。国立環境研究所の江守正多さんにもご出演いただきます。おとそ気分の元日の夜ですが、録画でもいいので、ぜひご覧ください。2020年が幸い多い年になりますように。

放送予定:2020年1月1日(祝)21:00-22:15(総合)

番組名:NHKスペシャル「10years After 未来への分岐点」

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 大切な2020年からの10年、オリンピック・パラリンピックで大騒ぎの場合ではありません、真剣に現実に迫る課題と向き合う生真面目さが重要ですね、私は自分のフィールドで頑張るつもりです、1年間、読んで頂いた方には心から感謝申し上げます。2020年が少しでも光の差す年になりますように、皆さまとご一緒に生きて参りましょう!

朝日地球会議 2018 (上)

Posted by 秋山孝二
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 今年の「朝日地球会議 2018(http://www.asahi.com/eco/awf2018/」、私は二日目と三日目に参加しました、濃密なメッセージ発信の数々、感動し、興奮しました。

会場は東京・帝国ホテル

会場は東京・帝国ホテル

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パネル討論「女性が拓く未来イノベーション~いま必要なリーダーシップとは? 」

経済が停滞し、グローバル化と人口減に直面する日本。世界で生き抜くには、新しい価値を生み出すイノベーションが不可欠だ。そのために必要なダイバーシティーは本来、性別や国籍などを越え、様々な価値観を持つ人材の多様性を指すが、日本ではまだまだ「女性活躍」の文脈で語られがちだ。この現状を踏まえつつ、「ウーマノミクス」を提唱したキャシー・松井氏、グーグルのテクノロジーで柔軟な働き方を実践してきた岩村水樹氏、経団連初の女性役員となった吉田晴乃氏を招き、グローバルな視点を交えて、女性のリーダーシップを考える。

パネリスト

  • ゴールドマン・サックス証券副会長 キャシー・松井
  • グーグル日本法人CMO アジア太平洋地域マネージングディレクター 岩村 水樹
  • 前BT ジャパン会長、内閣府規制改革推進会議委員、2019年G20女性諮問会議 W20共同議長 吉田 晴乃
コーディネーター
  • 朝日新聞社執行役員(デジタル/国際担当) 大西 弘美
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 女性ばかり4名がご登壇、とにかくステージの上が華やかというか、服装だけでなく、一つ一つのご発言に新しい風を感じました。

* 「Womenomics(https://bizhint.jp/keyword/111484」この言葉は、ゴールドマン・サックス証券株式会社の現副会長で、グローバル・マクロ調査部アジア部門統括やチーフ日本株ストラテジストを兼務しているキャシー松井氏が1999年に作成した研究レポート『ウーマノミクス』内で初めて使用された

* 岩村水樹さん:「Work hard」から「Work smart」へ、 「心理的安全性」とは人生のCEOになること

* 吉田晴乃さん:エコノミックス・ソシオロジー

 キャシー松井さんとは4年前にお会いしています。–>http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=21359

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パネル討論「台頭するポピュリズム、危機に瀕する民主主義」

 「アメリカファースト」のスローガンの下、疑問符のつく行動を重ねるトランプ米大統領。移民問題をはじめとして、混迷を深める欧州。欧米でポピュリズムが台頭し、共産党独裁のままの中国が世界で一層存在感を増す中、普遍的な価値と広く受け止められてきた民主主義そのものが危機に瀕しているという見方も出ている。フランスの右翼政党「国民戦線」(現「国民連合」)研究の第一人者パスカル・ペリノー氏、「ポピュリズムとは何か」の著者ヤン=ヴェルナー・ミュラー氏、「11の国のアメリカ史」の著者コリン・ウッダード氏に加え、国際情勢についての鋭い分析で知られる佐藤優氏という豪華パネリスト陣が、民主主義の課題と見通しについて議論を交わす。

パネリスト

  • パリ政治学院教授 パスカル・ペリノー
  • プリンストン大学教授 ヤン=ヴェルナー・ミュラー
  • 歴史家、ジャーナリスト コリン・ウッダード
  • 作家、元外務省主任分析官 佐藤 優
コーディネーター
  • 朝日新聞社常務取締役(東京本社代表/コンテンツ統括/編集担当) 西村 陽一
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* パスカル・ペリノーさん テーマ「EU」、「移民」はこれまでの右・左の図式では理解できない、新しい対立の構造、例えば、「都市と農村」、「旧産業とし新興産業」等。代議制民主主義の作り直し。

ー市民と国家の間に「中間組織」が必要、今、この劣化が進んでいる。国民の疲労感が投票率の低下に繋がっている

* ヤン=ヴェルナー・ミュラー 「ポピュリズム」は「反多元主義」、自分たちが真の民、真の敵は誰かを自分たちで決めている

* コリン・ウッダード アメリカという国はなく、11の「Nations」からなる。現在はアメリカのリベラルデモクラシーの危機。健全な民主主義はつなぎ合わせていく糊

* 佐藤 優 日本のポピュリズムは小泉純一郎、田中真紀子から。リベラルな中間団体を構築していく必要性

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いずれのセッションもそれぞれのパネリストの専門分野からのメッセージが示唆に富み、久しぶりに聴く緊張感があり、集中力も試された気がしました。翌日の朝日新聞には要約が掲載され、記者のまとめも参考になりますね。

二面を使っての掲載!

二面を使っての掲載!

5月のBoston 2015(2)

Posted by 秋山孝二
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 日本での過密スケジュールの中、やり繰りして時間を創り出してのボストン出張は、現地でも引き続き窮屈な日程です。まずはボストン・ローガン空港に着いてその足で、「女性の社会進出について」のシンポジウムに参加しました。

http://programs.wcfia.harvard.edu/us-japan/event/symposium-advancing-status-women-globalizing-japan-70-year-retrospective

Symposium Description

The end of the Pacific War ushered in a period of unprecedented freedom for women in Japan.  In 1945, they did not even enjoy the right to vote.  Seventy years later, “Womenomics,” or the equalization of gender roles in the work force, is an integral part of Prime Minister Abe’s policies to revitalize the Japanese economy.  This symposium will examine how women’s economic, social, and political status has advanced in postwar Japan, and what obstacles remain.

 乗り換え地でボストン行きの飛行機が到着遅れ、結局ボストンには予定より1時間も遅れたので、シンポジウムは終わりの部分しか聴講は出来ませんでしたが、質疑応答のやり取りはキレが良いとうのか、双方とも短い言葉で分かりやすく、スピード感にも溢れて素晴らしい雰囲気でした、キャシー松井さんの切れ味は抜群ですね。昨年、彼女とは会合で隣の席でお話をする機会もありました(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=21359)。

当日配布のパンフ表紙

当日配布のパンフ表紙

二つの団体の共催:

* Showa Women’s University; Showa Boston Institute for Language and Culture

http://showaboston.org/ja/index.php

* Program on U.S.-Japan Relations, Weatherhead Center for International Affairs; Edwin O. Reischauer Institute of Japanese Studies

http://wcfia.harvard.edu/programs/us_japan

二つの共催団体

二つの共催団体

 
 続いてはこちら(http://programs.wcfia.harvard.edu/us-japan/akiyama-award)の関係で永い間お世話になっている方々との夕食をご一緒にしての意見交換でした。

 ハーバード大学のSusan Pharr教授とご主人のRobert Mitchell教授、そして窓口としてお世話になっているイグゼクティブ・ディレクターの藤平新樹さんです。

会食を終えて

会食を終えて

 今年で20回目を迎えた「Akiyama Award」、情報発信を私の方でも一層積極的に行って、継続発展を目指すことを確認できました。もともとこの渡航助成事業は、秋山喜代が亡くなった直後、葬儀の香典の一部を寄付する旨を伝えた時に、スーザン・ファー先生からご提案があって始めた経緯があります(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=174)。

 この事業に先立つスーザン・ファー先生との関係は、(株)秋山愛生舘100周年記念事業の一環で開催したフォーラムに遡ります(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=2510)。会食時にも、次々と昔話に花が咲き、延々と3時間も自分でも驚くほど喋りまくってしまいました、本当に楽しかった。こんなに自分自身と会社の国際関係についてお話が出来たことは記憶にありません。1980年代から1990年代にかけて、随分自分なりに一生懸命だったなと、ホテルに戻ってからも何か自分が愛おしく感じたひと時でした。何よりも過去を振り返るばかりでなく、今後の展開に道筋が開けたことが一番ですね。今回、大変お忙しい中お時間を創って頂き、心から感謝申し上げます。

アル・ゴア氏が語る!

Posted by 秋山孝二
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 アル・ゴア氏の講演を聴く機会が東京でありました。前日、京都でも講演だったようです(http://www.asahi.com/articles/CMTW1409302700001.html)。

アル・ゴアの新著「」にサイン入りで

アル・ゴアの新著「未来を語る」にサイン入りで

 講演でゴア氏は「『地球温暖化』により世界各地で異常気象が相次いでいる」とし、「私たちは食糧、水、病気、インフラで、対応できる解決策を持ち合わせていない」と指摘。気温上昇による干ばつや伝染病の広がりにも触れ、温室効果ガスを排出しない風力発電や太陽光発電などの持続可能なエネルギー活用を強く訴えました。

 夕食会では、ほぼ20年ぶりに日本株ストラテジスト・キャシー松井(http://www.ewoman.co.jp/winwin/94)さんともお隣の席、楽しいひと時でした。

キャシー・松井さんと:20年ぶりにお会いしました!

キャシー・松井さんと:久しぶりにお会いしました!

 当日の講演内容について、下記は昼の講演ですが、私の記憶よりもはるかに正確なので引用します。夜は、さらに環境投資についての突っ込んだお話でした。

http://bylines.news.yahoo.co.jp/masakazuhonda/20141001-00039578/

 少し古い動画ですが、雄弁な彼は、TEDでも語っています、「We are one」での締めくくり、お見事!――> http://www.ted.com/talks/al_gore_on_averting_climate_crisis?language=ja

 とにかく、スピーチがまるで物語のようにリズムがあり、着地がきっちり決まる心に残る深いもので、最後に握手した手の温もりは、しばらく忘れることができないでしょうね。