経済界も発言はするが・・・・

Posted by 秋山孝二
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  今年の10月から12月にかけて、札幌で経済団体による地域活性化シンポジウム・フォーラムが連続して開催されました。

 まず10月には、経団連・御手洗会長も来札されて道経連との共催で「道州制で日本を変える」と題してのシンポでした。後半のパネルディスカッションでは地元から椿原紀昭・栗山町長も出席され「まちづくり」実践について力説されました。http://www.town.kuriyama.hokkaido.jp/

 論点は、1)今、なぜ道州制か、2)どこに課題があるのか、でした。実質的には、行財政改革と地方の持続的発展の実現という二つの側面があるのでしょうね。ただ、当日の議論にもありましたが、実態は期待と挫折の連続で、「振り回されてきたこの6年間」というのが率直な感想です。

 シンポのまとめ的にも意見として出ていましたが、道州制の本来の目的は「地方・市民への質の高いサービス提供」だったはずです。画一的ではない北海道の地域力に見合った議論のスピードで実現に向かう必要があるのだと思います。

 当日会場は物々しい警備、300人程度の参加者がいましたでしょうか、気になったのはその中で女性の方が2・3人でした。いかに経済団体の会合とは言え、地域の課題解決を議論する集まりに、こんなに女性が少ないのは信じられません。

開催チラシ

開催チラシ

当日パネラーの資料

当日パネラーの資料

  11月は私も幹事をつとめる北海道経済同友会の例会で、小樽市役所から「天上がり(?)」して農林水産省大臣官房政策課に転進した木村俊昭氏の講演でした。NHKテレビのドキュメンタリー番組で紹介された「地域活性化の伝道者」です。http://www.nhk.or.jp/professional/backnumber/090519/index.html そうです、「“ばかもの”がうねりを起こす」です。

地域活性化と市町村合併

地域活性化と市町村合併

 戦略的システムデザインによる地域活性化を、実際の失敗例を挙げながらその問題点を明快に指摘するとともに、「部分最適」ではなく「全体最適」を目指す議論、「設計力」或いは「マネジメント力」の重要性を力説しました。意識改革と担い手育成をどう実現するか、大変具体的なメッセージの数々に、当日参加した経営者も大きくうなずいていました。いつもそうですが、実現出来るかどうかは、この後行動するのみだと思いますね。

 そして12月は同じく北海道経済同友会の地方行財政問題委員会での青山学院大学経済学部准教授・西川雅史先生を囲んでの議論でしたhttp://raweb.jm.aoyama.ac.jp/aguhp/KgApp?kyoinId=ymdggyyiggy。これまでの市町村合併を定量的に総括されて格差は広がったと、そして住民監視の重要性を指摘していました。北海道の今後の発展に対しても多くのヒントを提供して頂きました。

新たな「地域医療支援」に向けて

Posted by 秋山孝二
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  札幌医科大学で、文部科学省採択助成金による「地域医療支援5大学連携シンポジウム」が開催されました。

 小樽商科大学、千歳科学技術大学、北海道医療大学、室蘭工業大学、札幌医科大学の5校が、地域医療ニーズに応えることができる医療人育成を目指して連携し、取り組みを展開するそうです。それぞれの大学の第一線の方々が、各大学の活動概略を説明され、その後4名の先生による異なる視点からのプレゼンテーションが行われました。まだスタートしたばかりで手探りの状態とも思われますが、確実に新しい時代が始まっていますね。

5大学連携で

5大学連携で

 特に後半のプレゼンでは、佐藤二美(東邦大学医学部解剖学講座・教授)さんの「医学部以外の学生を対象としたe-learningによる解剖学教育」、徳田禎久(北海道病院協会・会長)さんの「北海道地域医療の現状と課題」は説得力があり、素晴らしい内容でした。行政の縦割りの資料ではなく、現場から見る率直な現在の北海道地域の医療の問題点を、将来の産業政策にも言及して、地域生活の「インフラとしての医療」を説明されました。

 今後の幅広い関係者の議論に供されるべき内容でした。一律の国の政策ではなく、北海道の特性と課題を踏まえた地域主権の取り組みが一層必要な時代を感じました。課題をどう認識するか、徳田先生の現状認識に基づいて、直ぐにでも解決策を模索できる環境にあると思います。

興奮覚めやらず・・・・

Posted by 秋山孝二
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 以前から経営の大先輩として尊敬しているKさんから、早速メールを頂きました。やはりモハマド・ユヌスさんと握手をしての興奮が伝わって参ります。

・・・・・29日「宝くじに当たった」と云って帰宅しました。当日午後4時過ぎ紀伊国屋書店でムハマド・ユヌスさんの「著書サイン会」にめぐり合い、自伝を買い、サインのあと 「I am happy」といって握手をしました。柔らかいやさしい手でした。Blogに秋山さんが千歳空港でムハマド・ユヌスさんにお会いした感動がのっており、全く共感です。
数年前NHKTVでムハマド・ユヌスさんの活動のドキュメント放映があり、録画して小樽の塾で取り上げました。その後世界の話題になりノーベル平和賞をもらい、遠くの人と思っていた方と握手出来て感激でした。地域、国情によって必要なサービスは違うと思います。でも地域密着型の典型です。今こそ地方分権の哲学を確立し、地方の自立意識高揚のときです。嬉しさのあまり突然メールいたしました!祈ご自愛

 

 先日は700名以上の方が会場に詰めかけていて、更に入りきれない方々も沢山いらっしゃったとか。近頃のフォーラムでは珍しい熱狂でした。マイクロ・ファイナンスについて本では読んでいましたが、その基本にあるムハマド・ユヌスさんの哲学に直接触れた感じが、「出会ってしまった」のですよね。出席された方の今後の活動の責任は重たいです。

8月後半の夏、さまざま

Posted by 秋山孝二
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  今年の夏も終わりに近づいています。7月の北海道は連日の曇天、農作物への影響も心配されましたし私達の気持も何となく冴えない感じでした。幸い8月になって夏らしい青空と太陽の日々が続き、だいぶ回復してきた気もしますがどうだったのでしょうか。私の庭のトマトもこの所赤くなってなかなかの出来です。

 先日東京駅から千葉県館山市に高速バスで行った際に、レインボーブリッジとアクアラインから東京湾の青い海を通して首都圏の景色をぼんやり眺めていました。陸上の喧騒とは対照的に、海は夏の太陽をいっぱいに浴びて実に穏やかでした。

レインボーブリッジから

レインボーブリッジから

アクアラインから木更津方面

アクアラインから木更津方面

一方北海道日本海側の海も穏やかでした。札幌から小樽へ行く途中、朝里から高島岬方面です。空も広いですね。

石狩湾も穏やかです

石狩湾も穏やか

そして北海道神宮の杜でも、開拓神社例大祭、流鏑馬(やぶさめ)奉納等で賑わいました。

開拓神社例大祭

開拓神社例大祭

流鏑馬練習風景

流鏑馬の稽古風景

メッセージとしての言葉の力

Posted by 秋山孝二
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 この数か月、あらためて「言葉の力」によるメッセージ性、或いは説得力を感じる場面が多々ありました。

*オバマ大統領が就任する過程での節目節目の演説、今年4月のプラハ演説です。ただこれらは英語であり、その場に居たわけでもありませんので(6月にその広場には行きましたが)、感動は何分の一なのだと思います。

 http://www.whitehouse.gov/the_press_office/Remarks-By-President-Barack-Obama-In-Prague-As-Delivered/、日本語訳http://tokyo.usembassy.gov/j/p/tpj-20090405-77.html

http://jinandtonic.air-nifty.com/blog/2009/04/post-c97d.html

 *6月6日の品川正治さん講演会で、「『戦争を起こすのも人間、しかしそれを許さないで止めることができるのも人間ではないか。天災ではない。なぜそれに気がつかなかったのか』、それが私が戦争で得た基本的な姿勢です」と静かに語られました。この時のお話は2時間のDVDに収録しています。こちらまで green9zyonokai@gmail.comご連絡頂ければ送料込み1300円でお送り致します。

*秋葉広島市長は昨日の記者会見で、「核廃絶を願う世界の多数派を、『オバマジョリティー』と呼ぶよう提案したい。次世代への最低限の責任を果たすため、2020年までの核廃絶を実現するよう市民の力の結集を求める」と6日の演説概要を述べました。田上長崎市長も今年はプラハ演説を盛り込むようですね。今週のお二人の演説に注目です。

一方、スポーツの世界でも試合直後のヒーロー・ヒロインインタビューで、このところの若い選手たちは素晴らしいメッセージを私たちに送ってくれています。

*プロゴルフの男子・石川遼は、先日の小樽カントリー倶楽部で優勝した直後、一緒にプレーしたブレンダン・ジョーンズ(豪)選手http://www.golfdigest.co.jp/news/pro_profile/jgt/b_jones.aspを讃えるコメントを実に自然に表現していました。また、全英女子オープンで3位タイになった宮里藍も、一時トップタイになって惜しかったのですが、とても前向きなコメントにむしろそれを聞いた私たちが元気を貰いました。あの若さで素晴らしい日本語を使って自然に表現する能力、どこでそれは培われたのだろうと時々考えます。恐らく家庭環境が最も大きいのでしょうが、昔に比べて「話す力」「言葉での表現力」は格段に若い世代は進化しているような気がします。日本ハムのダルビッシュもいいですね。もし家庭以外で球団が彼にアドバイスをしていたとすれば、経営者の見識に感服いたします。プロ選手の子供たちへの影響等、まさに「社会的責任」の基本だと思うからです。

*プロボクシングの亀田兄弟は逆のモデルでしょうか。基本的な日本語が出来ていませんよ。年齢と立場を勘案してもひどい言葉使いですし、それ以上にそのままメディアの前に露出させるジム経営者、メディア関係者の見識を疑いました。それどころかメディアの、そんな非常識さを面白がるグロテスクな姿に憤りを感じます。言葉だけでなく対戦相手への侮蔑的雰囲気は、責任ある立場にいる者は当り前のこととしてきっちり叱責するべきだと思いますね。勝敗云々よりも、出来るだけ近いうちに兄弟たちの「気づき」を期待したいものです。マナーを越えた人格の問題だと。

*私が上場企業の代表取締役だった時に、人材開発部長に言ったことがありました。「取締役研修の教材として『放送禁止用語集』を使えないものか」と。当時、企業の不祥事等での記者会見で不適切な言葉・表現が頻発していました。予め用意しておいた原稿を読んでいるうちはごまかしが効くかもしれませんが、質疑応答の場面ではもろにその人柄が露出します。無意識の差別用語(片手落ち、バカでもチョンでも等)、不適切表現(女性蔑視等)は、命取りとなっていました。会社を代表する立場に在る者にとって、本来は持って生まれた能力と言い放ちたいのですが、これが個人の属性を越えて会社の品格・責任まで及ぶのであれば、不断の学びの中から吸収出来るようにプログラムを用意しなければならないでしょう。

外国語に対する認識でも、言葉が分からなくてもコミュニケーションは何とかなるものと言葉を軽視するのと、やはり言葉は極めて大切であると考えるのとでは大きく違ってきますね。先日、国際ソムリエコンクールで優秀な成績をおさめた日本人ソムリエが、「フランス語をもっと理解し駆使できれば、優勝できたと思う」と小規模の勉強会で謙虚に述懐していました。先日のゴルフの全英女子オープンでも、数人の日本人選手がキャディとの関係が明らかに上手くいっていない様子でプレーをしていました。案の定スコアは悪かったです。

昔、私が学生時代に通っていた東京の夜間の英会話学校である先生が、「とにかく、Talk! Talk! Talk!」といつもおっしゃっていました。「もし何も話することがない時は、今自分はこういう状態なので話が出来ない、と語るべき」とも。言葉・会話を通してコミュニケーションの重要性を伝えたかったのだと思います。

テレビのインタビューから、言葉にまつわるこれまでの場面が次々と頭を通り過ぎました。