ビジネスと人権、現況を語り合う

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 今年に入って2回目の枝廣淳子さんが主宰する「イーズ未来共創フォーラム(http://www.es-inc.jp/)」の異業種勉強会、通算第44回は「ビジネスと人権~身近な問題から考え、自社が取り組むべきことを理解する」、でした。

http://www.es-inc.jp/network/forum/2017/nwk_id008884.html

 今年一回目はこちら ――>http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=28724

 毎回ここ(http://www.es-inc.jp/network/)に集まる方々から貴重なお話を聞いています。

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第44回「ビジネスと人権~身近な問題から考え、自社が取り組むべきことを理解する

【ゲストスピーカー】

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公益社団法人アムネスティ・インターナショナル日本
渉外部門チーフ/土井 陽子 様

 世界の人権状況を知ってもらい、改善につなげるため、企業における人権の取り組みの推進を担当。前職では、電機メーカーのCSR部門で人権方針の策定や「ビジネスと人権」をテーマとしたeラーニングの実施、人権デューディリジェンスの取り組みに関わる。

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有限会社エコネットワークス
代表取締役 野澤 健 様

 CSR・サステナビリティ分野専門の調査、言語、エンゲージメント支援を通じて企業や自治体、NGOの取り組みをサポート。個を起点に世界に広がるパートナーのネットワークを通じて各地の課題や動向をウォッチしている。

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<手元メモから>

* 2011年に「国連ビジネス人権憲章」が発表されてから急速に「人権」がテーマとして進展

http://www.unic.or.jp/texts_audiovisual/resolutions_reports/hr_council/ga_regular_session/3404/

* コマーシャルの事例を取り上げて意見交換: ANA、鹿児島県志布志のふるさと納税、ほか

* 国際人権基準では「human rights」と複数「rights」になっていることに注目

* 「SDGs」の取り組みは全て「人権」

SDGs――> http://www.unic.or.jp/news_press/features_backgrounders/17430/

* 昨今の先進的企業の取り組み: 人事部門、CSR部門、調達部門の三部門が連携

* 人権侵害がなぜ起きるのか

1) メンタルモデル(思い込み)人種と性別

2) 問題意識の欠如(女性、子供、障碍者等に対して)

3) 自社の実態を知らない

4) コスト・利益最優先の体質

 それに対する対策~~企業においては方針・教育・発信 + 取り組み、が重要

1) ひとり一人の「気づき」を研ぎ澄ます

2) 外の眼を取り入れる

3) 現地のNGOのレポートを活かす

4) 経営者にリスクを理解させる :例えば、自社への告発を活かすプラン(シナリオ)の作成

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 企業を取り巻く環境は国際社会の中で時々刻々変化していますね。私が所属する北海道経済同友会では、このようなテーマは殆ど話題になりません、世界との差がどんどん開いていく焦りみたいなものも感じる昨今です。負けずに情報収集と対策を練って改革を実践して参ります。

イーズ未来共創フォーラム 2017

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 枝廣淳子さんが主宰する「イーズ未来共創フォーラム(http://www.es-inc.jp/)」、第43回異業種勉強会(http://www.es-inc.jp/network/forum/2016/nwk_id008791.html)は、「2017年 年初に考える~これからの時代をどうサバイバルするか」と題して、新しい年を迎えて最初のフォーラムでした。これまでにも増して業種やセクターを超えた参加者の方々とともに、今後の望ましい変化についてじっくり考え、つくり出す機会となりました。

* 昨年開催の中から――> http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=26737

 昨年はゲストスピーカーの興味深いお話と参加者の意見交換が続きましたが、今回は久しぶりに枝廣淳子さんの年初のお話を基に皆さんでのディスカッション。最初に、「サバイバル」というタイトルの言葉は適切でなかったと、「サバイバル」が目的ではないと、「フローリッシュ(flourish)」が社会全体が繫栄するイメージでよりよい表現とのこと。確かに「サバイバル」は、何はさておいても「生き残る」といったイメージかもしれません。以前、「thrive」の方が「サバイバル」よりいいよと英語の先生に聞いたような気もしました。英単語で思い出しましたが、今ではよく使われる「レジリエンス(resilience」も、数年前にこの勉強会で枝廣さんから教えて頂いた言葉でした。

 もう一つ言葉と言えば、終わり頃に説明された「Planetary Boundaries 2.0(2015)」ですね。まだまだ十分咀嚼できていませんが、「生物多様性」から二つのバージョンアップ、1)多様であるだけでなく生態系として機能しているか、2)化学物質汚染(遺伝子組み換え他、新規物体の導入)の考慮、とのことでした、私の理解によると。

 「2017年を展望する」で、枝廣淳子さんが注目しているいくつかの動きについて説明がありました。

* サプライチェーン

* 生物多様性

* SDGsによる差別化 財団の評価等で

* Circular Economy

* AI、IoT、3Dプリンティングの持続可能性へのインパクト

* 働き方改革 余った時間を何に使うか?

* 地方創生

* レジリエンス 「組織」に当てはめるもので「個人」ではない 短期的効率至上主義をどう乗り越えるか

* エシカル

* フェアトレード

* ローカル

* アニマルウェルフェア

< 参考 >

* エダヒロさんの共創日記

http://www.es-inc.jp/diary/2017/dir_id008846.html

「Circular Economy」についての追加情報。ヨーロッパで非常に盛んにさまざまな動きが出ていて、世界の覇権を握ろうとするひとつの動向だと受けとめられていて、幾つかのレポートや国際会議があるようです。

<フィンランド>

http://www.sitra.fi/julkaisut/Selvityksi%C3%A4-sarja/Selvityksia121.pdf

<オランダ>

file:///C:/Users/Koji.A/Downloads/Circulaire+Economie+EN_v4.pdf

<World CircularEconomy Forum 2017>

https://www.sitra.fi/en/events/circular-economy/world-circular-economy-forum-2017

* プレゼンでご紹介された「しなやかなインフラ」としての「聖牛(せいぎゅう)」について:過去に学ぶ~甲府盆地の治水システム

http://www.japanfs.org/ja/news/archives/news_id035554.html

 交流会でも話題になりましたが、今回の勉強会、短い時間に濃密な言葉・概念等がびっしり詰まって、頭がパンパンでした。今も反芻しながら、一つ一つじっくり向き合ってみる年としたいですね。「環境」の概念はSDGsで17の目標と拡がり深くなり、世界をけん引する専門家の方々の議論は進化し続けている印象です。今年、欧米は勿論、アジア諸国、そして日本も激動で先行きが読み切れませんが、しっかりと自分の立ち位置を見つめて、少しでも地域の幅広い環境に貢献する活動の一端を担いたいですね、試される1年となります。

RETHINKING IMPACT @香港 (3 最終)

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 一日目の夜は場所を移して、カクテル&ディナーでの交流会。ここでもフィゲレスさんがショートスピーチです。

午後8時からのパーティでも

午後8時からのパーティでも

 すべての終了は夜11時をまわっていましたが、疲労感よりも充実感の方が大きかった今回のプログラム1日目でしたね。ダイナミックなグローバルマネーのシフトを感じました。

* * *

 二日目は少し人数が絞られてのパネルディスカッション二つです。前日の宿泊の部屋は46階、私は今年4月の別府での地震(後にこれが「熊本地震」の本震となった)の体験から、高い所での宿泊は少々トラウマがありよく眠れません。香港は大丈夫とは思いましたが、非常階段の昇り降りを想像すると、やはり頭のどこかに不安が過ります。

4月の別府――> http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=26258

宿泊はホテルの46階

宿泊はホテルの46階

 最初は、「Sustainable Seas」。海運業界ほか、海に纏わる環境に配慮した企業活動でした。広大な「海」が、ビジネス、投資のポテンシャルが大きいですね。

持続可能な海を巡って

持続可能な海を巡って

 後半は、「Investing in a Low-carbon World」、投資家サイドから見た低炭素ビジネスの展望です。

海への新たな投資機会

低炭素社会への新たな投資機会

 このフォーラム、昨年は「再生可能エネルギー」、今年は「気候変動・温暖化」に焦点を当てて、グローバルなトレンドを知る機会となりました。普段、日本国内で暮らしていると、なかなかこの種のホットなニュースに触れるチャンスがありません、大変残念ですが。

 そうこう振り返っていると、時代は動いていますね、枝廣淳子さんから以下のようなニュースが飛び込んできました。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~メールの引用

 先日、「モントリオール議定書の締約国会議、代替フロンの規制を採択」というニュースをメディアが報道していました。どのような規制か、削減の目標はどのくらいか、いつ発効するか、といった報道が主です。日本のメディアではそれほど大きな扱いではなかったように思いますが、海外の持続可能性に関わる専門家のネットワークでは、「これはパリ協定よりも画期的だ!」といった発言も多く見られました。

<地球温暖化への影響が大きい冷媒の廃止に向け画期的な協定>

http://www.nytimes.com/2016/10/15/world/africa/kigali-deal-hfc-air-conditioners.html?_r=0

 米中の動きが注目されています。両国が、「温暖化を競合優位を創り出すための産業政策のひとつとして見ており、取り組んでいる」ことが明らかです。

 2016年10月15日に成立した協定は、温暖化対策として、エアコンや冷蔵庫に使われている冷媒(温暖化効果の高い化学物質)の使用を世界全体で削減するというもので、法的拘束力を有する協定です。ルワンダの首都キガリで行われたこの会合は、日本でのメディアの扱いもそうでしたが、パリ協定ほどは注目されませんでした。しかし「ここでの成果は、地球温暖化の減速への取り組みに対して、パリの場合と同じくらい、もしくはもっと大きい影響すら及ぼす可能性がある」とニューヨークタイムズの記事では強調しています。

 ジョン・ケリー米国務長官の「これは私たちの地球の温暖化、将来の世代にとっての温暖化に歯止めをかけるために、私たちが今この瞬間に踏み出すことのできる、たった一つの、最も重要な一歩となるだろう」という言葉が引用されています。

 パリ協定は、あらゆる発生源からのCO2が対象となりますが、今回の新しい協定の対象はたった一つ。エアコンや冷蔵庫に使われる代替フロン(ハイドロフルオロカーボン、HFC)という化学的冷媒です。HFCが大気中の温室効果ガスに占める割合はほんのわずかですが、その温室効果はCO2の1000倍とのこと!

 今回の協定は、2050年までに、CO2に換算すると700億トンの削減に等しい効果を生み出すと期待されています。700億トンとは、世界全体のCO2排出量の約2年分です。記事では、「科学者は、HFCの温室効果作用を考えると、この協定によって気温上昇は摂氏0.56℃近く抑えられるだろう、とみている」。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 引用 おわり

 また、パリ協定と同じく大事な動きがもう一つ、昨年9月に国連サミットでありました。持続可能な開発目標(SDGs)が国際社会の合意となったことです。SDGsがどのような背景で作られたのか、バラトングループのアラン・アトキソン氏ら「17goals(http://17goals.org/)」というサイトがあります。

<持続可能な開発目標(SDGs)がつくられた背景~環境メールニュースより~>

http://www.es-inc.jp/library/mailnews/2016/libnews_id008327.html

 日本の動きを世界に発信するJFSでは、SDGsのサイトを立ち上げ、日本の最新情報や政府の取り組み、JFSの関連記事を紹介しています。

<JFS:持続可能な開発目標(SDGs)サイト>

http://www.japanfs.org/ja/projects/sdgs/index.html

* * *

 世界は枠組み構築でどんどん進み、状況はすごいスピードで変化していて目が離せません。フォーラムに参加して考え込んでいる場合でもないのでしょうね、日本国政府が世界の動きに乗り遅れていたとしても、地球環境の悪化は待ってはくれません。引き続き幅広い「環境問題」に注目しつつ、広く情報を収集し、自分たちのできるフィールドでイノベーションを続けることが大切だと、香港から戻ってあらためてそう感じています。

RETHINKING IMPACT @香港 (2)

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 今年のフォーラムは、主催者のご挨拶に続き、最初は昨年のCOP21で中心的な活躍をされた気候変動枠組条約事務局長のChristiana Figueres さんの基調講演、Post-COP21 Futureでした。

 英ネイチャー誌は昨年12月17日、この年の科学界を代表する人物10人の筆頭に、地球温暖化対策の新枠組み「パリ協定」の取りまとめに尽力した国連気候変動枠組み条約のフィゲレス事務局長(59)を選びました。フィゲレスさんは中米コスタリカ出身で、2010年に事務局長に就任し、昨年12月にパリで開かれた同条約の締約国会議(COP21)では、対立する先進国と途上国の間の交渉を橋渡しし、各国の意見を尊重して透明性を重視する姿勢を貫き、複雑な交渉を合意に導きました。「パリ協定の採択は地球にとって歴史的な瞬間そのものだった」と、多くの海外メディアが称賛しました。

<近年の受賞歴> ~~~~~~~~~~~~~~~

* 2016年: オランダのオラニエ=ナッサウ勲章オフィサー章、米国カリフォルニア州の非営利団体Vote Solar のSolar Champion賞

* 2015年: フランス・パリ市グランドメダル、フランス・レジオンドヌール勲章、ドイツ・ミュンヘン安全保障会議のエヴァルト・フォン・クライスト賞、英『ガーディアン』紙の名誉のメダル

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 この日のスピーチは聴衆に向けて、終始、炎が吹き出るような力強い演説でした。

火を噴くような力強い演説
クリスティーナ・フィゲレスさんの講演:火を噴くような力強い演説
質疑応答でも

質疑応答でも迅速なやり取り

<手元に書き留めたコメント>

* 「気候変動」それ自体がリスクという時代、それへの認識と課題解決策は企業として必須要件

* COP21パリ協定締結までは、「ノイズ」と「シグナル」が拮抗していたが、昨年末に強いメッセージを示した。「ノイズ」から「シグナル」へ時代は変わった

* 30年後、50年後ではない、今後の「5年」に掛かっている。すでに投資が始まっている

* 20世紀のテクノロジーではなく、新しいテクノロジー企業に若者は魅かれる

* アジアの高い貯金・貯蓄率には、確かな投資対象が必要ではないか、正しい投資のサイクルを確立して

* 「環境の変動」は「経済の変動」であり、「環境の安定」は「経済の安定」である

~~~~~~~~~~~~~~~~

 ところで、昨年12月のCOP21とはどんな会合だったのか、枝廣淳子さんの異業種交流会(http://www.es-inc.jp/network/index.html)ほかでも議論になったサイトをご紹介し、簡単に整理をしましょう。

* 「COP21とパリ協定のおさらい」 ~環境メールニュースより~

http://www.es-inc.jp/library/mailnews/2015/libnews_id008176.html

* 「パリ協定の意味」~ガスエネルギー新聞「賢人の目」連載コラムより~

http://www.es-inc.jp/library/writing/2016/libwri_id008368.html

* 世界各国の温暖化についての関心や危機感は?

http://www.gasdemori.jp/column/index1.html

* COP21・パリ協定とは? http://www.gasdemori.jp/column/index2_1.html

* 2℃の意味  http://www.gasdemori.jp/column/index.html

* 「パリ協定」発効目前の今、経団連のすべきこと~Yahoo!ニュースより~

http://bylines.news.yahoo.co.jp/edahirojunko/20161002-00062790/

* 「COP21に向けてのリーダーシップを!」(PDF)~ビジネス情報誌『エルネオス』「枝廣淳子の賢者に備えあり」連載コラムより~

http://www.es-inc.jp/library/writing/archives/doc/ELNEOS201512.pdf

~~~~~~~~~~~~~~~~~

 コンパクトにまとまったサイトの数々、残念ながら日本国内で大手企業の経営者をはじめ、これらのグローバルな動きを殆ど把握してなく、日頃、経済団体の会合でもあまり話題にならないのが残念です、無関心というのでしょうか。ひとり日本の企業だけが、また世界から遅れをとっている状況、地域からキャッチアップしていきたいものです。

~~~~~~~~~~~~~~~~~

 特別講演に続いてのパネルディスカッション:

 最初は「The Business of Climate Change」です。

気候変動のビジネス

 この日の後半のパネルは「Financing Green」。グローバルマネーは今、広い意味の「環境の課題解決ビジネス」に注目しています。

環境ビジネス

環境ビジネスパネル、最前線で傾聴するフィゲレスさん

 新しいビジネスを起業して担う側、それらに注目して投資する側、今、再生可能エネルギーをはじめとする広い意味の「環境」分野は、世界各国で宝の山といった感じです。「COP21パリ協定」の成功は、新しい時代の幕開けと認識すべきですね。

枝廣淳子さんとともに

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 枝廣淳子さんが主催する「e’s未来共創フォーラム 異業種勉強会」~情報・考え方、行動・広がりへ!(http://www.es-inc.jp/network/index.htmlは、業種やセクターを超えて「共創力をはぐくむ場」を提供し、「共創のための作法と力」を身につける場となっています。東京での開催なので、なかなか毎回出席とは参りませんが、熱心な皆さまとの意見交換は大変刺激的であり、私自身の活動に役に立っています。

 今回は第40回、学生たちとのワークショップでした、今の学生たちを取り巻く環境も垣間見て、ひと時エキサイティングな時間を過ごしました。

 簡易版報告はこちら――> http://www.es-inc.jp/network/forum/2016/nwk_id008436.html

学生たちと一緒に

学生たちと一緒に

イーズ 異業種交流会 第39回

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 枝廣淳子さんの(有)イーズ(http://www.es-inc.jp/about_es-inc/service_org.html)による「企業・団体パートナー向けフォーラム(http://www.es-inc.jp/network/index.html」、今回は第39回、「水」をテーマに開催されました。秋山財団もメンバーの一員で、いつもタイムリーな話題で学びの場となっています。

* これまでの話題 http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?s=%E3%82%A4%E3%83%BC%E3%82%BA

 講師には東京大学生産技術研究所・沖大幹先生(http://hydro.iis.u-tokyo.ac.jp/~taikan/taikanJ.html)をお迎えして、「世界の『水』問題、日本企業のリスクとチャンス」と題し、ご講演いただきました。水はローカルな財であることや、「ウォーターフットプリント」や「バーチャルウォータ」ーの考え方の違いなどをはじめ、ご専門の「水文学」から解説され、「水」問題の奥の深さを感じました。何か新たな視点を知ったことで、別の難しさや問いが出てきたり、引き続き「水」問題については、メンバーの皆さんとも考えていけたらと思っています

 北海道にいると、昨今水利権に絡む外国人・企業が土地買収の動きが注目され、地元としては物議を醸し出しています。ローカルな資源でありながら、グローバルな課題が多く、これからも目が離せません。今回のフォーラムは、簡易報告がいずれアップされるようです。

 フォーラム会場は、お台場の昭和シェル石油さんの会議室、終了後の交流会は社員食堂でした。そこからの薄暮の東京竹芝訪問は、素晴らしい景色を独り占めです、毎日こんな景色を見ながらお仕事が出来る環境、うらやましいですね。

会場のお台場からの眺め(薄暮)

会場のお台場からの眺め(薄暮)

少し時間が経ちレインボーブリッジも

少し時間が経ちレインボーブリッジも

 会議後の交流会でも議論は続き、大変貴重な時間となりました。

皆さん、いい笑顔!

夜景を背景に、皆さん、いい笑顔!

 このフォーラムは、ただお話を聞く場でありません。それぞれ日常の活動をされているご自分のフィールドを発言し合い、メンバーを頻繁に変えてのワークショップは、秋山財団の中でも取り入れていきたい運営です。運営の手法の云々よりも、参加されている方々のモチベーションと仕事の質の高さが議論の裏付けにあるのでしょうね、毎回大変良い刺激になります。

 今回も水を通して「環境」を議論すると、それは保全ばかりではなく国際政治、貧困等、まさにSDGsの課題解決そのものに行き当たります。

* SDGs http://www.unic.or.jp/activities/economic_social_development/sustainable_development/2030agenda/

SDGsとCOP21の意味するもの

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 環境系企業・団体が集う枝廣淳子さんの「第36回企業・団体パートナー限定フォーラム」、今回は23名の参加者で密度の濃い意見交換でした。日本を代表する大手企業、地域で地道に活動する企業他と一緒に、秋山財団の環境分野での学びの場です。

* 「企業・団体パートナー」メンバーはこちら――> http://www.es-inc.jp/network/partner_list.html

今回のテーマは、今年12月にパリで開催される「COP21に向けて-企業の大転換」でした。

 「SDGs」をはじめ、重要なトピックが目白押しの今年、未来を見据えて正しい選択ができるように、世界の流れをみつつ、企業・組織は何を考え、行動していくべきかを考え、自身の方向性を見出す試み。ゲストには、大和総研の河口真理子さん、「SDGs、COP21の意味するもの~顕在化するESGリスク~」と題し、ご講演いただきました。

 SDGs、COP21だけでなく、ESG、自然資本など幅広く、かつ大変わかりやすくお話でした。このような総括的な概念をきっちり頭に入れてから、個別議論を始めることの大切さを感じます。そして、この会はそれに留まらず、それぞれ参加者の組織の中での課題解決へのヒントを得るワークを主眼にしています。先日の数回の意見交換の機会もよかったですね。

 以下、河口真理子さんのお話から冒頭部分だけ紹介します。

~~~~~~~~~~~~~~~~~

1.包括的な開発目標:Sustainable Development Goals(SDGs

国連総会(9/25-27日)にて採択予定。
ミレニアム開発目標(MDGs:2015年ターゲットの7つの社会開発目標)の後継アジェンダ。
持続可能な開発の3側面(経済、社会、環境)を統合し、途上国+先進国を対象とした包括的な目標設定(2030年をターゲットとした17の目標設定)

MDGs=途上国の社会的側面(貧困撲滅、ジェンダーの平等など)中心 vs

SDGs “Transforming Our World: The 2030 Agenda for Sustainable Development

途上国+先進国 を対象にしたMDGsの社会的側面

環境側面(持続可能なエネルギー、気候変動、海洋資源保全、陸系生態系の保護など)

+ 経済側面(持続可能な経済成長、ディーセントワーク レジリエントなインフラ、イノベーション

統合(不平等の是正、持続可能な都市 持続可能な生産消費形態

MDGより包括的、統合的、複合的で、現在のグローバル経済・社会システムの変革を求める

出所) CSOネットワークウェブサイト http://www.csonj.org/mdgsnews/owg-sdgs-japanese-translation より大和総研作成

 特に、統合された目標から、途上国の貧困や資源開発問題、教育、水不足などの個別の問題をそれぞれ解決するというスタンスではなく、社会経済の仕組みそのものを変革しなければ、持続可能ではない、という危機感からと社会デザインの発想。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 基調講演の後のワークでは、実際のSDGsの17の目標をみながら考えたり、社内・組織を変える事例を共有する時間を持ちました。

* SDGsについて(IGES) http://www.iges.or.jp/jp/sdgs/sdgs.html

* ESGについて http://www.dir.co.jp/research/report/esg/

 河口真理子さんの近著 『ソーシャルファイナンスの教科書――「社会」のために「あなたのお金」が働くということ(http://amzn.to/1OC6yMS)』にもありますが、「お金が働く」、「お金に働いてもらう」という表現は面白い、従来のように「資金運用」ではなくて、ですね。

 10月2日からのトヨタ財団さんとのコラボ企画「地域の再生可能エネルギー(http://www.akiyama-foundation.org/news/1405.html」をステップに、秋山財団における「環境」をテーマ」とした支援事業も発展させていきたいものです。

第一回「レジリエンス」シンポジウム

Posted by 秋山孝二
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 第一回の「レジリエンス」シンポジウムが開催されました(http://ishes.org/project/resilience/updates/2015/upd_id001553.html)。

 私が初めてこの言葉を耳にしたのは、今から10年くらい前、枝廣淳子さんの環境系異業種交流会でした。なぜか印象的な言葉で、その時に「レジリエンスって、どういう意味で、スペルは?」と質問したことを覚えています。それ以来、先日のシンポと枝廣さんの新著で、随分この言葉が進化していることを知りました。

 これを推進する担い手も力強いです(http://ishes.org/project/resilience/)。

~~~~~~~~~~~~~~~枝廣淳子さんのブログから

 レジリエンス(resilience)とは、外的な衝撃にも、ぽきっと折れることなく、立ち直ることのできる「しなやかな強さ」のことです。

 「レジリエンス」は、もともとは「反発性」「弾力性」を示す物理の用語でした。ここから、「外からの力が加わっても、また元の姿に戻れる力」という意味で使われるようになったのです。「復元力」「弾力性」「再起性」などと訳されますが、枝廣淳子は「しなやかな強さ」と訳します。

 この言葉が、さまざまな分野で使われるようになったのは、それほど古いことではありません。「レジリエンス」の概念は、生態系の分野心理学の分野でそれぞれ発展 してきました。今ではそれらが重ね合うような広がりをもって、教育、子育て、防災、地域づくり、温暖化対策など、さまざまな分野で使われるようになっており、数多くの「レジリエンス向上」のための取り組みが展開されています。

 ここでは、『レジリエンスとは何か~何があっても折れないこころ、暮らし、地域、社会をつくる』(東洋経済新報社)から、レジリエンスへの取り組みを進めるさまざまな分野をご紹介しましょう。

~~~~~~~~~~~~~~~~~

 今回のシンポジウムは、各分野で活躍中の方々ばかり。内容はそれぞれ15分間の限定された時間でプレゼンされました。とにかく幅広く、それぞれのセクターでの「基本的概念」とでも言うのでしょうか、普遍性を持っている理念であると感じました。

~~~~~~~~ 当日プログラム <案内文より引用>

主 催・コーディネーター:枝廣 淳子(幸せ経済社会研究所所長・東京都市大学教授)

ゲストスピーカー:
enomoto2.jpg【地域の分野】 榎本 英剛 氏
NPO法人トランジション・ジャパン共同創設者、 トランジション藤野 発起人

http://transition-japan.net/

shirai2.jpg【温暖化の分野】 白井 信雄 氏 [法政大学教授(サステイナビリティ研究所専任研究員)]

http://blog.goo.ne.jp/shirai01/e/350fef9274de7dae8cb1970154fe732e

fukaya2.jpg【教育の分野】 深谷 昌志 氏 [東京成徳大学名誉教授]

http://www.sbrain.co.jp/keyperson/K-1373.htm

fujii2.jpg【国土強靭化の分野】藤井 聡 氏 [京都大学大学院工学研究科教授、京都大学レジリエンス研究ユニット長、第2次安倍内閣・内閣官房参与]

http://trans.kuciv.kyoto-u.ac.jp/tba/member/fujii

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~引用 おわり

 3・11以降の世界で、益々この言葉の本質が問われるような気がしています、これからもこの「レジリエンス(resilience)」に注目ですね!!!

「バラトン」と聞いて

Posted by 秋山孝二
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 環境系の市民活動をされている皆さんには、すでにお馴染みの「バラトングループ(http://vimeo.com/51860396」は、この間、地球規模の環境問題への数多くの提言があり、時代を先取りしながらグローバルなオピニオンリーダーとしての存在です。私は当初、それがハンガリーのバラトン湖だとは知らずにいましたが、ワグナー・ナンドール財団(http://www3.ocn.ne.jp/~wagner/TOP.html)の関係でハンガリーをたびたび訪問しているうちに、「あっ、あのバラトン湖畔に集まるグループか」と気がついたのです。

メンバーはこちら(http://www.balatongroup.org/who-we-are/)

<これまでのこの欄への私の記載です>

* http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=7722

* http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=10357

 日本からは枝廣淳子さんが2002年からただ一人参加していて、今年で12回目とのこと。今年は第32回、世界から60人ほどが集っています。JFS(http://www.japanfs.org/ja/)通信によると:

~~~~今年のテーマは「テクノロジー」。休み時間や食事中に、旧知のメンバーからも新しいメンバーからも聞かれるのは、「フクシマの現状と見通し」「日本のエネルギー政策の今後」です。いかに世界の人々の関心がいかに高いかを(国内の方が低い……)を感じます。と同時に、国内でもそうですからしかたないのかもしれませんが、情報が世界に届いていないのだなあと……。今朝、テクノロジーに関する発表が始まるまえの小グループの議論で、「フクシマの事故を考えても、人は複雑で先進的な技術のほうに向かう傾向がある一方で、もっとシンプルでわかりやすく、レジリエンスの高い技術もある」という問題提起から、「だれが技術を評価し、だれが選ぶのか」も大事な議論のポイントだ、という話になりました。

 だれが技術を評価し、だれが選ぶのでしょうか?技術革新が便益とともにリスクを大きくする(原発のように)可能性がある場合など、「もっともっと(技術の進歩を)」に歯止めをかけるべきときがあるとしたら、その歯止めはだれがどのようにかけることができるのでしょうか?

 今朝の発表でも、遺伝子組み換え技術、温暖化に対するジオエンジニアリング(成層圏にエアロゾルを散布して太陽光を反射し、地球への入射を減らすといった、気候システムに対する大規模・意図的な工学的介入)といった技術が例として取り上げられていましたが、その結果を不特定多数の人が被る技術(原発もそうですね)についての評価や選択・決定はだれがどのように行うべきなのでしょうか。

~~~~~~~~~~~ 引用 おわり

 2011年3月の原発事故直後もそうでしたが、私自身とほぼ同じ思いを上手に表現してくれて、「レジリエンス」な思考の枝廣淳子さんの活躍は、環境系課題解決の方向性を示してくれます。最近、東京でのワークショップ等にもあまり参加できないのが残念ですが、北海道の地で引き続き活動は続けていますので、どうか宜しくお願いします、ね。

< 参照 >
* 枝廣淳子の環境メールニュース http://www.es-inc.jp

* 「幸せ経済社会研究所」~幸せと経済と社会との関係を見つめ直す  http://www.ishes.org/

* 「私の森.jp」~森と暮らしと思いをつなぐ  http://watashinomori.jp/

* 「変える」メソッドを経営へ  http://www.change-agent.jp/

* 「システム思考」に関する情報を提供  http://groups.yahoo.co.jp/group/systems_thinking_byCA/

* 日本から世界へ情報発信 ジャパン・フォー・サステナビリティ  http://www.japanfs.org/index_j.html

「環境幸福度」、北海道が最高点!

Posted by 秋山孝二
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 環境活動で世界的に活躍する枝廣淳子さん、「JFS(lジャパン・フォー・サステナビリティ:http://www.japanfs.org/ja/aboutus.html」の代表としても貴重なメッセージを発信し続けています。先日届いたメーリングから:http://www.japanfs.org/ja/join/newsletter/pages/008815.html

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

環境幸福度は北海道が最高点 「環境意識と地域環境」に関する調査結果

かんぽ生命は2013年1月30日、環境保護活動の一環として、地域の環境に対する
意識、実態やエコ活動等について、全国20~60代の男女930人を対象に実施した
インターネット調査の結果を発表した。住んでいる地域の自然環境の良し悪しを
尋ねた「環境幸福度」は、北海道が最高点だった。
http://www.japanfs.org/ja/pages/032886.html

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~引用 おわり

 地元にいる人間たちが、どれだけこの価値を認識しているかが重要なのでしょうね。先日の知床の弁当廃棄等、まだまだという感じですが、恵まれたこの資源、私たちの課題も大きいです。

JFS 10周年シンポ

Posted by 秋山孝二
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  「ジャパン・フォー・サステナビリティ:JFS(http://www.japanfs.org/ja/)」の設立10周年記念シンポジウムが、先日開催されました。

 u-streamでその模様を見ることが出来ます(http://www.ustream.tv/recorded/25215204)。

代表の枝廣淳子さん

代表の枝廣淳子さん

<開会・挨拶>
    講演「『つながる力』で日本と世界はどう変わったか?~JFSの10年とこれから」
    JFS代表 枝廣淳子さん
<トークセッション>
    「持続可能な未来をつくる、メディア・情報・コミュニケーションとは?」
     ゲスト: 上田壮一さん(
Think the Earth
           鈴木菜央さん(
greenz.jp
           白石草さん(
OurPlanet-TV
           市川裕康さん(
ソーシャルカンパニー

パネラーの多彩なお話で大盛況

パネラーの多彩なお話で大盛況

 

  終了後、私はアンケートに下記のように答えました:~~~~~~~~~~~~~~~~

1) 印象は、「満足度 5」です。
感想: 前半のそれぞれの活動紹介は、都会的でオシャレな感じ、北海道に身を置く私としては、ビルの間を吹き抜ける風のようで、畑、糞尿、森の臭いが無いみたいな、頭上を通過していきました。それに比べて後半部のやり取りは、日頃の活動のぶつかり、悩み等も行き交って、逆に私には非常に有意義な内容でした。3・11以降の多くの方々の意識変化を共有できて背中を押された気持でした、感謝します。

2) 最も印象に残った点で、言葉としては、「ソーシャル・デザイン」、「生態系を創る」、「ソーシャル・メディアの価値」等です。学校を卒業後は、「社会人」ではなく「企業人」であり、そこから本当の「社会人」への仕組みが無い日本社会というご指摘(上田さん)は、印象的でした。 「NPO+IT」は、分かっていた気がしましたが、新しい気づきでもありました。 「公共的メディアを取り戻す」(白石さん)、まさに情報発信するごく普通の市民の出現にも注目です。

3) 今日の話で気づいた点では、「自分のまわりに生態系を創る」、「メディアの活用により自分のまわりに市民の力を持つ」、それが日本を変えていく力となる、3・11以降、私自身が感じ、実践してきたことと全く同じで嬉しかったです。自分も3年半続けているブログとFB等をミックスした情報発信を今後もやって参ろうと思っています。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~おわり

 新しい時代には新しい担い手が、新しい風を吹かせてくれますね!

北海道の再生可能エネルギー

Posted by 秋山孝二
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 この所、「再生可能エネルギー」関連の勉強会が続きます。

  北海道再生可能エネルギー振興機構設立準備会が主催する勉強会(http://enavi-hokkaido.net/event/index.php?smode=Daily&action=View&event_id=0000007351&caldate=2012-8-20)が開催され、150名を越えての参加者で満席の盛況でした。

代表・前北海道知事の堀達也さん

代表・前北海道知事の堀達也さん

  北海道経済産業局の増山壽一局長は、これまでの豊富なご経験から、昨今社会にあふれる「自然エネ」「再生可能エネ」「グリーンエネ」「クリーンエネ」を踏まえて、「全くエネルギーを使わないエネルギーはない」ことを冒頭に明言し、ブラッセル欧州委員会での「再生可能エネルギー」の定義が、地域に根差した資源であり、従って地域的偏在を容認した議論の展開が前堤、とも説明されました。更に、「再生可能エネルギーを増やしていくことは『国是』である」と、何回も強調されました。

北海道経済産業局長・増山壽一さん

北海道経済産業局長・増山壽一さん

 

 二つ目は、「北海道地域エネルギー研究会」です。幹事のお一人、麻田信二さんは学校法人酪農学園(http://www.rakunogakuen.org/)の理事長です。

 先日の勉強会では、こちらでも増山壽一局長がお話をされましたが、違った視点からのアプローチで興味深かったですね。今、「地域に必要なのは、総論よりも各論である」こと、「エネルギー問題は、昨今、数字だけの議論で、手触り感がない」と、敢えて数字の全く入らない資料と、詳細の統計・資料をあらかじめ準備されてのご説明でした。

 日本での議論で欠如しているのは、産業としてのエネルギー議論であり、今後、どのフィールドで日本はエネルギー争奪を設定するのか、グローバルな視点での比較優位性を意識するべき、と。そして、北海道の位置づけでは、資源大国ロシアとの関係が重要であることも指摘されました。いずれにせよ、今後のエネルギーは、「誰かが持ってきてくれる」のではなく、「自分で取りに行く・造る」時代に入ったと締めくくりました。

 もうお一人の講師は、国土交通省北海道開発局農業水産部長です。「北海道農業における小水力発電導入の検討」と題して、最近の新しい動きを解説されました。小水力発電施設設置に向けて、電気事業法、河川法等の手続き簡素化について、この1年半で、かなりの規制緩和、省略等が進んでいる実態を知りました。

 

 三つ目にご紹介したいのは、この間、枝廣淳子さんを代表に積極的に情報発信している「JFS:http://www.japanfs.org/ja/(ジャパン・フォー・サステナビリティ)」です。これまでのJFSニュースレターや、今月号の「エネルギー・環境の選択肢をめぐる国民的議論」記事にもあるように、日本ではいま、2030年までの日本のエネルギー政策の方向性をめぐって、国中で議論が繰り広げられています。日本がどのようなエネルギーを使っていくのか、原発をやめるのか、維持するのかは、日本のみならず世界中に、また未来世代にも影響を及ぼすものです。

【ニュースレター】新しいエネルギー基本計画に向けて
http://www.japanfs.org/ja/join/newsletter/pages/031720.html
【ニュースレター】エネルギー政策を考える土台としてのGDP成長率の見通しにチャレンジ!
http://www.japanfs.org/ja/join/newsletter/pages/031998.html

 日本国内では、6月末から8月12日まで、政府のウェブサイトやメール、ファックスなどで、政府の提示した選択肢についての意見を国民から募りました。この問題について、世界の人々の意見や声を集め、日本の政府、メディアその他広く伝えることを狙いとして、JFSでは「『日本のエネルギー政策』に関する国際世論調査」を実施しました。

 以下は、「JFS国際世論調査の結果」についてのプレスリリースです。

——————————————————

「日本のエネルギー政策に関する国際世論調査」、世界は7割が原発ゼロを支持
日本の環境情報を世界188カ国に発信しているNGOジャパン・フォー・サステナビ
リティ(JFS)は、現在、国内で議論されている、2030年までの日本のエネルギー
政策の方向性について、インターネットを通じて国際世論調査を実施し、世界か
らの声をとりまとめた。

今回の調査は、世界の人々がどのように日本のエネルギー政策を考えているかを
伝えることによって、国内のエネルギー政策をめぐる議論に資することを目的に、
JFSの海外ネットワークを中心に、オンライン国際世論調査への参加を呼びかけ
たもの。2012年7月26日から8月14日までの間に、世界53カ国から322通の回答
寄せられた。

その結果、回答者の70%が、3つの選択肢の中で2030年までのなるべく早期に原
子力発電率をゼロに、とするゼロシナリオを支持していることがわかった。その
結果の内訳比率は以下の通り。(括弧内は回答数、n=322)

  ゼロシナリオ  2030年までに原発比率をゼロに           70% (224)
  15シナリオ  2030年までに原発比率を15%程度に        15%  (47)
  20~25シナリオ 2030年までに原発比率を20~25%程度に  10%  (34)
  その他            4%  (13)
  わからない       1%   (4)

それぞれの回答を選んだ理由について、ゼロシナリオを選択した回答者のうち、
原発は事故のリスクが大きすぎる」(ゼロシナリオを選択した回答者の36%)、
人類は核廃棄物を管理できない」(同17%)と、原発のリスクや核廃棄物の危
険性を挙げた回答が最も多く、同シナリオ選択理由の53%を占めた。また、「
本が世界に規範を示すことを期待して
」(同10%)のほか、「再生可能エネルギー
をもっと増やせば実現可能
」(8%)、「省エネやエネルギー効率化で実現可能
(5%)と、再生可能エネルギーへの期待や、エネルギー消費の見直しを求める
意見が見られた。

15シナリオを選んだ回答者は、「原発は充分な安全対策が必要」「再生可能エネ
ルギーの開発も重要
」(それぞれ30%ずつ)との意見を寄せた。20~25シナリオ
を選んだ回答者の44%は、選択の理由として「CO2削減のため」を挙げた。
(回答の傾向や詳細など、
 詳細はhttp://www.japanfs.org/ja/aboutus/press/pages/032174.html

JFSは日本国内の環境や持続可能性に関する優れた取り組みを英語に翻訳して、
主にインターネットを通じて世界中に情報を発信し続ける活動を行っているNGO。
JFSの英語版ニュースレター読者は、各国の政府関係者や環境オピニオンリーダー、
専門家、メディアなどを中心に、世界188カ国・7,700人。環境問題に対する高い
意識と志を持つ企業・自治体・大学・NGOなど約50の法人会員、200人の個人サポー
ター、約700人のボランティアが活動を支えている。

経済産業省 資源エネルギー庁・基本問題委員会の委員でもあるJFS代表の枝廣淳
子(幸せ経済社会研究所所長)は、これらの結果を踏まえ、「国内と同じく、世
界の人々もその多くが日本がゼロシナリオを選ぶことを望んでいることがわかっ
た。世界の期待に応え、原子力からリソースの移転を進め、再生可能エネルギー
や省エネルギーの分野で世界をリードする国に大きく舵を切ることが期待されて
いる。一度起こると取り返しのつかない被害を与える事故のリスクや、未来世代
にツケを回す核廃棄物を増やし続けるのではなく、地域の自然エネルギー資源を
活用し、よりレジリアント(しなやかに強い)で持続可能な社会へのシフトが経
済的にも可能であり、かつ望ましいことを世界に示していければと思う
」と述べ
ている。

JFSでは、これらの声をまとめてウェブサイトで公開し、今後の日本のエネルギー
政策を考える議論に国際的な視点を提供するとともに、世界各国にもそれぞれの
エネルギー政策について考えるきっかけを供する予定。

———————————————–リリース おわり

 国のエネルギー政策は勿論ですが、地域における今後のエネルギーについて、確実に新しい展開が始まっています。エネルギー問題を、単なる「節電」対策ではなく、夏・冬の「省エネ」の知恵として北海道的にも出しあい、「熱」確保を巡って冬の省エネを電気以外のエネルギーで賄うことも含めて、各論で構築していきたいものです。電気をつくるための6割の熱ロスを放置して、その電気で熱を賄う愚を、少し頭のまわる道民であれば容易に気がつくはずです。

 方向性は決まりました、http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=13681

「みんなのエネルギー・環境会議 札幌」

Posted by 秋山孝二
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  「みんなのエネルギー・環境会議:http://www.meec.jp/」、第3回目が札幌で開催されました。 当日は300人を越える聴衆で満席、セッションも内容が濃く、「エネルギー」、「原子力発電」についても、賛否はともかく、まずは議論の新しいフィールドが生まれている、そんな感じでした。

 コーディネーターをつとめた枝廣淳子さん(幸せ経済社会研究所所長:http://ishes.org/)の能力・センスが、ひと際輝いていたと思います。ある時はさりげなく補足し、ある時は大胆に方向性を変える、以前枝廣さんのワークショップ(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=508)で学んだ「Resilience」な姿勢そのものでした。そう言えばこの研究所のキックオフ・ミーティングは、今年の大震災の直前に東京で開催されました(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=7722)、何かの因縁ですね。

枝廣淳子さんに関するこの欄での掲載一覧――>http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?s=%E6%9E%9D%E5%BB%A3

豪華メンバーが勢ぞろい!

豪華メンバーが勢ぞろい!セッション1で

 セッション1「エネルギー政策と原子力」
「新しい」エネルギー基本計画はどうあるべきか?
コーディネーター:枝廣淳子氏(幸せ経済社会研究所所長)
登壇者:飯田哲也氏(環境エネルギー政策研究所)
    上田文雄氏(札幌市長)
    澤昭裕氏(国際環境経済研究所)
    澤田哲生氏(東京工業大学原子炉工学研究所)
    鈴木達治郎氏(原子力委員会委員長代理)
    吉岡斉氏(九州大学)
    吉田文和氏(北海道大学大学院) 

 セッション2「再生可能エネルギー」
日本と北海道の自然エネルギーは増えるのか?何が必要か?
コーディネーター:枝廣淳子氏(幸せ経済社会研究所所長)
         鈴木亨氏(NPO法人北海道グリーンファンド理事長)
登壇者:飯田哲也氏(環境エネルギー政策研究所)
    上田文雄氏(札幌市長)
    小林基秀氏(北海道新聞社編集局報道本部編集委員)
    吉田文和氏(北海道大学大学院)

  このフォーラムの内容は新聞等でも報道されましたし、近いうちに録画で掲載されるでしょうから、ここでは逐一の報告は致しません。ただ、 会の趣旨は次のようなものです~~~~~~~~~~~~~~~~~~~HPより~~~~~~~~~

 「みんなのエネルギー・環境会議」は、原発推進/反原発・脱原発、自然エネルギーの今後等について、「こうあるべき」という特定のスタンスを打ち出すためのものではありません。それぞれの観点についての賛成・反対を含め、さまざまな立場や考え方の人々がオープンに日本の産業や暮らしを支えるエネルギーの今後について、考え、語り、議論し、対話する場を作っていくことをめざします。

 エネルギーについて考えることは、私たちがどのような豊かさを望むのか、未来の暮らし方をイメージするのか、を考えることでもあります。国民の参加と合意に基づく民主的なエネルギー政策をつくっていくとともに、エネルギーに関する議論それ自体が日本を真に幸せな民主主義国家にしていく一助になると信じています。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~引用おわり~~~~~

 長時間でしたが、集中力の欠けることなく壇上と聴衆が真剣でした。私は、同じ空間・時間を共有すると、人柄が浮き彫りになってくる、或いは、やり取りの中でその人の人間性がにじみ出ると思うのです。普段活字で読んでいて共感しているつもりでも、本人を目の前にして発言を聞いて落胆する場合もありますし、また、その逆もあったりして。

 さらに今回感じたことは、「今、その重要な立場にいる方が意識を変えることの重み」ですね。ある意味で権力を保持している方、影響力のある方が、「人間として時代と真摯に向き合う」姿勢があるとすれば、それが最も「力」を発揮する、今回、原子力委員会委員長代理の鈴木達治郎さんのお話しぶりをお聴きしていて、そう感じました。

 3・11以降の新しい時代、エネルギーについて、皆で議論していきたいですね!

エネルギーシフトで New Japan!

Posted by 秋山孝二
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 首相官邸において、「これからの自然エネルギーへの大シフトを目指して」の公開会議(http://nettv.gov-online.go.jp/prg/prg4972.html)が開催されました。一堂に集まって総理との懇談会、率直な意見と提言を行い、「これから、どう自然エネルギーを普及させていけばよいか」について、積極的な意見交換でした。新たな試みとして、この会議の模様はインターネットを通じて動画中継を行い、ツイッターでの質問を受けることにより、テーマに関心あるすべての国民とメディアがリアルタイムで参加できる「オープン懇談会」となりました。5万人以上の方々がライブで視聴し、8万人の方々がその後もアクセスが続いているようです。参加有識者(五十音順)は、次の方々でした。

 ・ 枝廣淳子 環境ジャーナリスト(資料:http://t.co/lXzfn7Y
 ・ 岡田武史 元サッカー日本代表監督
 ・ 小林武史 ap bank代表理事
 ・ 坂本龍一 ミュージシャン(ビデオメッセージによる参加)
 ・ 孫 正義 ソフトバンク社長(資料:http://minnade-ganbaro.jp/res/presentation/2011/0422.pdf

[司会]藤沢久美 シンクタンク・ソフィアバンク副代表

 

 その前日、「6・11 New Japan!」、全世界100か所・100万人以上でこの日開催されて、10数ヶ国、60を越える地域からの中継も行われました。インディペンデントメディアにより、全編で10時間を越える録画です、新しい世代による新しい表現ですね。この企画のテーマソングにもなりましたが、齊藤和義さんの唄もいいです!(http://www.youtube.com/watch?v=b01yohRgfyc&feature=related

1/4 http://www.ustream.tv/recorded/15299170
2/4 http://www.ustream.tv/recorded/15303240
3/4 http://www.ustream.tv/recorded/15306642
4/4 http://www.ustream.tv/recorded/15309276

  翌日の全国の新聞やニュースなど報道で、この2万人の新宿アルタ前のデモなどがほとんど報道されなかったのも、また日本の現実のようです。朝日新聞、北海道新聞には、デモの様子など中心に大きくはないですが掲載されていましたが。この番組の出演者(一部・VTR含)は次の方々です: 岩上安身、前田真理、斉藤和義、池田香代子、森ゆうこ、保坂展人、木野龍逸、日隅一雄、孫崎 亨、武田邦彦、広瀬 隆、岩井俊二、藤波 心、小林武史、湯川礼子、河野太郎、松田美由紀、石井麻木、飯田哲也、キャンルジュン、一青窈 、マエキタミヤコ、福島瑞穂、おしどり夫婦、小出裕章

 一方海外向けにも発信されています(http://www.youtube.com/uniontube55?gl=JP&hl=ja)。

 

 このところ都内の地下鉄駅改札では、こんな電光掲示板も見かけます、先日の東京駅丸の内口でも同じものでしょうかね。

地下鉄駅改札口で

地下鉄駅改札口で

 来月からの節電体制に向けて、企業系もいろいろな工夫を始めています。15%が国の要請目標ですが、かなりの企業はそれを上回る目標を掲げて知恵を出していますね。これまで2回の石油危機を乗り越えた日本企業は、その後、飛躍的に国際競争力をつけました。今回もこれをきっかけに力をつけて貰いたいですね、簡単に「どうしたらいいか苦慮している」などとは言って貰いたくないですね。首相官邸で岡田元監督がおっしゃっていましたが、日本人の現場レベルの高い把握能力、折り合いをつけての迅速な解決能力等の国民性レベルを考えると、必ず乗り越えて新たな競争力を獲得すると思います!

30年以上前に、すでに「想定内」

Posted by 秋山孝二
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 我が家の書棚に、30数年前の「原子力発電とはなにか・・・、そのわかりやすい説明」<第三版>を見つけました。その「まえがき」から順番に読み進めてみると、あらためてこの数十年間の反原発活動の重みを感じます。今、目の前に起こっている現実すべてが「想定内」であることに加え、まえがきを読むと分かりますが、推進側、反対側の双方の問題点を的確に指摘しています。これらを「反原発」と一括りにして本当に宜しかったのでしょうか、この辺りからすでに推進派(通産省・学者群・産業)のプロパガンダが始まっていたことを見逃してはいけません。

家の書棚にひっそりと

家の書棚にひっそりと

まえがきには

まえがきには

その2

その2

 今回のまだ進行形の大事故を教訓に、飽くなき議論を戦わさなければなりません。企業系・家庭系双方のセクターにおいて、「需要」としての節電・ピーク時削減の具体案、「供給」としての当面の原発の安全性担保と代替エネルギーへのシフトです。

以下は引用です。
~~~~~~~~~~~~出所(枝廣淳子さんの環境メールニュース http://www.es-inc.jp

「原子力か、化石燃料か」ではなく、「原子力でも化石燃料でもない世界」への
移行は可能です(「ただちに」ではないですよ。「ただちには無理」だからといっ
て否定する必要もないですよね? 30年後、50年後にどうなっていたいか、です)

そのための技術開発も実用化も、日本でも世界でもぐんぐん進んでいるのは、本
当に心強いことです。

去年、日刊 温暖化新聞の「エダヒロはこう考える」コーナーで、こういうご紹
介をしています。

2010年06月02日
原発10基分!日本の洋上風力発電の可能性と取り組み
http://daily-ondanka.com/edahiro/2010/20100602_1.html

最近の日刊 温暖化新聞の記事を見ていても、各国/世界の再生可能エネルギー
・シフトの元気な足音が聞こえてきそうです。いくつかご紹介しましょう。見出
しだけでもわくわくしてきますよ。ニュージーランドでは電力の4分の3近くを
自然エネルギーでまかなっているって、ご存知でしたか?
2011年04月07日
IEA報告書:ニュージーランドの再生可能エネルギー発電、2009年は73%
http://daily-ondanka.com/news/2011/20110407_1.html

2011年04月04日
オレゴン州全域でクリーンエネルギーワークス計画始動、雇用創出と省エネに期待
http://daily-ondanka.com/news/2011/20110404_1.html

2011年04月02日
持続可能な方法で生産されたバイオ燃料の認証システム、始動へ
http://daily-ondanka.com/news/2011/20110402_1.html

2011年03月30日
英スコットランド政府、世界最大の潮流発電プロジェクトを承認
http://daily-ondanka.com/news/2011/20110330_1.html

2011年03月22日
2010年、独の再生可能エネルギーの割合は17%へ、雇用は37万人へ増加
http://daily-ondanka.com/news/2011/20110322_1.html

2011年02月21日
カナダ政府、ディーゼル燃料と暖房用燃料に再生可能燃料の含有を義務付けへ
http://daily-ondanka.com/news/2011/20110221_1.html

2011年02月19日
米国内務長官とエネルギー長官、大規模な洋上風力イニシアチブを発表
http://daily-ondanka.com/news/2011/20110219_1.html

2011年02月16日
英国、新たな職業技能アカデミーでグリーンな未来の構築を後押し
http://daily-ondanka.com/news/2011/20110216_1.html

2011年02月08日
米国:NOAAの気象・気候情報を利用して再生可能エネルギーを推進
http://daily-ondanka.com/news/2011/20110208_1.html

2010年12月30日
米エネルギー省、世界最大級の風力発電プロジェクト融資保証を最終承認
http://daily-ondanka.com/news/2010/20101230_1.html

2010年12月27日
豪政府助成金により太陽光発電を導入する学校が増加
http://daily-ondanka.com/news/2010/20101227_1.html

2010年12月22日
英ロンドン、市バス用に導入する水素バス第1号を発表
http://daily-ondanka.com/news/2010/20101222_1.html

2010年12月20日
米国、クリーンエネルギーに関する輸出振興のためのイニシアティブを開始
http://daily-ondanka.com/news/2010/20101220_1.html

2010年10月01日
世界最大の洋上風力発電所、イギリス海峡で正式に始動
http://daily-ondanka.com/news/2010/20101001_1.html

2010年09月15日
米国の各プロスポーツリーグ、競技場で太陽エネルギーを利用
http://daily-ondanka.com/news/2010/20100915_1.html

2010年07月10日
オーストラリア、クリーンなエネルギーの将来に向け前進
http://daily-ondanka.com/news/2010/20100710_1.html
2010年06月21日
オバマ大統領演説、クリーンエネルギーへの速やかな移行を呼びかけ
http://daily-ondanka.com/news/2010/20100621_1.html

2010年06月16日
米国:2009年の小型風力発電装置販売は15%増、世界の約半分を占める
http://daily-ondanka.com/news/2010/20100616_1.html

2010年05月14日
米内務省、マサチューセッツ州沖合の洋上風力発電プロジェクトを承認
http://daily-ondanka.com/news/2010/20100514_1.html

2010年05月12日
米国の太陽エネルギー、2009年も堅調な成長
http://daily-ondanka.com/news/2010/20100512_1.html

 

日刊 温暖化新聞でも、エネルギーシフトへの足音が聞こえる記事がトッ
プに出ています。どうぞお楽しみに~!
http://daily-ondanka.com/
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~引用おわり

 チェルノブイリ事故後、ベラルーシの汚染地域のある村に住む農民は語っています。

 「人々はパンを食べる。わたしたちは放射能を食べる。国は遠くに去っていった。わたしたちはこの地に、踏み留まっている。もしロシアを捨て天国に生きよ、といわれたら、私はいう。天国はいらない、故郷を与えよ、と」

 余震は、日本人への更なる警告のような気がします、「まだ気がつかないのか!!」という天からの声として。

大地震、今、感じること(4)

Posted by 秋山孝二
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 昨日で今回の大震災発生から1週間、地震・津波・原発多発事故はまだまだ緊迫した状態が続いています。

 昨晩のテレビで、「有識者・専門家たち??」は、相変わらず恥ずかしげもなく「原発に海水が注水されて一安心」、「あの原子炉は古い型だったから」等、まさに無責任な発言を繰り返し、メディアのキャスター達も一部を除いて何の危機感もない質問の繰り返しです。MOX燃料の危険性、原子炉複合施設の危険性等、チェルノブイリ・スリーマイルには無かったその後の新たなリスクへの言及が隠ぺいされています。私自身、これまでの原子力発電に対しての中途半端な反対姿勢を、今、強く悔いています。企業経営者として、原発問題・憲法問題・防衛問題に対して、立場を考慮して(?)、歯切れの悪いスタンスに終始していましたので。

 でも、この場に至って、自分の命というよりも、子供たち・孫たちの命と将来の安心・安全な暮らしのために、これからの人生を送らなければなりません。戦後日本の極めて恵まれた時代を生きることが出来た私は、これまで得た少しの知識と知恵を、次の時代に生きる人々のために尽力する責務があります。眼前の同世代の体たらくを目の当たりにして、そう痛感しています。

 枝廣淳子さんのメーリングから、諸外国の応援メッセージを引用掲載します(http://www.japanfs.org/ja/pray4japan/message.cgi)。また、国内からも具体的なアドバイスも集まっていて(http://www.es-inc.jp/news/001949.html)、私自身は、一層の節電モードのライフスタイルに入っています。

 群馬大学の片田敏孝教授(http://www.ce.gunma-u.ac.jp/staff/st02_katada.html)は、これまで防災教育を現地の中学生に指導してきたそうです。その成果は今回実践の中で示されました。(http://plaza.rakuten.co.jp/yamamotoyoshie/diary/201103190000/

 こちらも説得力があるサイトです(http://www.asyura2.com/index.html)。

 

 こんな折り、環境分野で大きな功績を果たしてきた、北海道大学教授・小野有五先生の定年記念講演会が、「地球科学者から環境科学者へ:大学と社会を結んで25年」と題して開催され、会場の北大クラーク会館は超満員で溢れました。 

小野有五教授定年記念講演会~大学と社会を結んで25年~

小野有五教授定年記念講演会~大学と社会を結んで25年~

 この間、氷河から地球の研究に端を発した地球科学者・小野有五先生でしたが、ビートルズの「A long and winding road:http://www.youtube.com/watch?v=JrcYPTRcSX0&feature=related」をバックミュージックに、ご自身の軌跡を素晴らしいまとめで締めくくりました。まさにこの時に、小野先生のこのご講演は、学者としての一筋の光とでも言いましょうか。

* 「大学と社会を結んで」と簡単に言っていますが、まさに「水と油」みたいな関係だった

* 専門家は、ごく普通の市民に分かる説明、今風に言えば「アウトリーチ活動」が必須な時代になっている。今回の一連の原発事故に対する「専門科学者」たちの、最も欠如している視座である

* 宮澤賢治の1929年11月29日の予告文:今にも活きる言葉に違いない

 「われわれはどんな方法で、われわれに必要な、われわれの科学を、手に入れることができるのか」

 羅須地人協会で:http://www.artwing.biz/kaze2/rasutizin/rasutizin.html

* アイヌ民族の歴史に対する認識: 徳川幕府は「蝦夷地」として、まだ外地扱い、すなわち「アイヌの地」としての認識があったが、明治維新以降、北海道の中のまさに「植民地化」であった、奪われた土地、奪われた文化、奪われた人権等、で。

* マザー・テレサの言葉、「愛することの反対は、憎しみではなく、『無関心』である」

 

 本来は駆けつけるはずだったお弟子さんのアラスカ大学・吉川謙二教授は、サンフランシスコで足止めとなり、今アメリカで大ブレーク中、本人主演のyoutube掲載、「The tunnel man:http://www.youtube.com/watch?v=-l0JdVtmNus」の紹介がありました。「究極のアウトリーチ活動!!!」でしょうか。

 弁護士の市川守弘(http://www.akiyama-foundation.org/network/tema05.html)さんは、「科学者の社会的責任」を果たすということが、如何に困難なことか、森林・生態系保護活動においても同様なこと。そして同時に、「裁判所の責任」も、これまでの各地の諸開発問題では重いものがあることを指摘されました。

 2008年の「先住民族サミット」で活躍し、その後「Win-Ainu」設立にもかかわった結城幸司(http://www.akiyama-foundation.org/network/tema06.html)さんも駆けつけました。

 

 幅広く市民活動とコラボレイトした小野有五先生は、退官とはいえ、まだまだこれから多くの分野でのご活躍を期待しなければなりません、北海道の環境問題のアドバイザーとしてです。取り敢えず、ここまでお疲れさまでした。

大地震、今、感じること(3)

Posted by 秋山孝二
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 昨日の続きになりますが、海外メディア・外国政府関係者の今回の福島原発事故の認識は、連日、日本で報道されている内容とは大きく異なり、大変危機的で深刻です。

 私の身内に届いたカナダからの友人のメールでは、「自分の周りには住む場所が十分あるから、今すぐにでも家族全員でこちらに移動するように」と、真剣な内容だったとか。諸外国のメディアは、福島原発の爆発の連鎖とその対応の事実をつぶさに見つめながら、冷静に報道しています。この場合、冷静と言うのは、「真実を語る」という意味ですね。

 東京電力、保安院の記者会見、テレビに出て来る「専門家」、メディアスタッフの話は、何の役にも立ちません。とにかく、当該事故現場組織の「発電所所長」とか、現場の最高責任者の存在が全く見えないのは大きな疑問ですね。現場はこういう作業をしていて、こんな作業プランを持っているといった、やっている側発の報道が何もない、危機管理の中ではあり得ない状態です。無いなら無いと率直に言えば、市民はそれぞれの判断で責任を持って動けます。

 現場に一度も足を運んだことが無い連中が、「安全だ、安全だ」といくら叫んでも、市民はとうの昔にその「ニセモノ性」を見破っていますよ。理屈では「対策」になっていても、それが出来る環境が現在あるかどうか、直感的に理解しているのです、私たちは。発表される写真だけ見ても、「安全」などとは程遠い現実を認識できるのです。

 市町村長の何人かはメディアの取材に対して、現在の状況報告、必要物資の具体的要請等、大変な困難な環境の中、必死に訴えています。これ自体、本来はそんなことをしなくても支援の手を差し伸べなければならないのでしょうが。それと同様に、原発事故に関して、現場最高責任者は、「日本国民を守る」意識を持って語り続けなければなりません。もし、その任に誰も就かないのなら、これまでの原子力政策というのはその程度の覚悟だったということを、しっかり歴史に刻んでおかなければなりません。

 もう一つ、政府は今すぐに、全国各地の原発責任者及びその次席を招集して、現場に最も近い場でこの現実をしっかり観察して、現場はどんな状態なのか、今後の原発運営に活かす手立てをすべきです。廃炉・見直しも含めた、将来の日本のエネルギー政策に向けて、この未曽有の事故の連鎖を無駄にしてはいけません。

 少し離れた私たちに何が出来るか、枝廣淳子さんのメーリングから引用します。環境に関わってきた彼女が、この難局においても情報収集・発信し続けるその姿に感動致します、日刊温暖化新聞は秋山財団もパートナーとなっています。彼女はまさしく「ホンモノ」です。

~~~~~~~~~~~

日刊 温暖化新聞の企業・団体パートナーでもあるソトコトさんが、「被災地の
復興のために、わたしたちができること」というページをアップされました。

以下にご紹介します。もちろん、できることはこれだけではありませんが、「被
災地から遠く離れた自分に何ができるんだろう?」と思っていらっしゃる方がい
らしたら、ぜひ!

~~~~~~~~~~~~~ここから引用~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「被災地の復興のために、わたしたちができること」
<ソトコト・ホームページ>
http://www.sotokoto.net/setsuden/
<ロハスクラブ・ホームページ>
http://www.lohasclub.jp/setsuden.php

2011年3月11日に発生した、東北地方太平洋沖地震による甚大な損害は、私たち
がこれまでに経験したことがない災害です。被災地域に暮らしている方々、救助
活動や復興活動に尽力されている方々を支援するために、私たちができることの
ひとつが「節電」です。

未曾有の大地震による、電力施設への被害発生により、私たちの日本は電力が不
足しています。特に、被災地域においては、電力の確保は、救援活動や復興活動
にとっては極めて重要な問題です。

政府及び東京電力は、3月14日から「計画停電」の実施をアナウンスしています。
計画停電は、電力需要が現状の電力供給能力を上回ってしまった場合に実施され
る手段であり、電力需要を抑制するためには、鉄道、工場、大型商業施設などの
社会全体での節電努力、そして、一般家庭での節電努力が必要です。

いま一番大切なことは、まず被災地が必要とするエネルギーを確保することです。
そして、そのためには、私たち一人ひとりが「節電」を心掛け、続けていくこと
が重要です。

電気は、水道やガスの供給にも必要とされるエネルギーであり、被災地での救援
活動や復興活動に必要なライフラインの確保のためにも、私たち一人ひとりの節
電努力が必要です。

●私たちが生活のなかでできる節電

・外出の際、あるいは、使っていない電気製品のプラグはコンセントから抜きま
しょう。機器によってはプラグを挿し込んでいるだけで、待機電力を消費してし
まう場合があります。

・昼間は、なるべく必要最低限の照明で過ごしましょう。オフィスでは、昼休み
の消灯や、通路のなどの照明の間引きも節電になります。

・暖房機器を必要とするこの季節は、朝の時間帯や18:00~19:00の時間帯が電力
消費のピークタイムとなります。電子レンジ、洗濯機、炊飯器などの消費電力の
高い機器は、ピークタイムをずらして使用しましょう。

・冷蔵庫にはものを詰め込み過ぎないようにしましょう。また、電気炊飯器の保
温時間を減らすのも節電に有効です。

・屋内では、温かい格好をして、カーテンを閉める(断熱効果があります)など
して、エアコンやストーブなどの暖房機器を使う時間を減らしましょう。

・テレビよりもラジオのほうが消費電力が小さくてすみます。

電気を大切に使うことで、被災地を励ますことができます。
私たち一人ひとりの節電努力が、被災地が必要とするエネルギーを創り出します。
物資援助やボランティアなどの人的支援も必要ですが、被災地側の受け入れ態勢
も充分ではない今、私たちが、いまそれぞれの暮らしのなかでできるアクション
が「節電」です。
私たちが日々の暮らしのなかで、節電に努力し、続けていくことは、確実に、被
災地のチカラになります。

現在、節電が必要とされているのは、東日本エリア(東京電力、及び、東北電力
の管轄内)です。東日本と西日本では、周波数が異なることから東日本に周波数
を変換して送電できる容量に上限があります。このため、東京電力、東北電力の
管轄外で節電しても被災地のためにという意味では効果は生まれません。

それでも、電力以外にも燃料が足りないという状況もあり、日本全国で節電・節
約していたくことはとても大事なことです。そして、「電力消費量を自分たちの
意思で減らすことができる」ことを未来に向けて実証・伝えていくためには大き
な役に立つと思います!

~~~~~~~~~~~~~引用ここまで~~~~~~~~~~~~~~~~~

そして、イーズでも、これまでのコンテンツからヒントやアイディアをとりまと
めてご紹介するページをアップしました。

~~~~~~~~~~~~~ここから引用~~~~~~~~~~~~~~~~~

「被災地の復興のために、わたしたちができること。節電努力。」
http://www.es-inc.jp/news/001947.html
※※この呼びかけは、ソトコトの「被災地の復興のために、わたしたちができる
こと。節電努力。」に賛同し、同じタイトルで呼びかけています。※※

「いまの状況で私に何ができるのだろう?」と思っていらっしゃる方も多いこと
でしょう。義援金や救援物資の支援などのほかにも、毎日の暮らしの中で「でき
ること」の1つが節電です。特に、被災地と同じ周波数の圏域の方々は、その節
電が被災地への電力につながります。周波数が違っても、ガソリンその他、省エ
ネすることが役に立ちます。

「節電」や「省エネ」については、イーズでも枝廣のメールニュースや書籍等を
通して、ご紹介・ご提案してきました。これまでに蓄積した情報から、わたした
ちができる「節電」に関する部分をピックアップしました。お役に立てばうれし
いです。

被災地の一刻も早い復興を心より願っております。

枝廣・イーズスタッフ一同

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「幸せ経済社会研究所」、キックオフ!

Posted by 秋山孝二
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 枝廣淳子さんが新しく設立した「幸せ経済社会研究所:http://ishes.org/」の設立キックオフ・フォーラムがありました。バラトングループの若手のホープ、アラン・アトキンソン(http://www.atkisson.com/)さんの基調講演とQ&Aです。

超満員の会場で、アランの講演です!

超満員の会場で、アラン・アトキソン氏の講演

実にさわやかな、ナイス・ガイでした!
実にさわやかな、ナイス・ガイでした!

 枝廣淳子さんはこれまでに、JFS(ジャパン・フォー・サステナビリティ:http://www.japanfs.org/ja/aboutus.html)をはじめとして、12の視座から環境問題に取り組んできています(http://www.es-inc.jp/)。今回設立の背景は・・・

* 経済成長のジレンマ: 1)現在のままの経済成長は持続可能ではない、2)経済成長を止めると、社会は不安定になる、3)どうしたらよいのか・・・・?

* ハーマン・デイリーのピラミッド(http://change-agent.jp/sustainablemanagement/pyramid.html

* 持続可能な発展の3つの統合指標: 「自然資本」ー持続可能性(Sustainability)、「経済」ー自然資本の幸せへの転換率(Efficiency)、「幸せ」―皆に実現しているか(Sufficiency

* 全体とつながりを考えること: 「経済」、「社会」、「幸せ」――まず指標を考え直そう、という動き

 

 アラン・アトキソン氏は、「Growth and Happiness:成長と幸福」と題しての講演でした。30を越える質問からなるこの講演、普段分かった気になっている言葉を、再度検証する良い機会となりました。その後のQ&Aでも、幾つかのキーワードが・・・・

* インビジブル・エコノミー、「アマチュア・エコノミー」の価値と重要性~~「アマチュア」とはラテン語で「愛」の意味とか

* すべて「プロフェッショナル・エコノミー(お金に代えられる)」にしていいのだろうか?

* これまでお金で代え難かったものをお金にしてしまうと、失われるものも多い

* プロフェッショナル経済とアマチュア経済の線引きをしっかり行うこと――「賢い」経済を目指すべき

* これまで、「歴史は勝った者によって書かれている」

* 日本は、「課題先進国」!!!

  「好奇心」は学習する原点であり、「ダメな自分」を見るのも必要ではないか、と笑顔で問いかけるアランの姿は、透明感と爽やかさでいっぱいでした。JFS(http://www.japanfs.org/ja/)のカタログに「日本から世界へ、世界から日本へ~~コミュニケーションが未来を創ります」と書かれています。

 今回のフォーラム、若い方々と女性が多かったですね。私は平均年齢をかなり上げている参加者の一人だったかもしれません。

「国際森林年」って?

Posted by 秋山孝二
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 今年は、国連の定める「国際森林年」(International Year of Forests)です。国連総会決議により、「国際森林年」では、現在・未来の世代のために、全てのタイプの森林の持続可能な森林経営、保全、持続可能な開発を強化することについて、あらゆるレベルで認識を高めるよう努力すべきとされています。

 また、国連は加盟国が、「国際森林年」に関連した活動を促進することを奨励しており、日本でも各地で様々な取組が行われる事が期待されています。ちなみに、北海道において、「北海道市民環境ネットワーク(きたネット:http://www.kitanet.org/index.html)」は、この間、森づくり活動を主軸にする会員も多く、今年はフラッグ事業「ラブアース」をはじめ、さらに充実した活動を企画しています。

 ところで、国連が決める「 国際年(International Year)」というのは、国連総会において採択・決議されるもので、特定の事項に対して特に重点的問題解決について、国連をはじめ全世界の団体・個人に呼びかけるための期間のことです。最近の例としては、 2009年の「世界天文年」、「国際天然繊維年」、「国際和解年」、2010年の「国際生物多様性年」、「文化の和解のための国際年」、「国際ユース年」で、今年は、「国際森林年」、「国際化学年」となっています。

 企業のCSRでもそうなのですが、国連の議論・決定事項に関して、日本のメディアはもっとしっかり報道すべきだと思いますね。昨年2月、東京で開催されたフォーラムでは、グローバル企業も国際社会の中で生き残る存在として、CSRを真剣に展開している様子も発表されていました(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=3348)。

 いつも楽しく読んでいるメルマガの中で、田中優さんから送られたきた年末大晦日のトークは絶品でした。3時間と長丁場ですが、特に中ほど(1時間35分過ぎから)で彼が説明する「森の話」は、実に素晴らしいです。

~~~~~~~~「絶望から未来を見つけるトークライブ2010 」http://www.ustream.tv/recorded/11737604

【出演】
田中 優(未来バンク事業組合理事長:http://tanakayu.blogspot.com/)

山田玲司(漫画家/『ココナッツピリオド』『絶望に効くクスリ』他)

枝廣淳子(環境ジャーナリスト/「環境メールニュース」他:http://www.japanfs.org/ja/

江守正多(気象学者/国立環境研究所地球環境研究センター温暖化リスク評価研究室室長)

【ミュージシャン】
高森ゆうき 
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 「海老蔵」が一段落すると、今度は「伊達直人」、「斎藤佑樹」の追っかけかよと、相変わらずの内向き・平和ボケの日本のマスメディアですが、国際社会の中で、今日本に期待されている事がらの多さを認識すればする程、焦点を当てるべき重大なテーマは他にあると思うのですが・・・・・。今年も変わらないマスメディアの愚に、ボヤキからのスタートで恐縮です。

 

「環境」への新たなアプローチ

Posted by 秋山孝二
Categorized Under: 日記
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 先日東京で、「富士通フォーラム:https://forum.fujitsu.com/2010/tokyo/report/?fjsmnroute=F_am_tm03」が開催されましたが、そこでの特別講演は枝廣淳子さんでした。ジャパン・フォー・サステナビリティ( JFS:http://www.japanfs.org/ja/共同代表 ほか環境分野で大活躍されています。今回は「持続可能な社会を目指して~世界の動向と日本企業への期待~」と題して500名程の聴衆の前で、中国語、英語、文字電光板も用意されて、素晴らしい講演でした。会場の設え等、時の移り変わりも感じましたね。以下、印象に残る幾つかの点をメモします。

* 温暖化よりも先に来る「エネルギー問題」、そして「食糧問題」

* これからの環境問題は、時間軸を意識した「バランス良く全体を」考えた取り組みが重要

* 「生物多様性」はストックの問題、「生態系サービス」はフローの問題、と理解すべき:「つながり」と「バランス」がキーワード

* 現在は、「次の長期的均衡を探る混乱期」と位置づけられる――パイの拡大から配分へ、買わない消費者の出現、量的拡大から質的成熟へ、GDPからGNHへ

* 「3脱」の時代: 1)くらしの脱所有化(クルマ、本、CD)、 2)しあわせの脱物質化(つながり)、 3)人生の脱貨幣化(半農半X)

* 競争方位は、「ヒト、モノ、カネ」が自社を越えて、「伝える力」、「つながる力」、「共創力」等のコラボレーションへ――企業・NGO・セクターを越えて「共創型パートナーシップ」がキーワード

* 「チャネル」から「場」へ、マルチ・ステークホルダー(MSH)

* 真の多様性は「真の対話:ダイアローグ」の作法に則って展開されるべき

 

 一方、北海道では、「環境」活動の中間支援4団体がテーブルに着き、「コンソーシアム」を形成して市民活動支援に取り組みつつありますhttp://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=3137

 新しい環境への取り組みは、ローカルにもグローバルでも進展しているようですね。