北海道立博物館(http://www.hm.pref.hokkaido.lg.jp/)で開催中の、「夷酋列像(いしゅうれつぞう)」展示(http://event.hokkaido-np.co.jp/ishuretsuzo/)を観に行きました。
松前藩家老をつとめた画人、蠣崎波響(かきざきはきょう)が寛政2年(1790)に描いた「夷酋列像」は、時の天皇や、諸藩の大名たちの称賛を受け、多くの模写を生みました。蠣崎波響筆のブザンソン美術考古博物館所蔵本と国内各地の諸本が、はじめて一堂に会しているとのこと。
今年春に開催された浮世絵師の展示(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=23547)に比べて、説明版の文字が小さく、目がかなり疲れた感じですね。それと、アイヌ側の視点からは、この企画をどう認識するのかと少々思いめぐらせながら家路に着くと、Facebokでは早速、結城幸司さんが以下のように書き記していました、そして他の方のコメントも。
彼の「アイヌ文化に壁ができあがってゆくのは好きじゃない。民衆の記憶であり、ともにある歴史でなくてはならない」に共感します。
知識は誰のもんだろね
マオリを連れて
北海道博物館に行ったら
研究者や学生は無料で
中に入れてもらえたが…
わたしと島田あけみさんは
お金を取られた
ケチくさくて言うんじゃない
ここに飾られてる
知識は学者たちが得たもの
今の学者は違うが
かつては墓を暴いたり
だまして搾取したり
権威をそこから得た人もいただろうに
返すつもりや感謝もなく
今だ研究者のみの世界にしているかのようだ
話題のイシュウレツゼウだって
上っ面の美しさより
蛎崎波響の技術より
この絵の時代背景や出来事が大切であり
それが後の北海道を変えて行く
出来事だったはず
小さく扱い闇においたまま
取扱い注意の私が行くと
へんによそよそしくなるのも
嫌なんだよなぁ
私は今の流れにゃ媚びない
タッグを組んで
力など得たいとも思わない
ならば笑われてもバイトしまくる
入場券は二人で
たかが2000円なんだが
その重みよりも
選ばれたものしか乗れない
elevatorのように
アイヌ文化に壁ができあがってゆくのは
好きじゃない
民衆の記憶であり
ともにある歴史でなくてはならない
イシュウレツゼウが物語っているものは
複雑である
偶然にもノカマップに行き
若きアイヌたちの
引き裂かれた希望をその姿を慰霊した
吹きまくる風と雨に思いがやって来て
涙が止まらず
車を止めた
日本人のほとんどがその物語を知らない
毎日本気で何万という人が
未来を思い抗議をしても
耳を塞いでしまう国である
小飼の流れを作り
そのあめ玉で黙らせたつもりなんだろか
国民の落胆をよそに
ゴルフにいそしむ坊っちゃんが
歴史を変えちまう国だ
帰れないふるさとを作り出し
国内難民を作った原発を動かしたがる国だ
北の歴史なんぞ
鼻にも引っかけないだろう
な
せめても
アイヌと名のるものあらば
その展示会には、入れてやって欲しいもんだ
研究者は優遇されるなんて
おかしな事実
形を整え 魂を入れずなら
見た目美しい文化は生まれて来るが
ほんものなんか疑問になるな
まっ間違ってるのが俺ならば
抗議は受け止めるけどさ
苦しみを越え、耐えてきた世代が
非暴力で向かえた今の時代ならば
尚更に忘れたくないね
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ある方のコメント:
――12人の紹介は切り取ってあるが、クナシリメナシの戦いへの言及やロシアとの外交を展開する幕府への視点、場所経営の非道さは特別展には持ち込まれていない。あくまでブザンソン本の美術的展示になっていた。常設展示にはその辺りもあるのでしたが。
――描かれなかった人々こそメナシの蜂起の主役でした。展示の企画段階からより多くのアイヌ民族の参加が必要ですよね。オックスフォード大学のピットリバース博物館では先住民族との協業による展示資料の調査や特別展が頻繁におこなわれています。
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道立博物館に向かう散策道横には、懐かしい記念碑が設置されていました。北海道と米国マサチューセッツ州との姉妹提携の記念ですね、マ州マイケル・デュカキス知事と北海道の横路孝弘知事の名です。