映画「誰も知らない基地のこと」

Posted By 秋山孝二
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 映画「誰も知らない基地のこと(Standing Army):http://kichimondai.com/」は、「日本人が知らない米軍基地問題の常識」を突き付けて、東京を皮切りに、全国で上映される予定です。

 イタリア人の若手、エンリコ・パレンティとトーマス・ファツィが監督で、2人から日本人へのメッセージ(http://kichimondai.com/message/)です。果敢な取材を通して、彼らは映画での「沖縄」の存在の大きさに気がつきました。「不平等な力関係に直面しながらも、決して希望を捨てない人々がいます。その姿は、日本人の精神性の高さと心の強さを見せてくれました。彼らの姿に続こうと、日本の、そして世界の人々がこの映画によって勇気づけられることを願っています」と、結ばれています。

Standing Army:駐屯地

Standing Army:駐留軍

 HPにも掲載されていますが(http://kichimondai.com/news/)、その中から座談会の引用です、かなり突っ込んだやり取りが注目です。昨年3月の大震災までも予算獲得の材料に使う、そんなハゲタカのような姿も浮き彫りになってきます。「トモダチ作戦」もその目的をしっかり検証すべきですし、アメリカの冷戦後の戦略転換、当然日本への要求も変わってきていることに、我々が気がつかなければならないのです。北海道日米協会の会員で、理事になっている私ではありますが、「『アメリカ合衆国』と言っても、広うござんす」、ね。

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~引用はじまり

 * 「軍産複合体」という言葉を作ったのがアイゼンハワー、それが1961年で、そこからどんどんとその警告を踏みにじるように肥大化してきている、ということがこの映画の主張ですね。130カ国以上、730か所以上の基地があり、オバマ大統領になってからも軍事予算が300憶ドル多くなってるんです。なぜ、止まらないのかというのが不思議。

* 基地の問題は2つ大きな切り口があります。ひとつはアメリカの戦略上、どれだけ重要かということ、もうひとつは受け入れ国にとってどれだけ基地が安全保障に役立っているかということ。

* 受け入れ国がどれくらいの経済負担をしているか、なんです。日本は米軍基地の費用の半分以上を払っているんです。他の国と比べて日本が圧倒的にお金を出しているから、日本から出ていかないんですよね。

* 全部を合わせたら6000億円くらいになりますね。思いやり予算が米軍基地を支えているのは確かだと思うんです。震災があって日本の財政力が問われてるときに、震災直後、間髪入れずに、毎年1800億円ずつの思いやり予算を5年間を出し続けますという協定が結ばれたんです。何の議論もなしに。

* この映画の中で”兵士が来ると戦争になる”という警句を言ってますよね。戦争があったから基地が増えているんだ、と思っていたのですが、この映画では「基地を増やすために戦争をしてる」、と、そこまで主張をしている。

* かつては軍備を高度化することによって産業が成り立っていたんです。今は、米国の中では補給をする部隊が民間の企業となっていて、戦争をしてもらわないと成り立たない企業が出ている。これが戦争継続する理由になっているんです。

* 議会、ホワイトハウス、ペンタゴンの動きが微妙に違うわけです。まさに、ジョージ・ワシントンの言葉がこの映画にも出てきますが、共和国の一番の脅威は常備軍であると。映画の原題が“Standing Army=常備軍”なんですけど、この常備軍を一番大事にしたいんだと思うんですよ。本来は、農民が闘ってイギリスに勝った国がいつのまにか軍隊だけが肥大して、その利益を享受するようになった。それはアメリカの原理とちょっと違うんじゃない?っていうことだと思うんですよね

* 安全保障の理念は「できるだけ軍事を使わないことを尊重する」、というのが第二次世界大戦に作られました。ところが今、何が起こってきているかというとアメリカの勢力の拡大のためには軍を使っていいというグループがあり、もうひとつ、リベラルと言われる層は基本的には戦争に反対なんですが、世界に民主化を広げるためには、軍隊を使ってもいいということになっている。サダム・フセインを外すことは民主化なんだ、と。人権を普及するために軍隊を使ってもいい、と。このふたつが合体し始めたんです。

* 1951年に最初の安保条約があったけど、その時には吉田茂一人がサインしているんです。むこうは4人もサインしてるのに。なぜそんな異例なことが起きているかというとその当時の外務省は安保条約に反対しているからなんです。占領軍からそのまま安保条約に繋がるというのはいけない。一回切って、国連の委託だとかにワンクッション置くべきだと。

* 映画でも出てきましたけど、冷戦以降アメリカの戦略が変わったんですよ同時に対日戦略も変わるんです。日本に無理な戦略をするんです。そうすると財政的に日・独に抜かれてしまう。だから無理な戦略の中に日本、ドイツを入れるんです。90年代くらいは日本に対しての拘束が増えました。当時のCIA長官のゲイツが“これからは軍事だけでなく経済的な分野で活動しなければいけない”と言っているんです。経済的な分野というのは日本なんです。日本に対してCIA的な工作をして、米軍に追随する人が増えるようになったんです

~~~~~~~~~~~~~~~~~引用 おわり 全文は是非、こちら(http://kichimondai.com/news/)を

 

多彩な皆さんからの応援メッセージ

多彩な皆さんからの応援メッセージ

 「駐留軍」のことを「standing army」 と言うなんて知ってた?沖縄だけじゃないんだね。
 世界遺産のあるイタリア・ヴィチェンツァにアメリカ軍の基地がつくられようとしているなんて、知ってた? 
 ドイツやイタリア、日本、第二次世界大戦で負けた国に米軍基地が多いなんて知ってた?

 インド洋のディエゴ・ガルシア島の基地ですぐに思い出しました、、ついこの3月に鹿児島県種子島に行った時の「馬毛島」の話です(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=12375)。

 先日は東京渋谷で観ましたが、出口で田中優(http://tanakayu.blogspot.jp/)さんとマネージャーの方にばったりお会いしました。実は今回、facebookの田中優さんの呼びかけがきっかけでした。

 この映画は、まず観に行って、それからHPで復習をし、もう一度観ると、その奥行きの深さが格段に理解できると思いますね、乞う、ご期待です!

One Response to “映画「誰も知らない基地のこと」”

  1. 秋山孝二の部屋 » Blog Archive » 基地なき沖縄を展望して Says:

    [...] * 映画「誰も知らない基地のこと(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=12906)」 [...]