以前から、札幌での放射線量を測ったことはありましたが、先日、北関東を移動中に数か所、新しい線量計でガンマ線だけですが測定してみました。
「エステーエアカウンターS:http://www.st-c.co.jp/air-counter/」は、ガンマ(γ)線だけの測定で、以下の数値の単位は「μSv/h : マイクロシーベルト・パー・アワー」です。この器具では、「0.05」以下は、みな「0.05」での表示となります。札幌を含めて、今回「0.05」で表示された地点は、恐らくそれよりもさらに低い数値だと推測されますね。
福島県会津若松市の「鶴ヶ城」にも線量計が設置されています(http://www.aizukanko.com/news/index.cfm#wn97)。因みに、鶴ヶ城公園本丸内の放射線量、5月25日正午は、「0.12 μSv/h」 です。
単位 <μSv/h : マイクロシーベルト・パー・アワー>
札幌市内 0.05
羽田空港 0.05
アクアライン 0.05
千葉県館山市 0.05
東京駅地下 0.09
郡山駅前・外 0.24
郡山駅・内 0.14
猪苗代 0.08
会津若松市内 0.05
宇都宮駅・外 0.09
茨城空港・外 0.12
飛行機内 0.46
傾向としては、郡山が高く、内陸に行くに従って低くなる傾向、それもバス・電車ともに、トンネルを抜けると格段に変化する気がします。茨城空港もやや高い、そして一番驚くのは飛行機の通路側座席で測った時の「0.46」という数値です。電車の座席も高いと聞いたことがありますが、飛行機内座席も同じ傾向があるのでしょうか、これについてはもう少し調べてみようと思います。
今さらの気もしますが、線量の違いは見た目には全く分かりませんね、気温・湿度等とは違って、人間の五感では判別できない「放射線量の怖さ」が分かります。もちろん、線量「0.00」状態を望むわけではありません。おおよその「安全の目安的数値」はあるとは思いますが、瞬間的数値の意味だけでなく、「内部被曝」を含めた体内への長期的影響も懸念される「放射能汚染」、医療・研究機関のように狭い管理された空間ではない「環境」においては、「安全基準」はあり得ない、やはり人間の手には負えないものと理解すべきですね、そんな現場感をあらためて強くしました。何を言いたいのかというと、今回の爆発事故で環境に放出された放射線量と、病院等でのX線被曝を比較して、「大丈夫、安心です!」と喧伝する解説者・メディアがナンセンスだと、声を大にして叫びたいのです。
それともう一つ、定時定点観測を継続的に公開していくことが重要です。「大丈夫」とか、「安全です」とか言うのではなく、淡々と現実の「数値」を掲載すること、そして、それを個々の人間が判断するレベルの見識を持つことが、3・11以降の日本で暮らす人々に必要なのだと思います。富山でお会いした金岡祐一先生(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=12594)が、おっしゃっていました、「正確なデータを継続的に公開すれば、世界の良質な研究者が信頼するその数値を基に、多くの貴重な考察・コメントを寄せてくれる時代でしょう」、「『風評被害』を言うのであれば、『風評加害』も同時に存在するはず」、と。
データに基づくしっかりした議論を、これからも身につけたいですね。
8 月 27th, 2013 at 8:02 AM
[...] 「2011.3.11」以降、私は被災地のごく一部ですが、時間を見つけては訪問しています。昨年は東京出張の折に、足を延ばして東北新幹線で郡山に、そこから会津若松方面に向かいました(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=12699)。今年は3月に宮城県仙台市荒浜地区、名取市閖上地区(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=16071)、そして先日、郡山に行く用事があり、札幌から飛行機で直接福島空港へ、郡山、福島市、相馬、南相馬、飯館、二本松等、西部を通りながら放射線測定もしてきました。 [...]