ジェロントロジー研究協議会(https://www.gerontology.top/)の第二回会合が開催され、オブザーバーとしてのお誘いがあり、出席しました。
この会は、幸福で豊かな日本社会のあり方を再構築するためのアプローチとして(一財)日本総合研究所会長・多摩大学学長の寺島実郎さんが提唱する「ジェロントロジー」=高齢化社会工学」の考え方に基づき、高齢者のみならず若者を含む全世代の視界から体系的研究を行い、その成果を制度設計等に反映することを通じて、サステイナブルな「新たな社会システム」構築を行うことを目的に設置された集まりです。
「人生100年時代」を生き抜くための高齢者の社会参画に向けた多様なプラットフォーム(「新たな社会的事業」や「人材育成プログラム(資格認定制度)」)づくりと、それを創造する地域(コミュニティ)、市場(マーケット)、法制度等を含めた新たな社会システムの構築を基幹テーマとして研究を目指しています。
研究成果として、新たな社会的事業や資格認定の実施主体(事業体)を最終的に提案するとともに、広く各界各層の共感とアクションを促すため、高齢化社会における新たな社会システムの姿を取りまとめた書籍の出版を今現在は考えています。
< これまでの関連記事 >
* https://www.jri.or.jp/blog2/archives/186/
コアメンバーのそれぞれのご意見は、フィールドを異にするゆえに大変多様で、これまでの「ジェロントロジー=老齢学」の概念をブチ破る斬新さを感じます。特に、現状認識を大きく変える経済産業省(兼 厚生労働省)の江崎禎英(よしひで)政策統括調査官のプレゼンは、刺激的で、まさに新しい政策は新しい切り口からの現状認識から生まれてくるものであることを再確認した時間でした。例えば、
* 100歳人生参画プラットホーム、生きる力を得るプラットホーム
* 人生50年時代の還暦から、今は人生100歳時代、いや「還暦二周目」人生としての120歳時代を前提とした社会システムの必要性
* これまでの「スピード」、「効率性」を求める価値から、「手間を掛ける」、「時間を掛ける」ことの価値へ
* 社会にどう貢献するか、のビジネスモデルの構築、言い換えると、「かせぎ」から「つとめ」へ
今の日本社会、人口ピラミッドの変化に応じた社会システムの再構築が急務ということなのでしょうね。今後のこの協議会の活動と提言が楽しみです。