全国経済同友会セミナー 2017(下)

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 二日目は各分科会の議長報告、総括挨拶、特別講演と続き、議長報告では北海道経済同友会の横内龍三代表理事も第5分科会議長として報告されました。

観光の展望について

総合観光戦略について:横内龍三代表理事(右端)

 総括挨拶は(一社)経済同友会の小林喜光代表幹事(三菱ケミカルホールディングス会長)、「Japan2.0」を明解にご説明になりました。「変化への対応」ではなく、「自ら変化する」こと、企業トップの強いコミットメントを求めていました。

 スライドの一枚目にある文言だけでは広告代理店の産物のような印象ですが、それぞれの分科会報告の裏付けを得ると、グッと現実の各企業の経営戦略が浮き彫りになってきます。企業経営に携わる者の集まりの「分かりやすさ」、これがこの会の魅力ですね。そして、それに果たす地方・地域の企業経営者の役割こそ、日本の沈滞をぶち破る原動力だと確信します。

< 国家価値・戦略 >

X軸 経済の豊かさの実現

Y軸 イノベーションによる未来の開拓

Z軸 社会の持続可能性の確保

* Japan2.0」――> https://www.doyukai.or.jp/policyproposals/articles/2016/161121a.html

戦略の見事な「見える化」!

戦略の「見える化」?これだけでは絵に描いた餅!

Y軸として

Y軸として

X軸として

X軸として

Z軸として

Z軸として

 会議の締めくくりは特別講演「毎日が小さな修行」と題して、塩沼亮潤・慈眼寺住職・大阿闍梨です。自らの修行の様子、まるで演劇の作品を観ているような映像を含めて雰囲気のある語りでした。

* 人生は「光」と「闇」の4種類の組み合わせ

* 心の針の触れる様子を知る

* 「念」は、「今」の「心」

* 「運」は、「運ぶ」もの

* そして、人生、生涯「小僧のこころ」

* 塩沼亮潤・慈眼寺住職・大阿闍梨ブログ――> http://shionuma-ryojun.com/

修行の様子ほか

修行の様子ほか

 参加された経営者のフィールドで格闘する姿と、そもそもといった原理原則の住職のお話、日々、目の前の課題に追われる自分としては、一年に一度、心が洗われるような納得の時間となりました。

全国経済同友会セミナー 2017(上)

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 毎年春に開催される「全国経済同友会セミナー」、今年2017年は仙台で第30回が開催されました、テーマは、「新たな創造のシナリオ~復興・地方創生へ向けて~」です。私は北海道経済同友会の幹事を20年近く務めていますが、この10年間は毎年、このセミナーに足を運んで学んでいます。

*今年のプログラム https://www.doyukai.or.jp/newsrelease/2017/170421a_2519.html

1200名を越える登録!

1200名を越える登録!

 これまでのこの会の報告は以下の通り

* 2016 岡山 http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=26260

http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=26325

* 2015 金沢 http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=23132

http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=23136

* 2014 静岡 http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?s=%E3%81

* 2013 盛岡 http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=16803

* 2012 富山 http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=12630

http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=12606

* 2011 福岡  http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=8221

* 2010 高知 http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=3911

* 2009 札幌 http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=1272

 今年の基調講演は、日本IBM(株)執行役員・最高技術責任者(CTO)の久世和資さん、「次世代情報記述と産業変革~日本企業がAI(拡張知能)で攻める時~」です。「ブロックチェーン」、「AI」、「IoT」、「クラウド」、さらに「ニューロチップ」、「量子コンピューター」等について、最先端のお話は刺激的でした。

久世和資さん

久世和資さん

 久世和資さんとは昨年の旭川で開催された「IBM北海道会議(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=27905」でもご一緒でした。

 今年もその後、5つの分科会、「大震災の教訓」「技術革新」「労働市場のパラダイムシフト」「持続可能な社会の構築」「総合観光戦略」に参加者は分かれ、私は第4分科会「エネルギー・環境イノベーション創出による持続可能な社会の構築」に参加しました。地球温暖化対策の世界的枠組み(COP21パリ協定)ほかの基本的認識から、日本を代表する技術開発当事者の皆さんの意見交換は、経営者としての日本企業の底力を感じ、勇気を得ました。毎回思うのですが、この会議は経営者の集まり、特徴は課題の優先順位、問題の大小が経営を預かる現場の方々なので実に明確で分かりやすいことだと思いますね。アカデミック・官僚の方々の弱点は、理屈の一貫性と論理性に重点が置かれていて、リアリティに欠けるお話が多いことでしょう。

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<第4分科会>

「エネルギー・環境イノベーション創出による持続可能な社会の構築」

議長:
須藤 誠一 中部経済同友会 代表幹事/ジェイテクト 会長 http://www.jtekt.co.jp/

パネリスト:
中鉢 良治 国立研究開発法人産業技術総合研究所 理事長 http://www.aist.go.jp/aist_j/information/index.html
髙村 ゆかり 名古屋大学大学院 環境学研究科 教授 http://www.sis.nagoya-u.ac.jp/staff/takamura.html
大島 卓 中部経済同友会 会員所属企業/日本ガイシ 社長 http://www.ngk.co.jp/info/message/index.html
小島 康一 中部経済同友会 会員所属企業/トヨタ自動車 FC技術・開発部主査 http://www.rieti.go.jp/jp/events/14072201/pdf/kojima.pdf

産・学の視座から

産・学の視座から高品質の議論!

 高村ゆかり先生の世界の動きの概略は、日本の今の経営者、とりわけ地方の中小企業経営者が特に認識しておかなければならない視点だと思います。京都議定書とパリ協定の違いは、先進国・新興国を含めてほぼすべての国が議論に参加し合意したこと、そのうち80%の国プラスEUが締結していること、世界の中でゲームチェンジが起こったこと、ビジネスが動く取り組みが始まったこと、と指摘され、投資家の眼が、「気候変動リスクの開示」を企業に要求することに大きく変わってきていると説明されました。これは、実は企業にとっては大いなる「チャンス」でもあるのですよね。北海道経済同友会の場では、残念ながらこの種の話題が殆ど議論されません。

 「COP21パリ協定」については、この取りまとめの中心人物、クリスティーナ・フィゲレスさんのお話を昨年9月に香港で間近で聴きました(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=28015)。

 「持続する社会」は、イコールで「持続する志」ではないか、という言葉で分科会は締めくくられました。

ビジネスと人権、現況を語り合う

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 今年に入って2回目の枝廣淳子さんが主宰する「イーズ未来共創フォーラム(http://www.es-inc.jp/)」の異業種勉強会、通算第44回は「ビジネスと人権~身近な問題から考え、自社が取り組むべきことを理解する」、でした。

http://www.es-inc.jp/network/forum/2017/nwk_id008884.html

 今年一回目はこちら ――>http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=28724

 毎回ここ(http://www.es-inc.jp/network/)に集まる方々から貴重なお話を聞いています。

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第44回「ビジネスと人権~身近な問題から考え、自社が取り組むべきことを理解する

【ゲストスピーカー】

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公益社団法人アムネスティ・インターナショナル日本
渉外部門チーフ/土井 陽子 様

 世界の人権状況を知ってもらい、改善につなげるため、企業における人権の取り組みの推進を担当。前職では、電機メーカーのCSR部門で人権方針の策定や「ビジネスと人権」をテーマとしたeラーニングの実施、人権デューディリジェンスの取り組みに関わる。

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有限会社エコネットワークス
代表取締役 野澤 健 様

 CSR・サステナビリティ分野専門の調査、言語、エンゲージメント支援を通じて企業や自治体、NGOの取り組みをサポート。個を起点に世界に広がるパートナーのネットワークを通じて各地の課題や動向をウォッチしている。

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<手元メモから>

* 2011年に「国連ビジネス人権憲章」が発表されてから急速に「人権」がテーマとして進展

http://www.unic.or.jp/texts_audiovisual/resolutions_reports/hr_council/ga_regular_session/3404/

* コマーシャルの事例を取り上げて意見交換: ANA、鹿児島県志布志のふるさと納税、ほか

* 国際人権基準では「human rights」と複数「rights」になっていることに注目

* 「SDGs」の取り組みは全て「人権」

SDGs――> http://www.unic.or.jp/news_press/features_backgrounders/17430/

* 昨今の先進的企業の取り組み: 人事部門、CSR部門、調達部門の三部門が連携

* 人権侵害がなぜ起きるのか

1) メンタルモデル(思い込み)人種と性別

2) 問題意識の欠如(女性、子供、障碍者等に対して)

3) 自社の実態を知らない

4) コスト・利益最優先の体質

 それに対する対策~~企業においては方針・教育・発信 + 取り組み、が重要

1) ひとり一人の「気づき」を研ぎ澄ます

2) 外の眼を取り入れる

3) 現地のNGOのレポートを活かす

4) 経営者にリスクを理解させる :例えば、自社への告発を活かすプラン(シナリオ)の作成

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 企業を取り巻く環境は国際社会の中で時々刻々変化していますね。私が所属する北海道経済同友会では、このようなテーマは殆ど話題になりません、世界との差がどんどん開いていく焦りみたいなものも感じる昨今です。負けずに情報収集と対策を練って改革を実践して参ります。

北海道経済同友会 新年例会

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 北海道経済同友会の新春例会が開催され、今年は道庁顧問に昨年から就任した山崎史郎さんの講演、「北海道の創生を目指す」でした。

 昨年、一昨年は、経済同友会全国会議で山崎史郎さんは登壇しました。

* http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=23136

* http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=26260

横内代表幹事

横内代表幹事のご挨拶

北海道庁 顧問 山崎史郎さん

北海道庁 顧問 山崎史郎さん

北海道の地方創生

北海道の創生

夢を持って

夢を持って

 今回の講演は、高齢化、特に少子化の課題の大きさをきっちり認識すると同時に、まちづくりと人口動向の関係性を分かりやすく解説され、今後の地域における夢の実現にむけて一層の努力を注ぐヒントを語りました。介護保険の創設準備を北海道医師会、看護師協会等と協力して尽力され、本人も生まれた山口県に次ぐ第二の故郷とおっしゃっていたように、北海道への強い思い入れを感じました。

 私にとっても、彼との付き合いは35年を越えるでしょうか、お互いに所属は変わっても、変わらぬ付き合いが続く不思議な関係ですね。昨年の岡山での会合では、熊本地震が30分前に起きたと会場ホテルロビーで聞き、私は翌日別府に泊まり、深夜、後に本震と変更になった地震に遭遇しました。先日の講演後もその話をした所、昨年の分科会で一緒に登壇した肥後銀行頭取は熊本に戻ることができずに大変だったそうです。

* http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=26258

 これからの北海道の活性化に山崎史郎さんが一役買って頂けると有難いですね。

IBM北海道会議 2016@旭川

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 第31回IBM北海道会議、今年は旭川で開催、テーマは「オリンピック・パラリンピックと北海道」でした。どんな議論になるか未知数でしたが、基調講演、分科会、全体討論とずっと頭を動かし続けた私にとっては有意義な場となりました。毎年今の時期、北海道を定点観測のように見つめ直すこのような企画に感謝したいですね、31回を重ねた歴史をあらためて噛みしめました。

これまでの記載はこちら――>

* http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=10557

* http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=21440

 この会にあたって、あらかじめ主催者にお渡しした私の立ち位置は以下のようなものです。

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1)個人プロファイル

(出身地)札幌市 (これまでのお仕事や活動などを簡単にご紹介下さい) 北海道経済同友会 幹事、(公財)秋山記念生命科学振興財団 理事長、(公財)北海道演劇財団 理事長、 (公財)ワグナー・ナンドール記念財団 理事長、 (一財)北海道札幌南高等学校林 理事長、認定NPO北海道市民環境ネットワーク 理事長、(公財)北海道環境財団 評議員、(公財)北海道対がん協会 監事、札幌学院大学 客員教授

2)テーマ『オリンピック・パラリンピックと北海道』について思うこと、ディスカッションしたい内容

* 1972年札幌冬季オリンピックを知る者として、当時の意義・評価と今時代におけるオリ・パラの意義との「違い」について

* 21世紀での開催意義について

* 北海道と国際化について、環境、観光等の視点から

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<基調講演>

* 河合純一さん(一般社団法人 日本身体障がい者水泳連盟会長)

 「夢への努力は今しかない~パラリンピックが日本を変える~」と題してのご講演、パラリンピックの発祥・歴史を知り、2020年に世界で初めて2度目となる東京での開催の意義について、熱く語られました。金メダリストとしてのご自身の経験から繰り出すお言葉は、説得力がありましたね。「アスリート・ファースト」というよりも、「アスリート・センター」、パラリンピック開催は全ての人が参加できる社会の実現に向けた取り組みにしていくべきと、方向性を示唆されました。

* 篠田信子さん(2020東京オリンピック・パラリンピック文化教育委員)

 富良野で活躍される篠田さんは、演劇関係でも以前からお世話になっています。2020東京オリ・パラ組織委員会の文化教育委員会委員として、ほぼ毎月東京でもご活躍中です。21世紀の今、文化芸術、そしてスポーツの「運動会的盛り上がり」が、世界を変える原動力になると、これまでの富良野での実践を踏まえて控え目ながら信念をもって語られました。

<分科会討論>

 今年の分科会は素晴らしいメンバーに恵まれました。それぞれのフィールドからの簡潔明瞭、そして経験に裏付けられた含蓄のある発言の数々、楽しくもあり嬉しかったです。

 参加者で分科会でもご一緒だった永瀬充さんが、2010年バンクーバーパラリンピックで獲得した銀メダルを手に取ってみましたが、ずっしり重く、また表も裏も驚きのデザイン、さらにメダルケースほか、附属品の芸術性も素晴らしいものでした。スポーツと芸術文化の一体感を、メダルを手にして実感しました。

アテネパラリンピック銀メダル

2010バンクーバー パラリンピックでの銀メダル

ケース他附属品も素晴らしい!

ケース他附属品も素晴らしい!

 二日目のラップアップ討論で、私たちの分科会は「道民によるすべての人々のための北海道総点検!」とまとめました、実に内容の濃い意見交換で、分科会メンバーに心から感謝です。

 過去のこの会議の開催記録を読み直すと、この30年間の社会の様子を知ることができます。秋山財団の30年間と重なり、別の視点からの近い過去の総括となりました、皆さま、IBMの皆さま、心から御礼申し上げます。

東神楽町の続くチャレンジ!

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 北海道経済同友会の今年度総会・例会、講演者として東神楽町(http://www.town.higashikagura.lg.jp/)の山本進町長が熱弁を奮いました。お話は、とにかく話題満載、HPでもつい先日、始めた企画もあるようです。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~町のHPより

2016.05.12 ブックスタートを行いました!!東神楽町では、乳児健診(8~10ヶ月児)を受診した方に絵本をプレゼントするというブックスタート事業を行っています。

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 少し古いですが――> http://www.jiji.com/jc/v2?id=20130301top_interview27_35

東神楽町のチャレンジ!

東神楽町のチャレンジ、人口が増加中、一万人を越えた!

町長

山本進町長

 大学卒業後すぐに東神楽町役場に就職され、企画畑でお仕事をされていました。町長にご就任になった直後から、役場の仕事を熟知されているメリットを活かし、基本計画を策定し多彩な企画を実践されてきています。 福祉・子育て施策に力を入れて、中学生までの子どもの医療費を無料化、翌年は「子ども発達支援センター」の整備など子育て環境の一層の充実を図りました。また、旭川空港を活用する「空の駅」構想では、旭川市との連携を強化する方針を打ち出し、空港を目的に訪れる時代に、農業とうまく結び付けたり、国立公園や観光地に近い立地条件を生かしたハード、ソフト整備などを実践しています。

「人口増加や子どもの数の多さ、しっかりした農業基盤など、町のポテンシャルの高さを生かしたまちづくりを進めていきたい」と締めくくられました。結果を出しての検証、まさに「マチ運営」の経営者、面目躍如でした。

今年を振り返る 2015 (番外編)

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 年末29日、もう十数年になりますか、今年もFM三角山ラジオで丸山哲秀先生の番組で1時間少々のトークに登場でした。私自身、毎年の振り返りができると同時に、丸山先生とのやり取りが楽しかったです。

* http://d.hatena.ne.jp/tessyu/

 戦後70年目の節目の年、歴史的転換点とも言える大きな出来事が続出しました。政治、経済では今後楽観を許さない危機感を抱きますが、世界で戦うアスリートたちの活躍からは、多くの勇気と希望を受け取りました。フィギャスケートの羽生結弦、宮原聡子、バドミントン、フェンシングの太田、ラグビーワールドカップで3勝の五郎丸歩、リーチ・マイケル、世界選手権優勝の男子体操、女子サッカーワールドカップの準優勝、テニスの錦織圭等、書き切れない程の活躍でした。それぞれ裏付けされる日頃の精進があり、日々切磋琢磨している姿には感動しました。

 私の活動の総括としては、上手く軌道に乗ったこと、苦闘していること、いろいろありますが、自分が関わるフィールドがあるということに感謝したい気持はあります。それぞれの場には、永年頑張っている人々がいる訳で、その努力へ報いるためにも、私の立ち位置でやれることを悔いなくやりたい、そんな姿勢で日々活動をしてきたつもりです。

 私(わたくし)的な一年のまとめ、今年も盛りだくさんでした。

* 新渡戸稲造と札幌遠友夜学校を考える会」、札幌遠友夜学校、遠友みらい塾関連

* エネルギーチェンジ100ネットワーク

* 演劇関係

* 秋山財団

* 北海道経済同友会

* 寺島戦略経営塾

* 政治情勢、特定機密法案、安保法制、沖縄基地問題

* SEALDsの活動

* 海外旅行から 5月ボストン、10月シンガポール

* 国内旅行 7月利尻・礼文、10月中山道(妻籠、馬籠ほか)、郡上八幡、高山「八幡祭」

* 六華同窓会、札南学校林財団

* 音楽ライブ 7月グラシェラ・スサーナ、8月美輪明宏、11月アルゼンチンタンゴ

 年末のテレビの特別番組、録画したものの果たして観る時間があるのかどうか。何はともあれ、今年一年、大変お世話になりました、来年も宜しくお願い致します、皆さまのご多幸をお祈り致します!

経済同友会幹部、北海道へ

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 (公社)経済同友会(http://www.doyukai.or.jp/)の幹部が、北海道経済同友会幹部と意見交換し、知事、市長、ホクレン幹部等とも懇談しました。夜は交流会で盛り上がりました。

 東京からは、小林喜光 (三菱ケミカルホールディングス 取締役会長)代表幹事ほか、副代表幹事、監事、地方分権委員会の皆さまがご出席、地方創成等、今の地方の課題について地元の生の声に耳を傾け、特に基幹産業としての農業の現在・未来について、質問が幾つかありました。「北海道のおける地方創生の取り組み」、「地域経済活性化に向けた取り組み」がメインのテーマでしたが、それに付随する意見交換も。

 夜の交流会では、日頃なかなかお話ができない東京の幹部とも親しく懇談し、認識を共有しました。北海道のポテンシャルに関しては、地元の私たち以上に期待感が強かったですね。

 交流会のアトラクションは、北海道で活躍する茂呂剛伸(http://www.goshinmoro.com/)グループの「縄文の響き、未来へ」の縄文太鼓演奏でした。

縄文太鼓とアフリカのコラボ

縄文太鼓とアフリカのコラボ・茂呂剛伸さん

アンサンブルも

アンサンブルも

 茂呂剛伸さんのプロフィール~~~~~~~~~~~ HPより

株式会社オフィスモロ 代表取締役
ジャンベ太鼓・縄文演奏家

自ら制作した土器の太鼓「縄文太鼓」をジャポニズムとアフリカンを融合した独自の演奏スタイルで独奏する太鼓演奏家。
銀座での個展を初め、CDメジャーデビューも果たし、コンサートホール キタラで演奏会を行い、2013年5月18日には、60年に一度行われる出雲大社「平成の大遷宮」にて奉祝奉納演奏を行った。
「縄文太鼓の演奏と制作」を通じ、北海道から世界に向けて北海道の縄文芸術や縄文文化の素晴らしさを発信する活動を行っている演奏家である。

~~~~~~~~~~~~~~~~~

 当日出された日本酒には「北海道新幹線開業』スペシャルラベル入りも。

日本酒も開業を前にスペシャルラベル

日本酒も開業を前にスペシャルラベル

 東京からのご一行は、翌日朝から夕張市に視察に行かれました。今、地方における経済団体の重要性を再認識した次第です。

水素社会視察@北海道経済同友会

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 北海道経済同友会(http://www.doyukai.or.jp/)の環境問題委員会は、17名の委員の参加で東京・川崎に水素視察に行きました。初めての試み、大変内容の濃い訪問、ヒアリング、質疑応答で、今後の北海道での展開・提言に大きな収穫でした。

 まずは、水素社会をリードする「岩谷産業(株)(http://www.iwatani.co.jp/jpn/」の本社を訪問。「水素社会の実現に向けたイワタニの取組み」をご紹介して頂きました。水素社会の市場性、各地の取組み等、会社自身の説明にとどまらず、概要を理解できるお話の数々は大変参考になりました、さすがにトップメーカーは全体を把握されています。水素の製造、輸送、貯蔵における優位性は、昔は爆発する危険な気体の印象もありましたが、今では環境との共存としてもかなり期待される存在となっています。

岩谷産業本社で

岩谷産業本社で

 その後は、トヨタ燃料電池車(FCV)「MIRAI(http://toyota.jp/mirai/」に乗って移動し、東京芝公園にある「水素ステーション」見学です。「MIRAI」のショールームも併設されていて試乗会も毎週一回行われています。乗ってみると静かで従来の車と全く違和感はありませんが、水素社会の中での位置づけとしては、車だけでの活用ではもったいなく、蓄電装置として家庭、社会での機能が差別的優位性なのでしょうね、ここでもトップメーカーの力を感じます。

 このショールームでのプレゼン映像は、ナレーションを含めて憎いほどに地球に優しい等の原点回帰、従来の車の宣伝とは一線を画しての展開は見事ですね、「それでもトヨタは、ふみだしたいと思いました」とのフレーズも。

* http://toyota.jp/sp/fcv/h2guide/

トヨタ「Mirai」の後ろ部分、マフラー無で水滴落下口が

トヨタ「Mirai」の後ろ部分、マフラー無で水滴落下口が

芝公園の水素ステーション・バックヤード

芝公園の水素ステーション・バックヤード

 午後からは場所を川崎・臨海地区の「川崎マリエン(https://www.kawasakiport.or.jp/」に移して、川崎市の「水素戦略」、「リーディングプロジェクト」東芝の「H2One」等の取組みと施設見学でした。川崎市は歴史的に環技術の蓄積も多く、企業との連携での実績に裏付けられた取り組みが水素分野でも先駆的でした。

* http://diamond.jp/articles/-/71252

 それに応える企業の取組みとして、東芝の「水素エネルギー」は、「脱化石燃料・エネルギーセキュリティ確保につながる」と謳っての取組みです。

* http://www.toshiba.co.jp/newenergy/

川崎市マリオンで市責任者と東芝の皆さん

川崎市マリエンで市責任者(右お二人)と東芝(左三人)の皆さん

 コンテナ型「H2One」は、平時には地区電力供給、緊急時にこの地区300人を一週間賄える電力を供給し、他の大規模災害時は、コンテナで移動しての応援にも駆けつけ可能とのこと。阪神淡路大震災、東日本大震災から学ぶ企業姿勢が素晴らしいです、この日もデータ取得を続けていて、実践&実験的プロジェクトなのですね。

東芝コンテナ型「H2one」

東芝コンテナ型「H2One」

 今回の視察ツアーは、一泊二日の密度濃いものでした。普段、札幌でも会合は定期的に開催されていますが、なかなか皆さんお忙しい方ばかりなので、ゆっくりお話しとか交流する機会も少なかったのですが、今回は、前日夜に全員集合となり、品川の高層ビルレストランで盛り上がりました。札幌では考えられない懇親会後の写真です。

参加者の数人が欠けていますが・・・

参加者の数人が欠けていますが・・・

 北海道は製造業の工場集積は多少劣るかも知れませんが、再生可能エネルギーの宝庫として、それを補完する水素の蓄電、輸送の優位性は、今後大いに活用できると確信しました。環境に優しいバランスをしっかり考慮した水素供給に心掛けて、また一つ選択肢を広げたいものです。それにしても、産業のトップ企業の先駆性にあらためて感動致しました。

小樽の経済状況ほか 2014

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 北海道経済同友会本部会員と小樽支部との交流会が小樽で開催されました。本来は年初予定が延期になり、年の瀬にやっと実現しました。

 基調講演は、小樽商工会議所専務理事・山﨑範夫(のりお)さま。小樽の今、人口動向、世帯動向、産業動向特に観光に焦点を当てて、歴史のある地方都市の課題等についてポイントをつかんだお話でした。特に、女性視点による「小樽美人」商品開発の取り組みは興味深かったですね。

* 「小樽美人」 http://www.otarucci.jp/info/umeshu_otarubijin.html

~~~~~~~~~~~~~~~~~~ HP より

「北海道後志産の果実を広めたい」、「女性のうれしいを叶える」をコンセプトに
女性の視点から作り上げたお酒が『小樽美人シリーズ』です。
『余市町産・仁木町産』の果実を100%使用し、美容・美肌に良い成分といわれる
ヒアルロン酸、コラーゲン、ビタミンCを配合しました。
さらにアンチエイジングに効果があるといわれる北海道産の
アロニア果汁を加え綺麗な色合いに仕上げました。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~

小樽美人のラインアップ

会場内に並んだ「小樽美人」のラインアップ

 密度の濃い意見交換会の後は、ホテル最上階で交流会でした。

北海道経済同友会小樽支部との交換会後の交流会

北海道経済同友会小樽支部との交換会後の交流会

 観光名所「小樽運河プラザ」「小樽ビール」の建物の元所有者で、1895(明治28)年創業の歴史ある会社 小樽倉庫株式会社 山本信彦社長が交流会でご挨拶でした。

ご挨拶する さん

ご挨拶する小樽倉庫(株)・山本信彦社長

 1920(大正9)年の第一回国勢調査で、小樽の人口は108,113人で全国第13位、北海道では札幌よりも多く、函館の144,749人についで2番目のマチでした、ちょうど小樽運河築造の頃だそうです。先日の2回の道新フォーラム、今年は年末に小樽訪問が続きました。歴史を学び、街づくりの課題を認識した貴重なひと時でした。

<道新フォーラム in 小樽>

* http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=21798

* http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=21914

北海道における水素社会の実現

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 このところ、燃料電池車のトヨタ「MIRAI(http://toyota.jp/sp/fcv/」発売ほか、「水素」を巡る話題が注目を浴びています。「移動手段」としてだけでなく、「走る発電所」機能も目が離せません。燃料としての「水素」、次のイノベーション、化石燃料に代わる自然由来のエネルギー源等、次世代に向けた夢をのせてです。

 札幌でも公開シンポジウム(http://www.mlit.go.jp/report/press/hok07_hh_000050.html)、北海道経済同友会・環境問題委員会で関連するお話が続きました。シンポジウムでの室蘭市・青山剛市長のプレゼンは素晴らしかったです、街づくりの視点からの説得力が。

興味深い講演三題

興味深い講演三題

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 案内からコピー

< 公開シンポジウム「北海道における水素社会の実現に向けて」の開催 >

 持続可能な社会の構築に向けて、北海道に賦存する風力等の豊富な再生可能エネルギーを有効活用する手段として、水素が注目されています。第7期北海道総合開発計画では「水素エネルギーの産官学連携による研究開発や事業化・企業化を促進する」ことが位置づけられています。この度、国土交通省北海道局、北海道開発局及び北海道では、北海道における水素社会を将来的に実現するための取組について、関係者の認識を共有することなどを目的として公開シンポジウムを企画し、下記のとおり開催しますので、お知らせします。

1.日 時:平成26年11月20日(木)13:30~17:00

2.場 所:ロイトン札幌 2階リージェントホール(札幌市中央区北1条西11丁目)

3.主 催:国土交通省北海道開発局、北海道

4.内 容:

特別講演「これからの北海道を考える」  北海道大学名誉教授(前北海道大学総長) 佐伯浩

講演「北海道における水素の可能性」  北海道大学大学院工学研究院教授 近久武美

講演「室蘭から北海道水素社会を創る」  室蘭市長 青山剛

パネルディスカッション「北海道における水素社会の実現に向けて」

コーディネーター:北海道大学大学院工学研究院教授 近久武美

パネラー :イワタニガスネットワーク㈱開発担当部長・谷義勝、㈱東芝次世代エネルギー事業開発プロジェクトチーム統括部長・大田裕之、トヨタ自動車㈱技術統括部主幹・三谷和久、北海道環境生活部環境局地球温暖化対策室長・白野暢、国土交通省北海道局参事官・桜田昌之

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 昨年3月に訪問した「独立行政法人 産業技術総合研究所:http://www.aist.go.jp/aist_j/information/index.html」の「水素材料先端科学研究センター(Hydrogenius):http://hydrogenius.kyushu-u.ac.jp/でのお話を思い出し、いよいよ水素の時代到来を実感する昨今です。

 技術的には水素活用はかなりの可能性が見込まれますが、幅広い普及となると消防法、水素供給とか従来の法規制等が縦割り行政の弊害で、なかなか実用化への道は険しいようですね。さらに、自動車産業では、これまで培ったエンジンが不要になるために、関連産業の雇用とか技術の問題も大手メーカーにとっては課題と聞いています。モーターで動く自動車、まさに画期的イノベーション故に、従来形成してきた産業のリストラクチャリングにもつながるのですね。せめてハイブリッド車で繋ぎながらのソフトランディングを模索するのでしょう。今年度の北海道経済同友会のテーマは、「北海道における水素社会の展望」です。

* http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=16121

 水素情報はこちらも分かりやすい、さすがにトヨタ!――> http://toyota.jp/sp/fcv/h2guide/

シップリサイクルプロジェクト

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 「シップリサイクルプロジェクト(http://shimizu-kazumichi.com/ship_recycle/about.html」について、気仙沼における被災船解体の報告でした。室蘭工大の清水一道先生(http://shimizu-kazumichi.com/)のお話は大変興味深かったです。復興支援にはいろいろな角度からの取り組みがあることをあらためて知りました。これまで「労働集約型」と言われて敬遠されてきた事業・産業が、これからの「環境保全」と「雇用」と「地域復活」政策のキーになる予感がしました、先日の林業のお話(まだ掲載していませんが)とも重なって。

 当日の模様はこちらで――> http://shimizu-kazumichi.com/2014/10/post-177.html

北海道経済同友会例会でのご講演

北海道経済同友会例会でのご講演

 シップリサイクルに関しては、2009年5月に国際的な「シップリサイクル条約(http://www.classnk.or.jp/hp/ja/activities/statutory/shiprecycle/)」が成立しています。日本はこの条約策定に関わりはしましたが、批准はまだのようで今、検討会が進行中です。

<参考> http://www.mlit.go.jp/report/press/kaiji05_hh_000033.html

今、ホットな「北極海航路」

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 北海道経済同友会の例会で、「北極海航路」について二つの講演がありました。

* 北極海航路 (http://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/100/167690.html

* ロシアの戦略 (http://jp.rbth.com/science/2014/06/30/48905.html

 以前にも例会については記載しています(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=8359)。

川合、大塚氏のお話

川合紀章氏、大塚夏彦氏のお話

着々と進む拠点整備

着々と進む拠点整備

 ロシアにとっては多くの利権が絡む領域、いろいろと自国有利な展開を試みているようです、世界基準策定ほか、したたかな外交の中で経済的利益と権益を得るべく動きが急です。

 航行する船の仕様ほか、夏の期間のみの運航等、語られている以上に課題も山積しています。ただ、地球温暖化をビジネスチャンスに結び付けるその嗅覚みたいな貪欲さには驚きます。新しいビジネスには、リスクをどう、どこまで取るのか、難しい選択ですね。

日本海サミット 2014 in 山形(後)

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 今回の基調講演は、私にとっては大変新鮮な内容でした。山形は、もう50年近く前に、蔵王にスキーに行った時に通ったような気がするのと、その後では、医薬品卸時代にご挨拶回り等で行ったきりで、日本の中では馴染の薄い地域だったもので。

 まず最初のご講演、最上川の歴史から読み解く江戸・明治の国内物流を垣間見た気がします。明治中期に鉄道の奥羽本線が開通する前までは物流の中軸として、さらに物流拠点と運ぶ物資の関係等から、当時の暮らしぶりも想像できたりで、しばし歴史空間の拡がりに感動しました。特に青苧(あおそ)は北陸では縮(ちぢみ)、上布(上布)、奈良ではさらしへと受け継がれ、紅花(べにばな)と共に、この地域の特産品として名をはせていました。現在も、南陽市では「青苧フェスティバル」として盛んです。

「やまがたと最上川文化」

講師 : 東北文教大学短期大学部 教授  菊池和博 氏
http://www.t-bunkyo.jp/academics/sougou/professors/5.html

* 最上川 :http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9C%80%E4%B8%8A%E5%B7%9D

* 青苧(あおそ) :http://aosofukkatsu.com/aoso.html

 二つ目は、主として港湾政策の立場から日本海物流の今後の可能性について、興味深いお話でした。国際港としての整備とともに、循環型社会の拠点として「リサイクルポート」の概念導入等、静脈物流ネットワークの拠点となる港湾を目指して、環境負荷の少ない海上輸送への挑戦も続けています。さらには再生可能エネルギーへのシフトも。

「やまがたの湊 酒田港の可能性」
講師 : 山形県 県土整備部長   上坂 克巳 氏
https://www.decn.co.jp/onlineservice/News/detail/201405070808

* 酒田港 :http://www.city.sakata.lg.jp/ou/shoko/kowan/kuko/160810.html

 交流会終了後、北海道からの参加者で再度地元経済への貢献を続けました(?)!

北海道経済同友会の参加者
屋台村入口で北海道経済同友会の参加者、撮影は事務局次長の久保木眞さん

年初に講演二つ 2014

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 興味深い講演が続けて二つ札幌で開かれました。

 一つは、寺島実郎さんの講演と山口二郎さんとの対談。「リベラル再生」に向けたやり取りは的を射たものでした。2年前に設立された「『市民が主役』の政治をつくろう!北海道フォーラム(http://www.jichiro-hokkaido.gr.jp/2012/10/post_1487.html)」が主催。

 寺島実郎さんは、現在の状況を 1)プチナショナリズム症候群、2)株が上がってめでたい症候群、と評し、マネーゲーム批判を含めて、近代に正面から向き合った本来の「リベラル」の意味、根源的問いといった姿勢に言及しました。民主主義の価値を戦い取っていない日本、デモクラシーをパスしてしまったこれまでの日本を総括して、社会的ストレスが掛かった時にすぐに国権主義、国家主義に取り込まれてしまう民の脆弱性を鋭く指摘しました。

「リベラル再生の道筋」、700人の満席の聴衆

「リベラル再生の道筋」、700人の満席の聴衆

 もう一つは、北海道経済同友会・新年例会として、(公社)経済同友会の副代表幹事のお一人、御立尚氏さんの「変化の時代」です。20世紀、21世紀、今後のマクロに睨んだ世界の変化について、例えば、一つの災害・事件・事故がグローバルに影響を与える時代のリスクマネジメント等への視座を示しました。日ごろ、目の前の課題解決に追われている企業経営者にとって、時間軸を長期に見据えて目線を遠くに運んでくれる内容でした。

 この日、羽田空港悪天候で飛行機の出発が遅れ、さらに着陸後、新千歳空港から札幌市内までの高速道路が猛吹雪で閉鎖、講演自体も約1時間少々遅れて始まりましたが、その間、北海道経済同友会の横内龍三代表幹事が時間を繋ぐ熱弁で普段聞けないご自身のお考えを述べられ、逆に貴重なひと時となりました。予定の大幅変更でしたが、殆ど退席される方もなく、悪天候の中集中した空間でした。

「変化の時代」、北海道経済同友会・新年例会で

「変化の時代」、北海道経済同友会・新年例会で

アイヌ文化とこれからの北海道

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 経済同友会の「札仙広福・四極円卓会議」が、今年は4巡目のスタートで第13回、北海道経済同友会のホストで開催されました。今年のテーマは「地方における成長線戦略」、特別講演は、札幌大学副学長・本田優子先生による「アイヌ文化とこれからの北海道」でした。私も個人会員の「ウレシパクラブ」を立ち上げて、今、アイヌ文化の伝承と啓発等でグローバルに大活躍です。

http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=4680

経済同友会・「札仙広福」会議で本田優子先生のご講演

経済同友会・「札仙広福」会議で本田優子先生のご講演

 講演の冒頭に、今、全国で上映中の映画「許されざる者:http://wwws.warnerbros.co.jp/yurusarezaru/index.htmlについてのエピソードを語られ、大変興味深く聴きました。このリメイクのお話を、今回の監督・李相日さんから最初に本田先生が聞いていろいろアドバイスを行い、アイヌの方々はじめ、北海道のプロの役者さんたちも多数好演しています。映画のエンドロールには、「北海道演劇財団」、「前田一歩園財団」の名も銘記されていました。

 主演の渡辺謙さんについては、今年7月にこの欄に書きました(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=17215)。アイヌ語のアドバイスで、渡辺謙さんと本田優子先生は、至近距離の時間を共有したようです、このお話はまた別の機会にゆっくり伺いたいものです!?

北海道の役者さんたちも大勢出演!

北海道の役者さんたちも大勢出演!

 仙台、広島、福岡、北海道の各経済同友会の代表の方々が、それぞれ地域の成長戦略を発表しました。各地の特色を活かした活動は、日本経済を支える一翼としての力を感じましたね。特に、「六次産業化」という表現よりも、「商農工連携」の方が現実的ではないかというご意見、すなわち、流通・生産のプロが「農」を支える発想の重要性を一様に語っていましたね。しかしながら、これには経済産業省、農林水産省が批判的とか。

 コラボレーションの時代において、地域課題の解決は、超党派的であり、総合的であり、従来の枠組みを越える「特区」的発想からしか活路を拓けない、そんな意を強くしました。

(公社)経済同友会幹部との意見交換

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 北海道経済同友会の新春例会は、今年は東京から、「公益社団法人 経済同友会(http://www.doyukai.or.jp/)」の長谷川閑史(やすちか)代表幹事ほか10数名の幹部の来道となり、代表幹事の例会での講演のほか夜の懇談会、翌日は北海道経済同友会との意見交換会も開催されました。

2013年新年例会で

2013年新年例会

長谷川代表幹事のご講演

長谷川代表幹事のご講演

 長谷川代表幹事のお話は大変分かりやすく、「日本の課題と再生戦略」について、「富」の再配分から「負担」の再配分の時代であるという認識、今までのような戦略では「国家の均衡ある衰退」への道でしかないこと、国家ビジョンとしての「歳入増」、「歳出削減」、「経済成長」は明らかであり、要はそれらを責任を持って「実行する」ことにあると語られました。

 今や、世界は国レベルの競争の中にあり、各国の「政策」がその競争力を左右している実態、従ってこれまでの日本の中央政府・官僚の視座からは、変化している新しい時代における「政策立案」がきわめて困難であるという指摘も的確でした。中央集権から大幅に地方に権限を渡すには、「税源」、「権限」、「人材」の移転を速やかに行うことが肝要とも。

 この講演後に、フロアーとのやり取りの時間があり、私は質問しました。「経済同友会は個人での登録に特色があり、自由闊達な議論がこれまでの価値だったはず。ところがこの所、いわゆる『経済界』とマスメディアに取り上げられる時は、経団連、商工会議所と雁首を揃えての政策提言といった場面が多く、本来のこの団体の価値と優位性を失っているのではないか。経営者の多様な意見、健全な議論、論点の提案こそ、経済同友会のあるべき姿ではないか」と。

 これに対して長谷川代表は、「なかなか辛口のご質問」と前置きして、大変真摯にお応えになりました。「同一歩調を取っているつもりはないが、もし、そういう印象を与えているとすれば今後注意したい」と。ただ、原発に関しては、3・11以降、その年の夏に、軽井沢での議論を経て、「脱原発」ではなく「縮原発」を提起したとも説明されていました。

 結局、講演会は、私のこの質問一つだけで終了しました。終了後に、長谷川代表は私の席までいらっしゃって、「秋山さん、今の官僚組織では、個々の能力は大変高くとも、従来の構造からしか課題解決を図らないので、どうしても縦割りの弊害が否めない。今ある国家的、地域的課題は全て、複数の省庁に関連するものばかりなので、どうか地域での課題解決を先行して実践して頂きたい。自分なりに積極的に意見を述べてはいくが、従来の中央集権的なやり方では時間が掛り過ぎてとても間に合わない」と、アドバイスを頂きました。

 その日の夜は、双方合計10数名での着席懇談会・会食でした。私の両隣の席だった長島徹・副代表幹事、前原金一専務理事、向かいの髙須武男 ・副代表幹事らとも親しくお話ができて有意義な時間を過ごしました。特に、長島さんは、エネルギー・環境委員会の委員長でもあり、昨年の富山での全国会議分科会(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=12630)にもご参加になって私の話もお聴きになっていましたので、再生可能エネルギーの積極的展開でもさらに意見交換することができました。それ以外に、ここにはとても書けない「経済界の真実!」もたくさんお聴きしました、何かの機会にご紹介致します。ただ、TPP、安倍政権の教育論議等については、幹部個々のご意見には私はかなりの違和感もありました。

 翌日は、北海道経済同友会の幹部と東京からのご一行が約2時間の意見交換。その前に、東京の幹部は農業関連のトップとも実のある意見交換を行えたそうです、経済団体と農業団体とがTPPを始めとした懸案事項で、しっかり議論することそれ自体に今は価値があると思いますね。

 安倍政権の重要な会議のメンバーに、経済同友会幹部が名前を連ねて積極的な発言をしています。私、及び私たち北海道で再生可能エネルギーの実現、省エネに向けて努力している人々の実践も積極的に報告しており、その一部は中央にも伝わっていることを先日確認しましたので、これからも現場での実践の成功モデルを、経済同友会を通じて国の政策に反映させていきたいと強く思いました。

 2年前の意見交換よりも、はるかに実のある時間を過ごすことができました、今後に期待したいですね。二日間、異なった意見で私は異論のあったテーマもありましたが、とにかく一番残念なのは地元経済人の「無反応」です、何を言ってもただ微笑んでいるだけ、今それで良いのかと蹴り上げたくなる過激な私の心境です。肝っ玉が小さい、いや、もともと無いのかもしれない、尊敬できる経営者が極くわずかなことが、私の唯一残念に思うことです。

再稼働なしで、この冬を乗り切ろう!

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 先日、北海道大学吉田文和先生が、北海道の道政記者クラブで記者会見を行い、私も同席致しました。12大学130名を越える研究者の方々の声明に、経済団体の一員、経営者としてこれに賛同する立ち位置でです。

 昨年3・11以降、マスメディアでは「経済界」、「経済団体」とよく出てきますが、メッセージが「満場一致」の議決を経て出されている訳ではありません、いやそれどころか、あたかも日本で営む企業を代表するかのような誤解は、しっかり払しょくしなくてはなりません。先月私が書いたように(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=14447)、経済団体のそれぞれの中身は多様であり、様々な意見を持つ経営者がいることを、世の中の方々に分かって頂きたい、少なくとも北海道民には、そんな思いが私にはずっとありました。それゆえ、今回、吉田文和先生ほか研究者の皆さまの思いに賛同する意思を、経済団体に所属する経営者として明確にしたつもりです。限られた時間でしたので、実際はここに記載されている以上の、多くの賛同する経営者がいらっしゃいます。

声明文概要は下記で、賛同した経営者は11月2日現在です。

~~~~声明文概要~~~~~~~~~~~~~~~~~~

泊原発の再稼働なしでこの冬を乗り切ろう―泊原発再稼働問題について        2012年11月2日
吉田文和(代表声明者、他130名北海道内大学研究者)
(1)泊原発は再稼働できる条件にはない
 この冬の電力不足が想定されるとして、北海道電力泊原発1号、2号の再稼働について、当事者である北海道電力を先頭に、経団連とともに北海道の経済団体が経済産業大臣に再稼働実施の働きかけを行っている。そもそも福島第1原発の事故については、政府と国会の事故調委員会報告がすでに公表されており、これを受けた原発の新たな安全基準づくりが求められており、新たに発足した原子力規制委員会の安全基準づくりも来年7月を目途とされる。したがって、この冬に泊原発の再稼働を求めることは、その新基準の前に再稼働を迫る異常な行動である。
 原発に関する将来選択については種々意見があるが、論理的に考えて、震災前の安全基準が徹底的に見直され、それが確認されるまで原発を稼働できないことは当然の考え方である。現段階で原発を再稼働することは、近い将来再び大震災が起こることはない、という根拠のない無責任な楽観論を拠り所にしているといわざるをえない
 現在の泊原発は、東日本大震災に匹敵する頻度で起こりうる地震と津波に耐えられないことは明らかでる。しかも福島第1原発に設置されていた免震重要棟はなく、オフサイト・センターは海抜わずか4mに位置しており、移転を計画中である。また泊原発は加圧水PWR型で、ベント装置もフィルターも設置されていない。周辺の避難道路の整備も遅れている。北海道電力が泊原発で予定している、津波対策の防潮堤の完成などは2、3年先であり、指摘されている周辺の黒松内断層などの影響による送電線倒壊についても、影響評価と防止対策が明らかにされていない。
 以上のような状況において、冬の電力不足を理由に泊原発の再稼働を認めることは、安全性が確認できない原発を稼働することによるリスクに、北海道民をさらすことになりかねず、再稼働すべきではない。万が一の事故が起こった場合には、道央圏が放射能の汚染によって居住不可能になる場合があること、北海道の基幹産業である一次産業が大きな打撃を受けることを考えなければならない。
(2)安全な電力確保は電力会社の社会的責務である
 一方、原発を再稼働させない場合、冬の電力不足と停電のリスクの問題があり、原発再稼働のリスクかあるいは冬の停電のリスクかという、一種の「社会的ジレンマ」といわれる事態に北海道が直面しているかのような状況を呈している。この「社会的ジレンマ」を解決するには、関係当事者の責任と分担を明らかにして、一部の人々の負担に頼るのではなく、社会の構成員全員の積極的参加と議論に基づく対処と行動が不可欠である。
 そこで、原発再稼働のリスクと停電のリスクの両方を避けながら、予防原則に立ちかえり、安全サイドに舵を切りながら、道民が10%を目標に節電対策などに最大限努力、協力して節電対策を行えば、原発の再稼働は必要なくなる。そして、第3者検証により、もしどうしても火力発電による燃料代金値上げの必要性が確認できれば、その分の消費者負担も多くの道民は受け入れることになるであろう。その際はもちろん、社会的経済的弱者への配慮が不可欠である
 そうしたうえで、電力の安定供給は地域独占が許された電力会社自身の社会的責務であり、北本連系線による本州からの送電確保、自家発電の要請、予備電源の準備など、北海道電力が行うべきメニューは数多くあるので、これまでの努力を踏まえさらに改善に取り組むべきである。政府の需給検証委員会でも指摘されているように、北海道電力の具体的な電力確保対策、節電対策は、まだ不十分である。
(3)道民の知恵と協力で電力危機を乗り切ろう
 鉄道や病院には優先的に電力を確保することにより、道民の生活や健康・生命は確保される。泊原発ができてから、オール電化のキャンペーンなどで道内の電力消費は1.5倍になったのであり、電気を代替できる石油ストーブ、ガス、ストーブへの切り替えによって電力消費を抑えることができる。北海道電力は停電や計画停電を避けるように最大限努力し、一方で道民、企業等も不測の事態に備えるべきである。また住民が節電に努力できるよう節電の可視化やインセンティブの設定をいっそう推進すべきである。
 これまでにない電力危機を、道民の協力で乗り切るべく、当事者である北海道電力は、今後、情報開示を一層積極的に行い、電力確保に努め、北海道庁をはじめ行政各機関は、各企業、道民と協力して対処すべきである。
 泊原発の再稼働なしでこの冬を乗り切れるかどうかは、ひとえに北海道民の知恵と協力にかかっている。従って当事者である北海道電力は、他の経済団体を巻き込んで、泊原発の再稼働に動くのではなく、再稼働をしないで冬の電力供給の責任を果たすために、できる限りの方策を講じるべきである。火力発電の停止の場合を想定した計画停電も避けるべく最大限努力すべきである。通常の火力発電の運転確保も保証できない技術レベルで、どうして原発を安全に再稼働できるのだろうかと、残念ながら疑問を持たざるをえない。こうなったのは、原子力に過度に投資をし、天然ガス火力発電への投資が遅れ、本当の意味でのベストミックスを見失った一方で、泊原発も防災・安全対策が不十分であるという、経営のあり方の問題なのである。
 新しくできた原子力規制委員会の新基準の策定前に、この冬の泊原発再稼働を認めれば、原子力規制委員会そのものの存在価値が問われかねず、政府も再稼働に慎重にならざるをえない国内情勢があり、他方で、北海道の基幹産業である農業と水産業の従事者が再稼働反対で北海道知事も新基準前の再稼働に慎重な姿勢を取らざるを得ない道内情勢がある。北海道電力の経営陣は、これらの情勢を理解判断することができず、いまだに再稼働に固執し、本格的な電力供給の緊急対策に腰が入らない状況は誠に遺憾で、危険な状態である
 昨年8月に泊原発3号機の「無条件の営業運転開始」を容認できないという声明をだした私どもは、北海道電力が経団連や北海道の経済団体とともに泊原発の再稼働を要求しているという事態の緊急性を鑑みて、泊原発再稼働問題について声明を公表いたす次第である

 

<経営者の声明賛同者>   肩書のない方は、みなさん「代表取締役社長」
* 植田英隆  株式会社 りんゆう観光
* 内山博   株式会社 旅システム 
* 清水誓幸  株式会社 スーパーライン北翔        
* 白鳥雅芳
* 加城祐史   オホーツク警備保障 株式会社
* 川田弘教   川田自動車工業 株式会社
* 國枝恭二   株式会社 帯建工業    (*エネ経会議 北海道支部長)
* 小枝秀則   小枝産業 株式会社
* 後藤健市   合同会社 場所文化機構
* 竹本直人   株式会社 ネクセスステージ
* 仁志方紀   有限会社 仁志陶器建材店
* 爲廣正彦   株式会社 エコERC(エルク)
* 前川和弘   北海道生活協同組合連合会 専務理事
* 舛川誠     北見通運 株式会社
* 三宅雅登   左希子化粧 株式会社
* 宮下 周平  株式会社 まほろば 
* 森実さとみ
* 秋山孝二  北海道経済同友会 幹事
<参考>
「エネルギーから経済を考える経営者ネットワーク会議
https://enekei.jp/page/concept>
~趣意書より~
私たちが具体的に取り組むべきは、単なる反原発運動ではなく、原発がないほう
が健全な国・地域づくりができるという対案を示し、それを実践していくことだと
思っております。そのひとつは地域でのエネルギー自給のしくみを、最初は小さく
ともいいから、同時多発的に実現させることであり、そのための活動をしてまいり
ます。たくさんの小さな循環を起こし、そのネットワークを創っていくこと。いわば
「実践のネットワーク」。それが私たちの役割だと任じています。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

松村昭雄さんの札幌訪問

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 国連アドバイザーだった松村昭雄さんが、先日50年ぶりに札幌をご訪問され、その折に、札幌市上田文雄市長ほか、北海道の経済界のトップとも面談しました。夜も、北海道経済同友会幹部と会食し、北海道が、昨年3・11以降の国難にどんな貢献が出来るかを、真摯に語り合いました、久しぶりに正しい現状認識に基づいた前向きの意見交換ができて、今後の展開に大きな助言を頂きました。

 松村さんが何ものか(?!)をご紹介するのは実に難しいことですが、今回何を札幌のリーダーたちに訴えたかったかは、私がくどくど書くよりも下記のブログをお読み頂ければ一目瞭然です(日本語は「japanese」をクリック)。ひと言で言えば、日本のリーダーたちが、今のフクシマ原発事故に対して危機感が欠如していることへの警鐘です。現実の状況としっかり向き合い、国際社会の英知も結集して、長い時間の取り組みを宣言する必要があるのでしょう、日本国の信頼を確保するために。

 チェルノブイリ事故では結局どうして爆発を収束させたか、そしてその甚大な被害が実際、今、子どもたちにどう影響しているか、世界のトップレベルの科学者、見識のある方々のコメントを直に聴きながらの松村さんのお話には説得力がありました。

<2012.6.11ブログ http://akiomatsumura.com/2012/06/what-is-the-united-states-government-waiting-for.html

<2012.8.24ブログ http://akiomatsumura.com/2012/08/the-nuclear-sacrifice-of-our-children-14-recommendations-to-help-radiation-contaminated-japan.html

 

 昨年10月のIBM北海道会議(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=10557)でも小磯修二先生が講演されたように、北海道という地は、その開拓の歴史をさかのぼると、明治維新の幕末諸藩の雇用創出としての大移民計画、第二次世界大戦直後の外地からの復員兵とその家族の雇用創出移民計画等、国策としての移民政策の成功モデルとして世界的な評価を得ています。

 今、「フクシマの復興」というよりも、「日本の復興」という意味で、北海道の果たすべき役割は大きいでしょう。そしてその計画は、「避難する人々の受け入れ」ではなく、福島の方々の誇りを尊重するものでなくてはなりません。人が場所を移して暮らすことは、憐憫の情では長続きはしません、たとえば、福島の伝統・文化の導入、技術移転とかですね、第三の大移民計画」とでも呼べるものが必要なのではないでしょうか。

経済団体は、思考停止状態!

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 この所のエネルギー論議の中で、日本の経済団体の動きをメディアで見る限り、その責任者たちの頭は「思考停止」か、思考自体が出来ないほど「能力低下」をきたしているか、いやもっとひどい状態、もともと能力など無い、何とも醜い、昔のリーダーの方々を承知しているだけに、恥ずべき現状です。北海道の経済団体も、全く同様の醜悪さです。

~~~~~~~~~<北海道新聞10月9日夕刊掲載>

道経連など道内3団体、泊再稼働を要望 経産相は否定的見解

(10/09 16:30)

 道経連など道内経済3団体は9日午前、枝野幸男経済産業相に対し、今冬の電力安定供給に必要だとして、北海道電力泊原発(後志管内泊村)の早期再稼働を要望した。これに対し枝野氏は「再稼働がなかった場合に備え最大限の対応を行う」との考えを示し、原子力規制委員会の安全審査が終わらない段階での再稼働に否定的な見解を示した。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~引用 おわり

 ちょっと待って下さいよ、私は北海道経済同友会の幹事ですが、この団体の中で、上記のような「再稼働要望」といった議論をした場は、一度だってありません。幹事会終了後に、常任幹事の北電副社長が、部下から「夏の節電報告」をさせているだけで、これまで今年の「冬の再稼働」の表現を出したことは全くありません。どうして、このような重要な問題を、原則的なプロセス抜きで「要望」などといって団体を代表するかのようにことを運ぼうとするのか、それこそ「再稼働を急ぐ」暴挙です。

 昨年3・11以降の原発爆発事故に対して、電力会社への不信は高まるばかり、事故の検証も殆ど進んでいない現在、そして、電力会社への不信が全く払しょくされないどころか、使用済み核燃料の問題等も含めて不安と不信は高まるばかり。安全性に対して何の対策も完了されていない現状とも重ね合わせて、今、電力会社、地元経済団体がやらなければならない行動は、ひとえに道民に対しての信頼回復、それを行動を持って示すことに他ならないでしょう。

 地震等の天災や運用面でのトラブルによって、停止が余儀なくされる不安定な電源である原子力発電を基幹電源とした電力会社の企業責任を果たす、これは今一番重要な企業の姿勢だと思います。

 冬の電力不足が仮に想定されるのなら、これまで「オール電化」を促進してきた電力会社は、その民間企業としての責任として、或いはアフターサービスとして、「節電プラン」を各家庭に提示しなければならないでしょう。ただいたずらに「冬の電力不足」を喧伝するのでは、安全・安定供給の責務を全う出来ていません。そして、社会に対して、「ロードヒーティングを止めざるを得ない」と言って危機を煽る前に、こういう状況の責任として、市内のそれらの場所に、危険な日に、社員を総動員して砂袋、注意喚起のノボリ等で、車、歩行者への安全確保の活動に専心しなければならないのではありませんか、また、ルーフヒーティングに対しては、外部委託の雪おろし等の導入、それが民間企業の社会的責任です、お客様にはご迷惑をお掛けしない、でしょう。

10月12日夜のニュース

10月12日夜のニュース

 私は実は、北電が言う「冬の電力不足」は、真実ではないのではないかと思っているのです、どう考えても冬の電力は足りるからです。むしろ、北電が本当に懸念するのは、火力発電へのシフトによる「燃料費の高騰」、それが経営コストの大幅増を促す、そのことなのではありませんか?もしそうだとすれば、まさに「経営者の怠慢」以外の何ものでもありません。そういう状況こそ、経営者の経営者たる存在が試されるのですから。

 経団連の米倉会長が良く言う「産業の空洞化」、北海道に、電気料が値上がりして「海外に出て行く企業」がいくつあると言うのでしょうか。そもそも、企業コストにおいて、電気料が占める割合はどの程度だと思いますか?それよりも、何の検証・対策完了もなく原発を再稼働するリスク、放射能汚染による地域崩壊・喪失のリスクは、現在のフクシマを見れば明らかです、成長戦略も何も無い、測り知れない損失が明確です。

 尖閣列島・竹島・北方領土の比ではない、何百万、何千万人も住む日本の「国土の喪失」です。経営者として、自分の頭で考えてみろよ、今、何をしなければならないのか、答えは明らかです!それともう一つ、「2030年代云々」のエネルギーを語るのなら、最低限その時代には生きているであろう世代の方々にお願いしたいものです、そうでなければ若者たちはやってられないですよ!

 原子力発電が導入されて以来、限りなく一定の電力需要を促してきた電力会社は、まさに原子力発電の為のライフスタイルを作ってきたのです、その電源の大事故と未だ終息しない事態が発生して、安全神話が崩壊した現在、地域独占の民間企業の責任を果たすことが急務です。車の販売会社でも、車検時・事故時で車を一時的に手放し不便を掛ける時は代車を提供します。全社を挙げて、ポータブル灯油ストーブを配布するとか、いくらでも「冬に必須のエネルギー=熱」を供給する手立てはあるのではありませんか、この非常時、電気ばかりで解決ではないはずです。

 この様な事態に対しては、ただ不足を煽るのではなく、電力供給の民間企業として、節電ではピークカット・ベースカットの効果を挙げるべく、1)時間帯に電気料金に格差をつける、例えばピーク時の値上げ、2)「需要対策」に積極的な提案等、本腰で取り組むことであり、もう一つは、「広域運営のノウハウ」を早急に確立することではないでしょうか。冬の電力需要は北海道特有のものだとすれば、本州各地では電力に余力があるはずです、北本連系設備の拡充は急務でしょう。

 生き馬の眼を抜く競争社会を生きてきた経営者たちならば、今の電力会社の経営者は何も手を打っていない、そう思うはずです。とにかく、「顧客」が見えていない、ただただ地域独占の上にあぐらをかいているひ弱な姿、記者会見でも経営者の眼差しからそう感じます。ドッジボールでもボールから逃げ回るばかりでは勝てません、しっかりボールを受けとめることが勝利への道です。

 昨年3・11以降のある時、本州から単身赴任で北海道に来られている支店長・支社長の方が、「北海道では冬の電気が不足すると凍死者が出る心配がある」とおっしゃいました。何たる侮辱、北国で暮らす我々は、そんなに軟(やわ)ではありませんよ、そう言う貴方こそ冷暖房完備の会社契約マンションの一室でぬくぬくと暮らし、「北海道は食べ物が美味しいですね」と言っているだけなのではありませんか。今日の危機的な状況の中、リアリティのない推測は止めましょうよ、歴史に学び、長年この寒冷地で暮らした知恵に学び、地元住民の声に素直に耳を傾ける、そんな向き合う姿勢を行政にも電力会社経営幹部にも求めたいですね、島国北海道の住民として、同じ舟に乗っているのですから。