ハンガリー・ブダペスト訪問 2019 (4)

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 毎年10月4日は、ブダペストから40分のセーケシュフェヘールバール市(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BB%E3%83%BC%E3%82%B1%E3%82%B7%E3%83%A5%E3%83%95%E3)の戦没者慰霊祭。今年は2年ぶりにワグナー・ナンドール記念財団理事長として献花を行いました。ここはブダペストの南西、バラトン湖に向かう途中の歴史的遺産の多く発見されている町です。

< これまでのセーケシュフェヘールバール市訪問時の様子 >

* http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?s=%E3%82%BB%E3%83%BC%E3%82%B1%E3%82%B7%E3%83

 2年前はこんな感じでした。

2年前の献花

2年前の献花

 ワグナー・ナンドール作の『ハンガリアン・コープス』像が設置されている公園は、この間に大変整備されていました。

公園も整備されて

公園も整備されて

 例年通り、中学生の戦没者将校を偲ぶ詩の朗読と歌は素晴らしかったです!

 今年の献花は、日本から参加が4名、AF財団から2名の計6名での参列でした。

献花後に黙礼

献花後に拝礼

指先から真っ青な空に向かって雲が!

指先から真っ青な空に向かって希望の雲が!

財団関係者で記念撮影

財団関係者で記念撮影

 その後は、聖ステファン博物館を訪問し、館長と前館長のMs.Zsuzsa Demeter、学芸員の方々と面談し、WN財団、AF財団の最近の活動についてご説明をしました。

博物館学芸員の方と一緒に

博物館学芸員の方と一緒に

 昼食後は、この町の人気スポット、ボリ城(http://bory-var.hu/en/bory-castle)です。製作者のBory氏は、ワグナー・ナンドールとも親交があった芸術家とのこと。

 愛する妻のために造った「お城?」とのことでしたが、正直その表現には多少の違和感もありました。

ハンガリー・ブダペスト訪問 2019 (3)

Posted by 秋山孝二
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 翌日は、ハンガリーにおけるワグナー・ナンドールの足跡を辿る場所を訪問。

 まずは、ブダ城ウイーン門前の「母子像・ふるさと」像です。周りがきれいに整備されて一段と魅力的な場所になっています。

<2012年 設置時の様子>

* http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=14617

* http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=14710

ブダ城ウイーン門前の「母子像・ふるさと」

ブダ城ウイーン門前の「母子像・ふるさと」

 ウィーン門を通り抜けてブダ城の中、ここは何回来ても違う道を通るとまるで別の世界の街並みです。古い建物の角には石が置かれている、キッシュさんの説明によると、昔、馬車が小路を曲る時に家の角を傷つけるので、固い石を置いて荷車が滑り落ちるように各建物の角に置かれているとか。説明を受けないと何気なく通り過ぎるような光景です。

馬車の滑り降ろし

馬車の荷車の滑り降ろし

それぞれの家の門の上にはロゴ!

それぞれの家の門の上にはロゴ!

何世紀も積み重ねた城壁

何世紀も積み重ねた城壁

 ブダ城を抜けると、ワグナー・ナンドールがアトリエとして使っていたお城の下、今はリニューアルされて新たな観光スポットになっています。

ワグナー・ナンドールが居たアトリエ

ワグナー・ナンドールが居たアトリエ

周辺もリニューアルされて

周辺の歴史博物館もリニューアルされて

 ドナウ川畔は、ヒストリカル・パークの雰囲気です。第一次世界大戦時に使用されたという音索敵器。空に向かって設置されている飛行機のエンジン音をいち早く察知する巨大収音器です。

第一次世界大戦時の音を聞く器具

第一次世界大戦時の音を察知する器械

 アトリエ近くにあるリニューアルされたカフェ・レストラン。昔はブダ城に水を上げるポンプ場があった場所。ワグナー・ナンドールほかこの周辺にアトリエを構える芸術家の集う大切な場だったようです。仕事場と憩い・語る場所、双方相まって作品の創作に明け暮れていた姿を想像します。下の写真、カウンター左には、昔のコーヒーメイカーもレトロに置かれていました。

ワグナー・ナンドールが通っていたカフェ跡

ワグナー・ナンドールが通っていたカフェ跡

 ここでもグヤーシュスープ他のハンガリー伝統の品を頂き、最後は締めのデザート、3人でこれをシェアです。

素晴らしいデザート

素晴らしいデザート

 新しく街は変わっても、脈々と流れる歴史を尊重する理念はしっかり受け継がれている、そんなブダペストのまちづくりに、どっしりしたヨーロッパの伝統を感じ、学ぶところが多いですね。

ハンガリー・ブダペスト訪問 2019 (2)

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 今年はハンガリーにある「Academia Fumana財団]の20周年記念の年、滞在3日目は今回のメインイベントの記念フォーラム、オープニングはバイオリン・打保(うつぼ)早紀さん&ピアノ・阿久澤政行さんのコラボ演奏でした。

* 2011年 http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?s=%E3%83%AF%E3%82%B0%E3%83%8A%E3%83%BC%

* 2017年 http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?s=W.N+%E6%B2%A1%E5%BE%8C20%E5%B9%B4

 お二人のライブは前半はハンガリーの曲、後半は日本の曲のメドレー、浜辺の歌、ふるさと、心に染み入る素晴らしい演奏でした。打保早紀さんの和風ドレスも大好評!

バイオリンの打保早紀さんとピアノの阿久澤政行さん

バイオリンの打保早紀さんとピアノの阿久澤政行さん

 私は栃木県益子町にある「(公財)ワグナー・ナンドール記念財団」の理事長として、ピアノ・バイオリン演奏に続いて、冒頭にご挨拶をしました。

* ワグナー・ナンドール記念財団(WN財団)(栃木県益子町) http://wagnernandor.jp/

* Academia Fumana(AF財団)(ハンガリー・ブダペスト)  http://www.wagnernandor.com/

100名のお客様

100名のお客様

冒頭ご挨拶

冒頭ご挨拶

< 私のご挨拶 >

Academia Fumana財団]の20周年、おめでとうございます!

* ナンドールの妻・和久奈ちよ(私の叔母)の近況  股関節の手術、その後のリハビリにより順調に回復

ハンガリー友好150周年の記念の年

駐日ハンガリー大使館の後援:春季展では、ハンガリアン・コープスをテーマに終了、秋季展では、ハンガリーの詩人ヨーゼフ・アティラをテーマに準備中

77日 宇都宮市立南図書館とコラボ:「~~ハンガリーってどんな国?」

・駐ハンガリー大使館 観光局 勝田氏によるハンガリー紹介

・ブダペスト第1 区長 ナジュ・ガボール・タマシュ 氏の講演を紹介 2017 中野区開催のシンポジウムでの講演)

・リスト音楽院 留学経験者 ピアニストの阿久澤政行氏によるピアノ演奏

102 ペテフィの記念会では、奥様の打保早紀さん・バイオリンと共に演奏予定)

東京オリ・パラ2020に向け ハンガリーのホストタウン 栃木県との連携

・水泳、水球、サーフィン、陸上の選手団の事前合宿を受け入れ、新聞・テレビの報道にもハンガリーの名前が度々登場しており、ハンガリーの知名度も向上。

~~~~~~~~~私の挨拶 おわり

 続いてティボールさんは、ワグナー・ナンドールの残した作品について、一つ一つ丁寧なご説明でした。未だにハンガリー国内の博物館に目に触れることなく保管されているものもいくつかあるが、この10年間に随分復元されて表にでるようになっているとも。

Tbolさん

ティボールさん

 次は、ブダペスト市第一区のタマーシュ区長からは、ゲレルトの丘の「哲学の庭」を中心に、その設置から現在までの歴史を、音楽を背景に詩を詠むような素晴らしい雰囲気のプレゼンを展開されました。2017年12月の中野区での伝説のプレゼンを思い出しました。

* http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=32274

タマーシュ第一区長

タマーシュ第一区長

 最後にキッシュ理事長からは、AF財団の設立趣旨とこの20年の経過・実績が大変分かりやすくまとめられていました。これらのプレゼン・資料は、近いうちにワグナー・ナンドール記念財団のHPにも翻訳されて掲載される予定です、乞うご期待!

キッシュさん

キッシュさん

 フォーラム終了後には今後の固い絆を誓ってがっちり握手もしました。

終了後に

終了後に

 タマーシュ区長と終了後にお話をしましたが、2年前に日本にいらっしゃった時同行されたお嬢様は、その後も日本に興味を持ち続けているとのこと、また、10日後には区長選挙があり、街なかには選挙ポスターも。現在5期目、今度で6期目を目指しているそうです。任期が5年ですからもう25年になるのですね、30歳代で区長にご就任されていることになります!

10日後の区長選挙用ポスター・副市長候補と

10日後の区長選挙用ポスター・副市長候補と

 フォーラムの後は、参加者での交流会でした。

交流の輪

交流の輪

 全て終了して外に出てみると、雨でしっとり濡れていました。

酔って手元が揺れて

酔って手元が揺れて

 そして、本当の最後、直来の食事会でこの日は全て終了しました。

世話人と関係者で

世話人と関係者で

 今回のフォーラムでは、ハンガリーのAF財団のこの間の歴史を初めて詳細に渡り知る良い機会となり、今後の日本のWN財団との連携も一層深めて、新たな展開をしていくきっかけとなる一日でした。ワグナー・ナンドールという一人の彫刻家の作品を通して、ブダペスト・栃木県益子町、さらにはハンガリーと日本の交流の促進につながれば、これ以上の喜びはありません!

ハンガリー・ブダペスト訪問 2019 (1)

Posted by 秋山孝二
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 2年ぶりにハンガリーへの出張、今回はワグナー・ンドール記念財団(WN財団)評議員で映像担当の江原稔さん、ピアニストの阿久澤政行(https://www.elise-music.com/jury/7754.html)さん、バイオリニストの打保(うつぼ)早紀さんとご一緒でした。

* ワグナー・ナンドール記念財団(WN財団)(栃木県益子町) http://wagnernandor.jp/

* Academia Fumana(AF財団)(ハンガリー・ブダペスト)  http://www.wagnernandor.com/

阿久沢さん、打保さん、江原さん

阿久澤さん、打保さん、江原さん

 札幌から飛行機を二回乗り継いで夜にブダペストに到着、翌日は早速、WN財団理事であり、ブダペストのAF財団のキッシュ・シャンドール理事長、江原さんと一緒に、ゲレルトの丘の中腹にある「哲学の庭」を訪問しました。目障りだった不似合いな真っ赤なベンチは取り外されてすっきりしていて、広いブダペストの空と、ここから臨むブダ城はいつ見ても素晴らしいですね。

哲学の庭からブダ城を臨む

ゲレルトの丘中腹の「哲学の庭」からブダ城を臨む

 後ろにあったベンチは取り外されて。

 札幌よりも少し気温が低い感じで、紅葉もすでに始まっていました。昼食は住宅地の屋外のレストランで、お二人とご一緒に、何とも言えない乾燥した爽やかな雰囲気、長旅の疲れも吹っ飛ぶようなひと時でした。

昼食は屋外で

昼食は屋外で

 午後からはアジアの芸術・文化の多くの所蔵で著名な「Hopp Ferenc Museum(https://hoppmuseum.hu/」、ディレクターのDr.Gyorgyi Fajcsakと面談です。ワグナー・ナンドールの作品を通して、AF財団の新たな事業として書物の出版で、日本の芸術・文化を発信していくことについて意見交換をしました、実現すると楽しみです。

Hopp Ferenc Museum

Hopp Ferenc Museum

モダンアートの展示

モダンアートの展示

Dr.Gyorgyi Fajcsak of Director

ディレクターのDr.Gyorgyi Fajcsak

 夜は急なリクエストにもかかわらず、キッシュさんがセットしてくれた「ドナウ川ディナークルーズ」でした。ペシュト側のホテル前に集合して、約50人ほどの参加者が速足で15分、老若男女、とにかく歩くスピードの速いこと、くさり橋近くの桟橋に着き順番に乗船です。夕日の中のマーチャーシュ教会が何とも幻想的で素晴らしい!

聖マーチャーシュ教会と漁夫の砦

マーチャーシュ教会と漁夫の砦

 ブダペスト初日から盛りだくさんに芸術の街を堪能し、今後のWN財団とAF財団の将来展望にも期待を持ちました!

10日ぶりに再開です!

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 先月末からハンガリー・ブダペストに出張していて、(公財)ワグナー・ナンドール記念財団(http://www.wagnernandor.com/indexj.htm)の姉妹財団でブダペストに本拠を構えるAkademia Fumana財団の創立20周年記念フォーラム、セーケシュフェヘールバール市での戦没者慰霊祭、他打ち合わせに出席してきました。いつものようにパソコンを持参して現地のホテルからブログをアップしようとしたところ、編集画面に何回試みてもエラーメッセージが出てきて叶わず、2008年10月にブログを開始(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=24)して以来初めての沈黙期間となってしまい、Facebookではその旨をお知らせしていました。

 今日、札幌に戻っていつもの秋山財団事務所でパソコンを開いてみると、以前と変わらず編集画面にアクセスできて、今こうやってアップもできるではありませんか。私のパソコンメールも似たような現象があり、ブダペスト滞在中は、受信は変わらずでしたが私からの発信ができなかったので、何か国のプロトコルが微妙に違うのかなとあらためて感じています。ともあれ、10月に入ってからの空白を数日間で埋めてまた書き続けますのでよろしくご愛顧のほどをお願い致します。

 それにしてもこの間、このブログが私にとってなくてはならないものであることを痛感し、別の意味では貴重な10日間でした、一日一日の振り返りとフォローアップとでも言うのでしょうか、ボーっと過ごしてしまいがちの日々にメリハリをつける役割は大切だなと思うのです。

新渡戸連続講座 第3回 2019

Posted by 秋山孝二
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 新渡戸稲造連続講座の2年目第3講は、小野有五先生のお話。

< これまでの記事 >

* http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=34744

* http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=36502

小野有五先生

小野有五先生

 参加者は道民カレッジ受講生6名、一般参加者は19名でした。当日のレジュメA3裏表のほか昨年の「音楽と講演のつどい」のレジュメも含め資料として皆様にお渡ししました。講演では、「コトバ」と「言葉」の違い、「言葉」は意味を限定するが、「コトバ」には自由があり、「真如」(神・自然・宇宙)に上昇する「優れた詩」のような性質があるということ、また、新渡戸稲造がよく言及する「分け登る麓の道は多かれど同じ高嶺の月を見るかな」(傳一休禅師)(『新渡戸稲造全集』第一巻『東西相触れて』162頁ほか所収)にある「東西宗教の合一」につながる精神についても言及され、その後、活発な質疑がなされ、この精神は西行に通ずるのではないかとのご意見も参加者から発言が出ていました。

* 傳一休禅師 http://www.ko-kon.net/kokoro/shinjin/wakenoboru.html

宗教と新渡戸稲造

宗教と新渡戸稲造

 今回のお話、私が理事長を務めるワグナー・ナンドール記念財団(http://wagnernandor.jp/)の「哲学の庭(https://www.city.tokyo-nakano.lg.jp/dept/219000/d007585.html)」の理念にも通じるもので、大変内容の濃い、深いひと時となりました。「哲学の庭」の像群は、ハンガリーのブダペスト・ゲレルトの丘にも設置されています。

「哲学の庭」の画像検索結果

* ハンガリー・ブダペスト、ゲレルトの丘  http://wagnernandor.com/javato.htm

 小野有五先生、2回目のご登壇ありがとうございます!

シンガポール 2018(上)

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 寺島実郎さん主宰の「戦略経営塾(http://terashima-bunko.com/terashimabunko-juku/strategic-management.html」のインダストリアルツアー・シリーズ、今回はシンガポール訪問でした。

* インダストリアルツアー http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?s=%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%80%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%83%

 私は今年8年目を迎えるこの経営塾の第一期から参加しています。今回のツアーは2日間でしたが、テーマは「歴史ツーリズム」。経営塾メンバー有志の他、多摩大学の方々、女性経営者グループの方々等、複数の団体から20名の参加で、グループメンバー同士の意見交換も活発で貴重な体験でした。これまでシンガポールには3回ほど行っていますが、訪問先、メンバーが異なると、新しい「シンガポールモデル」を発見したり、有意義な時間となりました。

到着時の夕食後に

到着時の夕食後に

ホテルの部屋から

ホテルの部屋から

参加者記念撮影

参加者記念撮影

【 スケジュール概略 】

一日目

講演 * 寺島実郎 塾長 『シンガポールモデルの認識を深める』

* KYCOMホールディングス 吉村一男 氏 『シンガポールについて』

* 三井物産シンガポール 『医療ツーリズムの現状』

Battle Box 見学 http://www.battlebox.com.sg/

シンガポール国立博物館 見学 https://www.nationalmuseum.sg/

セントーサ島 IR  http://www.resortsworldsentosa.jp/

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 講演後、まずは「Battle Box」、イギリス軍の立てこもる要塞、臨場感いっぱい。ハンガリー・ブダペストの「岩の病院」を見学した時を思い出しました。

* http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=31598

Battle Box では1時間半の解説ツアー

Battle Box では1時間半の解説ツアー

 続いては「国立博物館」。1965年、マレーシア連邦からの追放直後、伝説となった涙の記者会見が印象的です。「建国の父」とは、まさに彼のような存在なのでしょうね。

* https://www.youtube.com/watch?v=41ND3U_9HgQ

国立博物館 リークワンユーの伝説の記者会見

国立博物館 リークワンユーの伝説の記者会見

涙をふくリークワンユー

涙をふくリークワンユー

 午後は、セントーサ島の建物の中で。「Maritime Expencial Museum(https://www.rwsentosa.com/en/attractions/the-maritime-experiential-museum/highlights」も素晴らしい。

セントーサ島の施設

セントーサ島の施設

 3年前に訪問した時のセントーサ島の様子――> http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=24921

 セントーサ島も、訪問する場所が変わると全く別の地でした。

観劇 & 第114回北を語る会

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 「北を語る会」、今回は第114回目、シアターZooで『フレップの花、咲く頃に』の観劇の後、隣の稽古場で懇親会でした。

* 「北を語る会」のこれまでの記事ーー> http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?s=%E5%8C%97%E3%82%92%E8%AA%9E%E3%82%8B%E4%BC%9A

『フレップの花、咲く頃に』ーー> http://www.h-paf.ne.jp/program/%E3%83%95%E3%83%AC%E3%83%83%E3%83%97%E3%81%AE%E8%8A%B1

フレップの花、咲く頃に

<キャスト>

山田百次
西田薫(フリー)
熊木志保(札幌座)
竹原圭一(RED KING CRAB)
高橋海妃(フリー)

友情出演
アリョーナ(ジャイブプロモーション)

 朝鮮人、日本人、ロシア人、樺太アイヌたちが、国家・民族の垣根を越えて一つのコミュニティを奇跡的に形成していた「混住」の時代、個人レベルでの心の交流を描いた作品です。この日の公演は満席で、終了後の皆さんのお顔は満足感で溢れていました。

 今回演出の斎藤歩からのメッセージです。~~~~~~~~~~~~~~~~

 台本を執筆するのは山田百次くん(ホエイ)です。「珈琲法要」をご覧になられた方も多いと思いますし、2月「暴雪圏」での強盗殺人犯の演技も記憶に新しいと思います。

 昨年「亀、もしくは…。」のサハリン公演を終え、サハリンとの新たな交流を検討していた矢先に、私が出会った一つの手記をもとに百次君が取材を重ね、脚本化してくれました。敗戦直後の樺太に残留していた日本人の方々が経験した「混住」という時代。当時小学生だった吉岡潤三さん(北海道演劇財団理事)のお宅に、突然ソビエト軍のトラックが横付けされ、一組のロシア人夫婦が降ろされて「お前たちは今日からこの夫婦と一緒に暮らせ」と命じられたのだそうです。それから、ロシア人の夫婦と吉岡さんのご家族の2年ほどの暮らしが始まったのですが、そのころ樺太には大勢の朝鮮人も連れて来られていたり、樺太アイヌの方々もいたり、様々な民族の人たちが、垣根を持たずに一緒に暮らすコミュニティを形作っていたのだそうです。

 実際に北海道のすぐ隣の島で起こっていたことを舞台上に現わすためには、ロシア人の俳優が必要でした。サハリンのチェーホフ劇場から呼んでこなければならないかなぁ…と考えていた矢先に、テレビの画面に現れてくれたのがアリョーナさんでした。すぐに電話に飛びつき、連絡先を調べて出演交渉したところ「友情出演」という形で出演してくれることになりました。山田百次くんも勿論出演し、5月の「シンデレラ」に続いて連投の西田薫、熊木志保、そしてMAMの「父と暮せば」でTGR俳優賞を受賞した高橋海妃さん、更に竹原圭一くん(RED KING CRAB)も、二つ返事で出演を了承してくれました。

 今年は「日本におけるロシア年」だそうで、日本とロシアの友好・交流について考えることの多い年だと思いますし、北海道150年という事で、記念事業としても登録をさせていただいています。北海道から世界を、そしてこの国の近代を眺め感じ・考える貴重な作品になると思います。シアターZOOで全10ステージ、皆さまを劇場でお待ちしています。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 この公演に至るプロセスも具に見ていた私としては、作品自体の知らなかった樺太の歴史の一断面とともに、地域のテーマとしての興味深さも感じて、余韻が残りました。脚本の山田百次さんは、これを書くために実際にサハリンに調査に行かれたとか、すごいですね。

 終演後の役者の皆さんを含めた「北を語る会」メンバーの懇親会は、話題満載で大変楽しい時間となりました。観劇後のこのようなひと時、数倍の喜びとなります。

50名を越える参加者の皆さん

50名を越える参加者の皆さん

演出の斎藤歩さん

演出の斎藤歩さん

原作者の吉岡順三さん

原作者の吉岡順三さん

脚本。主演の山田百次さん

脚本・主演の山田百次さん

サハリンのロシア人を演じるアリョーナさん

サハリンのロシア人を演じるアリョーナさん(サハリン出身)

 在札幌ロシア総領事館の総領事もご覧になって、今後、サハリンでの公演も含めた企画に構想も膨らんでいるようです。これまでも札幌座は、ハンガリー、ルーマニア、韓国、ロシア等、数々の海外公演を経て、その都度大きな進化をしてきているので、これからも楽しみです!

皆さん、お疲れさまでした!!

振り返り2) WN記念会 @ 中野区

Posted by 秋山孝二
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 (公財)ワグナー・ナンドール記念財団(http://wagnernandor.jp/)ではそれぞれ諸団体とコラボし、昨年は「ワグナー・ナンドール没後20年記念」として、春からシリーズで彫像と縁のある場で記念会を開催しました。

* 宇都宮   http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=30736

* 札幌    http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=31220

* ブダペスト http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=31593

* 東京    http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=31770

* 東京    http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=32032

 その最後を飾るイベント、東京都中野区の哲学堂公園(http://www.tetsugakudo.jp/top.htm)つながりで、中野区サンプラザで12月に開催されました、題して、「『哲学のまち・中野』をめざして」です。井上円了とワグナー・ナンドールの理念の見事なまでのコラボレーション、中野区の皆さまほか、多くの方々に愛されている様子が嬉しかったですね。

* 哲学堂公園――> http://www.city.tokyo-nakano.lg.jp/dept/102500/d024809.html

田中中野区長のご挨拶

田中中野区長のご挨拶

駐日ハンガリー大使館アニタ一等書記官

駐日ハンガリー大使館アニタ一等書記官

WN保全財団(在ハンガリー)キッシュ・シャンドール理事長

WN保全財団(在ハンガリー)キッシュ・シャンドール理事長

タマーシュブダペスト第一区長

ブダペスト市ノジュ・ガーボール・タマシュ第一区長

 第一区長のプレゼンは、パワーポイントの動画とコラボしたナレーション風で、一級の芸術作品でした。文化の薫り高く、さすがにブダペスト市のリーダーとの印象も多く聞かれ、会場内を魅了しました。

 その後のパネルディスカッション、中野区の歴史の中に、哲学堂公園の価値がしっかり位置付けられていました、そして、新たにワグナー・ナンドールの「哲学の庭」も加わって。

パネルディスカッション

パネルディスカッション

 終了後の懇親会、ノジュ・ガーボール・タマシュ第一区長がプレゼンで引用した石川啄木の短歌は、ハンガリー語に訳されたインターネットからのものだったと分かりました

楽しいひと時

楽しいひと時

振り返り1) ノーベル賞 受賞

Posted by 秋山孝二
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 昨年末は、何かと気忙しく、手元に認めたコメントをアップできずに新年を迎えてしまいました。ここから数回、「振り返り」として続けてアップさせて頂きます。

 まずはその初回です。

 昨年10月にハンガリー訪問から帰国して、Facebookに私は書きました。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 ハンガリーから戻ってきて久しぶりに日本の新聞を読んで、何とも脆弱な政治状況を痛感!戦争では負け続けているハンガリー、ただ、どの博物館に行っても「祖国防衛のために戦った誇り」を伝える展示が骨太です。それに比べて、「ヤジ懸念で街頭演説日程非公表」?、自らは何のための存在か、何の信念もなく権力を弄ぶ、権力の座にしがみ付く姿はみっともない。今年のノーベル平和賞、文学賞、多くのハンガリーの方から「おめでとう!」の言葉を頂きました、意識の根底にアジアの一員としての我々との連帯意識が。良く今の状況を戦前と似てきたというけれど、市民社会の活動、NGOの存在等、今は、国政の劣化を私たち市民の連帯が補って余りある状況とも言えるのではないでしょうか?それにしても日本の政治はみっともなく、恥を知れ!ですね。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ここまででコピーおわり

 2017年のノーベル文学賞を受賞した日系英国人作家、カズオ・イシグロさんが10月10日夜(日本時間11日早朝)、ストックホルム市庁舎での記念晩さん会で行ったスピーチ全文は以下の通り。格調高い内容に、日本人として誇りを感じます。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 陛下、殿下、そして紳士淑女の皆様。

 大きな外国人の顔、西欧の男の人の顔が、私の本の1ページを埋めるようにカラーで描かれていたのを、鮮明に記憶しています。堂々とした顔の後ろの一方に見えたのは、爆発による煙とほこりでした。もう一方に描かれていたのは煙の中から空へと昇っていく白い鳥でした。私は5歳で、伝統的な日本の家の畳の部屋で腹ばいになっていました。この瞬間が印象に残ったのは、私の後ろの方で、ダイナマイトを発明した人が、その使われ方を心配して(日本語で)「のーべるしょう」を作ったと話す母の声に特別な感情がこもっていたからです。「のーべるしょう」という言葉を日本語で聞いたのは、これが初めてでした。「のーべるしょう」はね、と母は言いました。(同)「へいわ」を促進するためにあるのよ、と。「へいわ」はピースやハーモニーという意味の日本語です。私の街、長崎が原爆によって壊滅的な被害を受けてから14年しかたっておらず、まだ年端もいかない私でも、平和とは何か大切なものであること、それがなければ恐ろしいものがこの世界を襲うかもしれないことを分かっていました。

 ノーベル賞は他の偉大な賞と同じく、小さな子どもでも分かるようなシンプルなもので、それがきっとこれまで長く世界の人々の想像力をかき立て続けてきた理由でしょう。自分の国の人がノーベル賞を受賞したことで感じる誇りは、オリンピックで自国の選手がメダルを勝ち取ったのを見て感じるものとは違います。自分の部族がほかの部族より優れていることを示したからといって、誇りをもったりはしません。むしろ、自分たちのうちの一人が人類共通の努力に著しい貢献をしたことを知って得られる誇りです。わき上がる感情はずっと大きく、人々を融合させてくれるものです。

 私たちは今日、部族間の憎しみがますます大きくなり、共同体が分裂して集団が敵対する時代に生きています。私の分野である文学と同じく、ノーベル賞は、こうした時代にあって、私たちが自分たちを分断している壁を越えてものを考えられるよう助けてくれ、人間として共に闘わねばならないことは何かを思い出させてくれる賞です。世界中で母親たちがいつも子どもを鼓舞し希望を与えてきたような、母親が小さな子どもに言って聞かせるようなものです。このような栄誉を与えられて、私はうれしいと思っているでしょうか? ええ、思っています。私は受賞の知らせを受けて直感的に、「のーべるしょう」と声に出し、その直後に、いま91歳の母親に電話しました。私は長崎にいた時、既に多少なりとも賞の意味を理解しており、今も理解していると思っています。ここに立って、その歴史の一部になることを許されたことに感動しております。ありがとうございます。

https://mainichi.jp/articles/20171211/k00/00e/040/177000c

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 同じく2017年のノーベル平和賞を受賞したNGO「ICAN(http://peaceboat.org/21213.html」を代表して、ベアトリス・フィン事務局長と広島の被爆者であるサーロー節子さんが共同して、ノーベル平和賞受賞講演を行いました。

 この演説と講演の日本語訳を以下からダウンロードできます。なおこれらの日本語訳はピースボートによる非公式訳であり、英語の原文の著作権はノーベル財団にあります(© THE NOBEL FOUNDATION, STOCKHOLM, 2017)。聴衆の真剣な眼差し、節子さんの力のこもった語りとスピーチ、これにも日本人としての誇りを感じます。

http://peaceboat.org/22083.html

https://www.youtube.com/watch?v=W_nIa520gu0

 日本国政府のみっともなさとは裏腹に、世界で活躍する日本人の素晴らしさ、国破れても人財あり、でしょうか。政治家の劣化と恥さらしをカバーして余りあるお二人の国際舞台でのスピーチでした。

WN記念会 @ 駐日ハンガリー大使館

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 (公財)ワグナー・ナンドール記念財団(http://wagnernandor.jp/)ではそれぞれ諸団体とコラボし、今年は「ワグナー・ナンドール没後20年記念」として、春からシリーズで彫像と縁のある場で記念会を開催しています。

* 宇都宮   http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=30736

* 札幌    http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=31220

* ブダペスト http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=31593

 先月、東京・三田の駐日ハンガリー大使館(https://tokio.mfa.gov.hu/jpn)では、パラノヴィチ・ノルバート駐日ハンガリー大使閣下の招待による「ワグナー・ナンドール没後20年記念会」が開かれました。

 プログラムは、10月に東京で演奏を行った堅田優衣さん指揮「ノエマ・ノエシス(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=31770」のユニットが再び登場して、素晴らしいハーモニーで参加者を魅了し、その後は別室でハンガリー料理を囲む懇談の場となりました、素晴らしいひと時でした。

コダーイの曲を披露して

コダーイの曲を披露して

パラノヴィチ・ノルバート駐日ハンガリー大使閣下のご挨拶

パラノヴィチ・ノルバート駐日ハンガリー大使閣下のご挨拶、通訳は一等書記官のアニタさん

WN財団ゆかりの方々

WN財団ゆかりの方々&グヤーシュ他ハンガリー料理いろいろ

ハンガリー料理いろいろ

ハンガリー料理いろいろ

シェフもご挨拶

シェフもご挨拶

最後は皆さんで

最後は皆さんで(最前列左・田中中野区長、中央・ちよさん、右・ハンガリー大使

 アットホームな雰囲気の中、ワグナー・ナンドールを偲びながらの歌声と懇談のひと時、余韻を楽しみながら一人で三田から浜松町まで、閑静な町並みと東京タワーを見ながら帰りました。

大使館からホテルまでは歩きで余韻を楽しみながら

大使館からホテルまで

堅田優衣さん指揮 コンサート

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 ワグナーナンドール没後20年記念イベントの一つ、堅田優衣さん指揮の合唱ユニット「Noema Noesis(http://nn2014.wixsite.com/noemanoesis」による「軌道~声で辿る、ワグナー・ナンドーの世界」コンサート・東京新宿は、200名の参加で大盛況のうちに終了しました。

 このユニット、「Noemaとは考えられたもの、Noesisとは考える行為・作用を意味している。私たちの活動においても、能動的に考え、試行錯誤を繰り返しながら声の可能性を追求し、メッセージ性のある音楽を創っていきたいという意味が込められている」という理念を、ワグナー・ナンドールの生涯を通じてまさに表現した今回のコンサートとなりました。

イベントのチラシ・表

イベントのチラシ・表

イベントのチラシ・裏

イベントのチラシ・裏

 第一部は彼が生きた三つの国、ハンガリー、スウェーデン、日本の曲をアレンジして、その生涯を辿る企画、それぞれのお国柄が曲に表現されていて楽しかったです。国の歌はその国の言語で唄ってこそ意味があるという信念を貫いて、各言語での合唱、さらに歌詞対訳集も配布される丁寧な企画となっていました。第二部は、彼の代表作『哲学の庭』をテーマとした楽曲、ユニットのチャレンジですね、斬新な曲風とパフォーマンスが素晴らしかったです。

 開場直後からたくさんの方々にお越し頂きました。

公演前から多くのお客さま

公演前から多くのお客さま

公演後に和久奈ちよさんも御礼のご挨拶

 最後に和久奈ちよから御礼のご挨拶も。

オペラシティの吹き抜け

 オペラシティの吹き抜けに立つ大きな像を通り抜けて。

 会場の東京オペラシティリサイタルホール(http://www.operacity.jp/concert/facilities/rh/index.php#floormap)は文化の薫る場、ハンガリー・ブダペストから戻った翌日でしたが、東京でもまた芸術の秋を味わう日となりました。堅田優衣さん、ありがとうございます!

W.N 没後20年 @ ハンガリー (6 最終)

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 今回のハンガリー訪問は、「ワグナー・ナンドール没後20年記念会」がメインでしたが、ウィーン門を軸にブダ城西北のリノベーション地域、温泉・プール、2回目のドナウ川観光船ミニツアー等、ブダペストのまた違った視点からの景観が印象的でした。

これがプラスティック製?!

これがプラスティック製?!

世界一長いベンチ?!

世界一長いベンチ?!

ドナウ・くさり橋を望む

ドナウ・くさり橋を望む

ブダ城内で

ブダ城内で

リノベーション途中のエリア

リノベーション途中のエリア

屋外プール10月

屋外プール10月

室内プール水温24℃

室内プール水温24℃

こちらは温泉、右が40℃、左が30℃

こちらは温泉、右が40℃、左が30℃

ゲレルトの丘
ゲレルトの丘

国会議事堂

国会議事堂

 何回訪れても深みのあるマチ「ブダペスト」。人々が暮らす豊かさというのは、歴史に裏付けられた今を生きる力と将来への希望なのでしょうね。印象深い「ハンガリー 2017」でした。(最終)

W.N 没後20年 @ ハンガリー(5)

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 今回のハンガリー滞在の最後の夜は、参加者の皆さん出席のパーティです。5年前も彫像「母子像」をかたどった丸いケーキがサプライズでしたが、今回はより精度高く登場でした。

* 5年前の様子――>http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=14710

石彫を作成した方&母子像ケーキ

石彫を作成した方&母子像ケーキ

 翌日、出発の早朝に、ウィーン門からブダ城内を散歩し、まだ観光客で賑わう前の広場、マーチャーシュ聖堂(http://www.matyas-templom.hu/)は気持がよかったですね、ピリッと寒く、札幌とほぼ同じ気温。

ブダ城ウィーン門

ブダ城ウィーン門

マーチャーシュ聖堂

マーチャーシュ聖堂

石彫「母子像ふるさと」@ブダ城ウィーン門

石彫「母子像ふるさと」@ブダ城ウィーン門

 朝食後は、今度は城壁の下に沿って「岩の病院」入口まで歩くと、また違ったお城の雰囲気を味わえました。

岩の病院:戦時下の野戦病院跡

岩の病院:戦時下の野戦病院跡

 この博物館、ハンガリーの歴史を野戦病院からの視点で考察した素晴らしい内容でした。館内は撮影禁止でしたので、インターネット検索で以下をご参考に。特に、終盤の展示は、反核兵器のコーナーで、広島の原爆投下・被害等の展示がリアルにされていて、出口の天井には折り鶴がたくさん吊るされ、平和への強い願いを感じました。ハンガリーの歴史考察とメッセージの強さは、彫刻ばかりでなく、歴史に真摯に向き合う姿勢を学びます。

Hospital in the Rock

岩の病院(https://www.tripadvisor.jp/Attraction_Review-g274887-d2169533-Reviews-Hospital_in_the_Rock-Budapest_Central_Hungary.html

広島市原爆資料館 http://hpmmuseum.jp/modules/news/index.php?action=PageView&page_id=31

W.N 没後20年 @ ハンガリー(4)

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 毎年10月6日は、セーケシュフェヘールバール市では、戦没者慰霊式典が開催されています。ここはバラトン湖の入口、かつて、ハンガリーの歴代国王が戴冠・埋葬された歴史のある都市です。私はこの式典にこれまで2回参列していますが、今年はワグナー・ナンドール没後20年の記念の年でもあり、スウェーデンからナンドール氏の三男・ワグナー・バーリントご夫妻も加わって、一層印象に残る行事となりました。式典の行われるマチの広場には、ワグナー・ナンドール作品「ハンガリアン・コープス」が建立されています。

* 2011年 http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=10357

* 2012年 http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=14622

広場中央に「ハンガリアン・コープス」

広場中央に「ハンガリアン・コープス」

入場行進で開式

入場行進で開式

ご来賓ほか関係者も整列、私たちも右側に

チェル=パルコヴィチ・アンドラーシュ市長(前列右3番目)、関係者も整列、私たちも右側に

 毎年、地域の小・中学生が学校単位で臨席し、高校生による著名な戦没者の一人一人の最期の言葉を次々と朗読しています。戦争中に一人一人が懸命に闘い不条理にも亡くなった歴史をしっかり伝えていく姿勢は、大いに見習う必要があります。侵略される側の歴史の継承は、人々のアイデンティティの形成となっていくのでしょう。

最寄りの中学生も大勢参加

最寄りの小学生も大勢参加

戦没者の各々の最期を語る高校生たち

戦没者の各々の最期を語る中学生たち

私たちの財団も献花・敬礼

私たちの財団も献花・敬礼

花輪は日の丸をモチーフに

花輪は日の丸をモチーフに

 約1時間半の式典が終了し、ブダペストに向かう途中のレストランで昼食です。ここのフィッシュスープは素晴らしかったです!

郊外のレストラン入口:和久奈ちよと私

郊外のレストラン入口:和久奈ちよ(叔母)と私

大きな白身の魚入り

大きな白身の魚入り

W.N 没後20年 @ ハンガリー(3)

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 ワグナー・ナンドール没後20年の記念会がブダペスト市内のゲストハウスで開催されました。

  さんの住宅だった建物

  ヨーカイ・アンナさんの住宅だった建物

ヨーカイ・アンナサロン

サロンの玄関看板

ブダペスト第一地区 区長のご挨拶ブダペスト第一地区ノジュ・ガーボール・タマシュ区長のご挨拶

ワグナー・ナンドールの三男 バリント

ワグナー・ナンドールの三男ワグナー・ バリント

 私も日本におけるワグナー・ナンドール財団のこれまでの活動について報告をしました。

左隣は通訳のレイカさん、道子妃殿下の通訳もされた第一人者

左隣は通訳のレイカさん、美智子妃殿下の通訳もされた第一人者

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2017.10.4ブダ記念会あいさつ文 秋山 孝二

<財団の事業報告>

今年でWN財団は30年を迎えます。5年前に3代目の理事長に就任し、今、WN没後20年を振り返っています。ちよさんは、先月の誕生日で88歳、日本では「米寿(べいじゅ)」と言ってお祝いを致します。本人は益々元気いっぱいですのでこれからも宜しくお願い致します。

WN自身の業績は、すでに皆さまよくご存じだと思いますので、私はこの20年間、特に直近5年間のちよさんを先頭にしたWN財団の活動をご報告致します。

まずは、これまでの栃木県益子を拠点とした春・秋の展示会、及びコンサート・写真展の同時イベント開催により、知名度が飛躍的に上がってきていること、そして、栃木県が2020年東京オリ・パラピックのハンガリー選手団のホスト県になったことにより、関係が大変親密になっています。

今年7月には、「ようこそ!栃木県に!」をハンガリー語で大きく横断幕に書き、栃木県庁でHOC代表(ハンガリーオリンピック委員会)の方々をお迎えしました。 そのハンガリー語をちよさんはキシュ夫妻に教わったので、この場を借りて御礼申し上げます。さらに栃木県教育委員会とHOC代表二名がWN財団を訪問し、アトリエ他をゆっくりご見学されました。両者とJOC三者による栃木県での「五輪前合宿の覚書」の正式調印は、106日 で、WN財団からも立ち合いに評議員が出席しています。

また、パラノビチ・ノルバート駐日大使にはプライベートで益子のWN財団に足を運んで頂き、つい先日は、東京都中野区哲学堂公園の「哲学の庭」に、ハンガリーのホッパール・ペーテル文化担当事務次官パラノビチ駐日大使、田中中野区長、出井(いでい)区議会議長ほかが訪問され、大変熱心に鑑賞されていました。田中区長は、帰り際に、「中野区にとって誇りである」と私におっしゃっていました。

一方、日本の文化庁宮田長官は6月に益子を公式訪問され、ちよさんはじめ、財団理事・評議員がお出迎え、ご案内しました。

今年の「WN没後20周年記念事業」は、7月の栃木県宇都宮南図書館でのコンサート、講演会でスタートし、9月の札幌での「母子像・ふるさと」を巡るご講演、ピアノトリオ演奏、いずれも大変好評でした。今後は、来週の東京で評議員の堅田さんの娘さんが指揮する合唱団コーラスライブ、12月東京都中野区でのフォーラム、パネルディスカッションと盛りだくさんに続きます。これにはブダペストのノジュ・ガーボール・タマシュ区長のご出席も決まったと先日伺いました。

今年は、本当に内容の濃い一年、皆さまの応援を背に受けて、栃木県益子から元気いっぱいWN財団も世界に発信して参りますので、宜しくお願い致します。

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民族楽器演奏

民族楽器演奏

 会の後は交流パーティ、100歳になるワグナー・ナンドールの友人もご参加・ご挨拶でした。

100歳の友人の冒頭ご挨拶

100歳の友人の冒頭ご挨拶

 没後20年記念に相応しい、ハンガリー、スウェーデン、日本での創作活動の振り返りのひと時でした!

W.N 没後20年 @ ハンガリー(2)

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 (1)で「前回訪問時は、リノベーション工事中でしたが、敢えて古く見せる建築・リニューアル技術がすごいです。そして、博物館前の大きな戦士の像は、この期間の特別展示用のディスプレイで、全てプラスティック製、まるで歴史的彫像のようです。」と書きました。古い建物・彫像の復元技術は、別の言葉では「歴史の復元技術」とも言えるような気がします、「ねつ造技術」ではなくてですよ。

 昼間に探索したブダ城内のリノベーションと同じように、ペシュト地区でも随所にこの発想が活かされていました。その中で特に印象的だったのは、ワインセラーです。町なかの古いビルの一階には広いワインショップ、その地下は、旅行ガイドブックにはレストラン、イベント会場「DOMUS VINORUM(http://www.domusvinorum.hu/」となっていますが、実はそれ以外にもワインセラー&会員制クラブとしての場ともなっています。

 WN財団理事でブダペスト在住のキッシュ・シャンドールさんはここの会員になっているので、その日はご自身のボトルキープの中からとびっきりのビンテージ赤ワインを一本取り出して4人で飲みましたが、素晴らしい香りと味でした。

ここはサテライトのワインバーのようがイメージ

ここはサテライトのワインバーのようがイメージ

壁面には年代別ハンガリーワインが

壁面には年代別ハンガリーワインが

さらに奥の鍵付き扉の中にも

さらに奥の鍵付き扉の中にも

1999年もの

1999年もの

 まな板・ナイフを含めて、パン、チーズはお好みを持参してワインと一緒に、です。

会員がゲストを招いての利用

会員がゲストを招いての利用

 因みにここの会員年会費は、驚く程安いのです。金持ちのサロンというようりも、会員であることのステイタス、プライベートクラブの人間関係を大切にしていると言ってもいいのでしょうね。会員相互のコミュニケーション、そしてゲストをお招きしてのおもてなし、会員制の原点とも言える「楽しみ」をそこに観た思いです、素晴らしいですね。

 翌日の早朝散歩で歩いたブダ城内、こちらも復元、或は古代の歴史の復元・保存の表れかと。

ローマ時代の城壁跡

ローマ時代の城壁跡

W.N 没後20年 @ ハンガリー(1)

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 ワグナー・ナンドール没後20周年の記念の年、活動拠点だったハンガリー・ブダペストでも記念会ほかが企画され、日本からも和久奈ちよ、WN記念財団の堅田憲弘評議員と私が参加しました。

 幾つかの行事に先立ち、まずはブダペスト市内のゲレルトの丘中腹に建立されている「哲学の庭」に行き、キッシュ理事を交えてのこの間の振り返りでした。

丘の上からブダ城方面を展望

丘の上からブダ城方面を展望

元祖 哲学の庭

元祖 哲学の庭

 しばし懐かしい思い出話の後は、ワグナー・ナンドールがアトリエとして使っていた王宮下の場所、今はリノベイトされて新しい観光名所となっています。

右から二つ目の入口がアトリエでした

右から二つ目の入口がアトリエでした

 前回訪問時は、リノベーション工事中でしたが、敢えて古く見せる建築・リニューアル技術がすごいです。そして、博物館前の大きな戦士の像は、この期間の特別展示用のディスプレイで、全てプラスティック製、まるで歴史的彫像のようです。

隣は歴史博物館 前の像二体はプラスティック製の一時展示とか

後ろは歴史博物館 前の像二体はプラスティック製の一時展示とか

 ここはブダ城の東の端、ここから階段、エスカレーターで昇っていくと、従来のブダ城内に繋がっています。

ブダ城内へ

ブダ城内へ

途中で東側を望むとゲレルト丘も

途中で東側を望むとゲレルト丘も

 ブダペスト到着翌日の日中は、20年を振り返り、ワグナー・ナンドールの創作活動の原点を見つめ直すひと時となりました。

枝廣淳子 & 異業種交流会

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 枝廣淳子さん主宰の異業種勉強会(http://www.es-inc.jp/network/forum/index.html)、第47回は「急拡大するESG投資――企業に迫るリスクと新たなビジネスチャンス(http://www.es-inc.jp/network/forum/2017/nwk_id009128.html」について、三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社クリーン・エネルギー・ファイナンス部主任研究員の吉高まりさんのお話でした

* 前回の様子「テーマはSDGs」 http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=30859

* これまでの積み重ねはこちら――> http://www.es-inc.jp/network/forum/index.html

以下は枝廣淳子さんからのメッセージ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 先月7月3日に、世界最大の年金基金である日本の公的年金(GPIF)が、日本株のESG指数を採用し、1兆円を投資したことは、金融のみならず企業にとっても大きなニュースでした。

 欧米では当たり前であったESG投資が、年金基金などの長期的な収益向上に資する重要なツールであることがようやく日本でも認識されるようになり、一過性ではない、環境(Environment)・社会(Social)・ガバナンス(Governance)の要素に配慮した投資が、一気に加速しています。

 一方、金融システムの安定化においては、気候変動が大きなリスクであると認識されています。金融機関や金融機関が関係する事業体に対し、気候変動に関するリスクなどの情報開示の動きが強まり、フランスではすでに法律で義務化されています。

 こうしたESG投資の動きを、一部の上場企業とGPIFの資産運用に関わる金融機関だけの問題で、自社には関係がないと思われる方も多いかもしれません。しかし、ESG投資は金融機関と何らか関わりを持つ企業・団体にとって、今後直接的にせよ、間接的にせよさまざまなレベルで、本業であるビジネスに影響を与えることは間違いないといわれています。

 加速化する金融の大きなうねりに対し、企業はステークホルダーである投資家やサプライチェーン等から指摘を受けてから動くのではなく、いかにリスクに備え、同時に攻めの準備をし、チャンスに変えていくのかーー、それぞれの立場でしっかりと考えることが、真の持続可能な経営を実現する上で鍵となるでしょう。

 今回のフォーラムでは、長年、気候変動に関して金融機関で対応した経験を有し、かつ、昨今はESG投資の現場で様々なアドバイスをしている三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社の吉高まりさまから、ESG投資動向とともに現場で得た学びや気づきについてお話しをうかがいます。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 引用おわり

 秋山財団の立ち位置は、投資を受ける側ではなく、投資をする側としては唯一の参加者だったのかもしれません。基本財産の運用において、ファンド等の選択で大いに参考になるお話でした。世界金融の流れと企業のリスク認識が、世界の枠組みの変化と連動して大きく変わってきていることを改めて感じます。

 日本国内のメディア等だけに接していると、世界の流れが見えて来ない相変わらずの現状、この異業種交流会はいつも刺激的かつ先進的で腑に落ちるお話と意見交換が大変有意義です。参加企業の方々の意欲的姿勢も、日頃札幌のような地方ではなかなか出会えないもので、学びの場として大切にしていきたいですね。

 随分前に、枝廣淳子さんにこの会にお声を掛けて誘って頂き、今となっては感謝です。そう言えば、先日少しお話をした所、今年9月の枝廣淳子さんもメンバーのハンガリー・バラトングループ合宿で、ブダペスト・ゲレルトの丘にあるワグナー・ナンドールの「哲学の庭」彫像群に足を運ぶようにとの話題が出たそうです。彼女がネットで検索すると私が理事長の「ワグナー・ナンドール記念財団(http://wagnernandor.jp/」にたどり着いたとか、思わぬところで話が繋がりました。

 ワークショップ後の懇親会では、一番遠くから来ているということで、私はいつも最初の乾杯の挨拶をさせられています。先日は、「今回もコウレイにより秋山さんに最初の乾杯を!」と枝廣さんから促されたので、「高齢なので乾杯の音頭をとります」といつになく(?!)絡んでスタートしました。2時間で3回も席替えをする交流会というのも、ここだけですよね。

WS後の懇親会で

WS後の懇親会で

 いずれにせよ、私&秋山財団にとって益々大切な情報収集・交換の場となっています、これからも宜しくお願い致します。

ハンガリーから事務次官 @ 哲学堂公園

Posted by 秋山孝二
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 東京都中野区の哲学堂公園(http://www.city.tokyo-nakano.lg.jp/dept/504000/d002700.html)を訪問されたハンガリーのホッパール・ペーテル文化担当事務次官(真中)とパラノビチ・ノルバート駐日大使(左)、ワグナーナンドール作品「哲学の庭」へご案内した田中大輔中野区長(右)、通訳の大使館アニタさん、区議会出井良輔議長。もう一枚は、縁の下の力を発揮された人たち、手塚さん、植竹さん、堅田さん、お疲れさま!私も1時間前から財団理事長としてご訪問をお待ちしておりました。

中央が事務次官、その右がパラノビチ駐日大使、左が田中大輔中野区長、出井区議会議長

中央が事務次官、その右がパラノビチ駐日大使、左が田中大輔中野区長、出井区議会議長

 事務次官45歳、駐日大使39歳、皆さんお若いですね!

縁の下で支えた皆さま

縁の下で支えた皆さま

 今年2017年はワグナー・ナンドールが他界して満20年の節目の年、「公益法人 ワグナー・ナンドール記念財団(http://wagnernandor.jp/の前身「財団法人タオ世界文化発展研究所」の設立が1987年で、今年は財団設立30周年を迎える年でもあります。

 この記念の年、 彼の作品が建立されている栃木県、東京都中野区、札幌市、ハンガリー・ブダペスト他、複数の場で、「没後20周年記念会」をシリーズで開催し、各地で数多くの縁のある方、ファンの方々にお集まり頂いています。ある方は在りし日の姿を偲び、ある方はその作品から世界平和への強い意志を感じ取り、そしてある方は、初めて接する彼の波瀾万丈の人生に生きる力を受けとめたとお話をされて、この20年間の活動と作品に込められた思いをそれぞれに再度噛みしめています。ここ中野区でも、今回のご訪問に加えて12月9日(土)中野サンプラザで13時30分から記念フォーラムを開催予定です。

 生前、ワグナー・ナンドールは、この財団に自らの名前を冠することを良しとせず、世界平和と共通理解の理念を掲げて創作活動を続けていました。没後は妻・ちよが二代目理事長に就任して、しばらくは名称を継承し、個人の命は逝きましたが、その理想は一層輝きを増し、亡き夫の遺志をしっかり引き継ぎました。原点の益子のアトリエを軸に庭園創設ほか、周辺施設の整備等を着実に行い、記念ギャラリーとして毎年、春・秋に多くのお客さまが足を運び、広く彼の思想・哲学を理解して頂く活動を続けています。

 私は「公益財団法人」に移行する時期と同じくして、三代目の理事長に就任しました、財団設立以来、特にこの没後20年のちよ及び財団関係者の民としての公益普及活動を、大変高く評価し、誇りに思っています。ともすると美術館・博物館運営は、個人の崇拝に終始しがちですが、私たちの理事会、評議員会での議論は、栃木県を本拠地とする財団として地域への貢献が十分であるかどうか、全員がいつもこの間の財団活動を真摯に検証し、厳しい自らへの問い掛けを続けています。特に、ワグナー・ナンドールと活動を共にしてきたちよ理事のアイディア・企画・判断は、「これで最後」の気持を胸に、溢れる情熱をぶつけてこの財団活動に注ぎ込んだ賜物と言っても宜しいと思います。

 私たち財団関係者は、今日まで陰に陽に支えて下さった日本全国、世界各地の数多くの皆さまに感謝を申し上げると共に、没後20年の記念の今年を、振り返りだけでなく、ワグナー・ナンドールの作品を通して、これからの世界平和にささやかでも貢献できる活動を目指す確認の年として邁進したいと思っています。どうか、今後とも引き続きのご支援を宜しくお願い致します。