TGR 2015、盛況で終わる!

Posted by 秋山孝二
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 今年の「札幌劇場祭(http://www.s-artstage.com/2015/」は、つい先日、盛況のうちに終了しました。12月2日には「公開審査会」、今年の大賞はロシア・サハリン州のチェーホフ劇場「素晴らしい未来(http://www.s-artstage.com/2015/tgr2015/list/%E3%83%81%E3%82%A7%E3%83%BC%E3%83%9B%E3%83%95%E5%8A%87)に決まりました。

 今年の参加作品は市内10劇場でこちら――> http://www.s-artstage.com/2015/tgr2015/

公開審査会

公開審査会

 「素晴らしい未来」の紹介 HPより~~~~~~~~~~~~~

 生と死、人間の魂を永久模索する美的な叙情劇。登場人物である天使たちは、遠く、美しい命に帰依することを夢見ている。主人公たちは、いま目の前にある現実だけが貴重なのだと思い込み、生きている事がどれほど自由で幸せなのか気付かない。それに気付く頃、もう彼らの人生は終わりに近づいているのだった。

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大賞はチェーホフ劇場「素晴らしい未来」でした!

大賞はチェーホフ劇場「素晴らしい未来」でした!

 特別賞として「審査員賞」も二つです。その一つ、琴似屯田兵入村140周年記念事業実行委員会「会津藩、かく戦えり」は、素晴らしい出来栄えだったと思います、是非、また再演を期待します。

特別賞の審査員賞も二つ

特別賞の審査員賞も二つ

 今年、私は11月に9公演を観劇しましたが、外国からの作品「アイランドー監獄島」、「素晴らしい未来」と地元劇団との違いを強く感じましたね。韓国のプロジェクトアイランド、ロシアのチェーホフ劇場、いずれも脚本、演出が実にきっちりしていて終始一貫しており、それを受けての役者陣もセリフの抑揚・強弱、身体表現等、バランスが良く、舞台上のストーリーを盛り上げていました。

 日本の、特に地元札幌の劇団の公演は、この十数年、確かに実力は付けてレベルアップしていますが、何かセリフに頼り過ぎ、原作者が演出を兼ねている場合は、独りよがりで観客不在の印象ですね。別の言い方をすると、「これはこういう意味です、分からなければ結構です」みたいな突き放すような姿勢を感じるのです。以前、韓国に札幌からの同行ツアーで一緒に行った時、向うの劇場・劇団の観客を喜ばせようとする意欲を強く感じました。それを受けてか、観客の方も、ひと時観劇することを楽しみに来ていることがありありと分かる、そんな場に舞台全体がなっているように思いました。

 今回のチェーホフ劇場、鏡が向こうの世界とこちら側を象徴し、木製の簡素な長椅子を自由に移動させての場の変化、動きも特に奇抜ではないのですが、その重厚さが作品に落ち着きをもたらし、何か昔観た演劇を思い出すようなオーソドックスな雰囲気を醸し出していました。退屈することなく引き込まれていく演出と役者の演技、札幌の演劇関係者も大いに学んで欲しいですね。とにかく、「独りよがり」からは早く脱却しなければ、多くの市民が劇場に足を運ぶことは難しいと思います。

 それでも以前に比べると、初めて芝居を見に来てる方が随分増えました、大変嬉しいことです。これも、若者の登竜門としての「札幌劇場祭(TGR)」が10年を経て、さらに冬・夏の「札幌演劇シーズン」へと繋がり、札幌・北海道のこの分野の裾のは大きく拡がってきていることは間違いありません。

 これからの更なる発展を期待したいです、関係者の皆さま、お疲れさま!

 これまでのTGRの関係文章――> http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?s=TGR

演劇「アイランド」、素晴らしい!

Posted by 秋山孝二
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 昨年度の札幌劇場祭で大賞を受賞(http://www.s-artstage.com/2014/tgr2014/news/2014/12/257/)した「アイランドー監獄島(http://artalert-sapporo.com/events/detail/497」公演が、今年も同じ時期に札幌で再演となりました。本当に素晴らしい芝居、テーマ、演出、役者、その他全てが力強く、観客に感動を与えるものでした。この札幌劇場祭では、9年間で初めての外国作品の受賞でした。字幕のハンディもものともせず、気迫のあるセリフ、演技、照明の素晴らしさ、総合劇術としての「演劇」をあらためて感じさせてくれました。

 実は私、昨年は観劇できなかったので、今年は大変楽しみにしていて、初日公演、交流会・ワークショップ、そして後日もう一回足を運び再びの熱い舞台を堪能しました。これまで観た多くの演劇の中でも、トップクラスに記憶に残るものでした。

昨年の札幌劇場祭大賞受賞作品です!

昨年の札幌劇場祭大賞受賞作品です!

演出のソ・ジヘさん、ウィンストン役のナム・ドンジンさん、ジョン役のチェ・ムインさんと記念撮影!

演出のソ・ジヘさん、ウィンストン役のナム・ドンジンさん、ジョン役のチェ・ムインさんと記念撮影!

 初日公演後は、関係者による交流会も催され、韓国劇場関係の重鎮ほかプロジェクト「アイランド」のカンパニー全員、札幌の演劇人も多数参加して大いに盛り上がりました。私も、演出家のソ・ジエさんほかと作品について意見交換が出来て大変楽しいひと時でした。

韓国からも演劇関係の重鎮の皆さまも

韓国からも演劇関係の重鎮の皆さまも

 2回目の観劇後には「アフタートーク」があり、そこで観客からの質問にも答えながら作品のサイドストーリーを聞くことができました。南アフリカの政治情勢そのものより、二人の関係性の変化、「倫理感」と「法律」、国家権力と民の力等、全世界時代を越えての普遍性を通してメッセージを発信したいとのお言葉も。実際、南アフリカに行って現地をスラム街で体感して、そこの子供たちに未来と希望を見つけたことも語っていらっしゃいました。

交流会・ワークショップも

交流会・ワークショップも

初日は演出のソ・ジヘさんのお誕生日!シアターZoo支配人の阿部さんと

初日は演出のソ・ジヘさんのお誕生日!シアターZoo支配人の阿部さんと

 この日は、演出のソ・ジヘさんのお誕生日、サプライズのケーキと皆さんでお祝いの歌も。とにかくパワフルな皆さんで、私も何か元気を貰った気がします、心から「アリガトウ!」と言いたいですね。

「TGR 2014」公開審査会!

Posted by 秋山孝二
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 「札幌劇場祭(TGR) 2014」は、今年も盛況で終了し、先日、公開審査会があり今年の大賞他が決まりました、9回目を経てすっかり定着した感があり、公開審査会でのやり取りも大変興味深かったです。演劇を取り巻く関係者ばかりでなく、地域として「演劇産業」としての厚みが増すことを期待したいです、私は足を運ぶことで応援するしかありませんが。

 これまでの「TGR」のコメントはこちら――> http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?s=TGR

今年も札幌劇場祭(TGR)が盛り上がる

今年も札幌劇場祭(TGR)が盛り上がる

 今年の受賞作品は下記の通りです。

* http://www.s-artstage.com/2014/tgr2014/news/2014/12/257/

 今年のTGR札幌劇場祭2014大賞には、韓国のプロジェクト・アイランド「アイランドー監獄島」が選ばれました。海外の団体が大賞を受賞するのははじめてです、いいことですね。私はこの公演のチケット予約をしていたのですがどうしても都合がつかず観ることができませんでした。ただ観劇した方々の評価が殊の外高く、特に二人の役者の演技力の凄さは、字幕のハンディを乗り越えるに余りあるものだったと。先日の公開審査会でも審査員の方々も一様に賞賛のコメントでした。劇場祭冒頭の2日間の公演にも関わらず、観客に与えて強烈な印象は、韓国・ソウルの劇団の底力とでも言えましょうか。

作品紹介~~~~~~~~~~~~~

南アフリカ共和国の劇作家A・フガードによって書かれたこの作品は、ケープタウン沖合いのロベン島の古い刑務所が舞台です。マンデラ元大統領をはじめ政治犯の強制収容所として使われたこの収容所でコンサートを準備することになった受刑者ジョンとウィストンの物語に、韓国の女性演出家が挑みます。

作・演出
原作/アソル・フガード
演出/ソ・ジヘ

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大賞には韓国・ソウルの劇団「アイランドー監獄島」!

大賞には韓国・ソウルの劇団「アイランドー監獄島」!

 熱気の会場の近く、札幌ファクトリー・アトリウムには巨大なクリスマスツリーが綺麗でした。いよいよ師走ですね。

近くの札幌ファクトリー・アトリウムで

近くの札幌ファクトリー・アトリウムで

「TGR 2014」、終盤へ

Posted by 秋山孝二
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 札幌の舞台芸術にすっかり定着した登竜門的イベント「札幌劇場祭:TGR(http://www.s-artstage.com/2014/about/」が、今年で10周年の節目となり、今、終盤を迎えています。演劇部門では、韓国の劇団を含めて今年34作品がエントリーしています。

 先日は、札幌座pitのイヨネスコ作品「禿(はげ)の女歌手」を観ました。なかなか難しいイヨネスコ作品に果敢にチャレンジして、予想通り容易な理解とはいきませんでしたが、札幌座の「椅子」、「瀕死の王さま」に続くイヨネスコ作品への挑戦は、拍手喝采です!終了後のトークショウは、英国演劇の周辺も含めて解説・補足して頂き、ロングランを支える幅広い観客層の厚みの違いも感じる等、さらに作品を楽しむことができました。

 こちらの劇評は興味深いです――> http://theatrearts.aict-iatc.jp/201411/2246/

札幌座pitによる「禿の女歌手」

札幌座pitによるイヨネスコ原作「禿の女歌手」

 まだまだ面白そうな芝居が続きます、12月2日には恒例の「公開審査会」が予定されていて、7人の審査員がどんな論評をされるのかも含めて楽しみです、もちろん私も出席します。

* 公開審査会2013 http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=18601

* 私が審査員の時 http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?s=%E6%9C%AD%E5%B9%8C%E5%

 「演劇のマチ・サッポロ」を目指して、演劇関係者、観客、それを支援する団体・企業等、一層のレベルアップも必要かと。11月の「札幌劇場祭」、冬・夏の「演劇シーズン」等の「装置」も整い、いよいよ楽しみな状況が創られてきています、これまでご尽力して頂いた多くの関係者の皆さまに感謝ですね。

演劇シーズン 2014 冬

Posted by 秋山孝二
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 札幌演劇シーズン 2014 冬(http://s-e-season.com/」もいよいよ終盤を迎えています。これまでにいろいろこの欄に書き留めてきました。

http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?s=%E6%BC%94%E5%8A%87%E3%82%B7%E3%83%BC%E3%82%BA%E3%83%B3

「西線11条のアリア(http://s-e-season.com/program/nishisen/index.html)」

会場受付で

会場受付で

■キャスト
木村洋次 佐藤健一 弦巻啓太 宮田圭子 林千賀子 山本菜穂 高子未来
川崎勇人(劇団東京乾電池) 彦素由幸(札幌ハムプロジェクト)
上田文雄(札幌市長) ※上田市長のご出演は2月15日(土)14:00開演の回となりました。

■スタッフ
照明プラン:熊倉英記(株式会社ステージアンサンブル)
照明オペレーター:矢口友理(株式会社ステージアンサンブル)
音響プラン:百瀬俊介(shusa) 舞台スタッフ:札幌座員
宣伝写真:高橋克己
制作:笠島麻衣、横山勝俊
ディレクター:斎藤 歩
プロデューサー:平田修二
 

開場前にはすでに長い列ができて、特に子供連れのご家族、中・高校生ほか、若いお客さんがこれまでの演劇公演に比べて多かったような気がします、嬉しいことですね。

教育文化会館小ホール、開場前からのお客さんの列

教育文化会館小ホール、開場前からのお客さんの列

 この公演、札幌ではこれまでシアターZooでしたが、今回は教育文化会館小ホール(http://www.kyobun.org/)です。当日配布のパンフに私も寄稿しています。

~~~~~~~~~~~ 配布パンフより

札幌で生まれ、18歳まで中央区南1西5で育った私にとって、「市電」は札幌の原風景です。4歳から高校卒業までの毎日、通学は定期券で、特に、「西線:ニッセン」の響きは、藻岩山麓の四季の景色とともに、いつでも心地よさを醸し出します。

20113月、札幌座(前TPS)が初めて「レパートリーシアター」と銘打って、1ヶ月のロングラン公演を行いました。「アンダンテ・カンタービレ」、「西線11条のアリア」、「秋のソナチネ」のオリジナル三作品上演。途中、11日に大震災があり、継続を危ぶまれましたが、「今回の三作品は、いずれも生きることの意味、死とどう向き合うかを描いたものであり、今、多くの方に観ていただきたい」との見識と勇気ある判断で、予定通り公演を続け大盛況でした。

日本全国では、演劇公演はじめ、殆どのイベントがキャンセルになり、札幌でも同様の傾向が見られました。そんな中この企画により、こういった状況であるがゆえに、芸術・文化の価値を再発見した気がします。足を運んだ動機として、「毎日、悲惨な光景のテレビ映像で気が滅入ってしまったので・・・」とおっしゃる方も多かったのです。

もう一つ、シアターZOOがこの年に10周年を迎えました。ロングラン千秋楽お祝いとともに、10周年のお祝いの会も同時に開催されました。札幌にこのような場としての「劇場」がうまれ、演劇人が演劇の仕事に専念できるように、まずはロングラン公演を形にしてみましょうと。そして、「演劇シーズン冬・夏」へと発展し、11月の登竜門としての「札幌劇場祭TGR」を含めて、これまで多くの方々のご尽力で、札幌・北海道に演劇の種がまかれ、芽が出て、今、「産業」としての基盤が創られつつある手応えを感じています。

生命、安全、衣食住の確保、さらにもうひとつ私たちが望むものは、芸術文化に触れる時間です、生きる意味を問い、時空を超えて限りある時間を共有する、私たちの大切な営みです。

札幌座として新しい体制でスタートし、次々とチャレンジが続きます。昨年11月の札幌劇場祭(TGR)参加作品「ロッスム万能ロボット会社」は、すがの公が原作をベースに新ジャンルに挑み、多くの客演を迎えて、それぞれの役者がこの舞台で可能性と新たなイメージに体当たり、私はTGRでもトップレベルの公演だったと信じています。

オレゴン・シェークスピア・フェスティバル(OSF)を越える「創造都市・さっぽろ」の中核として、今、演劇の存在感が着実に増している、そんな実感です。

~~~~~~~~~~~~~ コピー おわり

 

今回の公演はこれまでより広い舞台、目線もいつもよりも下からの観劇となりました。猛吹雪の迫力は今回が一番、雪の量も随分増したのでしょうね、ご飯の炊ける香りは広い分だけ拡散したかなと、少々残念ではありました。「死」に向き合う重たいテーマですが、これまでの公演の中で最も突き抜けた明るさというか、後味の良さを感じました、何が違うのでしょうか、後日ゆっくり聞いてみたいなと思います。

演劇シーズンは札幌市内で演劇のすそ野を広げる目的が第一、子供連れ、小・中・高校生の若いお客さまが多いのは本当に嬉しいし、きっと喜んで帰られたと思っています。

 

今回、サイト「ゲキカン(http://s-e-season.com/gekikan/nishisen.html」の劇評は実に新鮮で面白いです、多くの方々にアクセスして頂きたいですね。

「ロッスム万能ロボット会社」

Posted by 秋山孝二
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 札幌座第40回公演「ロッスム万能ロボット会社(http://www.h-paf.ne.jp/engeki/40_rossum.html」は、第一次世界大戦後、チェコの作家、カレル・チャペックが書いた歴史的予言作です。この作品から「ロボット」という言葉が世の中に生まれたそうです。

公演チラシ

公演チラシ

 公演のあった札幌市厚別区の「サンピアザ劇場」は、ひと時、たくさんのロボットで埋まった感じでした。公演終了後も、かなりのロボット像は展示され続けると聞いています。

サンピアザ劇場入り口はひと時ロボット回廊に!

サンピアザ劇場入り口はひと時ロボット回廊に!

舞台には120体を越えるロボットたち

舞台には120体を越えるロボットたち

 安くて万能の労働力として世界中で雇用されて、一方で働く必要が無くなった人間は徐々に退化し、ついには子供が一人も生まれない世の中になっていく・・・。そして、そのロボットたちが人間たちに反乱を起こす。 舞台上の100体を越えるロボットが意思を持ってくる場面では、本当に動いて見えるから不思議ですね。

 今の時代、そんな予言が的中していることを痛感します。すがの公さんが、原作をベースに新しいジャンルに挑む姿も素晴らしいです。多くの客演を迎えて、それぞれの役者が新しい可能性とイメージにチャレンジしている様子も今後が楽しみです。

 先日のTGR公開審査会では、あまり話題になりませんでしたが、私は今年のTGRでもトップレベルの公演だったと信じています、関係の皆さま、お疲れ様でした。

TGR 2013 公開審査会 !

Posted by 秋山孝二
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 「TGR 2013(http://s-artstage.com/2013/tgr2013/)」が、公開審査会で先日終了しました。私は昨年までの3年間、審査員として舞台の上にいて、今回、初めて客席で過ごしましたが、周りの満席の演劇関係者が殊のほか真剣な眼差しで公開審査のやり取りを見守っているのをあらためて感じました、それぞれの審査員の方々のコメントも大変興味深かったですね。

 TGRについてはこれまでもたくさん書いてきました(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?s=TGR)。

札幌劇場連絡会 藤村智子会長のご挨拶

札幌劇場連絡会 藤村智子会長のご挨拶

今年の審査員 7名による公開審査!

今年の審査員 7名による公開審査!

今年の新人賞ノミネート6作品

今年の新人賞ノミネート6作品

大賞ノミネート 5作品

大賞ノミネート 5作品

新人賞は、演劇集団遊罠坊「逢ノ国」 http://asobinnbou.jugem.jp/

今年の「新人賞」は遊罠坊(あそびんぼう)

「新人賞2013」は遊罠坊(あそびんぼう)

TGR大賞は 劇団千年王國「ローザ・ルクセンブルク」 http://sen-nen.org/

特別賞には企画賞として、コンカリーニョプロデュース「茶の間は血まみれ」 http://www.concarino.or.jp/2013/11/chanoma/

特別賞の演出賞としてyhs「四谷美談」 http://yhsweb.jp/

こちらの特別賞受賞団体には特別協賛のローソンより、ローソン特別賞として「Lチキ半年分」も。

 さらに今回は最終5作品には残らなかったものの審査員から高い評価を獲得した作品として劇団パーソンズ「私たちの賞味期限」に審査員奨励賞が贈られました、昨年の新人賞に続く受賞。 http://persons.xxxxxxxx.jp/

TGR大賞2013は千年王國「ローザ・ルクセンブルク」

「TGR大賞2013」は千年王國「ローザ・ルクセンブルク」

 札幌の秋は演劇「TGR」がすっかり定着しました、嬉しいことですね。今年、私自身は7つの公演しか観ることが出来ませんでしたが、いずれも力作・熱演でした。特に大賞受賞した「ローザ・ルクセンブルク」は、若い橋口幸絵さんが、歴史と真正面に向き合っての脚本・演出、それに役者・ダンサー・音楽の担い手が見事にコラボしての舞台で感動しましたね。正直言って、これまでの作風から、革命とか云々というよりも「情緒的」な芝居かなと予想していたので、想像を越える時代認識の表現に圧倒されました、嬉しかったです。このところの「いのちと向き合う」橋口さんの真摯な姿に敬意を表します。

 チェーホフ劇場「私の人生」はテーマが骨太で、余韻もあり、良かったと私は思います、それと、ノミネートにはなりませんでしたが、札幌座「ロッスム万能ロボット会社」も、すがの公さんの意欲的チャレンジと多様な役者の皆さんの登場、背景の120体を越えるロボットたち、それぞれに新しいジャンルへの挑戦が感じられてこれからが楽しみです、谷口健太郎さんの模索も期待しています。「茶の間は血まみれ」、「四谷美談」は、イトウワカナさん、南参さんの作風が確立していましたし、今回の審査会でも弦巻啓太さんの話題でいっぱいでしたが、自分の人生物語を提供した弦巻さんの勇気等、これまで以上に「劇場祭」としての大きな収穫を私は感じました。

 昨年までの3年間の審査員体験から、自分の演劇を観る視点が拡がり、深まった気がします。そして、一観客として「楽しむ」喜びも取戻し、「審査」よりも「鑑賞」の心地よさが幸せですね。関係者の皆さん、お疲れ様でした、そして、ありがとう!

チェーホフ劇場 2013 in Sapporo

Posted by 秋山孝二
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 今年も、「札幌劇場祭:TGR(http://s-artstage.com/2013/tgr2013/about/」の季節となり、海外からの劇団も熱演でした。

今年は韓国・インチョン、ロシア・サハリンからの劇団公演

今年は韓国・ソウル、ロシア・サハリンからの劇団公演

 外国からの劇団が札幌にいらっしゃった時は、公演後の至近距離での交流がいつも楽しいですね、サハリンのチェーホフ劇場の皆さんとも、交流会で盛り上がりました。

公演後の劇団のみなさんとの交流

公演後の劇団のみなさんとの交流

総支配人

総支配人

抜群の存在感

抜群の存在感

素晴らしい歌声、頭にはお土産の手拭いを巻いて
お土産のタオルを頭に巻いて

  言語が放つ雰囲気というのは私たちが受け取る印象として強いインパクトがあります。ロシア語は力があるというか、優美ではないけれど断定的に受けとめられるのは私だけでしょうか。役者の滑舌が良いのか、とにかく「力強さ」を感じます。

 今回の公演「私の人生」、主人公ミサイール・ボロズニェーフという若い男は、本当の自分の人生を探し求めて生きる姿を通して、メッセージを伝えてくれました。交流会でもお話が出ていましたが、舞台上のたくさんの本が、ある時は椅子になり、ある時は墓標になり、ある時は知識の象徴となり、重要なここというポイントで小道具に変化していく様も見事です。また、劇団として多様な世代の役者集団も作品に奥行きを創りますね、特に年配の女性と男性の役者の存在感、札幌には少ない価値かも知れません。

 自分に好きなジャンルと問われれば、私は今回のような芝居だと思いましたね。北海道からわずかの距離に、彼・彼女らが暮らしていることを知っただけでも、昨年6月の日本海航海ツアー(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=13241)同様に、大きな収穫でした。

「OSF 2013」 in アッシュランド(前)

Posted by 秋山孝二
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 Oregon Shakespeare Festival:OSF(オレゴン・シェークスピア・フェスティバル)http://www.osfashland.org/とまちづくりをテーマに、北海道演劇財団(http://www.h-paf.ne.jp/)関係者による調査・研究のツアーに参加してきました。

 米国オレゴン州アッシュランドは、札幌の姉妹都市ポートランド市の南460キロ、サンフランシスコとのほぼ中間点にある人口2万人のこじんまりした町ですが、この「OSF」で世界的にも有名です。1935年にアンガス・ボウマーによって始まった最も古く大きなプロフェッショナル劇場でのフェスティバルで、全米、外国から、毎年40万人の人々が訪れます。

オレゴン・シェークスピア・フェスティバル 2013

オレゴン・シェークスピア・フェスティバル 2013 10演目(2月~11月)

中心部の劇場群

中心部の劇場群

商工会議所・スタッテリー専務理事(左)とOSF・ギブス理事(右)

商工会議所・スタッテリー専務理事(左)とOSF・ギブス理事(右)

 今回、私たちは今札幌で続けている芸術・文化都市創造の一環で、「演劇によるまちづくり」の基盤等について、現場感覚を磨くことと、継続的にこれらを支えて来ている方々にインタビューを試みて、札幌におけるヒントを得たいという目的でした。

 今、札幌では、毎年11月の「札幌劇場祭:TGR(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=6621」、「演劇シーズン夏・冬(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=17643)」等、これまでの多くの方々の努力により、市民の暮らしの中に演劇が定着し始めてきています。これをさらに発展・進化させて、プロフェッショナルな役者、演出家、照明、衣装等も含めた「産業」としての基盤を創り上げたいとの夢を持ちながら、アッシュランドの方々からのお話を聞きました、大変貴重なお話の数々、これらを活かして今後の札幌での活動に繋げたいものです。

メンバーと記念写真

メンバーと記念写真

【追記:10月4日】 地元メディアに掲載されました。
http://www.ashlandchamber.com/News.asp?NewsID=921

2013 新春 「Zooサロン」、ほか

Posted by 秋山孝二
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 新春早々、演劇関係のイベント・フォーラムが目白押しです。

 まずは、「Zooサロン:http://www.h-paf.ne.jp/salon/index.html」。今年最初のサロンでは、盛りだくさんの表彰と「2012札幌劇場祭:http://www.s-artstage.com/2012/」において、「素麺」でTGR大賞受賞された劇団弘前劇場(http://www.hirogeki.co.jp/)代表の長谷川孝治さんも、超多忙の中、お越し頂きました。

札幌劇場祭2012大賞受賞の弘前劇場・長谷川孝治さん

札幌劇場祭2012大賞受賞の弘前劇場・長谷川孝治さん

 表彰も続きました。 「橋本久明賞」は、札幌座の発展にご尽力された故橋本久明元TPSくらぶ(現札幌座くらぶ)会長の功績を称え、2005年に創設された賞。前年に最も札幌座の活動に貢献した劇団員に贈られます。今年は昨年に続き、高子未来さんでした。

第8回橋本久明賞の高子未来さん

第8回橋本久明賞の高子未来さん

  「【Re:Z】大賞」は、シアターZoo提携公演【Re:Z】において、観客を魅了し、最も優れた舞台を創造した劇団・演劇人に贈られる賞。副賞は2013年札幌劇場祭参加権と賞金。今年は「WATER 33-39」でした。

【Re:Z】2012大賞受賞の「WATER 33-39」のカンパニー

【Re:Z】2012大賞受賞の「WATER 33-39」のカンパニー

  「らてるね賞(北海道演劇宣伝美術大賞)」は、演劇を下支えする宣伝美術の担い手を励まし、小さな灯り(ラテルネ、ランタン)で照らすささやかな個人賞。伏島信治さんが主宰しています。今年の大賞は長尾修治さん、優秀賞は温水沙知さん、小島達子さんでした。

らてるね賞優秀賞受賞の小島達子さん

らてるね賞優秀賞受賞の小島達子さん

  

 一方、「このひとと語ろう」シリーズの第三弾、(株)電通北海道(http://www.dentsu-hokkaido.jp/)社長の高堂理さん、劇団千年王國(http://sen-nen.org/)主宰の橋口幸絵さん、司会は北海道教育大学の閔鎭京さんでした。

第3回「この人と語ろう」 

第3回「この人と語ろう」 

 高堂社長の音楽・演劇への高い見識ほか、お三人の軽妙なトークは時の経つのも忘れるほど楽しいひと時でした。企業経営者と演劇人とのこのようなコラボレーション、少しずつ拡げていくと面白い展開が期待できますね。 第2回目は秋山財団で、恥ずかしながら私も登場しました(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=15265)。

 

 もう一つ、北海道教育大学特別公開講座「新国立劇場の現場より~舞踊チーフプロデューサー、研修主管として見た舞台芸術と劇場~」と題して、永田宣子(よしこ)さんのご講演がありました。新国立劇場(http://www.nntt.jac.go.jp/)で活躍する永田さんのお話、DVD映像は、バレエ舞台創りの魅力、舞踊鑑賞の楽しみ方、次世代芸術家育成について等、参加した方々に大変示唆に富むメッセージでした。

 新年早々、濃い演劇関連のイベントが続きました、これからも楽しな札幌・北海道の演劇です。

札幌劇場祭(TGR)の審査を終えて(5:最終)

Posted by 秋山孝二
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 審査会から5日経つのに、延々と芝居のセリフが頭を巡るから不思議です。

 特に、intro「モスクワ」の「わたし、ドブリニンスカヤ駅のマクドナルドに行く・・・・」のフレーズが繰り返します、リズムと響きが耳に心地よいのでしょうかね、すっかり通過点、通過点で、地下鉄に乗っていても降りそびれるくらいです!

ドブリニンスカヤの駅で

わたし、ドブリニンスカヤ駅のマクドナルドに行く

  「審査」の難しさについて、私は繰り返し言ってきました。たまたま先月、京都に行く用事があり、お寺の住職・寺前浄因さんのお話をお聴きしました(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=15178)。その中の自己紹介で彼が、当初入学した大学哲学科を退学した理由を、「大学では教授も学生も、『哲学する、探究する』ことというよりも『解釈を競う』ことに終始していたので」とおっしゃっていましたが、私には実によく理解できるのですね、その雰囲気が。

 私は、演劇の「審査」も、何か審査員の解釈・講評を競う場になっているような気がするのです。仮に審査員が創り手だとすれば、「自分だったらこうするけれど・・・」になるでしょうし、観る側だとすれば、「こう言った展開、演出だったら自分は好みだけれど・・・」みたいな感じ。いずれにしても作品製作に関わった側には余計な話、観劇した感想としてはそれぞれ価値があるのでしょうが、それが「評価」とか「審査」となると、とても私は僭越な感じが致します。一つの「尺度」程度に理解して頂ければ気が楽ですし、あまり一喜一憂して貰いたくないなと思います、本来芸術分野の価値は、「一人一人が感じる固有なもの」なのでしょうから。

 昨年でしたか、私が大通駅から続く「500m美術館」で展示を観ていたら、すぐ後ろにお母さんと15歳くらいの少し障がいをお持ちの息子さんの二人連れが歩いていました。「作品を観て思った通りを言ってごらんなさい」と、語りかけるお母さんの優しい言葉が印象的でした。

 この劇場祭(TGR)で、特にスタートラインについたばかりの将来の演劇人の皆さまには、一連の審査員の甘口、辛口のメッセージが、今後のモチベーション向上につながることを期待したいですね。

札幌劇場祭(TGR)の審査を終えて(4)

Posted by 秋山孝二
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 公開審査会後に、いろいろ知ったことがありました、「客演」、「ロングラン」の難しさもその一つです。

 今の北海道では、演劇関係者(役者・脚本家ほか)がプロフェッショナル(専業)として生活するのはなかなか難しい環境であり、生活の糧としての「仕事」をし続けながらの公演にならざるを得ません。当然そこには「職場の都合」があり、未成年の場合は夜の時間制限等社会的制約も順守しなければなりません。一つの劇団であれば、その約束を長年共有してきていますが、客演となると、稽古・公演の時間帯等がいつもとは違い、なかなか全員が揃う場の確保が難しい、ロングランでも同様で、まさに「芝居以前の環境整備」ができていない状況なのだと思います。

 今、札幌では、「演劇創造都市札幌プロジェクト:http://s-e-season.com/about-project/」を展開中で、私はその副代表の一人です。札幌劇場祭も終り頃の先月末に、「このひとと語ろう~札幌の演劇へのアプローチトーク②~」が、第二回目として秋山財団2階で開催されました。第一回は代表の荻谷忠男さん(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=14386)、来年1月17日の第三回は副代表の高堂理さんの予定です。

 今回は私と「劇団yhs:http://yhsweb.jp/」主宰・演出家の南参さんとのトーク、司会はNPO法人コンカリーニョ(http://www.concarino.or.jp/events/)理事長の斎藤ちずさんで、40名の皆さまがお集まりになりました、ありがとうございます。劇団yhsは今年で15周年の節目の年を迎えています。苦節15年(?)、一直線ではなかった様子を先日も南参さんから伺うことができました、また彼は私の中学校の後輩ということも知りました。

中央が南参さん、右が斎藤ちずさん

中央が南参さん、右が斎藤ちずさん

 このプロジェクトでは、札幌で、仕事として、演劇に従事する演劇人が100 人誕生することを目標としています。演劇にかかわる専門技術者は、俳優だけではありません。舞台美術、装置、音響照明、衣装、メイク、ヘアなどの技術者、広告宣伝、印刷やメディアの業界、劇作家や演出家、作曲家、演奏家、歌手、ダンサー、振付家、劇場に欠かせない飲食業、などなど、その波及範囲は極めて広いのです。演劇人が、仕事として継続的に演劇創造ができる街・札幌、そこに、多彩な技術と才能が集まります。その軸として、「札幌劇場祭(TGR)」と「さっぽろ演劇シーズン」がしっかり根付くことが大切であり、今年の審査会を終えて、今、その手応えを実感しているのは私一人ではないと思います。

 芝居のクオリティを上げることは勿論ですが、多彩な公演の場を支える、演劇にかかわる人々「演劇人」が仕事として暮らせる芸術・文化の香りの高いマチを創っていく、それが3・11以降の地域の大切な価値なのだと思いますね。

<参考>

代表     荻谷 忠男(北海道テレビ放送株式会社代表取締役会長)
副代表    秋山 孝二(秋山記念生命科学振興財団理事長)
       高堂 理(株式会社電通北海道代表取締役社長)

幹事   飯塚 優子(レッドベリースタジオ主宰)、碓井 雅博(株式会社電通北海道マーケティング・クリエーティブ局長)、尾崎  要(舞台監督)、斎藤 ちず(NPO法人コンカリーニョ理事長)、林 亮一 (北海道テレビ放送株式会社取締役報道情報担当)、三上 敦(株式会社ノヴェロプロジェクト推進室・プランナー)、右谷 誠(シアターZOO幹事)、閔(ミン)鎭(ジン)京(キョン)(北海道教育大学岩見沢校准教授)

事務局長    平田 修二(北海道演劇財団専務理事/プロデューサー)

■連絡先
北海道演劇財団 Tel:011-520-0710 Mail:office@h-paf.ne.jp
NPO 法人 コンカリーニョ Tel:011-615-4859 Mail:mail@concarino.or.jp

札幌劇場祭(TGR)の審査を終えて(3)

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5) 札幌座「ディヴィッド・コパフィールド」は、協働の場としての「札幌座」の4番目の公演でした。ディケンズの自伝的小説64章の原作を2時間の脚本にまとめ、21名の役者が登場して、150以上の登場人物をあのシアターZooの空間でこなす、まさに意欲的挑戦作品だと思いました。「どこまで削ぎ落とせるか、何を残すのか」、構成・演出の清水友陽さんの葛藤を垣間見る気がしました。コパフィールドの人生、山あり谷あり、多くの人々の出会いそれ自体が彼の人生の宝物なのでしょう。多くの客演の中で、特に亀井健さん、小林エレキさんが、これまでのTPS・札幌座になかったカラーを呼び込んでメリハリが出ていて、コラボレーションの面白さがまさに発揮された作品だと思いますね。

6) 一昨年からずっと感じていたことに、「人形劇」のジャンルの奥深さがあります。今年もこぐま座、やまびこ座でのそれぞれの劇団の公演は、皆、実に面白くメッセージも明確でした。子どもたちは勿論のこと、大人にとっても余韻の残る素晴らしい作品と演技で楽しめます。私も毎回のチラシを2人の子どもを持つ長男家族に渡して、近いうちに足を運ぶことを薦めていました。何と言っても、劇場、劇団の方々のお客さんに対する優しい眼差しが素晴らしいです。開演前の諸注意、休憩中には人形が客席に現れたり、そして、舞台では場面の転換も流れるような見せる場面として、とにかく劇場に居るお客さまに喜んで頂こうという姿勢から学ぶものは多いですね。

7) 今年は、公開審査会後の交流会で、多くの創り手の方々とお話をすることができました。それぞれ実に内容があり、創り手の伝えたかったことをあらためて知る機会となり、私的には嬉しかったです。ただ、一方で、お話をしてみて初めて「ああそうだったのか」と分かる時、「それはそう説明を受けないと分からないよ」と思う時も多く、たった一回の観劇では、なかなかその創り手たちの意図を捉えきれない自分もよく分かっているので、可能な限り「再演」を希望したいですね。一回だけではかなり見逃しているセリフ・場面もあったり、創り手にとってもその後の手直し、作品の進化としても価値ある場だと思うのですが。時々再演を観て、「かなり修正したでしょ」と製作者に言うと、「いえ、脚本は全く手直しをしていません」などと言われる場合もあったりしますので。

8) 7)にも関係しますが、それ故に、昨年から始まった「さっぽろ演劇シーズン:http://s-e-season.com/」企画は、再演を集めての1カ月ロングランであり、この劇場祭を踏まえてさらにすそ野を拡げる企画として期待したい所です。このTGRでの公開審査会での辛口審査が、次のこれらの企画で活かされてくると、北海道での演劇のすそ野は大きく拡がり続けるような気がします。観てお仕舞いの演劇鑑賞の「消費」ではなく、ともに創る「パートナー」としての観客に一段レベルアップすることと思います。

いずれにせよ、多くの方々の情熱と時間を費やして創られた一つ一つの芝居を、これ程濃密に鑑賞し前後に意見交換できる場を与えて頂いた劇場連絡会の皆さまに、心から感謝申し上げます、これからも劇場に足を運び続けますよ、「審査員」ではなく応援する「一観客」としてですね!

札幌劇場祭(TGR)の審査を終えて(2)

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 今年の劇場祭、結果は以下の通りで、詳細はこちら(http://www.s-artstage.com/2012/news/2012/12/536/)。

< TGR札幌劇場祭大賞2012 >
大賞 弘前劇場「素麺」(http://www.hirogeki.co.jp/
特別賞(作品賞) /intro「モスクワ」(http://intro-sapporo.com/
特別賞(脚本賞) /座・れら「不知火の燃ゆ」(http://hakouma.eux.jp/2012/06/shiranuino_moyu/
新人賞 /劇団パーソンズ「CRY WOLF!」(http://persons.xxxxxxxx.jp/

< 審査員奨励賞 >
人形劇なかま パラパラポナ「ルドルフとイッパイアッテナ」(https://www.sapporo-info.com/eventDetail.php?event_code=43264
赤星マサノリ×坂口修一 二人芝居「貧乏ネ申 -The Poor Zombies-」(http://blog.livedoor.jp/aka_saka/archives/4057024.html
劇団怪獣無法地帯「The Lady・Blues~彼女に何が起こったか~」(http://muz-web.com/

< オーディエンス賞 >
ホームラン王 /劇団千年王國「火盗人」(http://sen-nen.org/
首位打者 /人形劇集団チーム・パース「大どろぼうホッツェンプロッツ」(http://www.s-artstage.com/2012/tgr2012/profile/#yamabikoza

 審査員3年目、地域で演劇を支えるすそ野は、この3年間を見ただけでも大きな進化・深化を実感致します。2年前の感想はこちら(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=6707)。それにしても、「審査」の難しさは変わらず感じ続けましたね。個々の講評は、TGRのHPに譲るとして、今年のTGRの感想を2回に分けて書き留めます。

1) 昨年3・11を経て、今年のオリジナル脚本にはそれ以降の時代をにじませる雰囲気が漂っていました。創り手も観る側も、「3・11以降」をはっきり意識して生きている気がしましたね。大賞・特別賞2作品は、三つともに大震災・津波・原発事故の犠牲、及びその後の対応への批判的メッセージでしたが、昨年とは違って、新たな時代の始まりをしっかり引き受けて前に進んでいる姿も感じ取れました。

2) 弘前劇場は、以前から私の大変好きな劇団です。今年の公演、「素麺」はその中でもとりわけ素晴らしく、セリフ、間合い、照明、舞台装置等、完成度の高い作品でした。現実と真摯に向かい合う作者の姿勢、3・11以降を生きている者が「歴史を引き受ける」と力強いセリフ、一人一人の生きる「物語」が舞台の本棚からも感じられて、「生き直す」との新たな出発を感じ取りました。終了後はしばし立ち上がることができずに、その余韻に浸っていましたし、出口にいらっしゃった長谷川孝治さんに、「素晴らしい作品ですね」と、声をお掛けして帰りました、このような芝居をありがとう、と言ったお礼の気持でしたね。

3) introの「モスクワ」は、その題名からも魅力があり、どんな公演なのか興味津々でした。「わたし、ドブリニンスカヤ駅のマクドナルドに行く・・・・」、繰り返しのフレーズが私には少々耳障りでしたが、他の審査員は全くそんなことは無かったようです。「通り過ぎれば、そこは通過点」、この繰り返しも「分かったよ」と私の心の中ではそう呟いていましたが、ロシア語の文字を記号に、環状線をデザインとしてのサークルに、モスクワ、パリ、東京と、想像力は世界を駆け巡りました。そして、「1986」とそれ以降の世界、アントン・チェーホフ「三人姉妹」、映像の斬新さ、リズム感とスピード感、イトウワカナさんの「脱家族」、「個とコミュニティを見つめ直して境界を越えていく」心意気を感じました。前の若い女性が食べていたカップのスープみたいなもの、後で分かりましたが入り口で販売していたボルシチだったようです、ピロシキも売っていたと分かり、大変残念なことをしました。

4) 座・れら「不知火の燃ゆ」も衝撃的でした。戸塚直人さんの演出、水俣病を取り上げてはいますが、これは明らかに3・11原発事故を「放射能公害」と意識した作品。公開審査会後の交流会では戸塚さんともしばし歓談できて、その辺の意図を伺うことができました。役者の方々ともお話して、舞台で観る表情とは違った側面を垣間見た貴重なひと時でした。(次回につづく)

札幌劇場祭(TGR)の審査を終えて(1)

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 今年は、札幌劇場祭(TGR:http://www.s-artstage.com/2012/news/)の審査員3年目、最終年でしたが、昨日の公開審査会が終了して、私のこの間の任は終了しました。数回に分けて、今年の劇場祭を私なりにふり返ってみたいと思います。

 まずは、FBにも掲載しましたが、<お詫び&訂正>です。

 昨日の公開審査会について、詳細は後日書くつもりですが、私の受け持ちの「『新人賞候補』講評」で、事実と違うコメントをしたことが分かりました。劇場「BLOCH:http://www.bloch-web.net/で公演した劇団「遊罠坊(あそびんぼう):http://asobinbou.web.fc2.com/の講評の中で、当日事前の審査員会で出た意見として、「開演を15分も遅らせる行為」を劇団の判断と言及したのですが、直後の交流会で関係者から事実関係をお聞きした所、これは劇団の判断とは全く異なっていたことが明らかになりました。この件に関して、確認もせずに公開の場でネガティブなメッセージとして伝えたことを、関係者の皆さまに心からお詫び申し上げます。

 これまで、公開審査会での各審査員の発言の影響力は殊の外大きく、仮に誤解に基づいた発言が放置されると、思わぬ尾ひれがついて関係する方々にご迷惑をお掛けします。特に「新人賞」については、若いこれからの劇団ばかりであり、期待を込めての「辛口コメント」のつもりでしたので、なおさらのことと心を痛めています、申し訳ありませんでした。

 3年目の審査員として、まずは「お詫び」からのご報告でした。

北海道の演劇、過去から未来へ

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 今年も札幌で始まりました、「さっぽろアートステージ2012:http://www.s-artstage.com/2012/」、そしてその舞台芸術部門の「さっぽろ劇場祭:シアター・ゴー・ラウンド:TGR(http://www.s-artstage.com/2012/tgr2012/)」も盛況です。

 これまで以上に、今年の11月は盛りだくさんです。中島公園の北海道文学館(http://www.h-bungaku.or.jp/)では、特別展示「戦後の北海道の演劇:http://www.h-bungaku.or.jp/」で、多彩なトーク等も12月中旬まで予定されています。

特別展示「戦後の北海道の演劇」

特別展示「戦後の北海道の演劇」

(公財)北海道演劇財団 平田修二専務理事のトークタイム

(公財)北海道演劇財団 平田修二専務理事のトークタイム

 「さっぽろ劇場祭」では、私は今年3年目の審査員です。11月最初から12月1日まで、エントリー作品を12月2日の公開審査会までに札幌市内9劇場で観劇し、今年の「大賞」、「特別賞」、「新人賞」を決めます。公演日時が限定されているので、多い時は一日3つの芝居を渡り歩いて観る時。まさに来る日も来る日も幅広いジャンルの「演劇」鑑賞です。昨日現在、折り返し点間近といった感じでしょうか、熱演が続いていますし、この所は「人形劇」のジャンルが格段に進化しているような気がします。

中島公園から藻岩山を

中島公園から藻岩山を

 気がついてみると、中島公園もすっかり秋の気配、この写真は1週間程前ですから、今日あたりはもう葉っぱもすっかり落ちているかもしれません。色とりどりの紅葉、それぞれのシーズンの収穫期とでも言うのか、2年前にも書きましたが(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=6454)、私は「秋」が最も好きな季節です。

「ことほぐ」、「不知火の燃ゆ」

Posted by 秋山孝二
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 北海道の演劇は、この数年盛り上がりを見せ、熱くなってきています。 意欲的な「intro:http://intro-sapporo.com/」による「ことほぐ:http://stage.corich.jp/stage_detail.php?stage_main_id=26522」公演が、琴似のコンカリーニョ(http://www.concarino.or.jp/npo/)で開催されました。

360度に観客

360度に観客、開演30分前にはすでに着席する方々

 この公演への意気込みと題してHPに掲載されています~~~~~~~~~~~~~~

 「ことほぐ」は、北海道舞台塾2012シアターラボにて、渡辺源四郎商店・畑澤聖悟氏をドラマドクターに迎え製作された「言祝ぎ」の姉妹作品となります。「言祝ぎ」は、祝いたいのに祝えないひとたちを描いた3人芝居でしたが、ええいもう祝ってしまえ!と、タイトルは動詞に変更し、人数も増やし、少し違う角度から、違う面から「祝うこと」について向かいます。・・・・・また、「ことほぐ」はこれまで取り組んできたintroの演劇方法にさらに磨きをかけ、言葉の持つちからと我ままな身体についての考察を深め実践し、さらなるintroグルーヴで劇場を巻き込むつもりです。毎公演がintroの集大成、という言葉は裏切りません。進展しつづけるintroにご期待ください。」 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 芝居は、妊婦が3人。“妊娠”という世間的にはおめでたいはずの出来事と、これからの生活への不安を抱えながら日々を過ごす人々を描くコメディ作品。彼らは、「希望と絶望をない交ぜにした、intro流祝福劇」と宣言しています。、ブログ(http://introsapporo.blog.fc2.com/)も面白い、「CoRich舞台芸術まつり!2012:http://stage.corich.jp/festival2012/grand_prix.php」の審査員の方々の劇評、札幌公演の観客のコメントは、特に。観てから一ヵ月が経つのに、反すうしながら楽しめる、まるで牛のようです。イトウワカナの引き続きの進化に期待しながら、盆踊りで8月の北海道の夏を思い出しました、9月の東京公演も頑張って下さい!

 

 一方、「座・れら」の第6回公演 「不知火の燃ゆ:http://hakouma.eux.jp/2012/06/shiranuino_moyu/が、やまびこ座(http://www.syaa.jp/sisetu/gekijou/shisetu_y.html)で開催。多様に変化する舞台正面の水俣湾が印象的でした。

水俣湾の「不知火」の燃ゆ

舞台に現れた「水俣湾の不知火の燃ゆ」

 こちらは、「水俣病」を取り上げたずっしり重いお芝居。チラシから~~~~1956年5月、水俣病「公式」発見、以来50年以上経た今もなお、被害者は救済されず問題は未解決のまま。日本が追い求めた “豊かさ” とともに生まれた病。そこで起きたことは、ここで起こっていることと、何もかわらない。不知火の火影浮かぶ八代海に生きる家族の、昭和31年、夏の終りの物語

作: 鷲津環 演出: 戸塚直人
出演: 竹江維子、澤口謙、前田透、信山E紘希、玉置陽香(劇団しろちゃん)、小山由美子、フクダトモコ、西野輝明

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 「座・れら」は、一昨年の劇場祭(http://www.s-artstage.com/2010/category/tgr/)で「空の記憶」、昨年の劇場祭で「トランス」と、ともに重たいテーマをしっかり演出・上演していて、毎回私にとっては心に強く残る作品です。竹江維子、澤口謙は、もちろんですが、特に、信山E紘希、玉置陽香、前田透が魅力的です、人を引き付けるって、何なのでしょうね。

 今回のテーマは「水俣病」です、しかし実は「2011・3・11」以降の日本そのものでもあります。政府・企業・政治家は、「日本は、水俣病ほかの公害を乗り越えた」と簡単に口にしますが、実は何も解決していない、今、この芝居が上演される価値、それは日常における時代を経ても変わらぬ不条理であり、いのちの連鎖を断ち切る身近な世間の実像のような気がします。直接的な言葉で語るのではなく、瞬間の動作、少しの沈黙等、心の動揺が、不安、恐怖、逃避等のメッセージとして伝わる面白さでした。

 もう一つ、HPに「以来50年以上経た今もなお、被害者は救済されず問題は未解決のまま。」とありましたが、「良子」の妹の「水俣病患者:千恵子(フクダトモコ)」が、役者の顔を見せずとうとう最後まで「千恵子」だったこと、「未解決のまま」を最後の最後まで強烈に印象づける演出、芝居というのはすごいです、ね。

 今回、偶然にも、二つの芝居は季節が8月、新しく宿った命がキーになる舞台でもあり、今の世相を反映し、意識しての作品と私は理解して、一層味わいの深いものになりました。

演劇創造の担い手たち

Posted by 秋山孝二
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 演劇を愛する人たちの「サロンの会・例会」が、劇団千年王國(http://sen-nen.org/index.htm)の稽古場でありました。今年の札幌劇場祭(TGR2011:http://www.s-artstage.com/2011/about/)で大賞・特別賞を受賞された劇団・脚本・演出の方々をゲストでお招きし、製作の苦労話ほか、公演にまつわるこぼれ話を聴くことができました(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=11060)。

・札幌劇場祭 大賞 劇団千年王國 「狼王ロボ」
・札幌劇場祭 特別賞 [演出賞] intro 「蒸発」
・札幌劇場祭 特別賞 [作品賞] 弘前劇場 「海辺の日々」

・札幌劇場祭 新人賞 劇団アトリエ 「もういちど」

・札幌劇場祭 オーディエンス賞  ※星5つ満点の観客アンケートによる賞
  リーディングヒッター賞(☆の平均) 劇団千年王國 「狼王ロボ」
  ホームラン王賞(獲得した☆の総数) 劇団千年王國 「狼王ロボ」

劇団千年王国の橋口幸絵さん(右)と民俗楽器奏者の福井岳郎さん(左)

劇団千年王國の脚本・演出・橋口幸絵さん(右)と民俗楽器奏者の福井岳郎さん(左)

introの脚本・イトウワカナさんほか

introの脚本・イトウワカナさん(右)、役者・菜摘あかねさん(左)

劇団弘前劇場

劇団弘前劇場の照明・中村昭一郎さん

新人賞:劇団アトリエの役者・小山佳祐さん(右)と役者・柴田知佳さん

劇団アトリエの役者・小山佳祐さん(右)と役者・柴田知佳さん(左)

 今年の作品を振り返り、舞台とは違った魅力も感じて楽しいひと時でした。役者の皆さんの表情が実に綺麗ですね、目が輝いているというか、普段仕事でお会いする方々が曇っているという訳ではないのですが、発散するエネルギーみたいなものをそばにいて感じます。特に、今年は製作に関わった全ての皆さんが、3・11をどう受け止めるか、その後どう表現活動を行うべきか等、災害と真正面に向き合おうとする姿勢が印象的でした。

 先日の会では、目の肥えた参加者の方々から次々と質問もあり、内容の濃いサロンの会でした。写真の背景の壁に貼られている年表とオオカミのスケッチは、「狼王ロボ」の稽古にあたって、オオカミの歴史等についての調査研究の跡でしょうね、観終わった後に稽古場を訪れると、また作品の完成までのプロセスも思い起こされて感動もひと際です。

 来年1月から2月に、「札幌演劇シーズン~100人の演劇人が活躍する街をめざして:http://s-e-season.com/about-project/」もいよいよ開催されますし、演劇創造の新しい担い手たちを応援する意味でも、出来るだけ多く劇場に足を運びたいものです。今年、演劇にかかわった全ての方々に感謝です、ありがとう!!!

環境4団体、北大と連携協定

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 先日、北海道大学大学院「環境科学院:http://www.ees.hokudai.ac.jp/」、道が出資する「北海道環境財団:http://www.heco-spc.or.jp/」、民間のNPO法人「北海道市民環境ネットワーク(きたネット):http://www.kitanet.org/」、札幌市の「市環境プラザ:http://www.kankyo.sl-plaza.jp/」、国の「環境省北海道環境パートナーシップオフィス(EPO北海道):http://www.epohok.jp/」との間で、「連携・協力に関する基本合意書調印式」が行われました。
 4年前から、環境4団体で、「環境中間支援会議・北海道(環境☆ナビ北海道):http://enavi-hokkaido.net/」というプラットホームを構築してきました(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=3137)。この設立は、実は簡単なように見えて全国的には極めて稀な試みであり、大変高く評価されています。
 環境をテーマに活動する方々にとって、行政の縦割り組織の窓口は使い勝手が悪く、それぞれの強みが十分生かされないままこれまで来ていましたが、各団体の皆さんの努力により、また、民間の中間支援NPOが介在することにより、「環境中間支援」機能として活動を始めました。そこに、今回のアカデミックセクター・北海道大学との連携・協力が付加されました。勿論、今後他の大学との連携にも期待したいですし、そうなれば北海道での環境活動に一層弾みがつくと思いますね。
 ところで、先日の調印式ですが、各団体の長が勢ぞろいで少々緊張感の漂う会場の雰囲気でした。5人のサインも滞りなく終了して、いよいよ写真撮影へと展開しようとしたその時、後ろの横断幕が何と「落下」したのです。一瞬会場の皆さんが驚いたのですが、北大のお二人の先生は落ち着いた様子でテープで貼り直し、私も真ん中に居たので靴を脱いで椅子の上でお手伝い、無事修復を終えると、「提携調印後、最初の協働作業でした!」と、どなたかの宣言です!、よく結婚式での「ウエディングケーキ入刀」で言うではないですか、まさにそのノリでしたから場内爆笑でした。
 北大・環境科学院の皆さまの心にくい「演出」でしたね(?!)
 それにしても、あの絶妙のタイミングで横断幕を敢えて落とす(?)サプライズを盛り込んだ手の込んだシナリオ、来年の「さっぽろ劇場祭:TGR」に是非参加して頂きたいですよね、恐れ入りました!

さっぽろ劇場祭(TGR)2011、終了!

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 さっぽろ劇場祭(TGR)2011(http://www.s-artstage.com/2011/tgr2011/)が、4日の公開審査会で終了しました、詳細はこちら(http://www.s-artstage.com/2011/news/2011/12/606/http://hakouma.eux.jp/2011/12/tgr2011_taisho/)。U-streamでライブ映像もアップされていたようですし、twitterでもたくさんつぶやかれていました。

 私は昨年(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=6621)に引き続きの審査員として、一ヵ月間に32本の参加作品の観劇、昨日の公開審査会では7人の審査員が分担し、32本全作品の講評を行いました。今年こそは一作品1分間の持ち時間でと意気込んで臨みましたが、私は最初の4分間の持ち時間で6分32秒もしゃべってしまいました、作品の評価を端的に表現するのは本当に難しいものですね。

【2011年度 札幌劇場祭 受賞作品】~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

・札幌劇場祭 大賞 劇団千年王國 「狼王ロボ」
・札幌劇場祭 特別賞 [演出賞] intro 「蒸発」
・札幌劇場祭 特別賞 [作品賞] 弘前劇場 「海辺の日々」

・札幌劇場祭 新人賞 劇団アトリエ 「もういちど」

・札幌劇場祭 オーディエンス賞  ※星5つ満点の観客アンケートによる賞
  リーディングヒッター賞(☆の平均) 劇団千年王國 「狼王ロボ」
  ホームラン王賞(獲得した☆の総数) 劇団千年王國 「狼王ロボ」

・札幌劇場祭 審査員奨励賞 yhs 「忘れたいのに思い出せない」
・札幌劇場祭 審査員奨励賞 AND 「ばらひまわり」
・札幌劇場祭 審査員奨励賞 座・れら 「トランス」

・フライヤーコンテスト 優勝
  ミュージカルユニット もえぎ色 「Teardrop」 (同数 1位)
  きりがたりシアター 「ジャックと豆の木」 (同数 1位)

[各賞についてのメモ]
大賞・特別賞は、TPS / 人形劇団ぽっけ&ばおばぶ&ボクラ を加えた最終候補 5作品からの公開審査。新人賞は結成3年以内の団体が対象です。オーディエンス賞は今年度はじめて実施されたもの。フライヤーコンテストはTGRのキックオフイベント(11/5,6)にて実施されたものです。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 個々の講評は、後日こちらにアップされると思います(http://www.s-artstage.com/2011/news/2011/12/606/)。3・11の大震災を経て、芸術・文化のエネルギーを一層感じた今年の劇場祭でした。演劇関係に携わっている全ての方々に感謝するとともに、これからの活躍を大いに期待しています!そして、プロとして生活出来るためにも、多くの市民に劇場に足を運んで頂くことをお願いしたいです!