日経BP社創立40周年記念シンポジウムが東京で開催されました。http://corporate.nikkeibp.co.jp/40th/
テーマは「日本を救うイノベーションの力」で、鈴木敏文氏、倉重英樹氏他が、大変示唆に富むお話をされました。経営者の話は実体験に基づき、大変分かりやすいですね。ある種当り前の言葉の中に、きらりと輝くフレーズが隠れていて、同じ場を共有出来て良かったと思う場合が多いです。以下、記憶に残る言葉を幾つか。
セブン&アイ・ホールディングス 代表取締役会長 最高経営責任者(CEO) 鈴木敏文 氏
変化の激しい顧客のニーズ、マーケットの動きを、実に正確な現状把握をされていました。動きをタイムリーに捉える体制と、その情報が鈴木会長に日々届いているという社内の情報共有に感動します。
* 2000年頃から「消費飽和」の進行、値下げしても価値がなければ売れない状態、そして今は、「購買意欲を刺激しなければ売れない」時代
* 「変化への対応」は、時間を掛けていては意味がない、2か月程度で対応策を仕上げて実施すべき
* ファミリーレストランの厳しさは、「ファミリーの崩壊」による所が最大の理由、一人・二人ブースの大幅増へ
* 消費は極めて心理的:「現金キャッシュバックセール」――今は、価格に対する信頼を失っている。「2割引」、「3割引」の表示は誰も信頼していない。「現金で返す」手ごたえ、お客さんが「ありがとうございます」とおっしゃる。「55品目下取りセール」――「捨てる」のではなく、「下取り」して換金する、等大盛況だったイベント
* ネットビジネスの伸びを踏まえた、リアル店舗とネットとの融合
* 消費パターンの変化が進行: 「変化への対応」と「基本の徹底」、それがイノベーションの力
シグマクシス 代表取締役CEO 倉重英樹 氏
IBM時代に、当時私が社長をしている札幌の会社にも訪問して頂きました。その時の情報に対する見識の高さは、今でも忘れる事が出来ません。その後、コンサルティング会社の経営幹部、そして起業と、そのたびに幅を一層広げて厚みを増したような気がします。新しい時代の企業における人的資源の重要性を良く認識されている印象を持ちました。
* スピードを上げる事は企業競争力を高める事だったが、人間をハムスター化する。人生のスピードにプレーキを掛ける必要
* イノベーションとは「多様性のシナジー効果」、企業の成長を個人の幸せにつなげる時代
* 規模の経済性・効率性追求の時代は、画一性マネジメントが機能する
* 協働の経済性・創造性追及の時代は、多様性マネジメントが機能する :価値の大転換
* ワークスタイルの変革は、従来は「スタンダード」&「ネゴシエーション」――組織人、最近は「プロフェッショナル」&「コラボレーション」――自立人、自律人
* 21世紀は「ひと」の時代――イノベーション、リーダーシップ、ライフワークバランス、コラボレーション等、みな「ひと」に絡む課題ばかり
* 能力とモチベーションにおいて、「楽しさ」は全ての源泉