医療経済研究機構(http://www.ihep.jp/)による第16回シンポジウム「経済成長と医療を考える」が開催されました。
○ 基調講演: 『医療政策の難しさを考える~中医協委員としての経験から~』
伊東 光晴 氏 (医療経済研究機構 所長)
○ パネルディスカッション
コーディネーター:南 砂 氏 (読売新聞東京本社 編集委員:http://www.odh.or.jp/minami/minamisuna.html)
パネリスト:河北 博文 氏 (河北総合病院 理事長:http://kawakita.or.jp/honin/rijichou.html)
島崎 謙治 氏 (政策研究大学院大学 教授:http://www.grips.ac.jp/jp/files/shimazaki_kenji.html)
邊見 公雄 氏 (全国自治体病院協議会 会長:http://www.jmha.or.jp/outline/outline01.html)
今回のこのフォーラム、さらなる経済成長を見込むことが難しい現状の中で、国民皆保険を堅持しつつ、量・質ともに十分な医療を提供し続けるためには、どのような改革が必要か、医療提供側と医療を享受する側から議論を深めることが目的でした。
更に、2010年6月18日に閣議決定された菅政権の「新成長戦略:http://www.kantei.go.jp/jp/sinseichousenryaku/sinseichou01.pdf」、その中で「強みを活かす成長分野:(2)ライフ・イノベーション」で、医療自体が経済をけん引するという発想をどう考えるか、「混合診療の拡大」、「メディカルツーリズムの推進」等をどう受け止めるか。
最後に、「国民皆保険制度の将来像」についてもパネリストは展望されていました。
「医療」自体が日本の経済成長を「けん引」する力があるかどうかについて、経済成長は枠の拡がりをもたらす必要があり、社会保障・医療は所得の再分配であり、皆さん少々懐疑的ではありましたが、「医療」、「教育」が日本の基幹事業であることに認識の違いはありませんでした。そしてこの10年程は、どちらもまともな議論も無く推移していることに、大変な危機感をにじませています。私自身、教育基本法の改訂では、今の政治家たちの見識の無さに憤りを感じました。
久しぶりに河北先生とお会いしましたが、相変わらずの論客ぶりでした。想い出します、20数年前に、河北先生を含む東京の病院経営者の皆さんと、当時の「JCAHO:現在はJoint Commission(http://www.jointcommission.org/)」はじめシカゴ大学病院管理学講座、ServiceMaster社(http://www.servicemaster.com/)他、アメリカの医療現場を訪問しました。突っ込んだ意見交換のやり取りは、今でも忘れられません。