6日広島、9日長崎での原爆慰霊祭は、今年は殊のほかメディアの注目度も高かったような気がします。昨年、私は広島・長崎に行ってきましたhttp://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=1602。
潘国連事務総長はじめ、アメリカ合衆国のルース駐日大使、フランス・イギリスの大使も初めて参加し、「核なき世界」に向けた新たな時代の到来を感じました。昨年4月にチェコ・プラハで、オバマ大統領が「核廃絶」に向けた歴史的演説(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=1100)を行い、その2ヶ月後に私自身、演説が行われたプラハ・フラッチャニ広場周辺に立っていました。子供連れでその場に参加された地元の方は、オバマ大統領の勇気に感動したと語っていました。その後の報道では、「そうは言っても難しい」等のコメントも散見され、相変わらず志の低い日本国内メディアの論調と従来型のコメンテイター群です。
式典での菅総理大臣とそれぞれの市長のメッセージに、かなりの落差があったのも印象的でした。国際社会の大きな変動の中、この時期に記者会見で「引き続き核の傘の下」をことさら明言する日本のリーダーのセンスに失望します。現実的実践は勿論一歩一歩の交渉であるのは間違いありませんが、この時代の変わり目のこの日にこそ、これからの日本の目指すべき理想をしっかり国際社会に発信する責務があると思います。今言わずして、一体いつ語るのか!
各国政府代表ばかりではなく、米国人作家のチャールズ・ペレグリーノ(http://www.charlespellegrino.com/)氏も、9日の長崎の平和祈念式典に参列したようです。原爆投下をめぐる著作「ザ・ラスト・トレイン・フロム・ヒロシマ」を1月に出版しましたが、虚偽証言が含まれていたため出版停止になったそうですね。「大きなミスを犯した」と釈明したうえで、「新たに聞いた被爆者の話を加え、書き直した」と再出版への意欲を示してもいるようです。
この所、テレビではNHK各局を中心に、二重被爆者、被爆者二世等の活動も例年になく報道されています。若い世代の「受け継いでいく責任」等、以前は被爆体験者の高齢化とかネガティブな話に終始していましたが、ここでも時代の変化を感じ取れます。
そう言えば、先日、NHKテレビ番組で、「核兵器不拡散条約:NPT(Nuclear Non-Proliferation Treaty)http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/kaku/npt/gaiyo.html」について分かりやすく解説していました。相変わらず説明では、兵器の場合の「核」と、エネルギーの「原子力」を意図的に分けていましたが、国際社会的にはいずれも「Nuclear開発」です。日本も国際社会的には十分「核の原材料保有国」となります。
日米安全保障条約改定に絡む「密約」も明らかになった今、時間をかけてアメリカと軍事同盟だけでなく、本来の日米関係の今後を議論する「場」の設定を創設したいですね。それにしても、過去の歴史的資料もメディア報道も、ことごとくアメリカからの情報をきっかけとして明らかになっている現状は、到底自主自立の先進国とは思えません。
毎年、「戦争」を深く考えさせられる夏ですが、今年もまた重い8月です。
7 月 3rd, 2011 at 8:41 AM
[...] 私にとっての「放射能」認識は、広島・長崎への原爆投下が最初でした。この数年、時間を見つけて両都市を訪問し(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=1602)、(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=5199)、そこに至る歴史も再認識しながら反戦・平和の誓いもあらたにしています。そして 今年4月に掲載したように(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=8116)、実際に自分の身に降りかかる「放射能の怖さ」を意識したのは、第五福竜丸事件でした。 [...]
4 月 21st, 2016 at 10:50 PM
[...] * 核なき世界についてはこちら――> http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=5199 [...]