NHK『テレビはどう伝えたか?!激動の世界』、マスメディアの振り返り番組は興味深い内容でした。
1989年6月の天安門事件、1989年11月のベルリンの壁の崩壊、1991年湾岸戦争、2001年同時多発テロ、2003年イラク戦争など、テレビがこれまで伝えてきた世界の激動の出来事は、どのようにして取材されたのか? 最前線に立っていたNHK記者を交えながらの振り返り番組、コメンテーターの方々のツッコミも大変面白かったですね。
司会はNHKの小野文恵さん、出演のコメンテーターは神田伯山さん、,横沢夏子さん、パトリック・ハーランさん、当時最前線で取材をしていたNHK記者の小林和男さん,二村伸さん,加藤青延さんの振り返りコメントも大変含蓄がありました、皆さん、ご自身の当時の報告に大いなる反省を込めていましたので。最前線ゆえに後から冷静に検証すると間違っていた認識もあることなど、報道の難しさも知ることができました。
その一例、湾岸戦争での場合、各国の取材班を連れていった米軍が見せた石油まみれの海鳥の映像は、世界の人々に強く印象付けましたが、実はこれは敵の攻撃によるものではないと後日明らかになりました、大変な誤報を結果的に世界にまき散らしたことになります、プロパガンダのトリックです。
ことほど左様に、戦争、反政府デモ等の報道では、しばしばプロパガンダと思われるメッセージが流れます。私たちは、今のSNS時代に、特に瞬時に拡散する手法を手に入れて、その中から真実は何かを常に問い続けるメディアリテラシーを磨く必要があるのでしょうね。最近のロシアによるウクライナ侵攻、新型コロナ禍の報道でも、フェイクとリアルの検証は益々難しくなってくる時代を生きるスキルを身に着けなればと、あらためて痛感した番組でした。