公法協ウェッブ版に寄稿!

Posted By 秋山孝二
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 今年も「公法協ウェッブ版コラム」に寄稿しました、3年連続です。

< これまでの寄稿 >

* 2018年 http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=33924

* 2019年 http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=36280

 今年の寄稿は、(公財)北海道演劇財団から、コロナ禍の演劇公演を考察しました。

<参考> (公財)北海道演劇財団 (http://www.h-paf.ne.jp/
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公益法人協会メール通信 No.248(2020.08.14)
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今月のコラム「公益としての『演劇』振興 ― 今、ここ札幌で」
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◎公益としての『演劇』振興 ― 今、ここ札幌で
公益財団法人 秋山記念生命科学振興財団
理事長 秋山孝二
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 北海道で、私は幾つかの財団活動に関わっており、今回、設立から携わり副理事長、つい今年6月まで6年間理事長を務めた(公財)北海道演劇財団のコロナ禍におけるこの間の取組みをご紹介致します。
 北海道において、「民間・公益活動」として「演劇」が認められ、芝居自体の質・量はもとより、各劇場に足を運ぶ観客の層・拡がりが、以前よりもはるかにレベルアップしています。そして、「産業としての演劇」、言い換えるならば演劇で飯を食える基盤づくり、演目等に裏付けられた「雇用」が地域に根付く、そんな街づくりの理想を私たちは求めてきました。
 その装置として、例えば毎年11月の「札幌劇場祭」は、新作ほか外国からの招待公演の場、若い演劇人の登竜門的な場として賑わいが定着し、「札幌演劇シーズン夏・冬」は、再演を軸とした人気の演目で初めて劇場に来る方を含めて来場者を増やしています。私は、ここまで演劇一筋に情熱を燃やしてきた多くの役者、照明等の舞台関係者、脚本家、演出家等、劇場関係者を思い浮かべ、少しでもその労に報いたい一心で20数年全力を尽くして参りました。
 2月下旬、演劇「虹と雪、慟哭のカッコウ ~SAPPORO’72」公演が市施設で予定されており、予防策を入念に準備して初日を迎えました。6公演を積み重ねた時、さらなる対応強化策を示して公演を継続、入場前に全てのお客さまの手指アルコール消毒を徹底し、公演冒頭にセットのナースステーションから「予防の手洗いの詳細手順説明」も行い、お客さまから拍手も頂いたりしました。しかし、数日後夕方、鈴木知事による「週末外出自粛要請」発表があり、公演終了後に、以後千秋楽前の3回の公演中止を決断しました。決定直後、出演者・関係者全員が舞台に集合して、私も同席し芸術監督の斎藤歩から中止の決定とその経緯を説明しました。
 ここまで10公演を終えて、日に日に作品の評価も高まり、このような状況の中、予約のキャンセルは若干有ったものの公演毎に当日券もかなりの枚数に上っていましたので、胸の張り裂けるような気持、まさに苦渋の選択で、昨年末から稽古を重ねてきたユニット関係者の忸怩たる思いは察するに余りあるものでした。私は、公演の継続等は、個々の事情による関係者の判断が一番重要で、政府・自治体が上から言う話ではなく、続ける社会的使命があると確信していました。
 公演をめぐっての一連の判断を今振り返ってみて、私は、民間財団理事長として目指す「公益としての『演劇』振興」と真摯に向き合った数週間、「自粛」「自粛」の同調圧力の中、“今”“ここ札幌”で公演を続ける責任をギリギリまで追求してきたことに誇りを持っています。そして、7月中旬から、ポスト・コロナ時代の新しい公演スタイルで劇場は再開しています。
 感染症の歴史は、差別の歴史、もう克服したと思っていた感染症との闘い、芸術・文化の価値とどう折り合いをつけていくのか、ポスト・コロナ時代の当事者のあり様は、簡単に中止ではなく可能な限りの予防策を練っての継続を目指すことこそ、これからの新しい姿です。演劇は、異なる価値観を理解するのに強い力を発揮し、人々に希望・活力を与えます。その意味でも今こそ演劇の力、地域・民間・自立財団の力が必要とされているのだと私は信じています。

■■(公法協NEWS)

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