NHKの水野倫之解説委員が、夕方のNHK総合番組で解説した、「原発処理水環境放出提案 広がる反発」(https://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/300/417922.html)。2011年3月11日の東日本大震災、その後の福島第一原発爆発事故の時、熊本地震の時も水野氏は解説をしていましたが、いつもメッセージに気迫を感じなかったのは私だけではなかったと思います。タイトルには「広がる反発」とは銘打っていますが、その内容たるや政府の有識者会議の報告がメインで、肝心の現地・福島の方々の意見が極めて少ない、取材を確かにしたのでしょうか、何か意図的とも思える報道スタンスです。
* http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=26258
汚染水からは放射性のトリチウムは取り除くことができず、すでに117万tの処理水がたまり、2022年夏にタンクが満杯になる見通しと、まずは現状を手身近に解説。
そこで経産省がきのうの専門家会合で示したのが、
▽海水で薄めて海へ放出する、
▽煮詰めて水蒸気にして大気中に放出する という2つの環境放出処分案。
経産省はほかにも地下に埋めたり、敷地を拡げて長期保管することを検討したものの、実績が無かったり、許可を得るのが難しいと説明。
これに対し海洋放出は世界中の原発で普段から行われ、大気放出も実績があること。
また被ばく影響の試算では海洋放出で年間最大0.62μSv、大気放出で1.3μSvと、人が自然界で受け、2100μSvを下回って影響は小さいため、環境放出が合理的だという。でもこの環境放出案、風評被害など社会的影響が大きくなる点をはっきり示していない点が大きな問題と説明。
一方、福島の漁業、水揚げはいまだに事故前の2割にも満たない厳しい状況で、今、環境放出されれば、「また海へ放出された」点が強調されて全国に伝わり、壊滅的な打撃を受けるおそれを漁業者は懸念しています。今後は専門家会合の議論を参考に、最終的には政府が関係者の意見も聞いて処分方法を決める方針とのこと、政府側の代弁に終始していました。
ただどんな方法をとるにせよ、風評被害は抑えなければならず、そのためには福島の魚などを買う全国の消費者に政府が説明しておく必要があるが、取り組みはまだ不十分。今後、消費者団体などに丁寧に説明して、理解が得られるか見極め判断していくことが必要と最後に簡単に締めくくっていました。
原発事故時の彼の報道の仕方、熊本地震時のスタンス、そして今回のこの報道、一貫してジャーナリストとしての熱を感じず、どこか上から目線の冷たさを感じました。
先月のNHK山崎記者とは対照的なテーマへの姿勢・醸し出す雰囲気でした。
* http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=38219
9 月 9th, 2021 at 10:46 AM
[...] * 以前の私の水野記事ーー> http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=38337 [...]