5月のBoston 2015(6)

Posted By 秋山孝二
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 Mariaさんと子供たち3人と少し遅い昼食は、サラダメインのレストラン。入口の「クイックライン」には、注文テーブルの上に画面が数台並んで置いてあります。このオーダープロセスが、実に私のリクエストをこと細かく聞いてきます。他のレストランでの光景でも感じるのですが、係の人へのお客の注文でも、とにかくアメリカ人の注文の仕方は、まさに「注文をつける」という日本語の通り、細かくしつこい位に妥協しないで自分の好みをリクエストすると言った感じですよね、それ程味の違いが分かるようなお客だとは思えないけれど・・・(失礼)。

レストラン入口:クイックライン 注文・支払は画面から

レストラン入口:クイックライン 注文・支払は画面から

 具の一品一品の入れる・入れないの選択が10種類以上、量を半分・倍・無の選択も細かく、途中で人が対応する方が「クイック」な気がしてきます。飲み物・デザートも含めて全てこちらでオーダーを終えて、ドリンクだけはドリンクコーナーでセルフサービス、他は待ち受けの小さな円盤形呼び出し器具を自分たちのテーブルに置いて待っている、そんな流れです。

一つ一つの具を入れる入れないの選択も

一つ一つの具を入れる入れないの選択も

 大幅な人件費削減を電子端末からの入力で実現している、その前のパターン分けによる商品のファストフード化等、食文化の変貌もこの間すさまじいですね。どんどん「文化」的な要素が排除されていくプロセスを見ている思いで、けっして心地よくはありません。現場の人の力の標準化と正確性が日本よりも低いので、こういったシステムを導入する理由があるのでしょう。

 そんなこんなで、次にMariaさんのご要望で足を運んだのがいわゆる本当に小さな町・Worcester の「Art Museum」、丁度、特別展「SAMURAI:侍」を開催中で、「Uncanny Japan」と題してYOSHITOSHIさんの作品展示が中心でした。日本人の私が観ても「Uncanny(薄気味悪い)」な作品がずらりと。どこか違和感があり、パロディでもなく中途半端な「日本文化のアレンジ」といった私の印象でした。「UncannyなのはJapanではなく、お前だろ」と言いたいようなそんな雰囲気も。とは言え全般的に、こちらの美術館系のHPの充実はプロフェッショナルの技を感じます。

* 「Worcester Art Museum」――> http://www.worcesterart.org/

* 「SAMURAI」特別展示 ――> http://www.worcesterart.org/exhibitions/samurai/

ボストン郊外の街で「SAMURAI 侍」の特別展示も

ボストン郊外の街で「SAMURAI 侍」の特別展示も

入口のウォールに

入口のウォールに

 特別展示ばかりでなく、常設展示の充実は素晴らしく、小さな町の3階建て美術館が、施設面ばかりでなくキュレーターはじめソフト面でもこれ程力を入れて芸術・文化を振興している様子に、アメリカ市民と地方自治の「底力」を感じます。

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