米国・科学アカデミーの報告書ほか

Posted By 秋山孝二
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 このところ続く大雨で、広島県ほか全国各地で土砂崩れの大きな被害が連日報道されています。「これまでなかった大量の雨」では済まされない、日本社会の「防災」の脆弱さが問われます。まだ続く捜索中に不謹慎な発言ですが、敢えて今後につながる学びとして、地盤が弱いというよりも、そのような地域にリスクも考えずに宅地造成・販売した人間社会の無防備な意識、10数年前の愛知県の洪水による住宅被害でも、昔からの家が建つ地域は被害が無く、新興住宅地域に犠牲者が多く出たことを思い出しました。

 今年も多い札幌市の「熊の出没ニュース」でも同様ですが、人間社会の生活と自然との折り合いの付け方に、どこか「傲慢さ」を感じる昨今です。

 「防災」についてあれこれと思いを巡らせながら、先月から気になっていた報道がありました。アメリカの科学アカデミーが、報告書をまとめて、福島第一原発の事故が深刻化した原因について、東京電力と当時の原子力安全・保安院が「津波に対する原子炉の設計が不十分だという証拠が集まっていたにもかかわらず、津波に対する対応をしなかった」と指摘したのです。津波によりほぼすべての電源が失われたことで冷却プールの温度が上昇し、被害が拡大したとしています。アメリカの当局や産業界は、この事故から電源の確保を徹底することや、万が一、電源を失った場合でも、原子炉の状況を把握する手段を確保することが重要だと提言しています。このアカデミーは米政府や米議会に独立の立場から科学技術政策を助言しています。

* http://www.at-s.com/news/detail/1117088243.html

* http://newsphere.jp/world-report/20140801-8/

 また、原発再稼働に関しても、海外メディアでは鋭い指摘が続いています。

* 「川内原発再稼働、海外メディアも報道 世論との距離指摘 」(7月16日 日本経済新聞) http://urx.nu/apr0

 日本のメディアが伝えないと言えば、少し時間が経ちますが、こちらの国会での演説も報道されませんでした。この格調の高さは、日頃の日本の政治の場面では見られない新鮮な感じです、残念ながらまるで別の場のようです。昔と違って、その気になればインターネットで誰でも触れられるニュースの数々、私たちは、「知らなかった」では済まされない情報へのアクセス環境にある現代を生きています。

* faceBookより 概略版 https://www.youtube.com/watch?v=2udKKREpIEQ

* この演説のフルバージョン https://www.youtube.com/watch?v=-h5CzvtJky8

 8月になると必ず決まってマスメディアをにぎわす「戦争体験者が減り、戦争の悲惨さが忘れられていく」みたいなフレーズは、忘れて欲しい側が意図的に使うもの、私たち戦後世代は「知らない」では免罪されません、「伝えていかなくては」、ですね、「戦争」、「自然災害」、「人的災害」も、です。その責任を今を生きる我々が次世代に対して負っている、そう考えるべきだと思うのです、「時代認識」とでも言うのでしょうか。

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