アウシュヴィッツ、・・・・ (2)

Posted By 秋山孝二
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 スモーレンさんのお話の後、アウシュヴィッツのもう一つの収容所ビルケナウにも行き、約2時間、一番奥まで熱心に歩いて見学をしました。ここはホロコースト終盤の「大量殺りく」を目的とした場をうかがい知るに十分な広大な敷地でした。「シャワー室」、「ガス室」、「焼却所」が一体化した建物にその意図を感じますし、人々が収容されていた施設もかなり劣悪です。また同時に、この活動の責任追及を恐れたナチスが、証拠隠滅を図るべく爆破した残骸が復元されるでもなくそのまま目の前に存在していることが、より一層ナチスの追い込まれた歴史的立場を象徴しています。

ビルケナウの鉄道と門
ビルケナウの鉄道と門

恥ずかしながらこれまでの私のイメージの中には、二つの場所が一つになっていることをビルケナウに来て初めて分かりました。

爆破されてもなお残る焼却炉他
爆破されてもなお残る焼却炉他

アウシュヴィッツ展示の説得力は、「そのまま」であることなのかもしれません。「復元」は本当に少なく、施設等の建物は当時のままであり、偶然に残った、或いはポーランド・レジスタンスがクラクフ経由でロンドンの臨時亡命政府に秘密裏に伝えた写真・メモ等の展示となっています。目の前の施設は全く無言の施設・展示物、人々の存在は白黒のやや色あせた写真の中だけです。それ故に、見学者個々の思考と想像力に依拠した問題提起となるのでしょう。「伝える」活動の重要性、「無かった」事にしようとする危険性、ふと世界共通の課題だと納得しました。

そして更に、量的な意味では、目の前には常識的には「大量の」施設、靴・髪の毛等の遺留品展示なのですが、それが極々一部であるという気の遠くなる犠牲者の数の多さを想像すると、一層今を生きる私たちにも恐怖が伝わってきます。
地元・近隣と思われる沢山の高校生の見学者の表情も真剣でした。

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