「バイオテクニカ 2011」、開幕!(後)

Posted By 秋山孝二
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 この見本市の趣旨は、「生命工学のあらゆる分野の展示と国際会議及びセミナーを同時開催することにより、最新の市場情勢と将来の可能性の豊富な実例と情報を提供する」です。これまで2年に一回の開催でしたが、今年は昨年に続いてで、企業・関係団体・大学を含めた研究機関等、世界28カ国から620団体が出展、海外はヨーロッパを中心に198団体です。2007年より、「バイオテクニカ」を総合的・国際的なイベントとするべく、「展示」、「コンファレンス」、「パートナリング・マッチング」、「バイオテクニカ アワード」の4つの柱を中心に展開されています。次回は2013年だそうです。

「Messe」正面玄関前

「Messe」正面玄関前 

  「ハノーバー国際見本市会場:http://www.messe.de/homepage_d」は、メッサーシュミット社の工場跡地、広大な敷地に建設されて、今回はその20数施設のごく一部の使用です。市内中心部からは地下鉄(郊外では路面電車)で20分程度、入口までは大変便利ですが、中はバスでないとかなり歩きます。初日は強風に雨、ただ二・三日目は気持のいい天気だったので、朝、正面玄関から歩いて会場まで行きました。

 秋山財団の出展の目的は、生命科学分野での「ネットワーキング」支援、情報収集、バイオ分野の方向性等、今後の事業展開の模索です。今年25周年を迎えて、今年度は新たな5ヶ年計画の策定時となっています。これまでの経済的支援事業プラス、研究者のネットワーク・視野拡大へのサポートとして、向こう25年を見据えて何かプログラムが用意できないかと、そんな視点から参加していました。

 お陰さまでブースでお会いした方々、あらかじめアポを取って「パートナリング・マッチング」で意見交換した団体、会場で訪問してお話をじっくり聴いた団体等50を越え、「Face to Face」の話しあいで濃密な3日間でした。札幌に戻った後、これらをどうフォローアップするか、今から大仕事の予感がします。スイス、オランダ、ドイツの各州、韓国等では、国・州の旗を掲げてプラットホームをアピールしていましたね。

 一日目の夜、「バイオテクニカ アワード」の表彰式と大パーティに招待されましたので、今後の参考になるかとの思いで出席しました。

元産業技術大臣は延々30分以上のオープニング・スピーチ

元産業技術大臣は30分以上のオープニング・スピーチ 

 事前に45分くらいの授賞式だと聞いていましたが、開会自体が10分遅れ、それぞれのご挨拶、特に写真の元産業技術大臣のスピーチが延々30分越える「講義?」となり、全てが終了して時計を見ると1時間半を回っていました、空腹を前にです。「几帳面なドイツ人」のイメージは、二日前のベルリンからハノーバーまでの電車の大幅な遅れと相まって、私としては大きく崩れ始めています。「権威主義的」とでもいうのか、もっと新しい演出のある授賞式でいいと思うのです、「もう少し聴きたい」、「もう少し見たい」、全てを3割くらいカットすると、実に素敵なイベントになるのでしょうが、従来型の権威に対して運営側が誰も言い出す勇気がない、少々辛辣過ぎますでしょうかね、来賓席に席を確保して頂き、ただで飲み食いの厚遇もして頂きながら・・・。

 それとは対照的に、見本市会場の幾つかのブースでは、午後4時半頃を回ると、オシャレなイベントが繰り広げられていました。2日目終了間際のスイスブース、グラスワインが赤白テーブルにいっぱい、伝統楽器の音色が会場中に響きます、このために地元から演奏者をご招待したとか、いろいろですね。

 今回久しぶりに外国の方々とじっくりお話を致しました。スペインの若者は素晴らしいテンポと躍動感あふれる眼差しで、彼のミッションを説明してくれました。イランの医薬品関係の方は、「日本はどうして海外とのコラボに対して敷居を高くしているのか」と率直な苦言、東ドイツ出身の私と同年輩の大学関係者の方からは、「ベルリンの壁崩壊」後について、生活者の視点からもろ手を挙げての喜びでは無い現実を伺うことが出来ました、貴重なお話でしたね。ベルリンのブランデンブルグ門でも感じたのですが、私は「東西冷戦」、「ベルリンの壁」にこだわり過ぎているのかも、との反省もしています、すでにそれは多くの人にとって「過去の歴史」であり、若者中心に確実に新しい時代が走り出している、そんな実感を今回強く持ちました。

 今回いろいろ準備、当日ブースでのご支援等して頂いた「ハノーバーフェアーズジャパン(株):http://www.hannovermesse.co.jp/repraesentauten/biotechnica.html」の盛健一社長、ドイツ語通訳の田口理穂さん、本当にお世話になりました。盛社長からは豊富な海外駐在経験、とりわけ南アフリカ、マラウィ等のお話は大変興味深く勉強になりました。また、今回の参加に背中を押してくれました同社の樋渡さん、青木さんにも、心から感謝申し上げます。

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