助成財団フォーラム 2022

Posted by 秋山孝二
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 今年も(公財)助成財団センター主催のフォーラム(https://www.jfc.or.jp/tsudoi/tsudoi-top/)が開催されました。2年前には私もこの場で基調講演(https://www.jfc.or.jp/tsudoi/2019forum/)を行い、たくさんのご質問も頂きました。

* これまでの記事ーー> http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?s=%E5%8A%A9%E6%88%90%E8%B2%A1%E5%9B%A3%E3%83%95%E3%82%A9%E3%83%BC%E3%83%A9%E3%83%A0

 今年はコロナ禍の中2年目、「助成事業の進化と更なる発展に向けて」とのサブタイトル、民間財団としてのそれぞれの出自と設立理念は大変興味深く伺っていました。

第35回『助成財団フォーラム2021』

 第一部の基調講演は、『一般財団法人キヤノン財団(https://jp.foundation.canon/introduction/greeting.html』、『公益財団法人ロッテ財団 (http://www.lotte-isf.or.jp/greeting.html』理事長を兼任されている吉川 弘之先生、テーマは「科学と社会の関係の観点から民間助成財団の在り方」、新しい学問の視座と定義、『逆像』の言葉で表現されて研究助成財団への問題提起をされました。私ども秋山財団の『生命科学』にも繋がるメッセージを受け止めました。

 第二部は【4つのイニシアティブについて事例報告】

公益財団法人原田積善会(https://www.haradasekizenkai.or.jp/aboutus/』、設立以来100年の歴史を越えて次の100年にチャレンジする

公益財団法人小笠原敏晶記念財団(https://ogasawarazaidan.or.jp/about/』、設立から約40年の歴史を持つ、これまでの研究助成に加え、まったく新たな分野として文化芸術助成のプログラムをスタート

公益財団法人橋本財団(https://www.hashimotozaidan.or.jp/about/』、地域財団として設立5年、助成事業と並行して研究所活動にとりくみ、両面から地域社会への貢献を目指す

* 『一般財団法人ロートこどもみらい財団(https://future-for-children.rohto.co.jp/』、設立されたばかりで企業のCSV等への取組からこの時期に設立された背景等

 それぞれの財団の成り立ちが全てユニークで面白く、特に『(公財)原田積善会』の穂垣裕志理事長のお話は、100年を越える活動の中の幾たびかの危機を乗り越えた歴史を淡々と語られていました。

 それぞれのプレゼンの後は、「総括コメント&意見交換」、コメンテーターは出口 正之先生(国立民族学博物館名誉教授・総合研究大学院大学 名誉教授、元公益認定等委員会常勤委員、公益財団法人助成財団センター評議員)、民が担う公共の深い意義を熱を持って語られました。

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過去5年間の「助成財団フォーラム」「助成財団の集い」の案内・プログラム(PDF、動画等)

  • 2020年度
  • 2019年度(概要、動画)
  • 2018年度(PDF)
  • 2017年度(PDF)
  • 2016年度(PDF)
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     今年のフォーラム冒頭では、来賓として「公益法人をめぐる直近の課題・動向について」と題して、内閣府公益認定等委員会の北原久事務局長がご挨拶をされましたが、何と「マネーロンダリングに関する注意喚起」でした、場違いも甚だしい強い違和感を抱きましたね。10数年前の日本における民が担う公共としての「公益法人改革」の高い理念は、何処へ行ってしまったのか情けない気持ちになりましたが、それとは関係なく私たちの財団は地道に地域に根差して引き続き頑張っています!!

    助成財団セミナー 2020(上)

    Posted by 秋山孝二
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     (公財)助成財団センター(http://www.jfc.or.jp/)主催のセミナーが開催され、私は今年、基調講演を行いました。これまでにもこのプログラムでは2回ほど登壇しています。

    < これまでの関連記事 >

    * 2011年 http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=7478

    * 2016年 http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=25679

    * 2018年 http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=32481

     今年は、折からの新型コロナウイルス肺炎の流行もあり、参加者の机の上にはマスクのご用意もありました。

    当日プログラム

    当日プログラム

    200名近くの参加者か

    主催者含めて200名近くの参加者

     昨日届いた『公益法人協会(http://www.kohokyo.or.jp/index.html)メール通信 No.242(2020.02.14)』でも紹介されていました。

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    ◎助成財団における「アウトリーチ活動」を考える―2019年度 助成財団フォーラムより

    (公財)助成財団センター 専務理事 田中 皓

     (公財)助成財団センターが毎年実施している「助成財団フォーラム」。2019年度は、去る2月7日(金)に東京・大手町ファーストスクエア カンファレンスにおいて助成財団関係者を中心に約150名が参加して開催されました。2019年度のキーワードは「アウトリーチ活動」。助成財団にとっての「アウトリーチ活動」とは? あまり聞きなれない言葉ですが、英和辞典等での「out-reach」は「手を伸ばすこと、手を貸すこと—-」云々とあります。助成財団にとって具体的には「ただ待つのではなく、自ら積極的に社会に出ていく」、すなわち「現場に出かけてニーズを探索し、そのニーズに見合った適切で効果的な助成を行い、その成果を現場に還元すること」と言えます。

     このアウトリーチ活動は、助成財団が行っている公益活動を社会に広く理解してもらい、その成果を広く社会に定着してもらうことに大きな効果があります。活動を十分に理解されていない助成財団にとっては、財団が自ら社会との関係性をプロデュースし構築していくために欠くことのできない活動でもあります。

     フォーラムでは、山岡理事長の開会挨拶で、助成財団はアウトリーチ活動を通して助成事業を生き生きと楽しく実践出来ることになるとその重要性を強調されました。内閣府公益認定等委員会の米澤事務局長はご来賓挨拶の中で、日ごろの公益活動に加えて、アウトリーチ活動を通して助成というものを広く社会に理解してもらうことの重要さに言及されました。

     第1部の基調講演で、日ごろからアウトリーチ活動に率先して取り組まれている札幌の秋山記念生命科学振興財団の秋山理事長は、アウトリーチ活動の原点として財団を取り巻く関係者の「ネットワーキング」と「コラボレーション」の重要性に触れられ、助成金受給者や多くの関係者、地域社会を巻き込む活動に対する財団の果たす役割は重要であるとして多くの事例を紹介されました。米国の助成財団に勤務され、直接アウトリーチ活動に携わられてきた笹川平和財団の茶野常務理事からは、米国におけるコミュニティ財団のアウトリーチ活動事例等が紹介され、その取組みの重要性を強調されました。

     第2部では、7つの助成財団からそれぞれの財団で独自に展開されているアウトリーチ活動についての事例が紹介されました。いずれの事例も財団が自ら外に出向き、多種多様なアウトリーチ活動を通して社会との関係を能動的に構築している事例であり、助成事業をベースに更に広がる助成財団の活動の可能性を感じ取ることが出来ました。現在、制度改革10年が経過した区切りの中で、財務3基準の見直しをはじめとしたより良い制度への改正を求めて提言を行っていますが、一方では新制度におけるいくつかの不祥事を踏まえ、公益法人のガバナンスの更なる強化の声が高まってきています。

     内閣府には「公益法人のガバナンスの更なる強化等に関する有識者会議」が設けられ、強化に向けた多岐にわたる検討が進められているようですが、その一つにガバナンス・コードの制定等の動きもあるようです。

     公益法人は、社会を広く巻き込んだ積極的なアウトリーチ活動に組織的にしっかり取り組むことが、その法人のガバナンス強化にも大きく寄与することから、特に助成財団は存在意義や信頼性を高めるために、制度や法律以前に何よりも社会との関係性を強化するアウトリーチ活動を意識した助成活動を実現していくことが先決であり、ますます重要になっていくことを改めて考えさせられたフォーラムでした。

    *なお、本フォーラムの様子については今後助成財団センターのホームページに動画をアップする予定です。

    ■■(公法協NEWS)――――――――――――――――――――――――――――――■■

     登壇者の事前打ち合わせ、日本の助成財団のそうそうたるメンバーとの意見交換は私にとっても大変貴重な学びの場となりました。

    素晴らしい皆さん

    素晴らしい皆さん

    内閣府の事務局長ほかも

    内閣府の認定等委員会事務局長ほかも

    もう一人の基調講演者 笹川財団の茶野順子常務理事

    もう一人の基調講演者 笹川平和財団の茶野順子常務理事

     自分の写真が無いのが残念ですが、第三部の質疑応答にはたくさんのご質問が私の下に届きました、嬉しかったですね。その一つ一つにはその場ではお答えできなかったので、後日、個別にメールでお答を届けました。

     フォーラム終了後の交流会でも、ここに書ききれない程のたくさんの出会いがありました。本当に素晴らしい一日でした、感謝ですね。

    参加者も多く

    参加者も多く

     終了後は、東京駅から高速バスでアクアラインを抜けて千葉県館山市へ。今年初めて館山の家に宿泊しましたが、近所はまだまだ昨年の台風15号・19号の爪痕が残っていました。新しい一軒家もポツポツ出現している一方、ブルーシートのままの古いお家、或いは更地になっている場所もあり、まだまだ普及は進んでいない様子ですね。恐らく、お年寄りがこれからどう暮らすのか、迷っているのではないでしょうか。

    ブルーシートのまま

    ブルーシートのまま

    助成財団フォーラム 2018

    Posted by 秋山孝二
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     毎年この時期に、(公財)助成財団センター(http://www.jfc.or.jp/)のフォーラムが開催されます。この間、「助成財団の集い」と言っていましたが、昨年から「助成財団フォーラム」として、さらに多くの方々のご参加を促しています。私はほぼ毎年参加していて、2011年に次いで、一昨年は、30周年記念でも登壇しました。

    * 2016年の様子――> http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=25679

    * 2011年の様子――> http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=7478

    HPより~~~~~

     「助成財団」にも大きなインパクトを与えた公益法人制度改革から、2018年12月には10年目を迎えます。助成財団としてはこれまで以上に感覚を研ぎ澄ませ、より広い視野で社会に貢献していくことが一層求められることとなり、当センターとしましても、これまでの助成財団関係者による「助成財団の集い」の枠を越え、助成事業にご関心のある皆さま、助成を必要としている研究者やNPOも皆さまを含めた多様な関係者が出会い、交わることが出来る場を提供する目的で、昨年度から「助成財団フォーラム」の名称のもと再出発いたしました。

    ~~~~~~~~ 引用おわり

     10年前、私もこんな決意表明をしていました。――> http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=174

     今、読んでみても当時の決意と何も変わることがなく、ここまで歴代の理事・評議員・事務局の皆さまと愚直に理念に則って活動を続けてきた当財団を誇りに思います。決意を記録しておくのは大切ですね。

     今年のテーマは、「公益法人制度改革後の法人運営の課題と展望=期待される助成財団を目指して=」です、170名を越える参加者で盛況でした。

    プログラム ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

    第I部:セミナー
    「新制度における公益法人の運営のポイントと留意事項=定期提出書類・立入検査の現況を踏まえて=」
    講師:内閣府 公益認定等委員会事務局   局長 相馬 清貴 様
    内閣府 公益認定等委員会事務局 企画官 山崎 光輝 様
    第II部:フォーラム
    「新制度における組織運営・事業運営を考える =より良い組織運営・事業運営の実践事例から=」
    [Part1]-基調講演「信頼性を高める公益法人運営の在り方」
    講師:雨宮 孝子 様 (公財)公益法人協会 理事長
    [Part2]-事例報告「制度改革が組織や事業の運営にもたらした影響と課題 =実践事例から=」
    太田  健さん (公財)キリン福祉財団 常務理事
    片山 正夫さん (公財)セゾン文化財団 常務理事
    小林 洋一さん (公財)電通育英会 専務理事
    坂本 達哉さん (公財)山田科学振興財団 専務理事
    進行:蓑  康久さん (公財)住友財団 常務理事
    -質疑・意見交換
    交流会

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

     第一部は内閣府公益認定等委員会事務局からの現状を踏まえての報告。

    事務局長の相馬清貴さま

    事務局長の相馬清貴さま

     第二部は民間財団の皆さんのご登壇。

    濃い内容のプログラム

    濃い内容のプログラム

     基調講演として(公財)公益法人協会(http://www.kohokyo.or.jp/)の雨宮孝子理事長のご登壇、どう社会から信頼を勝ち取るかに関して、示唆に富むお話でした。

    信頼性を高める法人運営

    信頼性を高める法人運営

    実践事例について分かりやすく

    実践事例について分かりやすく

     後半はチャレンジングな財団法人のキーマンの皆さん。今年は特に、資産運用のお話にも突っ込んだ見解が示されました。資産の「収益率」、「リスクコントロールを効かしたポートフォリオ」、「相場観に依存しない投資手法」、「利回り3%以上を目標」等、10年を経て民間財団も新たなステージに入ってきた印象でした、これからの議論が楽しみです。

    坂本さん、小林さん、片山さん、太田さん

    パネラーの坂本さん、小林さん、片山さん、太田さん

     私は二つの質問をしました。一つは、内閣府の方に対して、「立ち入り検査の今後は、行政側は担当者が毎回変わる一方、財団側は指摘を受けて改善により進化していき、当初の目的ではその機能に限界が出てくるのでは」といったこと。もう一つは、「関係する事業会社と共に活動している財団は、昨今のSDGsの世界、ESG投資といったグローバルマネーの動きの中で、これまでの財団活動のかなりを事業会社が取り込もうとする動きが起きてくるのではないか」というものでした。

     いずれにせよ、他の方からの質問にも、今年はファンドレイズほか資産運用についての意見交換が多く、やっと民間財団のフォーラムらしい話題が取り上げられるようになった、というのが私の印象です。法人改革も10年を経て、少しずつ前に進んでいるのでしょうね。

    助成財団 フォーラム 2017

    Posted by 秋山孝二
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     (公財)助成財団センター(http://www.jfc.or.jp/)主催のこれまでは「助成財団のつどい」と言っていた集まり、今年からは「助成財団フォーラム(http://www.jfc.or.jp/tsudoi/tsudoi-top/」と名称を変えて新たなステージを目指しています。そのスタート、テーマは『アクティブな助成事業へのチャレンジ ~公募によらない助成の意義と課題~』でした。

     アメリカの財団活動の事例、日本のチャレンジする助成財団の事例等、私にとっても大変ヒントを多く得たフォーラムでした。以前から、「公募」ばかりが公正・公平な民に公益活動だとは思っていなかったので、大変有意義な事例発表・意見交換でした。それぞれの財団の理念に基づいてテーマを設定する、或は活動主体に働きかける、これぞ「民の意志ある公共」だと、納得しましたね。公募かどうかが公共性の指標でなく、問題はテーマの発掘の重要性と社会への発信力なのでしょう、私はフォーラムを終えてそう理解しました。

     昨年の30周年記念のこの場では、私はパネリストとして登壇しました、一年経つのは本当に速いものですね。

    * http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=25679

    プログラム ~~~~~~~~~~~~

    第I部:基調講演
    「財団主導型の事業について ~米国の事例も交えて」
    講師:茶野 順子 氏 笹川平和財団 常務理事 https://www.spf.org/


    第II部:活動事例報告・質疑応答
    [Part1]-事例報告『公募によらない助成事例』-
    進行:渡辺 元(助成財団センター 事務局長/プログラムディレクター)

    伊藤 博士 氏 トヨタ財団 常務理事 https://www.toyotafound.or.jp/(イニシアティブ・プログラム)
    神山 邦子 氏 市民社会創造ファンド シニア・プログラムオフィサー http://www.civilfund.org/(タケダ・ウェルビーイング・プログラム)

    高谷 忠嗣 氏 庭野平和財団 専務理事 http://www.npf.or.jp/〔NPFプログラム・臨時助成〕

    [Part2]-基調講演・活動事例等に関するコメント&質疑応答-
    コメンテーター:出口 正之 氏 国立民族学博物館 教授 http://www.minpaku.ac.jp/

    基調講演 茶野さん

    基調講演 笹川平和財団常務理事 茶野順子さん

    出口先生

    国立民族学博物館 教授 出口正之先生