中村桂子さん今年も!

Posted by 秋山孝二
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 今年もまた中村桂子さんのご講演をお聞きしました、これまでから一歩踏み込んだ『いのち』についての深いお話、心に染み入りました。美唄市小学校農業科の取り組みは更に前に進んでいます。

* 美唄市小学校農業科読本について - 美唄市ホームページ (city.bibai.hokkaido.jp)

* これまでの中村桂子さん関連記事ーー> 秋山孝二の部屋 (akiyama-foundation.org)

美唄市小学校農業科読本

 昨年に続いての「理科」の目標についてのお話、昔、東京の公立中学校で理科教諭として子供たちに接していた私としては、今年は特に心に響くものがありました、「日本人的な」の部分に。

 私から宇宙への思考の深化、深いお話でした。

中村桂子さん、農業を語る!!

Posted by 秋山孝二
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 昨年に続いて、今年も中村桂子さんの講演会を聴くことができました、通算では4回目となるでしょうか。

* 昨年(2022年)の美唄での様子ーー> http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=44916

 今回の札幌での講演会は、前日の美唄での講演に続いて、告知直後で200名の定員がすぐに予約でいっぱいだったとか、相変わらずの人気でした、特に女性の参加者の多さが際立っていたように思います。

 そして今回の最大の特徴は、昨年の美唄での取り組みが一歩進み、『教育の原点としての農業~あなたが生きものであることを学ぶ農業』というテーマでのお話、美唄市・市教育委員会の協力を得て、小学校に「農業科」授業が決まったことのご報告もありました。今年の市長選挙で市長が代わったこともあり少し危惧していましたが、当日は新しい桜井恒市長も最後までご出席でした、終了後にご挨拶もできました。

 以下、講演の中から手元に書き留めた幾つかのキーワードを:

* 日本の資源は「土」、「水」、「緑」、それを愛する「人」

* 生きる力は、「素敵な笑顔」、「自ら考えて行動する」

* 「つくる」と「育てる」の違い:「コメ」、「子供」は「つくる」のではなく「育てる」ことのはず!

* 農業教育から地域、産業界を変えよう

* 新しい農業は、「土」を活かすこと

* 新しい農業は、

ーー地域の自然を活かした自給自足

ーー自然の力を活かし操作性を検討

ーーコミュニティの基本づくり

* 「愛づる(めづる)」ーー本質を尋ねる、本質を観ること
 
 当日、参加者に配られた農業科読本には、「あなたが生きものであることを学ぶ農業」と題して、以下の三つがポイントとして書かれていました。

1.生きものは時間が必要

2.生きものは手をかけることが大事

3.生きものは思いどおりにならないことがある

 いずれの言葉にも深い意味合いが感じられて、今回もまたあっという間の時間で、心身が浄化されるような気持ちよさでした。

中村桂子先生 再会!

Posted by 秋山孝二
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 今から10年以上前に、寺島実郎監修の札幌医科大学公開市民講座でお会いした中村桂子先生ですが、その後、2012年の秋山財団贈呈式の特別講演の演者でお招きして以来、先日、美唄の『アルテピアッツァ(https://www.artepiazza.jp/)』30周年特別講演会で再会しました、記念講演 中村桂子 アルテで語る『生きものとしての人間のつながり』~生命誌からのメッセージ~」です。80歳を超えてもなおそのお姿は研究者としての求道を続ける雰囲気は変わらず、お話にも心から感動しました。

* 2009年 http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=1690

* 2012年 http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=11712

* 2012年 http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=14449

 大雨の中、開会かなり前から大勢の聴衆の皆さんがお越しになり、急遽別室でのリモート参加を含めて200名を超える大盛況でした。

 生命誌の研究に基づくこれまでの研究例を挙げながら分かりやすくご説明になり、「私たち生き物の中の私」として考えることが大切であること、人間が人間として生きる上で「食」と「農」がとても重要と強調されていました。

 講演に先立ち、アルテピアッツァ美唄の磯田憲一理事長の冒頭ご挨拶。

 締めのご挨拶は坂東知文美唄市長でした。教育委員会とコラボして、小学校でカリキュラムの中に「農科」を組み込み、副読本の制作を語っていました。

 この講演会の開始前には磯田理事長ご自身プラス市民の皆さんが打った手打ち蕎麦とてんぷらをごちそうになり、おもてなしの心を受け止めました。また、外は大雨の音の中、会場の体育館は中村桂子先生の穏やかながらの熱弁に大いに盛り上がり、講演後の質疑応答タイムでも、興味深い質問が続き、それに真摯にお応えになる中村桂子先生の姿勢に更に感激したひと時でした。開始前に最前列に座らせて頂いていた私は、久しぶりに先生とお話もできてそのお元気な姿と目線の強さが印象的でした。美唄市の今後の幼児教育・初等教育の取り組みに注目ですね!

クラウド・ファンディングの凄さ!

Posted by 秋山孝二
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 映画「ハーブ&ドロシー:http://www.herbanddorothy.com/jp/」、監督の佐々木芽生さんについては、何回か書いてきました。

* http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=8050

* http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=15523

 今回、第2作目が完成し、3月下旬から全国で上映が始まりますが、その資金集めに「クラウド・ファンディング」手法を駆使して、見事目標額に達しました(http://www.fashion-headline.com/article/2013/02/14/641.html)。ファンドレイジング分野では、ソーシャルメディアを活用した次々と新しい手法が生み出されて、これまでとはひと味もふた味も違った「寄付文化」が生まれています。

 余計なことですが、数年前にあるフォーラムで講師の方が、「クラウド」という言葉の解釈として、「雲のような」と説明していましたが、これは「クラウド」を「cloud」と理解したのでしょう、でも、本来は「crowd」で「群衆」とか「大勢」とかの意味ですよね、今思えば、以前はその程度の認識だった日本社会と言えるのでしょう。

 先日メーリングで届いた佐々木監督からのメッセージを転載します。

◎ 監 督 メ ッ セ ー ジ ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

日本でのクラウドファンディングを終えて

最初、『ハーブ&ドロシー』続編のクラウドファンディングで、
1,000万円というとてつもない目標金額を掲げた時、
随分無茶な試みだと思われた(らしい。後で聞いた話)。
自分でも、最初は達成できるかどうか、半信半疑だった。

「日本には寄付文化はない」と何度も言われ、
ファンディグが伸びない時は、やっぱりなあ、とも思った。
日本では、ネットを使った資金募集や、クレジットカードを使うことさえ
まだまだ抵抗があると。

途中で、1,000万円到達は無理かも…との考えがよぎり、
さてどうしたものかと考えた。

お金を貸してくれるという友人のオファーもあった。
企業協賛の一部を入れていただこうか、という意見もあった。
でも、そこまでして1,000万円の数字をクリアすることに意義があるのか?と
疑問に思った。
達成できなければできないなりに、何か大切な教訓があるのではないか、と
(でも、この気持ちは周囲の人には言えなかった)。

結果として、アメリカを含めて1,000人を越える皆さんのパッションと愛に
支えられて、目標額を大きく越えて、1,400万円という
日本でのクラウドファンディング最高額を達成。
なんだか、夢のようで今でも信じられない。

誤解を恐れないで言うと、今回のクラウドファンディングは
私にとって、とてもスピリチュアルな体験だった。
1人ではできないことを、大勢 に支えられて初めて達成できた。

札幌南高校の同窓生が中心になって組織された「ハーブ&ドロシー応援基金」を
通じて、合わせて200人余りの方々から、200万円以上が集まった。
全くお会いしたこともない方から、50万円のご支援を頂いた。
一昨日、そのご夫妻がカウントダウンパーティにお見えになり、
初めてご挨拶させて頂いた。

「こちらこそ、ありがとうございます。すばらしい経験をさせて頂きました」と
奥様に言われたときは、ありがたすぎて、涙が溢れた。

私は25年間NYに住んでいるので、何でも自分1人で行動することに慣れている。
人にお願いしたり、頼ったりするのが大の苦手。
特に資金援助を頼むなんてもってのほか。

でも、支援して頂く立場になって初めてわかった。
人を支援するとはどういうことなのか。
自分も誰かの、世の中の役にたてる人間に是非なりたいと。

小さなことでいいから、と思ってNYでホームレスや
ストリート・ミュージシャンを見るたびに、1ドル札を渡した。
そんな小さなことから始められればいいと思った。
「日本には寄付文化はない」って本当だろうか?
困っている人に手を差し伸べ、共感する作家やプロジェクトに
お金を出して支援したいという心を持つ人が、日本には大勢いるのではないか?
今回のクラウドファンディングの成功は、その表れなのではないか?
私たちの挑戦は、まだ始まったばかり。
クラウドファンディングが大変なのは、お金を集めることよりその後のフォロー。
支援して下さった皆さんにどれだけ満足して頂けるかが、
今回のファンディングが本当の意味で成功したかどうかを決めると思っている。

『ハーブ&ドロシー』号は、1,000人を越える乗客をのせて港を出たけれど、
この先、どんな大波や悪天候が待っていることやら。転覆しないで、今年の春、
無事目的地に到着できるよう、しっかり舵取りしなくては。
どうか皆さん、しっかり欄干に捕まっていてください。

改めて、今回のファンディングにご協力、ご支援頂いた皆様に
心からの御礼を申上げます。ありがとうございました。

監督/プロデユーサー 佐々木芽生

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~転載 おわり

 従来の市民活動は、慢性的な金欠状態が多いです。しかしながら、ソーシャルメディアを駆使して「思い」を「お金」に変える、「志」とか「感動」を「寄付」という行為で託する行動、新しい時代が確実に来ているのを実感します!また、「ファンドレイジング」というと、すぐに「お金集め」と解釈しがちですが、実は「感動の共有」なのですよね。

 昨年9月の秋山財団講演会で、中村桂子先生からもお話を頂きました(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=14449)。国際金融の収益むき出しの世界と趣を異にして、人間としての基本的な部分での思い、つながり、これこそが21世紀、3・11以降の世界の価値のような気がします!

21世紀は「生命と水の時代」

Posted by 秋山孝二
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 3年前に札医大リレー講座(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=1690)でも札幌でお話をされたJT生命誌研究館(http://www.brh.co.jp/)館長・中村桂子(http://www.brh.co.jp/about/message/nakamura/profile.html)先生が、今年の秋山財団講演会(http://www.akiyama-foundation.org/what/index.php?year=2012&mon=08&day=10#48)で再びお越し頂きました。

 当日は180名の方々が出席されて、演題は 「生命(いのち)と向き合う科学を求めて~生命誌の視点からの北海道への期待~」、心に沁み入るご講演でした。

* 21世紀は生命と水の時代: 「想像する力」、「分かち合う心」、「世代を越えた助け合い」、がキーワードとも

* 「機械」は「利便性」、「均一性」に優れて、「生きもの」は「継続性」、「多様性」が特徴 

* 「生きもの」は時間・空間で「つながり」の中に: 「絆」という言葉は「しばる」を連想して窮屈過ぎる 

* アダム・スミスのメッセージ: 本来、「経済」は「経世済民」、今の経営者は原点に帰るべきではないか

  1)人間は社会的存在である

  2)富の重要な役割は人と人を繋ぐことである

  3)富の役割を生かせる社会を目指すべき

  4) 今できることに真の希望を見出すべき 

* 日本古来の言葉 「愛づる」の意味を再度噛みしめたい

 

 中村桂子先生はお忙しい中、当日午前中に新千歳空港にお着きになり、講演終了後はすぐにお戻りになる強行軍でした。秋山財団の第二四半世紀のスタートに当たり、あらためて「生命科学」の原点を振り返る素晴らしいご講演に、心から感謝申し上げます。

「JT生命誌研究館」を訪れて

Posted by 秋山孝二
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 大阪・高槻市にある「JT生命誌研究館:http://www.brh.co.jp/」では、「生きること」、「ゲノムとDNAと時間軸」、「何だかへんなところ」、「いのちのつながり」等、展示の一つ一つのフレーズが、実に心地よく響きます、豊富な素晴らしいメッセージです!(以下の写真はこのブログに使用との限定で承認して頂きました)

生命誌

生命誌「生きる」ということ

館内2階から

館内2階から

いのちの連鎖

いのちの連鎖

 ここの館長・中村桂子(http://www.brh.co.jp/youkoso/aisatsu/)先生に、今年秋予定、秋山財団講演会での演者の依頼をして参りました。大変お忙しい中、北海道までお越し頂くのは大変困難なのは承知していたのですが、何とか無理をお願いして実現しそうです、本当に有り難いことです。中村桂子先生は、3年前の札医大・リレー講座(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=1690)でも素晴らしいお話でしたし、つい最近のNHK教育テレビ「いのちの時間」等にも出演されています。

 この生命誌研究館では、「いのち」のつながりを「見える化」して展示し、易しい表現ながらも妥協することなく、ゲノムDNA等についてかなり高度な内容まで説明しています。「多様性」、「いのちがつなぐ歴史の創造」、「いのちを育む場としての地球」、本当に一つ一つが心に沁み入ります。

 まさにライフサイエンス研究の究極のアウトリーチ活動ですね、最初に「いのち」を学ぶ子どもたちが、こういった場と出会うとことが、最高の価値だと思います。

光り輝く、札医大公開リレー講座

Posted by 秋山孝二
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 6回にわたり、札幌医科大学で「医療人育成センター開設記念:リレー講座http://www.sapmed.ac.jp./gakum/koukaikouza/index.html」が開催されました。あまりの内容の豊富さにその後何回も読み直し、6月22日に最終回が終了したのですが私の手元に永くメモを置き過ぎました。この講座は寺島実郎さんと札医大今井浩三学長の信頼関係と固い絆に基づいて開講に漕ぎ着けました。

寺島実郎さんが責任監修で「世界の構造転換の中で、日本のあり方を考える――国際的視野を兼ね備えた人間性豊かな医療人を目指して――」とのサブタイトルもついています。寺島さんはこの種の講演を是非「午前中の人々:将来を担う世代」に聴いてもらいたい、といつもおっしゃっています。今回は基本的にはこれから医療を目指す学生・院生・大学関係者対象で、特別の一般市民枠の中で私は参加致しました。毎回400席以上の会場が満席で、またそれぞれの内容が豊富で、まさにテーマの通り「世界の中ので日本を考える」スケールの大きな哲学でした。

リレー講座チラシ

リレー講座チラシ

 詳細はHPでご覧頂けますが、寺島さん・中村さんのお話から思いつくままを書き留めます

中村桂子さんhttp://www.brh.co.jp/youkoso/aisatsu/

*人間は生きものであり、自然の一部である

*“生きていること”、これがあらゆる議論のベースであり、その為にはどんなことが出来るのか、を考えるべきである。日本列島の自然の中で生まれた日本文化を意識して、新しい価値をさがす。

*今日の基本的課題は 1)地球環境問題、 2)人心の荒廃、この二つは全く同じ原因である

*機械論的世界観から生命論的世界観へ:20世紀は「機械と火の時代」、21世紀は「生命と水の時代」、或いは20世紀は分析・還元、21世紀は統合

*時間と関係を組み込んだ知――地球上の生きものはすべて38億年前に誕生した細胞から生まれた仲間、現存の生態系はいかにして生まれ、どのような性質を持っているか、を探究することが重要

*生きものは「循環」「組み合わせ」「可塑性:かそせい」、これを活かした継続的社会づくり

 

寺島実郎さん http://www2.jfn.co.jp/tera/archive_doga.html

*自分自身を相対化できる人:「自分とは何だろう」を問う人――これを「知識人」という

*世界史の中で「北海道とは何か」――>極東ロシアとの関係を深耕すべき

*ロシアから北海道を見ると、北海道の世界史的存在は何か、が見えてくる

*今や世界は「構造転換」――アメリカの視点を変える必要がある。政治構造、経済構造、文化構造等

*「日米関係」は「米中関係」である:国際文化会館http://www.i-house.or.jp/jp/index.html創設者・松本重治の看破

*プロジェクト・エンジニアリングの必要性、「全体最適」が問われている

*日本人の知恵と覚悟が問われている

このシリーズ自体が大変示唆に富んだものであったとともに、一連のお話をこれからの医療を担う方々が直接聴衆としてその場にいたこと、これが二重の喜びでした。世界の構造変革の中で、私たちもこれまでの着眼を変えなければなりません。そして「日本的伝統・価値・ライフスタイル」の見つめ直しと再評価が、あらゆる発想の原点になるのだと思います。「大局的に捉える」ことを学びました。