年明けから「エネルギー」に関する記事が続々と掲載されています。昨年の東京電力福島原発爆発事故後、多くの方々が、今、エネルギーに関して真摯に向き合い始めている証拠かと思います。
1) 2011年7月27日衆議院厚生労働委員会で線量測定・内部被曝に関して怒りの論述をされた児玉龍彦教授(http://www.youtube.com/watch?v=O9sTLQSZfwo)の試みです。現在しかるべき立場にいる方の説得力・影響力の大きさを痛感します。
<北海道新聞1月1日朝刊>
福島汚染米でバイオ燃料 児玉・東大教授、県内で実験へ:道内製造企業も協力~~~~~~
放射性セシウムが検出され廃棄見込みの福島県産のコメを、道内企業の技術を使って、ガソリン代替燃料のバイオエタノールとして利用する計画が動きだした。政府の除染施策を批判して自ら福島で除染に携わる児玉龍彦・東京大教授らが、「福島再生のモデルに」と取り組み、2012年内に具体化に向けた実験に着手する。バイオエタノール生産工場は福島県内に造り、廃棄用や風評被害で売れにくいコメを有効活用しながら、雇用創出や耕作放棄による農地荒廃を防ぐ狙いだ。~~~~~~~
2) <1月5日北海道新聞社説>
ニッポンつくり直し(4) 原発頼らぬ生活目指そう 20年で5割も増えた電力消費/自然エネルギー普及の道筋を
福島第1原発の事故は、私たちに放射能汚染の恐怖を見せつけると同時に、電気を気ままに浪費してきた生活の反省を迫った。 原発は大量の電気を生み出すが、柔軟な出力調整はできない。フル出力かゼロという小回りのきかない電源だから、つくった電気が消費されないと電力会社は困る。 こうして与えられた電気をどういうふうに使ってきたのか、検証しなければならない。
原発が担う3割分を差し引いた発電量は、およそ20年前の1990年前後の水準だ。日本経済にとって長期低迷の「失われた20年」が始まるころである。 北海道は一層厳しく、経済規模を示す域内総生産は当時と変わらない。この間、人口は減少に転じた。
ところが、北海道電力の販売電力量は、泊原発2号機が運転開始した91年から現在までに51%増えた。成長ゼロで人も減ったのに、1・5倍の電力を消費している。電気を便利に使いこなしているつもりが、実は、原発を基本に据えた電力供給システムに、知らず知らず生活様式を合わせてしまったのではないだろうか。
原発に頼らない未来を選ぶには、一人一人が暮らしを見つめ直し、エネルギーについて真剣に考えることが出発点となる。
将来のエネルギーのあり方を検討する上で、北海道には指針がある。2000年に制定された道の省エネルギー・新エネルギー促進条例だ。放射性廃棄物の処理・処分技術が確立されていないことから、原子力を過渡的エネルギーと位置づけ、「脱原発」の視点で省エネ促進と再生可能エネルギーの導入に取り組むとしている。ただ、道の取り組みは不十分で、これまでは見るべき成果がない。福島の事故を経験した今こそ、その理念を生かすときだ。
条例に共感した道内のNPO関係者や研究者らが昨年、「北海道エネルギーチェンジ100プロジェクト」を発足させた。条例の周知を図るとともに、再生可能エネルギー普及の独自の工程表づくりに取り組んでいる。メンバーの北海道市民環境ネットワーク理事の宮本尚さん(52)は、「何かしたいのに、どうしていいか分からない人も多いはず。そんな市民の思いを形にして、条例に命を吹き込みたい」と話す。
北海道新聞が昨年10月に実施した全道世論調査では、79%が原発の廃止を求め、今後の電力確保で再生可能エネルギーを重視する意見が6割を占めた。高橋はるみ知事はこうした声をくみ取り、原発に依存しない北海道を目指す姿勢を明確にして、再生可能エネルギーによる地域活性化を主導すべきだ。
風力、地熱、太陽光、家畜のふん尿や間伐材を使ったバイオマスなど、北海道の潜在力は高い。道内各地の取り組みを束ね、運営の課題、送電網の強化にかかるコストなどを検証し、短期と中長期に分けた普及計画を練る必要がある。熱電併給などでエネルギー利用効率を高める工夫も欠かせない。
北大大学院の吉田文和教授は、道、関係自治体、北電、専門家、市民団体などで構成されるエネルギー環境会議の設置を提案している。道はこうした意見を取り入れ、公開の議論を通じた合意形成を急がねばならない。道内の電力の4割は札幌市とその近郊で消費される。都市住民への省エネ意識の浸透が不可欠だ。脱原発を掲げ節電に取り組む札幌市は、道内の他の中核都市にも省エネを働きかけてもらいたい。
再生可能エネルギーは、地域分散、地産地消が特徴だ。国の方針を待つことなく、地方からの積極的な提言が求められる。道は、東日本大震災後の新たなモデルを提示するぐらいの意気込みで、省エネと一体となったエネルギー計画を策定すべきだ。東北以外で無駄な電気、石油、ガスを節約すれば、その分を被災地に回せる。
エネルギーを大切に使うのは環境にも家計にも優しい。自分にも他人にも得になる。そんなふうに考えられないか。オール電化住宅や24時間営業といった身の回りにあふれる便利さは、私たちが本当に求め、必要としたものだろうか。家庭で、職場で話し合うことから始めたい。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~引用おわり
「エネルギーチェンジ100」プロジェクト(http://www.enechan100.com/)、私も世話人の一人です。
3) 「ネットワーク農縁:http://www004.upp.so-net.ne.jp/net-nouen/」HPからエネルギーシフトに関してです。
http://suiden-trust.blogspot.com/2012/01/blog-post.html
新しい取り組みが確かに始まっています!!!