公法協トップマネジメントセミナーで

Posted by 秋山孝二
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 公益財団法人 公益法人協会(http://www.kohokyo.or.jp/ トップマネジメントセミナー」が開催され、以前の御殿場で開催以来、私は久しぶりの参加でした(http://www.kohokyo.or.jp/kohokyo-weblog/topics/docs/)。 今回、出席されている方々の顔ぶれは様変わりでしたが、公益移行の期間を経て、その課題も浮き彫りになり、貴重な情報交換の場となりました。

以前は静岡県御殿場で開催

以前は静岡県御殿場で開催

 今回は、公益法人制度改革の移行期間終了後初めての開催、この間、理事長ブログ等で的確なコメントを発していた太田達男理事長の総括と課題認識を共有できました。日本における「民が担う公共」は、まだ始まったばかりですが、新たな局面を迎えていることは間違いありません。

~~~当日プログラム~~~~~

✧7 月 16 日(水)

14:30~16:00 セッション1 「公益法人制度改革の総括と新たな課題」 (公財)公益法人協会 理事長 太田達男

16:20~17:50 セッション2 「公益法人の意義と責任」 慶應義塾大学 教授 松井孝治

18:30~20:30 懇親会

✧7 月 17 日(木)

9:00~10:30 セッション3 「高齢社会と民間公益活動」(仮) (公社)成年後見センター・リーガルサポート 理事長 松井秀樹

10:45~12:15 セッション4 「地域を巻き込む復興支援活動」(仮) (公社)Sweet Treat 311 代表理事 立花貴

13:45~15:45 セッション5 「新制度下における法人運営を考える」

分科会Ⅰ 機関運営、 役員の役割と責任

分科会Ⅱ 財務基準

 法人経営という観点から、事業活動費を確保し、いかに公益事業を充実させるか、法律が要請する役員の心得、リスク分散、組織強化などをテーマに

15:45 閉会挨拶

~~~~~~~~~ プログラム掲載 おわり

 二日目のセッションはいずれも大変興味深かったです。

(公社) 成年後見センター・リーガルサポート http://www.legal-support.or.jp/

 介護保険が導入された2000年に、同時に「新成年後見制度」も始まりました。「後見の社会化」、「声なき声の代弁者」と謳われた新たな制度も、今十数年を経て幾つかの課題が明らかになってきています。日々、現場で苦闘している司法書士の方々の声を聴いた気がしました。

第3セッション:成年後見制度について

第3セッション:成年後見制度について、松井秀樹理事長

(公社) Sweet Treat 311 (http://sweettreat311.org/

 「地域を巻き込む復興支援活動」、雄勝町を拠点として、教育支援ほか、実にダイナミックな活動を続けていらっしゃいます。「被災地」という言葉を「震災地」に変えて、「たくましく生きよ!」と教訓も変えた学校もあったり。今回の震災の被害にあったそれぞれの町は、考えてみると日本全国の少子高齢化の課題が前倒しで来たに過ぎない、自分たちのマチづくりの立ち上がる姿こそが、2万人の犠牲者への弔いであり、「亡くなっていった者のエネルギー」を受けとめることではないか、と。

 単に「復興支援」ではなく、プロセス自体に関わってもらう「プロセスツーリズム」を目指しての活動も前向きでした。「僕らだったらこうやる」といった小さい事例を公開、残す活動が大切であり、ただの批判はすべて後ろ向きなだけ、と。最後に、「もし『生きがい』と同じように、死者に『死にがい』があるとすれば、今日を生きる使命があるのではないか」と。「人を集める」と「人が集まる」の違い、“キラキラした未来”に人は集まるのではないでしょうか、と。

東日本大震災の現場で奮闘

東日本大震災の現場で奮闘、立花貴・代表理事

 講演者の皆さん、本当に素晴らしかったです。私もまだまだ努力が足りないなと、彼らの理念と覚悟を強く受け止めました。

初企画!、「北海道助成サミット」

Posted by 秋山孝二
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 先日の助成セミナー(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=18576)相談会終了後に、認定NPO法人「きたネット」初企画の「北海道助成サミット」を開催しました。地元民間企業のCSR部門の方、企業系財団法人、独立系財団法人等の関係者が20名程参加し、初めての企画でしたが大変貴重な意見のやり取りの場となりました。

 プログラムの冒頭は、秋山財団(http://www.akiyama-foundation.org/)宮原正幸常務理事のプレゼンテーション、「合同報告会で得た成果 & アウトリーチ活動への想いと波及効果」で、続いて「きたネット」理事長の私が座長を務めて、参加者全員による情報交換、ディスカッションでした、主として北海道を基盤に活動する助成する側の集まりなので、企業と関連財団活動との関係、選考方法・過程、授賞後のフォロー活動、プログラム評価等について、日頃の課題ほか活動の紹介で意見交換も密で、短時間の中で率直なお話があったと高く評価しています。

 ご参加頂いた皆さんからは、是非、定期的な意見交換の場として今後も開催して欲しい旨の意見が多く、環境系中間支援団体「きたネット」の新しいフィールドとして、さらに今回の総括を加味してプラットホームの構築を検討していきたいと思っています。

 先日も書きましたが、折しも開催の11月30日は、110年ぶりの民法改定となる「公益法人改革」移行期間5年間の最終日でしたので、一層あらたな取り組みの必要性を感じました。この区切りの対して、「公益財団法人 公益法人協会(http://www.kohokyo.or.jp/)」の太田達男理事長がメッセージを発信されています(20131129e585ace6b395e58d94e5a4aae794b0e79086e4ba8be995b7)。

民が担う新たな公共・公益活動は、また新しい時代を迎えつつあります。

「懐かしい公共」であるはず!

Posted by 秋山孝二
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 先日、公益財団法人公益法人協会(http://www.kohokyo.or.jp/)の新年交礼会がありました。この間、「民による公益活動」を一貫して日本社会の中で啓発し、民間財団を指導・助言されています。秋山財団の公益移行認定でも、大変お世話になりました。この場を借りて、太田理事長はじめ関係の皆さまに心から御礼申し上げます。

太田理事長のご挨拶

太田理事長のご挨拶

 当日冒頭の太田理事長のご挨拶は、大変含蓄のあるものでした。以下、その中から少し書き留めます。 

* 一昨年亡くなられた朝日新聞の辻陽明さん(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=1761)の言葉、「公益法人は元祖NPOですね」

* 今の国の財政・来年度予算案は、民間企業では考えられない状況、迅速な改革が急務。今後も中・長期的に「官による公共」は期待できない

* 2011年は、税制改訂(http://www.jiji.com/jc/v?p=ve_pol_zeisei20101216j-04-w380)の方向性から見ても、「寄付文化元年」となるだろう

* 「新しい公共」ではなく、「懐かしい公共」であるはず:日本社会には昔からあった「民による公共」

 

 HPにある理事長のコラム(ブログ:http://www.kohokyo.or.jp/kohokyo-weblog/column/)は、毎回興味深く読ませて頂いています。いずれにせよ、新たなセクターとして「公益財団法人」らが、地域再生・人材育成の力になっていきたいですね。

 ところで、秋山財団(http://www.akiyama-foundation.org/)は、今年「創立25周年」を迎えます。先の15日の財団の会合でも、この記念すべき年について、「広報活動が弱体だ」等、いろいろ貴重な意見が提起されました。「四半世紀」の重みを感じながら一層の展開を企画し、一方で原点を見つめ直す年としたいものです。

 もう一つ、余計なことですが、今日で私は「還暦」を迎えました。昔は「お年寄りの仲間」みたいに感じていましたが、とうとう(?)私もその時を迎えました。これからは、一層、社会のため、若い世代のために出来るだけ尽力したいと思っています、余計なことするな!と言われない程度にですけれど・・・・。少し遅れた「年頭所感」でした!!!

新たな歴史的スタートの日、2008.12.1

Posted by 秋山孝二
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 先日東京で、         「公益法人制度改革と市民社会の新たな展望

                  ー新公益法人制度施行と特定非営利活動促進法10周年を迎えてー」

             http://www.kohokyo.or.jp/kohokyo-weblog/topics/images/sympo_pamph.pdf

と題してのシンポジウムが、(財)公益法人協会http://www.kohokyo.or.jp/主催で、300名を越える出席者を集めて開催されました。

2008年12月1日からは、民法第34条が110年ぶりに改定されて、新しい三法による公益法人制度が施行されます。またこの日は、特定非営利活動促進法施行10周年にもあたり、二重の意味で新しい時代のスタートとなります。シンポジウムは本当に素晴らしい講師の方々のご登壇と、集中した300名の参加者の熱気で時には過激な言葉も飛び出したりで、皆さんが当事者としての迫力もあり、大盛況でした。日本にも、本格的な民による公益活動の展開が期待されるのでしょう。

3年前になりますが、「民が担う公共」について、私は(財)公益法人協会の会報(2005.11.10)巻頭言に下記のように書きました。

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             「北のいのちとともに――民間の公的こころざし」

 

財団法人 秋山記念生命科学振興財団 理事長  秋山孝二

 

7月の御殿場でのセミナーは、この間の「公益法人改革」の議論を臨場感に満ちて聴くことが出来た貴重なひと時であり、とりわけ「寄付金」を巡っての税制改革の方向性は、今回大きな一歩を踏み出した感があった。

9年前に当財団の初代理事長が逝去した直後、生前、役員に就任していた10数箇所の諸団体・大学等へお礼の意味合いもあり、私はささやかな寄付を行った。ある地元美術館からは「感謝状をお渡ししたいので、総会時に受け取りに来て頂きたい」とのご連絡だったが、私はどうしても都合が付かず欠席し、代理の者をやむなく出席させた。また郵送で幾つかの団体からも「感謝状」が相次いで送られて来た。そんな中、アメリカ・ハーバード大学の研究所からは所長名の手紙が届き、「生前の秋山喜代さんの当研究所に対するご尽力に感謝して、今回の寄付金を原資として『Kiyo Akiyama Award』を創設し、毎年大学院留学生を対象に日本への渡航費用の一部に当てるべく計画中であるが、賛否をお尋ねしたい」旨の内容であった。勿論、感謝状に価値が無いとは言わないが、正直に申し上げて受け取った複数の感謝状の扱いには大いに苦労した。一方「一民間人のこころざし」の価値に対する表現として記念の賞を創設し、名前を刻んで永く後世に残すアイディアに、寄付する者への配慮・奥深さ・裾野の広さを感じた次第である。

19年前に当財団は、医薬品卸売業(株)秋山愛生舘の創業100周年を前にして、当時の四代目社長が私財を投じて北海道地域・民間・助成財団として誕生した。当時巷では「売名的」、「税金逃れ」等、出捐者の「高く強い志」を理解するどころか、むしろ的外れ・誤解による批判的な評論が多く、設立に携わった私には不本意であり、公的補助金頼みの財団が殊の外多い北海道での「財団法人」のイメージを知らされた思いだった。

一連の公益法人改革で、寄付金を巡ってこれまでの積み重ねた議論の成果として大きく前進した法案に改訂されたとしても、日本の中で「民間の公共を思うこころざし」を正しく理解・評価する雰囲気が醸し出されない限り、本当の意味の「寄付文化」が根ざす事は難しいのではないか。

とは言え19年間私達は研究助成を続け、昨年からはNPO等への社会貢献活動助成も開始した。どの様な環境の中でも、21世紀の「生命科学」を心から慈しむ民間の志に最高の価値を見出して、「北のいのちとともに」愚直に自主・自立・持続可能な活動を続ける気持には何の迷いも無い。

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先日のシンポでは、今回の三法についてかなり批判的意見も出はしましたが、何せ110年目の改革ですから、今後はこの間の理念をしっかり軸に据え、継続した議論を続けて改革の連鎖を創り出していく事が重要だと思います。私の企業経営者としての経験から言えば、「改革」はそう鮮やかに、瞬時に、劇的には参りません。勿論ある限られた時間幅との戦いではありますが、何回かの微修正と改革の連鎖により、迅速に新しい時代を創っていくのだと確信しています。そう言う意味では、これまで公益法人活動に関わってきた方々、これから担っていく方々の心意気が試されているに違いありません。あとは、それぞれの財団が、これまでの活動にプライドと自信を持って、新しい「民が担う公共」を押し拡げていくこと以外ないと思うのです。

 

以前から私は、学生とか若い世代の方々には、「『出る杭(くい)』ではなく『出過ぎた杭』に成れ!」とハッパをかけています。そして新しい時代は、辺境から蛮族によって創られる、そう信じています。