観劇 & 第114回北を語る会

Posted by 秋山孝二
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 「北を語る会」、今回は第114回目、シアターZooで『フレップの花、咲く頃に』の観劇の後、隣の稽古場で懇親会でした。

* 「北を語る会」のこれまでの記事ーー> http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?s=%E5%8C%97%E3%82%92%E8%AA%9E%E3%82%8B%E4%BC%9A

『フレップの花、咲く頃に』ーー> http://www.h-paf.ne.jp/program/%E3%83%95%E3%83%AC%E3%83%83%E3%83%97%E3%81%AE%E8%8A%B1

フレップの花、咲く頃に

<キャスト>

山田百次
西田薫(フリー)
熊木志保(札幌座)
竹原圭一(RED KING CRAB)
高橋海妃(フリー)

友情出演
アリョーナ(ジャイブプロモーション)

 朝鮮人、日本人、ロシア人、樺太アイヌたちが、国家・民族の垣根を越えて一つのコミュニティを奇跡的に形成していた「混住」の時代、個人レベルでの心の交流を描いた作品です。この日の公演は満席で、終了後の皆さんのお顔は満足感で溢れていました。

 今回演出の斎藤歩からのメッセージです。~~~~~~~~~~~~~~~~

 台本を執筆するのは山田百次くん(ホエイ)です。「珈琲法要」をご覧になられた方も多いと思いますし、2月「暴雪圏」での強盗殺人犯の演技も記憶に新しいと思います。

 昨年「亀、もしくは…。」のサハリン公演を終え、サハリンとの新たな交流を検討していた矢先に、私が出会った一つの手記をもとに百次君が取材を重ね、脚本化してくれました。敗戦直後の樺太に残留していた日本人の方々が経験した「混住」という時代。当時小学生だった吉岡潤三さん(北海道演劇財団理事)のお宅に、突然ソビエト軍のトラックが横付けされ、一組のロシア人夫婦が降ろされて「お前たちは今日からこの夫婦と一緒に暮らせ」と命じられたのだそうです。それから、ロシア人の夫婦と吉岡さんのご家族の2年ほどの暮らしが始まったのですが、そのころ樺太には大勢の朝鮮人も連れて来られていたり、樺太アイヌの方々もいたり、様々な民族の人たちが、垣根を持たずに一緒に暮らすコミュニティを形作っていたのだそうです。

 実際に北海道のすぐ隣の島で起こっていたことを舞台上に現わすためには、ロシア人の俳優が必要でした。サハリンのチェーホフ劇場から呼んでこなければならないかなぁ…と考えていた矢先に、テレビの画面に現れてくれたのがアリョーナさんでした。すぐに電話に飛びつき、連絡先を調べて出演交渉したところ「友情出演」という形で出演してくれることになりました。山田百次くんも勿論出演し、5月の「シンデレラ」に続いて連投の西田薫、熊木志保、そしてMAMの「父と暮せば」でTGR俳優賞を受賞した高橋海妃さん、更に竹原圭一くん(RED KING CRAB)も、二つ返事で出演を了承してくれました。

 今年は「日本におけるロシア年」だそうで、日本とロシアの友好・交流について考えることの多い年だと思いますし、北海道150年という事で、記念事業としても登録をさせていただいています。北海道から世界を、そしてこの国の近代を眺め感じ・考える貴重な作品になると思います。シアターZOOで全10ステージ、皆さまを劇場でお待ちしています。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 この公演に至るプロセスも具に見ていた私としては、作品自体の知らなかった樺太の歴史の一断面とともに、地域のテーマとしての興味深さも感じて、余韻が残りました。脚本の山田百次さんは、これを書くために実際にサハリンに調査に行かれたとか、すごいですね。

 終演後の役者の皆さんを含めた「北を語る会」メンバーの懇親会は、話題満載で大変楽しい時間となりました。観劇後のこのようなひと時、数倍の喜びとなります。

50名を越える参加者の皆さん

50名を越える参加者の皆さん

演出の斎藤歩さん

演出の斎藤歩さん

原作者の吉岡順三さん

原作者の吉岡順三さん

脚本。主演の山田百次さん

脚本・主演の山田百次さん

サハリンのロシア人を演じるアリョーナさん

サハリンのロシア人を演じるアリョーナさん(サハリン出身)

 在札幌ロシア総領事館の総領事もご覧になって、今後、サハリンでの公演も含めた企画に構想も膨らんでいるようです。これまでも札幌座は、ハンガリー、ルーマニア、韓国、ロシア等、数々の海外公演を経て、その都度大きな進化をしてきているので、これからも楽しみです!

皆さん、お疲れさまでした!!

映画『共犯者たち』 & シンポジウム

Posted by 秋山孝二
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 映画&シンポジウム、東京池袋の立教大学で開催され、満席の会場は熱気で溢れていました。このイベント、私はFacebook友達の投稿から知りましたが、札幌で「メディア・アンビシャス(http://media-am.org/)」活動の世話人の一人として、「闘って勝ち取った民主主義」を目の当たりにし、参加してよかったです。今回シンポジストの望月衣塑子さんは、4月末の札幌に続いての出会いでした、ご本人が言っていたように、「韓国の闘う記者たちと比べたら、日本、自分はまだまだ」とのコメントも新鮮でした。

* 4月札幌でーー>http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=33093

映画『共犯者たち』 >HPより

 韓国では、2008年、米国産牛肉の輸入問題の報道で李明博(イ・ミョンバク)政権が大打撃を受けたことから、本格的な言論弾圧がはじまった。最初のターゲットになった公共放送KBS(韓国放送)が、次に2010年「4大河川事業」の実態を告発した公営放送MBC(文化放送)もトップが入れ替えられ占領される。結局、放送検閲という最悪の状況の中、政治権力の広報基地に転落したKBSMBC2014年のセウォル号沈没事件時の誤報をはじめ2016年崔順実(チェ・スンシル)ゲート事件の真実さえ隠蔽されてしまった。

 映画『共犯者たち』は、この10年の間に公共の放送を台なしにした主犯たちと彼らと手を組んだ放送業界の共犯者たちの実体を明らかにするために、崔承浩(チェ・スンホ)監督がどこまでも彼らを探し出し全員カメラの前に立たせる。一方、権力に抵抗したプロデューサー、記者など内部職員たちがどのように反撃したのか、そして敗北した後、どのように転落していったのかを詳細に追跡する。韓国で大反響を呼んだ作品。映画公開後、奇跡の大逆転劇が起こった。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 引用おわり

 先日は、映画上映の後、崔承浩(チェ・スンホ)監督の舞台挨拶に続き、日韓ジャーナリストによるシンポジウムが行なわれました。

< 監督挨拶 崔承浩(チェ・スンホ)>

1986MBCに入社。プロデューサーとして『PD手帳』をはじめ時事問題を深くえぐった数々の番組を制作してきた。2012年、MBCを不当解雇された後、市民の支援で作られた非営利オルタナティブメディア「ニュース打破」で活動を継続、権力の素顔を明らかにすべく聖域なき取材活動を行なっている。2016年、国家情報院のスパイ操作事件を扱った『自白』を初公開し、社会的に大きな反響を呼んだ。本作は二作目。この映画を公開した後、MBC労組は勝利し、201712月、崔承浩氏はMBC社長に就任し改革がはじまっている。

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<シンポジウム>

立教大学社会学部創立60周年記念シンポジウム

「日本の『共犯者』は誰だ? 権力とメディアの関係を問う」

開会挨拶:岡本有佳(実行委員会共同代表、編集者)

パネラー

○金京来(キム・ギョンレ/ニュース打破記者、元KBS記者)

ニュース打破記者。1974年生まれ。2001年、KBS報道局入社。2010年のストで停職懲戒。2012年ストの時、「Reset KBS NEWS9」を制作し、KBSが報道しなかった情報をネット配信。2013年新たなジャーナリズムを求めてニュース打破に合流。

○望月衣塑子(東京新聞記者)

東京新聞社会部記者。1975年東京生まれ。昨年からは森友学園・加計学園問題の取材しながら官房長官会見で質問を続けている。

○砂川浩慶(メディア総研所長、立教大学教授)

1963年沖縄・宮古島生まれ。86年早稲田大学卒、同年日本民間放送連盟に入り、放送制度担当など20年勤務。06年から立教大学。

◆コーディネーター:岩崎貞明(メディア総研事務局長)

閉会挨拶:金富子(東京外国語大学教授)

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 しぶとく闘った韓国での10年間、日本国内でも同じような状況が進行する中、これは日本のメディア関係者が見るべき映画ですね。キャスターが一人二人辞めたくらいでバタバタするな、それを乗り越えていく覚悟を決めたジャーナリスト、そして応援する市民の存在が歴史を変える、そんな気がします。報道が死ねば国が亡びる、本気で日本の将来を考えるのであれば、今のような政治・経済の体制・状況こそが「カントリーリスク」そのものであることに間違いはない。インターネット上では、映画の感想として日本の現状を憂うコメントが散見されるけれど、ただ憤る、憂いている場合ではありません。

 自立した個の言論、自由な発言を続けて、少しでも状況への関わりを期待する、そんな覚悟も必要なのでしょうね。映画&シンポ、つい先月観た映画『タクシー運転手(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=33218)』と同様の感動を覚えました。

 自分のできる立ち位置の中で、表現すること、コメントを発すること、そして行動を続けていきたいとあらためて思いました。

6.12 米朝首脳会談に思う

Posted by 秋山孝二
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 2018年6月12日は、歴史的な日として記録されることと思います、シンガポールで米朝首脳会談が開催されました。

 シンガポールと言えば、2015年と2017年に私も会議出席のため訪問し、特に2015年は、今回会談があったセントーサ島のカペラホテル(https://www.capellahotels.com/singapore/about-ja/)に泊まりました。

<2015年 シンガポール>

* http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=24919

* http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=24921

<2017年 シンガポール>

* http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=31850

* http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=31853

* http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=31855

12日は朝からのライブ放送ほか、その後数日間の朝・昼・夜のニュース番組等の分析、コメントが面白かったですね。

* http://ch.nicovideo.jp/article/ar1550798

 会談だけでなく、直後のトランプ大統領の記者会見、数日後の北朝鮮のニュースビデオは両者の受け止め方の違いが鮮明で外交の難しさも感じました。記者会見を私はライブで見ていましたが、トランプは米軍に関して「お金が掛かる」みたいな話を繰り返し語り、「Deal」という言葉も頻繁に使い、何かアメリカのリーダーとして品格に欠けて俗っぽい人物像を再確認しました。朝鮮戦争の終結とか、新しい歴史を創るみたいな、高邁な理念を彼の口から求めるのは、無いものねだりなのでしょうね。

 北朝鮮のニュースを分析したTBSの昼の番組は面白かったです。秒単位の映像の分析、背景に流れる音楽、ナレーションの声の高さ・スピードの変化、画面の切り貼りが、ライブ映像と微妙に違い、金正恩の主導権を印象付ける様子等を、メディアの視点から鋭く指摘していました。

<トランプ大統領の会談後の記者会見全文はこちら>

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO31865230W8A610C1I00000/

<北朝鮮の発表>

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180613/k10011476281000.html?utm_int=detail_contents_news-related_002

 その中で、私は寺島実郎さんの分析に賛同致します。特に、朝鮮半島の人々が日本という国を見る視点は、1910年の韓国併合から35年間の日本帝国主義支配の歴史認識です。とかく日本国内ではすぐに「拉致問題」と喧伝されますが、その下地の歴史認識として、海外の東アジア研究者の多くは、拉致に至る終戦までの35年間の日本の統治の問題を抜きには「人権問題」として日本は言及できないとみています。

分かりやすい分析

分かりやすい分析 BS11未来先見塾から

 一方、この首脳会談の裏の主役「中国」の存在もしっかり認識しておく必要があります。今回、金正恩が母国からシンガポールに搭乗した飛行機は中国国旗を記したジャンボジェット機、命を託す手段に中国機を使用したメッセージは深いものがあると寺島さんも指摘しています。

 また、この首脳会談の直前に、中国山東省青島市で、「上海協力機構(https://kotobank.jp/word/%E4%B8%8A%E6%B5%B7%E5%8D%94%E5%8A%9B%E6%A9%9F%E6%A7%8B-181044)」の首脳会談・調印式を開催し、今回の会議には、プーチンロシア大統領やインドのモディ首相のほか、オブザーバー国としてイランのロウハニ大統領も出席しています。

中国の影響力

中国の影響力

 それにしても日本の存在感の無さは何とも情けないですね。東アジアの非核化において、リーダーシップを発揮する絶好の機会だと私は思います、国際社会の中で、日本のビジョンがありませんね。

 1989年のベルリンの壁崩壊の時も感じましたが、歴史は人が創り出す、いろいろ課題山積ですが、2018年も20世紀の歴史が一つ区切りがつくスタートとなりました。

* 2011年 ベルリン訪問ーー> http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=10458

* 2018年 南北会談ーー> http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=33038

映画『タクシー運転手』

Posted by 秋山孝二
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 映画『タクシー運転手 約束は海を越えて(http://klockworx-asia.com/taxi-driver/は、以前上映された映画『光州 5.18(https://filmarks.com/movies/7222』とともに、1980年5月に起きた韓国光州市での「虐殺」をテーマにしています。一方、副題に「約束は海を越えて」とあるように、平凡なタクシー運転手と外国人記者、それから光州で出会う人々を2人の視線を通じて描かれる「光州5月」の物語です。歴史上の偉人が成し遂げた大きな事柄ではなく、普通の人々の小さな決断と勇気が積み重なり、そして平凡なある個人と時代が生んだ危険な状況に負けず、最後まで自分の仕事を成し遂げたという話でもあります。メディアの記者に、「この現実を伝えてほしい!」と訴える地元住民の言葉が重かったですね。アウシュビッツを訪問した時、生き残ったポーランド人の方が、この事実を伝えることが自分の使命とおっしゃっていたことと重なります。

光州5・18

 光州市(Gwangju)とは、北海道の劇団の演劇公演で交流が続いています。私も、10年前になりますが、光州市を劇団と同行して訪れました。そして、韓国の劇団と北海道の交流も盛んになってきています。

* 10年前の光州訪問(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=97

* 演劇交流も盛んになって(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=6437

 今、朝鮮半島を巡って、南北朝鮮が新たな歴史を築こうとしています。中国、アメリカと相まって、日本にとっても重要な局面に差し掛かっているのですが、今の日本の政治では、蚊帳の外が実力かと。どんな政権でも、地域と地域で芸術・文化でつながる顔の見える信頼関係を大切にしていきたいですね。

2018年4月27日、板門店

Posted by 秋山孝二
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 2018年4月27日、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領と北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)委員長は、軍事境界線のある板門店で会談し、「板門店宣言」に署名して歴史的な一日となりました。

* 板門店宣言全文:https://article.auone.jp/detail/1/4/8/6_8_r_20180427_1524835601996918

 夜のテレビ、NHKニュースに登場していた南山大学教授のコメントは何ともネガティブ。歴史は一挙に変わるはずもなく、まして朝鮮半島の歴史では、基本的には休戦協定の当事者は北朝鮮とアメリカ(国連軍)ですから、構図的には6月にも想定されている米朝会談で正式な新しい枠組み交渉がなされるのは自明の理です。ただ、その前に、南北会議がこのように設定されて共通の目標を掲げたその両者の勇気に、率直にまずは拍手なのではありませんか。私は、1989年のロシア崩壊、ベルリンの壁の撤去の瞬間を思い出しました、まさに20世紀の冷戦構造の終結です。7年前にベルリンを訪問した時、その瞬間を自らの肌で感じました。

* http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=10458

 今回、金正恩氏は北朝鮮の指導者として初めて軍事境界線を200mの徒歩で越え、韓国側に足を踏み入れました。午前は韓国側施設「平和の家」で同席者を交えて1時間40分会談、午後にも屋外を散策する途中で約40分間2人だけで会談し、その後で共同記者発表に臨みました。私はテレビでその様子を見ていて、共通の言語・民族が、もちろん世界の目を意識してではありますが、向き合って話す姿に、まさに歴史の瞬間に立ち会っている気がしました。

今朝の新聞各紙

今朝の新聞各紙

 宣言では「完全非核化」のほかに、朝鮮半島の平和構築に関しては「非正常的な現在の停戦状態を終息させ、確固たる平和体制を樹立することは歴史的課題」と指摘し、年内に朝鮮戦争の終戦を宣言したうえで、1953年に締結した休戦協定を平和協定に転換するため、南北米の3者或いは中国を加えた4者による会談を進めると明記しました。

 南北の緊張緩和のため、互いに武力を使用せず1992年の南北基本合意書で約束した「不可侵」の合意を再確認し順守するとし、来る5月1日から、南北の軍事境界線付近で拡声器を使って流してきた北朝鮮の住民向けの宣伝放送を中止し「すべての敵対行為を中止する」と宣言しました。

 南北は相互交流の拡大のため、北朝鮮の開城に南北共同連絡事務所を設ける方針も確認。経済協力に関しては、2007年の南北首脳会談で触れた事項を積極的に進め、鉄道や道路などの整備に関して対策を講じるとも明記しています。

 私は10年前に、演劇交流で韓国を訪問した時に、板門店ツアーに参加して現地に足を運びました。歴史の最前線にいる緊張感は今も心に残っています。

* 板門店 http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=876

 その時の私のコメントです~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 いずれにせよ、相変わらずの日本外交の貧弱さを痛感しています、公式発表はともかく、複数の人的パイプがないというか。外交上は、今こそ、東アジアにおける平和と安全に関して「非核化」をキーワードにして、日本は本来のリーダーシップを発揮する時だと思います。そして、一味違う視点として、自然科学者・環境科学者を中心として、たとえば「オホーツク海の生態系」、「北東アジアの大気汚染」、「朝鮮半島の生態系」といったテーマでの、周辺6・7カ国ネットワーク形成プロジェクトを、日本がリーダーシップを取って場の構築等は出来ないものでしょうか。

 過去の歴史を受け止めながら、21世紀的テーマの新しい構想の中で平和の時代を創る、そんな時代なのだと強く思います。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~引用 おわり

 あれから10年を経て、何も動いていなかった日本国の姿勢、歴史の舞台から取り残される所以ですね。第二次世界大戦の戦勝国がどこで、敗戦国がどこだったのか、あらためて近い歴史をしっかり認識する必要があります、以前から私自身、声高に言ってきたことではありますが。日本は、アメリカに敗けただけでなく中国にも敗けた事実を認識しなければならず、そして、戦前、朝鮮半島を統治していたのは日本であり、中国の一部を占領していたのも日本であることを、ですね。今回の朝鮮半島の平和的統一への努力を、ただ「歓迎」といっている場合ではなく、何がしかの歴史的責任を負っての使命があるのでは、と私は強く思います。

 10年前の板門店ツアーで、向かうバスの中で聴いた「イムジン河」は、ひと際印象的でした。1969年前後の私の学生時代とも重なります。

* イムジン河 https://www.youtube.com/watch?v=eQF1xdghzGM

 東西ドイツの統合のように、今後、課題は多いでしょうが、南北朝鮮の統合により朝鮮半島の非核化への道が開かれると、韓国駐留のアメリカ軍の位置づけが変わり、ひいては日本の沖縄を中心にいるアメリカ軍基地にも変化が出てくることになります。まさに、朝鮮半島問題は、21世紀の日本のあるべき姿の課題に直結します。

 平和への道筋、一歩一歩前に進んでほしいものです、朝から興奮した2018年4月27日でした。

日本の近代とは? @三谷太一郎先生

Posted by 秋山孝二
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 この十数年読んできた中で、私にとってトップレベルで納得した三谷太一郎著「日本の近代とは何であったか――問題史的考察(http://www.jicl.jp/now/ronbun/backnumber/20170410.html)でした、素晴らしい本です。

 三谷太一郎先生は、2011年の秋山財団顕彰事業「新渡戸・南原賞」の受賞者です。

* http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=10292

* 新渡戸・南原賞 http://www.akiyama-foundation.org/history/history_02

<山本和生さん撮影>

 日本の近代政治史を考察した内容。日本の近代化を以下の四つの視点、統治としての「政党政治」がどのようにして生まれたのか、「資本主義」がなぜ形成されたのか、いかにして「植民地帝国」となっていったのか、「天皇制」とは何なのか、について分かりやすい考察です。ウォルター・バジョットの近代概念である「議論による政治」をキー概念にしながら「貿易」「植民地化」を促進要因として注視しながら解き明かしています。

 一つずつ少し内容を紹介します。

 近代化の政党政治への変遷は、立憲主義の導入において、一つの側面として「権力の分散」等、多くを幕藩体制から学び取り、もう一つの側面は「議会制」、すなわち「慣習の支配」から「議論による統治」へと形を作ります。さらに思想的には、「明治憲法」と対を成す形で「教育勅語」を位置づけ、市民的には憲法よりもむしろ教育勅語に実質的にはその思想の基盤を求めていた構図も明解に解説していました。「教育勅語」に関して、天皇の「超立憲君主的性格」「半宗教的絶対者」を明示との指摘は、今こそきっちり理解したいポイントです。昨今の政治家たちの「教育勅語」発言が、いかに浅薄で歴史を踏まえていないものか、明らかです。

 近代日本の資本主義形成、つまりは非外債政策を基本とする「自立的資本主義」から、国際金融資本との協調路線である「国際的資本主義」へと転換する過程をまず興味深く読みました。金解禁と軍縮条約はセットだったこと、東亜新秩序の地域主義への位置付け等々、私にとっては新たな視点を得るとともに、第一次大戦後のワシントン体制成立を、国際金融政策からの背景説明に強く共感します、政治は経済の反映であることに。

 植民地を求めての遅れて出てきた帝国主義についても分かりやすい分析でした。日本はアジアにおいて歴史上最初の、そしておそらく唯一で最後の植民地を領有する国家となったこと、その第一歩を踏み出したのは日清戦争の前後だと。それは丁度、不平等条約下の自立的資本主義から条約改正後の国際的資本主義へと転換した時期でした。さらに、議会での枢密院での議論、陸軍の勢力伸長等、複雑な政治的主導権争いが繰り広げられる様子を解説しています。イデオロギー的には、新しい国際秩序として「地域主義」が台頭してくるのです、これが後の「大東亜」の道筋へと続きます。日本の近代史が韓国、中国との関係性を抜きに語ることができないのは、この辺の歴史認識からも必然だと思われます。

 「天皇制」についての言及も分かりやすいですね。当時の日本の憲法起草責任者・伊藤博文は、仏教を含めて既存の日本の宗教にはヨーロッパにおけるキリスト教の機能を果たしうるものは見出すことはできませんでした。そこで彼は、「我が国にあって基軸とすべきは独り皇室あるのみ」と決断し、「神」の不在が天皇の神格化をもたらしました。ヨーロッパ近代は宗教改革を媒介として、ヨーロッパ中世から「神」を継承しましたが、日本近代は維新前後の政策・運動により前近代から「神」を継承しませんでした。言い換えると、日本における「天皇制」は、ヨーロッパにおける「君主制」以上の過重な負担を負わされることになります。

 さらに明治憲法第一条に規定する統治の主体としての天皇と、憲法第三条の天皇の「神聖不可侵性」とは、法論理的には両立せず、憲法外で「神聖不可侵性」を体現する超立憲君主的性格を積極的に明示したのが「教育勅語」だっと説明しています。当初から、天皇を単なる「立憲君主」にとどめず、「半宗教的絶対者」の役割を果たすべき「国家の基軸」に据えた結果でした。これは、明治憲法と教育勅語との矛盾、立憲君主としての天皇と道徳の立法者としての天皇との立場の矛盾は消えることはなく、これと不可分の「政体」と「国体」、「府中」と「宮中」との相剋は、日本近代の恒常的な不安定要因だったと結論づけています。さらにそんな状況の中、一般国民に対して圧倒的影響力を持ったのは憲法ではなく教育勅語だったようで、いわば「市民宗教」の要約と言ってもいいのでしょう。

 この憲法と教育勅語との関係をしっかり押さえていくと、戦後の日本国憲法における「象徴天皇」の持つ意味合い、「教育基本法」の意義も、より明確になってくるような気がします。戦後の「教育基本法」といえば、その草案作成の中心人物・南原繁を忘れることはできません。私自身、「新渡戸・南原賞」事業で、「南原繁研究会(http://nanbara.sakura.ne.jp/」の活動を垣間見ました、加藤節(http://nanbara.sakura.ne.jp/hello.html)先生のお話が忘れられません。

 かなり端折って書いてしまいました、とにかく、濃い内容なのでどうしても長い説明になります。多くの方々がおっしゃっているように、現在の国際社会、どの国も内向きで視野狭窄に陥っているような気がします。三谷太一郎先生がおっしゃる「ワシントン体制」の歴史的教訓、すなわち軍縮条約に基づく平和的・現実的な多国間秩序の構築に向けた外交努力の必要性が、今こそ重要なのだと強く感じました。

 最後の部分に、「これからの日本が歩むべき道」として、重要なのは各国・各地域のデモクラシーの実質的担い手である、と書かれています。デモクラシーにとっての平和の必要性を知る「能動的人民(active demos)」の国境を越えた多様な国際共同体組織であり、国家間の協力とともに、市民社会間の協力を促進する努力の必要性を訴えています。まさに「civil society」、「NGO」の出番なのでしょう。

 日本の「近代」の成り立ちを踏まえて、今の課題解決、将来の国のあるべき姿を模索したいですね。

大晦日 2016

Posted by 秋山孝二
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 毎年のこの「秋山孝二の部屋」の年末メッセージを見ていると、随分差があることに気が付きます。昨年末の振り返りは3本の記事にまとめるほど一生懸命でしたが、今年は何かと思いを巡らすことも多く、多忙な中に逃げ込んでゆっくりの振り返りもままならない状態で年を越しそうです。

 何はともあれ総じて、私にとっては大変充実した1年でした。海外出張は3月のアメリカ・オレゴン州ポートランド訪問、10月の香港と、ともに内容の濃いディスカッションとフォーラム。国内では、熊野古道・中辺路ウォーク、北を語る会での道内樺戸・増毛方面のツアー等、バラエティに富んだひと時も思い出に残ります。ただの見学ではなく、その場その場での学芸員、解説者の皆さまのお話が大変感動的でした。

* ポートランド訪問 http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?s=%E5%A7%89%E5%A6%B9%E9%83%BD%E5%B8%82%E3%83%BB%E3%83%9D%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%

* 香港 http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?s=RETHINKING+IMPACT+%EF%BC%A0%E9%A6%99%E6%B8%AF

* 熊野古道・中辺路ウォーク http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?s=%E7%86%8A%E9%87%8E%E5%8F%A4%E9%81%93

* 北を語る会ツアー http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?s=%E5%8C%97%E3%82%92%E8%AA%9E%E3%82%8B%E4%BC%9A%E3%83%BB%E7%A7%BB%E5%8B%95%E4%BE%

 北海道日本ハムファイターズの日本一までのプロセスは、本当にドラマ、ドラマの連続でしたね。大谷翔平くんが巷の話題ですが、栗山監督ほかコーチ陣、若手選手たちの溌剌とした活躍が数多くの感動を与えてくれました。私はテレビで見ているだけでしたが、優勝パレードには足を運んで感動を共にできました。インターネット上の記事を時間を見つけて片っ端からアクセスして、サイトを手元メモに書き留めましたが、すでに削除されている動画もありました。優勝記念の雑誌、DVD、そして昨日はHBCラジオの実況CDも買って、再度興奮をあらたにしました、本当に何回見ても、聴いても、涙涙の感動でいっぱいです。ファイターズのチームで育っていく若手選手の成長と、感動をともにできることは、ただのプロ野球というよりも良質の学校を見ているようです。

2016 栗山 https://www.youtube.com/watch?v=8AT0a__FdM8

2016 栗山 クロ現 https://www.youtube.com/watch?v=NZNiXT9zPIw

2016 栗山 特派員協会 https://www.youtube.com/watch?v=mhTctX0hdJU

2016 理想の球団経営 https://www.youtube.com/watch?v=q9lM2Z2rA3c

 今年4月、私は大分県臼杵市での会合に出席するために、前日から大分県別府市に宿泊していました。早めに寝ていたら真夜中午前1時半前に、大きな揺れに襲われました。2日前の熊本を中心とした地震に続いての揺れ、後にこれが「本震」と変更されました。大震災を肌で感じて以来、出張先での一人での宿泊では後遺症が続きました。地元の方々にとっては続く余震で、今も不安なお気持ちでお過ごしになっていることでしょう。

* http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=26258

 秋山財団は30周年を迎え、今年は常務理事、事務局の頑張りで新しい段階へと進化しました。来年からは31年以降のさらなる飛躍を目指して着実に前進して参りたいと思っています。テーマとしては「生命科学」、フィールドとしては「北海道」をさらに深掘りして、新たなバージョンで社会に貢献して参りたいですね。

 夢の膨らむ今年でしたが、世界に目を向けると、Brexit、アメリカ大統領選挙でのドナルド・トランプ氏勝利、韓国の朴槿恵大統領の進退、フィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ大統領の暴言、頻発する各国でのテロ等、何やら不穏な今後を予感させるので少々不安です。日本の政治・経済のリーダー達の劣化も、目を覆うような惨状。先日の安倍晋三首相のアメリカ・ハワイ州真珠湾訪問に対しても、私はかなりネガティブなコメントを発し、翌日(29日)の北海道新聞朝刊に記事の一部となりました。

 振り返り始めると次から次へと記憶が蘇ります。今年、数々の名言にも触れました。

 9月に早稲田大学で行われた「むのたけじの魂を継承する」集会で、亡きむのたけじの言葉、「『すりかえる』権力と『すり抜ける』民衆、騙されないこと」、「歴史は一人から始まる、自分から始める、それは自分に誇りを持つこと」、と。

* http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=27735

 また、今年で6年目になる寺島実郎戦略経営塾(http://www.terashima-bunko.com/terashimabunko-juku/strategic-management.html)での寺島実郎さんのお言葉、「つながりを理解できる力、うねりを理解する力、それが『知性』である」、と。

 今年1年、多くの皆さまにお世話になりました、来年もまたよろしくお願い致します。どうか良いお年をお迎え下さい。

激震、深夜の大分県・別府 !

Posted by 秋山孝二
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 4月23日の私のブログ(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=26260)の最後の部分:

 それぞれの地域の特徴も理解できて、どこも頑張っているな、というのが正直な印象でした。山﨑史郎さんとはこの日の夜にホテルロビーでバッタリお会いし、その時、彼が「今、熊本で大きな地震があったようだ」とおっしゃっていました。それからの地震を巡るリアルストーリーは後ほどに・・・。~~~~~~~~~~~~~~~と書きました、以下がその続報です。

 14日夜に熊本県益城町で震度7を観測したマグニチュード6.5に続き、16日未明に起きたM7.3の「本震」。熊本県阿蘇地方や大分県でも激しい揺れ、まさに「激震」でした。10日経た今も、進行中と理解すべきなのでしょうね。

* 気象庁発表 http://www.jma.go.jp/jma/press/1604/25a/201604251030.html

* 朝日新聞 http://www.asahi.com/special/kumamoto-earthquake/tremor/

 私は、14・15日、岡山での経済同友会全国フォーラムを終えて、15日午後に岡山から新幹線で小倉へ、さらに特急に乗り換えて別府まで移動しました。16日午前中に中津の「廣池千久郎中津記念館(http://www.hiroike-chikuro.jp/chikuro_hall/nakatsu/nakatsu.htm」訪問、午後は臼杵での「ANJINサミット」に出席するために別府のホテルに泊まっていて、16日未明の地震に遭遇しました。

* 第4回「ANJINサミット」 https://www.oita-press.co.jp/1010000000/2016/04/09/221730015

 17階のホテルの私の部屋、充電中のスマホから「緊急地震速報」の大きな警告音で目を覚ますや否や、激しい上下左右の揺れで思わず床に四つん這いでしばし静まるのを待ち、その後の繰り返しの揺れにもただ部屋の中をウロウロしている状態でした。やがて館内放送で、非常階段を使って向いの駐車場に避難するようにとの指示があり、私自身、屋外と部屋の中のどちらに身を置くべきか迷いましたが、ここは避難の経験も大切かとすぐに着替えてコートを着て、我ながらかなり冷静に非常階段を降りました、地上に出るまで約10分くらい掛かったでしょうか。各階から、荷物を背負った方、浴衣姿のままの方ほか、不安そうに皆さんそれぞれの格好で階段を無言で降りていました。

 地上に着いてみると、向いの駐車場は満杯なのでホテル建物方面へとの誰かの声、移動してしばし正面玄関前で立っていると、今度はホテル職員の方が、ここは危険ですので向いのコンビニの駐車場へ移って下さいのアナウンス。ここでもまた、建物の中か外の広場のどちらが安全なのかの少しの迷いがありました。結局、向いのコンビニの駐車場へ移動して、30分位もただ時の経過を待っていたでしょうか、その間、パトカーが走っていったり、コンビニで買い物をする人々を見ていたり、何をしていたのかよく覚えていません。ただ、ツアー添乗員と思われる女性数人が、手元の名簿を持ってツアーメンバーを確認する姿が印象的でした、こんな状況の中でも仕事に徹していることに。

 それに比べて、男性は何ですか、この期に及んでも缶ビール片手に酔っ払いながら駐車場を徘徊している日本人の浴衣姿の男性、大きな声で唄を歌う韓国の観光客の男性がいたり情けない状況、しばし気を紛らわせながら時間を過ごしていました。コンビニで飲み物を確保しておこうと思ったのですが、何と財布をホテルの部屋に置いて降りてきたことに気が付きました。スマホはFBにアップしようと忘れなかったのに、お金は手元に一銭も持っていなかったのです。

 しばらくすると、ホテルの職員が、「安全確認が終了しましたので、お部屋にお戻りください」とのアナウンス。大丈夫かなとは思いながらも外にいるよりは部屋の方がゆっくりできるかと、ロビーを通って再度非常階段を、今度は昇って17階まで戻りました、何分かかったかを測る余裕はありません。荷物が無かったとはいえ、17階まで深夜に昇るのはなかなかのエクササイズでした。私は一気でしたが、途中、踊り場で休憩する方がたくさんいらっしゃって、中にはかなりの肥満の方も多く、息も荒く汗びっしょり、階段を上がる途中に具合が悪くなるのではと心配になるほどでした。

 今回の地震、別府では震度6弱、私がこれまで体験した最大の揺れであり、午前1時半頃から少なくても部屋に戻ってから午前6時頃まで、ずっと揺れが続いて大変不安な時間で、もちろん一睡もできませんでした。途中に「緊急地震速報」が4回程鳴りましたが、何か自分のいる場所の揺れとは違いもあったりして、「どこのことか?」と情報への信頼は薄れましたね、鳴らなくても強い揺れもあったり。

 私は避難時、ジャーナリストではありませんので、その場の写真は撮れませんでした、夜中午前2時頃だったと思います、この2枚だけ。

深夜午前2時頃、ホテルから向いの駐車場に避難する宿泊客

深夜午前2時頃、ホテルから向いの駐車場に避難する宿泊客

部屋に残っている人たちも不安そうに窓から下の様子を窺う

部屋に残っている人たちも不安そうに窓から下の様子を窺う

 振り返ってみると、15日昼過ぎに全国経済同友会フォーラムが終わり、岡山から新幹線で小倉へ、さらに特急に乗り換えて順調に別府まで。前夜に熊本地方で大きな地震があったというのに、今、考えると何と呑気な気持で移動していたのかと、我ながら少々呆れるお目出度さでした。

別府に向かう電車の中で

別府に向かう電車の中で

 夕方に別府のホテル到着後、市内の居酒屋で大分の焼酎で雰囲気を味わうのんびり気分、「とっぱい」は美味かった。いつもより早めに寝て、冒頭の未明の強い地震でした。

とっぱいをセレクト

とっぱいをセレクト

 4時間以上揺れが続きましたが、早朝、日が昇ってから、「ANJINサミット」事務局に問い合わせると、「中止を決定」との返答。やれやれ何しに大分まで来たのかとかなりの疲労感を滲ませて、早速予定を切り上げて空港に向かうと、何か信じられない静けさでした、普段は変更ができない切符でもこのような非常時は変更可能になりますね。

 JRはほぼ全てが始発から運休、空港バスも運休。考えてみると別府に到着してからやったことは、ホテル内コインランドリーで出張中に溜まった洗濯物を洗い終え、大浴場に入って、マチの居酒屋で飲んで食べて、強い地震を体験し、避難し、連続の地震に耐え、タクシーで空港に向かっただけとなりました。ホテルの職員、タクシーの運転手が言っていました、「ずっと別府に住んでいるけど、震度6弱とこんなに続く揺れは初めて」、と。

 東京経由で札幌に戻れることが決まり、少々ホッとして空港ビル2階へ上がると下のようなポスターが。前日の岡山での大原謙一郎さんのお話を地で行く芸術・文化の力ですね!

* 別府アルゲリッチ音楽祭 http://www.argerich-mf.jp/

芸術・文化は人の気持に力を与える!

芸術・文化は人の気持に力を与える!

 今、10日ほど経って、私は過去形で言える安堵感がありますが、その後も大きな地震が続いているようで、熊本・大分の現地にいらっしゃる方々は不安な日々をお過ごしと、何とも言葉もありません。Facebookでは知人の方々の投稿から現状を知ることができます、どうかくれぐれもお気を付けになって、心身のご健康にご留意を。

 14日夜以降、今回の地震についてはいろいろ捜索・調査も進んで分かってきていることも多いようです。

* http://www.asahi.com/special/saigai_danso/

 札幌に戻り当局の発表、報道から感じるのですが、「熊本地震」とタイトルを打つのは強い違和感を持ちますね。大分、鹿児島での揺れもかなりのもの、何か熊本に意図的に限定して地震を小さく見せようとの魂胆を感じます、少なくとも「九州」という活字で範囲をイメージしなければ現状を正しく表現していないと思うのですが。さらに、分からないという発表は勇気を出しての姿勢だと評価しますが、新しいタイプの地震とかと言うと、どうしても原発事故時の「想定外」の繰り返しを思い出します。

 10日以上経て、やっとこのような「対応」が――>http://www.asahi.com/articles/ASJ4T3RCBJ4TULFA00M.html

 初動の生き延びる判断は、自らの日頃から研ぎ澄まされた知識・知恵に依存するしかないのでしょうね、納得性から言っても今回つくづくそう感じました。また、中島みゆきの「宙船(そらふね)」の歌詞(http://www.kasi-time.com/item-18378.html)を思い出しました、そうです、「オールを任せて」はいけないのです。

【番外編】 そう言えば、数日後のNHKニュースでは、彼が解説をしていました、まだやっているんだ?!

福島原発事故後、彼は少しは学んだのか?

福島原発事故後、彼は少しは学んだのか?

「プロジェクト・アイランド」、札幌へ

Posted by 秋山孝二
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 韓国の演劇、「プロジェクト・アイランド」が札幌を訪問し、2015年「Re:Z大賞」の授賞を行いました。出演のチェ・ムインさん、ナム・ドンジンさん、そして演出のソ・ジヘさんの三人です。

 「プロジェクト・アイランド」についてはこちら――>

* 2014年 http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=21853

* 2015年 http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=25100

 「ハムプロジェクト(http://hampro.jp/)」のすがの公さんのお店2階で大変な騒ぎでした。いつお会いしてもエネルギッシュで素晴らしい!!私は評議員をやっている公立高校の入学式(全日は昼、定時は夜)に出席の後だったので、一人ブラックスーツに白ワイシャツで違和感も。

Re:ゼット大賞授与ほか

Re:ゼット大賞授与ほか

何か大騒ぎ!

何か大騒ぎ!、ピントもあっていません

騒ぎは続く、とにかく楽し!!

騒ぎは続く、とにかく楽し!!、カメラアングルは良くないですね

 公演する時だけの出会いではなく、こんな形で何回もコミュニケーションできるのは、本当に楽しく有難いです、また会いましょう、ありがとうございます!

助成財団のチャレンジ、今、これから

Posted by 秋山孝二
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 昨年11月で、(公財)助成財団センター(http://www.jfc.or.jp/は創立30周年を迎え、今年の「助成財団のつどい」は記念フォーラム企画で、私にとっては、2011年2月以来、2回目の登壇となりました(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=7478)。

 今年のテーマは、『助成財団の新たなチャレンジ!! ~激変する環境への対応とその動向~』、です。

150名の参加で盛況

150名の参加で盛況

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第I部:基調講演

「助成財団の30年とこれから 」
講師:山岡 義典 助成財団センター 理事長
第II部:活動事例報告・質疑応答
「助成財団を取り巻く環境変化に向けた新たなチャレンジ・新たな動向」
進行:片山 正夫 氏 (セゾン文化財団 常務理事)
Part1:4財団による活動事例報告
蓑 康久 氏 (住友財団 常務理事)        〔助成事業の多様化へチャレンジ〕
今井 渉 氏 (サントリー文化財団 専務理事)   〔広報活動の積極展開へチャレンジ〕
秋山 孝二 氏 (秋山記念生命科学振興財団 理事長)   〔地域をつなぐ助成へチャレンジ〕
深尾 昌峰 氏 (京都地域創造基金 理事長)    〔新たなコミュニティ財団へチャレンジ〕
Part2
基調講演・活動事例等に関する質疑応答
情報交換・懇親会

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(公財)助成財団センター・山岡義典理事長のプレゼン

(公財)助成財団センター・山岡義典理事長のプレゼン

4つの事例紹介と質疑応答

4つの事例紹介と質疑応答

コーディネーターの片山さんとアドバイザーの山岡理事長

コーディネーターの片山さんとアドバイザーの山岡理事長

質疑応答も活発に

質疑応答も活発に

 事例報告では、私からはたくさんのお伝えしたいことがありましたが、限られた時間でもあり、急いだ場面等、少々残念な気もしました。ただ、他3つの財団のお話のなかでは気づくことも多く、また質疑応答で少し補完し、有意義なひと時でした。今年は、韓国からの参加者もあり、交流会ではたくさんの方々とお話ができました。

交流会では多くの方々と懇談!

交流会では多くの方々と懇談!

 「民が担う新しい公共」の前進に向けて、集まった方々とともに、日本における新しい時代を創っていきたいものと、決意を新たにした日となりました、ありがとうございました。

「ICANS」 by トヨタ財団 に参加!

Posted by 秋山孝二
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 40年ぶりにアジア各国の非営利活動組織が日本に大集合。トヨタ財団(https://www.toyotafound.or.jp/)の企画による3日間のプログラム「ICAN」でした。海外の方は、4日目に東京江東区山谷ほかのフィールド視察も組み込まれています。

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 目的は以下の通りです。

* アジアの非営利セクター(特に財団、NPO/NGO、社会的企業)を支援する組織や既存の域内ネットワークを再構築し、情報を共有するための場を設ける 。その際に、過去のネットワーク(APPC/CAFO 等)の成果に基づき、近年の新たな動きや、次世代の人材を巻き込む。

* 共同プロジェクトや調査等の、国を越えた協働の可能性について検討する 。

* アジ各国における社会的課題を解決していく上での非営利セクターの役割や現状について比較の上、各国で必要となる社会的インフラや環境整備について検討していく 。

「ICANS」、120人の参加者で熱気!

「ICANS」、120人の参加者で熱気!

 前日のウェルカムパーティです、ベトナム、南アフリカ、シンガポール、インドネシア、韓国、日本の方々と。

ウェルカム・パーティで

ウェルカム・パーティで

 初日は全体会からスタート。パネラ―の方々のプレゼンに続いてディスカッション。

アジア各国からの参加者で盛況

初日からアジア各国からの参加者で盛況

全体会1でのパネルディスカッション

全体会1でのパネルディスカッション

 午後は分科会に分かれての密度濃い意見交換も。

分科会1でのパネラーほか

分科会1でのパネラーほか

 食事前の待合場でも交流の輪は続きます。私も台湾からの参加者から直近の政権交代について、ホットのお話を聴くことができました。

一日目終了後の夕食前

一日目終了後の夕食前

 二日目は分科会から開始、インドネシア、韓国、日本の事例から、共通する地域再生についての意見交換が充実していました。

二日目の分科会

二日目の分科会

 草の根の国際交流では、山本正(http://www.jcie.or.jp/japan/tym.html)さんのお名前が随所に出ていました。アジアにおける日本のリーダーシップは、しかしながらこの20年間、ほぼ空白となっていて、国際社会におけるプレゼンスも大きく後退している現実を直視しなければなりません。

 今後も継続的な会合になるかどうかは未定のようですが、「Asian Nonprofit sectors」の草の根交流は、こういった地道な活動の積み重ねの上に成り立っていくのでしょう。トヨタ財団さんに感謝すると同時に、コミュニティー財団として、私たちの活動も課題解決で繋がっていくヒントを見出した思いです、今回ご招待頂き誠にありがとうございました。

TGR 2015、盛況で終わる!

Posted by 秋山孝二
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 今年の「札幌劇場祭(http://www.s-artstage.com/2015/」は、つい先日、盛況のうちに終了しました。12月2日には「公開審査会」、今年の大賞はロシア・サハリン州のチェーホフ劇場「素晴らしい未来(http://www.s-artstage.com/2015/tgr2015/list/%E3%83%81%E3%82%A7%E3%83%BC%E3%83%9B%E3%83%95%E5%8A%87)に決まりました。

 今年の参加作品は市内10劇場でこちら――> http://www.s-artstage.com/2015/tgr2015/

公開審査会

公開審査会

 「素晴らしい未来」の紹介 HPより~~~~~~~~~~~~~

 生と死、人間の魂を永久模索する美的な叙情劇。登場人物である天使たちは、遠く、美しい命に帰依することを夢見ている。主人公たちは、いま目の前にある現実だけが貴重なのだと思い込み、生きている事がどれほど自由で幸せなのか気付かない。それに気付く頃、もう彼らの人生は終わりに近づいているのだった。

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大賞はチェーホフ劇場「素晴らしい未来」でした!

大賞はチェーホフ劇場「素晴らしい未来」でした!

 特別賞として「審査員賞」も二つです。その一つ、琴似屯田兵入村140周年記念事業実行委員会「会津藩、かく戦えり」は、素晴らしい出来栄えだったと思います、是非、また再演を期待します。

特別賞の審査員賞も二つ

特別賞の審査員賞も二つ

 今年、私は11月に9公演を観劇しましたが、外国からの作品「アイランドー監獄島」、「素晴らしい未来」と地元劇団との違いを強く感じましたね。韓国のプロジェクトアイランド、ロシアのチェーホフ劇場、いずれも脚本、演出が実にきっちりしていて終始一貫しており、それを受けての役者陣もセリフの抑揚・強弱、身体表現等、バランスが良く、舞台上のストーリーを盛り上げていました。

 日本の、特に地元札幌の劇団の公演は、この十数年、確かに実力は付けてレベルアップしていますが、何かセリフに頼り過ぎ、原作者が演出を兼ねている場合は、独りよがりで観客不在の印象ですね。別の言い方をすると、「これはこういう意味です、分からなければ結構です」みたいな突き放すような姿勢を感じるのです。以前、韓国に札幌からの同行ツアーで一緒に行った時、向うの劇場・劇団の観客を喜ばせようとする意欲を強く感じました。それを受けてか、観客の方も、ひと時観劇することを楽しみに来ていることがありありと分かる、そんな場に舞台全体がなっているように思いました。

 今回のチェーホフ劇場、鏡が向こうの世界とこちら側を象徴し、木製の簡素な長椅子を自由に移動させての場の変化、動きも特に奇抜ではないのですが、その重厚さが作品に落ち着きをもたらし、何か昔観た演劇を思い出すようなオーソドックスな雰囲気を醸し出していました。退屈することなく引き込まれていく演出と役者の演技、札幌の演劇関係者も大いに学んで欲しいですね。とにかく、「独りよがり」からは早く脱却しなければ、多くの市民が劇場に足を運ぶことは難しいと思います。

 それでも以前に比べると、初めて芝居を見に来てる方が随分増えました、大変嬉しいことです。これも、若者の登竜門としての「札幌劇場祭(TGR)」が10年を経て、さらに冬・夏の「札幌演劇シーズン」へと繋がり、札幌・北海道のこの分野の裾のは大きく拡がってきていることは間違いありません。

 これからの更なる発展を期待したいです、関係者の皆さま、お疲れさま!

 これまでのTGRの関係文章――> http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?s=TGR

演劇「アイランド」、素晴らしい!

Posted by 秋山孝二
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 昨年度の札幌劇場祭で大賞を受賞(http://www.s-artstage.com/2014/tgr2014/news/2014/12/257/)した「アイランドー監獄島(http://artalert-sapporo.com/events/detail/497」公演が、今年も同じ時期に札幌で再演となりました。本当に素晴らしい芝居、テーマ、演出、役者、その他全てが力強く、観客に感動を与えるものでした。この札幌劇場祭では、9年間で初めての外国作品の受賞でした。字幕のハンディもものともせず、気迫のあるセリフ、演技、照明の素晴らしさ、総合劇術としての「演劇」をあらためて感じさせてくれました。

 実は私、昨年は観劇できなかったので、今年は大変楽しみにしていて、初日公演、交流会・ワークショップ、そして後日もう一回足を運び再びの熱い舞台を堪能しました。これまで観た多くの演劇の中でも、トップクラスに記憶に残るものでした。

昨年の札幌劇場祭大賞受賞作品です!

昨年の札幌劇場祭大賞受賞作品です!

演出のソ・ジヘさん、ウィンストン役のナム・ドンジンさん、ジョン役のチェ・ムインさんと記念撮影!

演出のソ・ジヘさん、ウィンストン役のナム・ドンジンさん、ジョン役のチェ・ムインさんと記念撮影!

 初日公演後は、関係者による交流会も催され、韓国劇場関係の重鎮ほかプロジェクト「アイランド」のカンパニー全員、札幌の演劇人も多数参加して大いに盛り上がりました。私も、演出家のソ・ジエさんほかと作品について意見交換が出来て大変楽しいひと時でした。

韓国からも演劇関係の重鎮の皆さまも

韓国からも演劇関係の重鎮の皆さまも

 2回目の観劇後には「アフタートーク」があり、そこで観客からの質問にも答えながら作品のサイドストーリーを聞くことができました。南アフリカの政治情勢そのものより、二人の関係性の変化、「倫理感」と「法律」、国家権力と民の力等、全世界時代を越えての普遍性を通してメッセージを発信したいとのお言葉も。実際、南アフリカに行って現地をスラム街で体感して、そこの子供たちに未来と希望を見つけたことも語っていらっしゃいました。

交流会・ワークショップも

交流会・ワークショップも

初日は演出のソ・ジヘさんのお誕生日!シアターZoo支配人の阿部さんと

初日は演出のソ・ジヘさんのお誕生日!シアターZoo支配人の阿部さんと

 この日は、演出のソ・ジヘさんのお誕生日、サプライズのケーキと皆さんでお祝いの歌も。とにかくパワフルな皆さんで、私も何か元気を貰った気がします、心から「アリガトウ!」と言いたいですね。

シンガポール 2015 (下)

Posted by 秋山孝二
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 フォーラムは「セントーサ島」のホテルです、リゾートホテル満載、プロムナードを抜けて海に出ると、「ユーラシア大陸最南端」の表示、なるほどとうなるような位置づけにまたまた脱帽です!

 夕食会でのメニューには、「Rausu Kombu」の名前もブランドとして記載されていました。

メニューの中に

メニューの中に

 十数年前に訪れた時は、ホンの一瞬街なかを見ただけだったのか、オーストラリア行きの通過点だったからか、当時の印象とは随分進化したシンガポールの姿がそこにありました。今回の目的のフォーラムについては敢えてご紹介しませんが、シンガポール、香港、台湾、メインランド中国、オーストラリアに暮らす「中国人」の底力を目の当たりにした二日間でした。これからの国際社会、とりわけ東アジアにおける日本の立ち位置は、近隣諸国、特に中国・韓国とのコラボレーションなのだと、あらためて実感しました。

 近隣の東アジアでは確実に新しい時代の到来であり、翻って日本は、「日本だけにしか通用しないルール・慣習」に縛られている現実、いわゆる「ガラパゴス現象」の危機感を一層強く抱きました。この日本だけのルールによって権益を得ることが出来るのは、すなわち「政治家」、「官僚」、それに密着する「一部企業」でしょうか、21世紀型の日本の展望を切り拓く道は容易ではありませんが、新しい担い手とともに光を手繰り寄せていきたいものです。

 つかの間の赤道直下の時空に元気を貰いました!

再生エネ国際シンポ・WS(4 最終)

Posted by 秋山孝二
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 今回の報告を、早速、北海道再生可能エネルギー振興機構の田原沙弥香さんがまとめて掲載してくれました。資料等も読めます。

* http://www.reoh.org/news/20151004SympoBroshure_presentation

 また、参加者の一人で「エネルギーチェンジ100ネットワーク(http://enechan100.blogspot.jp/)」代表・宮本尚さんは、FBで下記のように述べています。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 宮本尚さんのメッセージより

・・・・・その間、たくさんの専門家の方のお話、インドネシア、タイ、中国、韓国、ベトナム、アジア各国の方から、再エネの取組みを聞きました。それとともに、私も、無いアタマでものすごく考えた。特に、今の私たちに決定的に足りないこと、どうしたらいいのかずっと考えてた。

 カンタンに言うと、この国には、プロフェッショナルが持つ知見、その財産を市民のレベルアップにつなげていくシステムが足りない。市民の日常につながらない。さらに、エネルギーということで言うと、3.11の「失敗」を知見に変えて蓄積し、それをもって国際社会に貢献するということができていないということ。そんなことないよ、と言う人もいると思う。専門家レベル、業界レベルでは共有できているのかも知れないけど、市民には伝わってこない。市民側も、日常の中で受けとるためのベースとなるものが養われていない…。

 例えば、大停電のとき、インフラが全滅したとき、命を守るためのリスクマネージメント、エネルギーのバックアップはどうあるべきか、自治体、個人、いろんなレベルでどう取組むか。エネチェンは最初からそこを目的のひとつにしてきた。そもそも私自身がなーんにも知らなかったので、いっしょにみんなで勉強しようよ、という感じではじめた。

 しかし、あれから4年、具体的な、効果的な方法はまだ見つけられていない。もちろん、3.11以前とは飛躍的に変わってきているのだけど、まだまだ学びたいときにいつでも学べるようなシステムにはなっていない。暮らし自体は、技術の進歩や設備機器の価格がダウンすることで、テレビやスマホのように、飛躍的に変わる、飛躍的に導入が進み、あるのがあたりまえというような変化が起きることはあるけど、今求められてるのは、そういう変化じゃない。市民は、学び考える習慣が伴わなければダメだと気づいてる。どうやってつなげるのか、どんなシステムが「普通」に、常にそこにあるようになればいいのか。がんばっているNPOやがんばってる人はあちこちに居るのだけど、そこにたどりつくのには相当の意志やめぐりあわせがまだまだ必要だよね。

 本来は学校教育の中にそれがあるべきなんだろうけど、学校で学ぶことと暮らしは乖離したまま。カンタンにめざすものに手が届くようにはなっていない…。うーーん…。それは、私はたまたまエネルギーやってて実感しているけど、エネルギーだけじゃなくて、多分あらゆる分野で。・・・・・・・

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ コピー おわり

 私も宮本さんと同じようなことを感じていました。札幌でのシンポジウムでコーディネーターをされた松浦正浩先生(東京大学 准教授)は、「合意形成論」がご専門です。昨今の原子力発電、特定機密法に始まる今年の安保法制議論等の社会・政治問題で、私自身、この「合意形成」プロセスの欠如を痛感しているので、先生のご専門には興味を抱いています。今回はコーディネーターのお立場だったので、松浦先生ご自身の発言は限られていましたが、以下の国会における参考人陳述の発言は素晴らしいです。

* https://www.youtube.com/watch?v=iquX1evXdDk

 今回の運営スタッフは、皆さん大変有能な方々ばかりで、それぞれ持ち場持ち場でご尽力を頂きました。気持よく仕事が出来る、そんな雰囲気がいいですね、皆さん、ありがとうございます!

素晴らしいスタッフの皆さま

素晴らしいスタッフの皆さま

 初めてのケイタリングで少々緊張されていた「鶴雅ビュッフェダイニング札幌(http://www.tsuruga-buffet.com/)」の皆さん、大西希支配人、高橋料理長ほか多くのスタッフのお陰で皆さん大満足でした。希さんのお父様の大西雅之さんは、秋山財団の理事でもあり、私の高校の5年後輩になります。今回、チームによる料理の盛り付け、テーブルへ配膳のプロセスも具に拝見していて、プロフェッショナルの拘りと凄みも見せて貰い感激でした、ありがとうございます!

鶴雅ダイニングの料理と盛り付け

鶴雅ダイニングの料理と盛り付け

 トヨタ財団遠山敦子理事長ともゆっくりお話しができました。トルコ大使、文部科学大臣、文部科学省職員時代のお話、私の教員時代とは少し時期は異なってはいますが、校内暴力等、日本の教育政策と現場のお話にも花が咲きました。オリンピック組織委員会評議員等、超多忙の中、札幌までお越し頂きありがとうございました。

トヨタ財団遠山理事長と

トヨタ財団遠山理事長と

 シンポジウム最後で私のご挨拶、3日間の感想を兼ねて、以下のような趣旨でした。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 秋山財団では、特にこの5年間、研究助成でのアウトリーチ、ネットワーク形成事業助成でのコラボレーションを受領者の方々に期待し、それへの協力も行ってきました。点が線に、そして面に繋がって、「生命地域(バイオ・リージョン)」としての北海道の発展に寄与したいとの理念からです。

 日本は「技術立国」と言われて今日まできています、確かに自動車産業ではトヨタ自動車さまの先駆的テクノロジー等、世界に誇れるものも多いのでしょうが、今回の再生可能エネルギー分野では、むしろアジアに学ぶ技術ばかり、「技術」というよりも「生きる力・知恵」と言うべきなのでしょう、簡単に技術を輸入するのではなく、それぞれの地域にある資源、見合った方法から編み出す努力を惜しんではなりません、この数日のWSでそんな認識を持ちました。課題を認識することは今後の展望を切り拓くことに繋がります。ワークショップ、シンポジウムを通じて、多くの「確信」と「気づき」、そして「希望」を持ちました。

 今回の企画、トヨタ財団さまが北海道の地で企画して頂いたことに感謝するとともに、「よいお話を聞いた」で済ますことなく、それぞれの立ち位置から、北海道、日本における「再生可能エネルギー」の実践に取り組んでいくことをお約束して、それが「3.11」以降を生きる我々の使命であることを確認して、締めのご挨拶とさせて頂きます。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

この企画に関わられたすべての皆さまに、心から感謝申し上げます、ありがとうございます!!

韓国劇団との交流 2015・夏

Posted by 秋山孝二
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 北海道演劇財団(http://www.h-paf.ne.jp/)は、今年も韓国の劇団との交流を行っています。今年は札幌市の一番新しい姉妹都市・大田(テジョン)を本拠とする「劇団テアトロゴドー」の熱演でした。

 札幌座は昨年、「亀、もしくは・・・。」で大田に招聘され公演を行いました。大田の劇場周辺には「亀、もしくは・・・。」の垂れ幕や旗が飾られて、とても暖かく歓迎して頂いたようです。

 そして、今年は大田から「劇団テアトロゴドー」がやってきました。2013年「第25回コチャン国際演劇祭」で大賞・演出賞を受賞した作品を札幌で観ることのできるチャンスでした。

扇谷記念スタジオ シアターZOOさんの写真

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シアターZOO企画公演【Re:Z】

劇団テアトロ・ゴドー
「ハイイェン~ベトナムから来た花嫁~」

【あらすじ】
 ベトナムから嫁いで数日のハイイェンは、新型インフルエンザ感染を疑われ、当局によって隔離されてしまいます。
何も知らない夫は、消えた妻を探し出そうと必死になりますが、誤解が誤解を生み、周囲の助けを得られません。

 捜索の末、警察が連れて来た女性は全くの別人でした。様々な策略に乗せられ、その女性と暮すことになった夫。
そこへ、ハイイェンが帰って来て…。

2013年「第25回居昌国際演劇祭」大賞・演出賞受賞作品。

※日本語字幕付き上演です。

【作】ハン・ユンソプ
【演出】パク・チャンジョ

【出演】シン・ヒョンジ、オ・ヒョンジュン、クォン・ヨングック、イ・ヒギュ、ペク・ジョンソン、ペク・ウンジュ

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終了後の交流会も盛り上がりました!

韓国劇団「テアトロゴドー」の皆さんと札幌座との交流会

韓国劇団「テアトロゴドー」の皆さんと札幌座との交流会

劇団代表ほかの幹部の皆さま

劇団代表ほかの幹部の皆さま

今回の海外公演にご尽力された演劇協会の役員の方々も

今回の海外公演にご尽力された演劇協会の役員の方々も

役者のお二人

役者のお二人

協会の方から頂いたお土産、大統領の晩餐会で使うものとか

協会の方から頂いたお土産、大統領の晩餐会で使うものとか

 韓国との草の根の演劇交流も、すっかり基盤が出来てきて拡がりと安定感を見せています。私も光州(クァンジュ)、ソウル他、同行ツアーでも劇団と一緒に訪問していますが、韓国の皆さまの熱烈歓迎ぶりは、昔の学生時代を思わせる徹底したものでした、どこか懐かしい熱い感じ。今、政治状況は必ずしも良好ではない両国の関係ですが、民間の積み重ねた交流は歴史となり、益々深く、広くなっていくことを実感しますね。

 これからももっともっと発展していきましょう!!

国会周辺ほか、全国で!

Posted by 秋山孝二
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 015年8月30日、日本の歴史が変わった、そんな光景を目の当たりにしました。一人一人は自らの意志により全国で立ち上がりました!誰が「愛国者」で、誰が「売国奴」か、安倍・菅の今の政権・与党すべてへの抗議でしょう、なめるなよ!!それにしても、私たちの学生時代(今から40年以上前)との大きな違いは、SNS(ソーシャル・ネットワーク)の環境ですね。昔は、それこそマスメディアしか知らしめる手段がなかったのに、今は、写真・動画等、さらには海外メディアの報道も含めてまさにリアルタイムに発信されています、すごい時代を実感します。

* http://mainichi.jp/graph/2015/08/31/20150831k0000m040081000c/001.html

* http://www.ourplanet-tv.org/?q=node%2F1971

 この日に先立って、28日夜、毎週金曜日の国会前デモで、福岡からの若者の率直な演説です。

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・・・・。今日はどうしても言いたいことがあって、この場でスピーチさせていただきます。

『戦争法案』は絶対に廃案にしなければなりません。こんな政権に日本を任せるわけには行きません。

僕は地方から声をあげて行きます。

確かに九州は国会といった人が集まる象徴的な場所はありません。東京から離れている分、地方の若者の政治に対するリアル感はないかもしれない。

でも僕は言いたい!

どこに住んでいても、この法案について真剣に向き合わなきゃいけない。

九州はよく、『アジアの玄関口』と例えられます。確かに、観光で考えたら良いことなのかもしれない。でも、もし戦争することになったら、真っ先に攻撃対象に挙げられるでしょう。

なぜなら福岡には、東シナ海を監視するレーダー基地があるからです。それに、さらには玄海原発、鹿児島には原発再稼動した川内原発があります。

歴史を紐解けば、朝鮮戦争では福岡の空港からアメリカの戦闘機が朝鮮半島に向けて飛んで行きました。

第二次世界大戦中、海の向こうの沖縄は地上戦が行われ、北九州は原子爆弾の標的となり、長崎には原爆が落されました。九州にも現場があるんです。

僕は周りに政治のおかしさを訴えていきます。

戦争を起こして何になりますか。

誰が得をしますか。

僕ら国民には犠牲しかもたらしません!

そんなに中国が戦争を仕掛けてくるというのであれば、そんなに韓国と外交がうまくいかないのであれば、アジアの玄関口に住む僕が、韓国人や中国人と話して、遊んで、酒を飲み交わし、もっともっと仲良くなってやります。

僕自身が抑止力になってやります。

抑止力に武力なんて必要ない。絆が抑止力なんだって証明してやります。

そして大人のみなさん。今、多くの若い仲間たちが全国で安倍政権に『NO』という声を叩きつけています。ただこれだけは分かっていて下さい。

僕らは好きでこんな活動をしているわけではありません。

僕は(大学)3年生です。来年のこの時期は僕は就職活動なので、実質、今が最後の夏休みです。僕には就職活動真っ只中の仲間もいます。本当は家で本を読んでいたいし、ぼーっとしていたいし、友達と花火大会に行って遊んだり、バイトをしてお金を貯めたり、自分のために時間を充てていたいです。

でも今、ここで何もしなかったら、『戦争法案』は成立し、僕らや僕らの下の代にとんでもない重荷を背負わせ、また解釈改憲みたいな、民主主義国家とは思えないやり方がまかり通り、自由がなくなってしまうかもしれません。

そんな日本を僕らが望むわけがない。

そんな可能性を少しでも減らすために、安保法案を廃案にするために、僕ら若者は立ち上がっています。

今、こうやって多くの人の前でスピーチをしていますが、本当は僕めちゃくちゃ怖いです。こんな活動をしていて就職に影響しないだろうか、多くの若者が思っているはずです。

だからこそ、ここにいる大人のみなさん、ここにいないけど志が同じ大人のみなさんが若者を支えてあげて下さい。若者を応援して下さい。

そうすれば、僕らはもっともっと強くなります。

そして、少しでもこの法案に違和感を覚えている若者の手助けをしてあげて下さい。必ず傍にいるはずです。

また、安保法案に違和感を覚えている若者のみなさん、それを思っているのはあなた一人だけじゃない。ここには沢山の仲間がいます。地方にだって、あなたの話を真剣に聞いてくれる仲間が必ずいます。一緒に立ち上がりましょう。

そして安倍総理、好き放題やっているあなたへ、然るべき時に国民の力を思い知らせてやるために、僕らはこの怒りを絶対に燃やし続けます。

全国のみなさん。若者や大人、みんな一緒に、みんな一緒に連帯していきましょう。この怒りを忘れずに放ち続けましょう。そして、国会に届けましょう、僕らの意思を…。勝ち取りましょう、僕らの民主主義を…。

2015年8月28日、私は安保法案に反対し、安倍政権に退陣を求めます

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 演説コピー おわり

もっともっと学び、行動しましょ!

Posted by 秋山孝二
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 この8月、マスメディアでは戦争に関係する素晴らしい番組・記事が多かったですが、インターネット上にもそれ以上の優れた報道があり、民主主義国家・日本の一縷の希望を繋ぐ思いです。

原発に絡む報道として二つ:

* 8月23日「NNNドキュメント」 https://www.youtube.com/watch?v=3KBxosFcprs

* http://www.huffingtonpost.jp/nobuto-hosaka/nuclear-plant_b_8035750.html

 もう一つは、今、国会等でも大きな局面を迎えている安倍政権が言う「積極的平和主義」について。「積極的平和」の提唱者 ガルトゥング博士が市民の招聘により来日して語りました。目的は、本来の「積極的平和」の概念に基づいた日本への提言をするためです。

* http://www.huffingtonpost.jp/kenji-sekine/johan-galtung-peace_b_8035140.html

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 記事からの抜粋

 「日本には平和運動(Movement)がない。あるのは反応(Reaction)だけだ。憲法9条を「安眠枕」に寝続けている。起きて未来に向けてクリエイティブに何ができるのか右派左派を超えて考えねばならない」

 「日本には何かに反対するムードで覆っている。政府が恐れるのは反対ではなく代替案を国民が出してくることだ」

 このように語ったガルトゥング博士が提案する安保法案に替わる「積極的平和」に基づいた代替案は以下の3つでした。

1.北東アジア共同体を構築すること
 中国、台湾、北朝鮮、韓国、極東ロシア、そして日本が公正で共感を持って参加する北東アジア共同体(NEAC)を構築すること。沖縄を特別県としてNEACの本部を置く。6ヶ国から始まった欧州共同体(EC)や東南アジア諸国連合(ASEAN)から学ぶことが出来る。米国との関係は、良好なままを保つこと。

2.専守防衛に徹すること
 集団的自衛権ではなく専守防衛を提案する。敵地攻撃能力のある武器ではなく、防衛のために短距離な武器を所有する。沿岸を防衛するために、自衛隊だけではなく民兵にも役割を求める。スイスをモデルに日本が占領された場合にどのように市民が抵抗するかということも準備する。

 例えば日中が抱えている尖閣諸島(中国名釣魚島)の解決方法としては、共同管理を提案する。日中がそれぞれ40%ずつの権益を分けあい、残りの20%をNEACか周辺の環境整備のために使う。中国の40%のうちの5%を台湾に渡してもいい。分け方はいろいろ考えられる。

3.憲法9条1項を世界のために
 憲法9条1項を日本のためだけではなく世界に広げること。世界で最も好戦的な国はある調査によるとアメリカ、イスラエル、英国だが、彼らの憲法に日本の憲法9条1項を盛り込むように働きかける。日本はアメリカの従属国でなく、このような平和貢献の分野において世界のリーダーとなることができる。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 抜粋 おわり

 「安眠枕」、言い得て妙ですね!自分の立ち位置から、今、何ができるのか、私なりに信念を持って実践し続けることを再確認する昨今です。

韓国の文化と医療について

Posted by 秋山孝二
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 毎月一回、民間病院の理事長・院長が早朝に学ぶ場「木朝(もくちょう)会」の第315回例会が、先日開催されました。これまでこの会については何回か書いています。

<木朝会> http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?s=%E6%9C%A8%E6%9C%9D%E4%BC%9A

 今回は、「韓国の文化と医療について」と題して、小樽商科大学大学院教授・ビジネス創造センター長の李濟民先生のお話でした(http://office.cbc-s.otaru-uc.ac.jp/?page_id=8658)。

木朝会での興味深いお話

木朝会での興味深いお話

 お隣の韓国について、日頃話題になっているし行ったこともあるにもかかわらず、基本的な実情について再認識することも多かったです。医療については、アジアを中心に伸びている「医療ツーリズム」市場拡大への取り組みが興味深かったですね。

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* GDP成長率 3.4%(2014年)、失業率 3.5%(2014年)、出生率 1.19(日本は1.43%)

* 貿易: 日本にとって韓国は第3位、韓国にとって日本は第3位の貿易相手国

* 宗教: 仏教 42.9%、プロテスタント 34.5%、カトリック 20.6%  仏教徒が一番多い

* 韓国社会の特徴: 縁故社会(血縁、地縁、学縁)、兵役義務(休戦状態)、三大苗字(金、李、朴)、根強い儒教思想、行き過ぎた教育熱(チマッパラム、キロギアッパ、SKY)

* 韓国人気質: 「ぱりぱり精神(せっかち、積極的)」、「ケンチャナヨ(だいじょうぶ、適当主義、前向き)、フレンドリー(お節介)

* 韓国の医療ツーリズム: ウリドゥル病院の事例ではヘルニア治療専門病院、韓国に7か所、海外(上海、ジャカルタ、ドバイ)、最小侵襲治療、施術費用は日本円で100万~200万円、金浦空港敷地内にある61床の脊椎治療専門病院、メディカルツーリズムのハブ病院

* ウリドゥル国際患者センター: 金浦空港の敷地内にあり国際線ターミナルから歩いていける、開設8部門のコーディネーター(英語3名、日本語2名、、ロシア語1名の専門スタッフ)、韓国初のJCI(米国の国際医療機関評価委員会)認証を獲得

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 今、演劇分野でも日韓交流が盛んです。北海道演劇財団(http://www.h-paf.ne.jp/)は、この間、演劇公演の交流だけでなく、制作面でも相互交流の実を挙げています。国政・外交レベルではきな臭い状態ほか波風がありますが、経済、市民レベルの芸術文化等の草の根では、幅広い交流に今後も期待したいです。

「橋本久明賞 2015」 ほか

Posted by 秋山孝二
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 「公益財団法人 北海道演劇財団(http://www.h-paf.ne.jp/)」の付属劇団「札幌座」を応援する「札幌座クラブ」の例会・「シアターZOOサロン」が開催され、今回は第10回「橋本久明賞」と「【Re:Z】大賞」の発表・表彰式が行われました。

今年度受賞の高子さんと札幌座サロン有田代表

今年度受賞の札幌座劇団員・高子未来さんと札幌座クラブ・有田英宗代表:稽古場で

Reゼット賞韓国演劇を受け取る阿部さん

「【Re:Z】大賞」を受け取るシアターZooの阿部雅子さん

 さらに今回は特別ゲストとして、 「演劇シーズン 2015-冬(http://s-e-season.com/)」の5つの公演の一つ、「蟹と彼女と隣の日本人(http://www.h-paf.ne.jp/engeki/45_kani.html)」に客演する韓国からのお二人の役者の方もご参加されました。演劇シーズンの5演目は皆、再演ですが、この芝居も2月の公演がまた新しいチャレンジです。

韓国からの演劇人お二人も

韓国からの客演、チョン・ヨンジュン(劇団青羽)さんとチョ・アラ(フリー)さん

この芝居は:~~~~ HPより

日本語と韓国語が入り乱れる中華料理店で勃発する蟹の脱走劇
ススキノのはずれにある中華料理店でアルバイトの韓国人の若者が店番をしながらスープカレーを煮込んでいると、宅配便の荷物が届く。開けてみると、大きな活きたタラバガニ。しかし彼の不注意からタラバガニが逃げてしまう。日本人と韓国人の若者たちや、店主の中年日本人女性が大騒ぎをしているところへ、怪しげな韓国語を話す日本人の男が、茹でたてのタラバガニを持って現れた・・・。

~~~~~~~ 身近な場面の中、韓国の役者の方々の底力、やり取りの面白さが楽しみです。

 これまでの「演劇シーズンー冬」についてのコメントはこちら:

* http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=15837

* http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=9763