飯館村・現場からの報告 2014

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 「飯館村エコロジー研究会:IISORA(http://iitate-sora.net/」主催の東京シンポジウム、今年は國學院大學で開催されました。飯舘村のフィールドからデータに基づいての発信は、継続の価値に裏付けられて益々貴重な取り組みとなってきています。

* 東京シンポジウム 2014 http://iitate-sora.net/tokyosymposium/tokyo2014

 昨年の様子はこちら――>http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=16313

 この研究会の設立経緯はこちら――>http://iitate-sora.net/about

國學院大學でのフォーラム

國學院大學でのフォーラム

「<基調講演>飯舘村の歴史と原発事故」 多田 宏/飯舘村 綿津見神社宮司

基調講演

基調講演 多田宏宮司

「飯舘村初期被曝評価プロジェクトの報告」 今中哲二/京都大学

京都大学 今中哲二さん

京都大学 今中哲二さん

「飯舘村の山菜・食品等の放射能汚染調査」(発表スライド伊藤延由/飯舘村住民 貴重なスライドです!

現場で測定を続ける さん

現場で測定を続ける飯舘村の伊藤延由さん

 今年のシンポジウムの報告は、近くHPで掲載されると思いますのでそちらに譲りますが、この研究会の発起人のお一人、小澤祥司さん(http://earthkids.sakura.ne.jp/homepage/TOP.html)は、今年9月3日の秋山財団贈呈式・特別講演でお話をして頂くことになっています。現場に密着した活動を通してのエネルギーのお話は、大変興味深く期待が大きいです。

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小澤祥司(おざわ・しょうじ)1956年静岡県生まれ。東京大学農学部卒業。出版社勤務などを経て、取材・執筆活動のほか、環境学習・環境保全活動の支援・自然エネルギーの普及・持続可能な地域づくりなどのプロジェクトにも携わる。3・11以降、福島県飯舘村の放射能汚染調査、村民の支援活動にも取り組む。
主な著書に『メダカが消える日―自然の再生をめざして 『コミュニティエネルギーの時代へ』(以上岩波書店)、『飯舘村6000人が美しい村を追われた』(七つ森書館)、『減電社会 コミュニティから始めるエネルギー革命』(講談社)、『バイオマスエネルギー・ビジネス』(共著、七つ森書館)他。

秋山財団贈呈式 2013 (後)

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 引き続いては会場を移しての贈呈式。「秋山財団賞」、「新渡戸・南原賞」、「研究助成」、「ネットワーク形成事業助成」の選考経過報告、授賞式、そして締めくくりは、今年度の「秋山財団賞」受賞・若菜勇先生による記念講演、「マリモはなぜ阿寒湖で丸くなるのかー総合科学的なアプローチによるその生態史の解明」でした。後日、秋山財団(http://www.akiyama-foundation.org/)HPで録画を掲載致します。

 今年度の受賞・受領者はこちら ――> http://www.akiyama-foundation.org/news/470.html

 記念講演では、自然界の多様なファクター、微妙な調和での生成過程を知り、阿寒湖はじめ自然環境の奥深さを知るとともに、地道な研究をこの間継続されてきた若菜先生のご努力に、感動するとともに、心から敬意を表します。

 研究の詳細はこちら――>http://www.marimo-web.org/qa.html

 世界自然遺産登録に向けてこれからも一層ご尽力されるのでしょう、私たちも微力ですが北海道民として協力・応援致します!

例年よりかなり多い手前の来賓者席

例年よりかなり多い手前の来賓者席

ネットワーク形成事業助成の湯浅優子選考委員長の経過報告

ネットワーク形成事業助成の湯浅優子選考委員長の経過報告

 その後、交流会、例年の5割増しの参加者で盛り上がりました、有難いですね。研究者の代表の方々、高校生チームも登壇しての率直な表現の数々、ここには書ききれない感動的なものばかりで、終了後の今もその余韻に浸っている私です。

受領者からのメッセージ3題に登壇した高校生たちも

受領者からのメッセージ三題に登壇した高校生たちも

 贈呈式での冒頭の私のご挨拶から、最後の部分を引用します。~~~~~~~~~

・・・・・・・・終わりに、ご参加の大学関係者、研究機関、そして受領者の皆さんにお願いが御座います。私たち財団関係者は、あの研究はどうなったかな?プロジェクトの方は元気に活動を続けていらっしゃるかな?と、いつも気に掛けております。受領者の皆様には、この贈呈式にご出席頂き、会場にお集まりの他の受領者、財団を永きに亘り支え続けて下さっている役員、選考委員、一般市民、とりわけあとに続く若い研究者や次の世代を担う若者たちに、研究の苦労や喜び、日々の活動の様子などを語って頂きたいのです。贈呈式は式典ではなく、そんな交流の場と受け止めて頂きたい、それが財団運営に携わる私たちからの唯一のお願いです。ステージは、秋山財団がご用意致します。お互いに心寄り添うパートナーとして、共に歩み続けて参りましょう。

今年度の受領者の皆様。日々の研究、活動に追われて過去を振り返る時間など無くなる事もあるかと思いますが、皆様の助成金の中には27年間、秋山財団に寄せられた沢山の方々からの志と篤い想いが込められている事も忘れないで頂きたいと思います。

100年の時を越えて、北の生命と共に歩んで来た秋山愛生舘の歴史とDNAを受け継いだ財団の助成事業です。生命と向き合い、道民のいのちと共に、自然と共生する生命科学の進化の為に貢献し続ける事をお誓い申し上げます。

~~~~~~~~~ 引用 おわり

 「2011.3.11」以降の時代を生きている私たち、生きているいのちの果たすべき役割、担うべき活動、そんな根源的な問いかけに応えるひと時になりました。民間財団として、自主・自立を基本に、民が担う公共の一翼として、理念を高く掲げてこれからも一歩一歩前に進んで行きたいものです。ここまでご支援、ご指導頂いた皆さま、ありがとうございます!

秋山財団贈呈式 2013 (前)

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 今年の秋山財団(http://www.akiyama-foundation.org/)贈呈式は、設立27年目、新しい四半世紀を迎えて、これまでと大きく変えてプログラムを充実しました。まず、前半は、「受領者からのメッセージ」、続いて「特別講演会」でした(http://www.akiyama-foundation.org/wp-content/uploads/2013/09/feba1ddba554f8b13aeec3dd0f310c06.pdf)。

 詳細は、後日、秋山財団HPに録画で掲載されますので、そちらをご覧いただきたいと思います。

新企画:受領者からのメッセージ 4題

新企画:「受領者からのメッセージ」 四題

 この企画に、8題の応募がありましたが、今年は4つでスタート、冒頭から三題は今年の「ネットワーク形成事業助成“いのちをつなぐ”プロジェクト」の受領者で、皆さん高校生でした。最後は昨年の「研究助成」受領の札医大・丸山玲緒先生でした。

 それぞれに思いを込めた素晴らしいプレゼンで、「いのち」のつながりについて、研究・活動の今後が楽しみです。

 続いての特別講演は、旭川市旭山動物園(http://www5.city.asahikawa.hokkaido.jp/asahiyamazoo/)の園長・坂東元さんでした。テーマは、「いのちをつなぐ 未来のために~伝えるのは 命の輝き~」。1時間半を越える時間、野生動物たちの誕生、成長、死の話を通して、今一度、私たちヒトの生き方を見つめ直すひと時となりました。

 坂東さんは、「ボルネオ保全トラストジャパン(http://www.bctj.jp/」の理事にもご就任されて活躍されています。

特別講演:旭山動物園園長・坂東元さん、座長は酪農学園理事長・麻田信二さん

特別講演:旭山動物園園長・坂東元さん、座長は酪農学園理事長・麻田信二さん

野生動物と真摯に向き合う体験からの素晴らしいお話

野生動物と真摯に向き合う体験からの素晴らしいお話

 日々、野生動物を通して「いのち」と向き合っている坂東園長のお言葉は、今の人間社会への多くの提言を含んでいましたね。オランウータンの子育ての過程、「いのち」を預かっている動物園であるが故に、動物たちの「死」をはっきり伝えるという信念、「無学、論に屈せず」、そして、「伝えるのはいのちの輝き」である、と。

 本質を突いた数多くのメッセージ、昨年からのラブコールでお話をお願いした私たちも、今後の活動に多くの示唆を受けました、ありがとうございました!

辻井達一先生、ご逝去

Posted by 秋山孝二
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 昨日(1月15日)、北海道環境財団理事長の辻井達一先生がお亡くなりになりました。2006(平成18)年の秋山財団贈呈式の記念講演で、「湿地と貧困」と題してお話をして頂き、「秋山財団ブックレットNo.15」にもまとめました。

秋山財団ブックレットNo15

秋山財団ブックレットNo15

 その時の講演では、当時釧路公立大学学長・小磯修二先生を座長に、バングラディシュ、インドの例でアジアにおける貧困を、イタリアの例から観光名物、特産品づくりを、フランスの事例、湿地と感染症、地球温暖化と湿地の変化等、世界各地の事例と湿地を巡る幅広い課題に言及されて奥深く、今も強烈な印象として私の心に残っています。

 環境系市民活動でも熱心なご指導を受けました、特に、3年前、環境省主催の「北海道生物多様性フォーラム」で、中間支援4団体が共催で自然観察会を開催した時の札幌植物園ツアーでは、何とも豪華に、植物園の元園長・辻井先生ご自身に園内をご案内して頂き、植物園の歴史ほかをお聞きし、札幌の街なかにこの場がある価値を再認識した次第です(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=4214)。

 その時の「多様性」についての辻井先生のお言葉が忘れられません。

「『多様性』というと、何か種類を多く集めることと誤解される場合が多いのですが、本来は個々の種が生育できる環境を担保すること、というのが正確な表現です。ですから私は、『多様性』というよりも『不同性』、すなわち同じではないという言葉の方が適切だと思っています」と。「多種」イコール「多様性」ではない、そうおっしゃりたかったのではないかと目が覚めました。

 先生はつい最近まで、次のラムサール会議(ウルグアイ)にも行きたい、ついでにパタゴニア寄って来たいなと意気込んでおられたようです、まさに、湿地と真摯に向き合った偉大な研究者であり教育者でした。辻井達一先生のまごころ溢れるご指導に感謝するとともに、心からご冥福をお祈り致します。

秋山財団贈呈式ほか、終了です

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 (財)秋山記念生命科学振興財団http://www.akiyama-foundation.org/の今年度の講演会・贈呈式が、先日沢山の方々のご参加を得て終了致しました。

今年は講演会として、幅広くご活躍の香山リカさんをお招きして、「『強い人』と『弱い人』がともに生きられる社会とは」というテーマで430名を越える出席者でした。質問も多数寄せられていました。 

香山リカさん

香山リカさん

毎日新聞コラム「こころの万華鏡」http://mainichi.jp/life/health/kokoro/、北海道新聞の毎日曜日生活欄のコラムでも連載されています。

贈呈式では秋山財団賞・研究助成・市民活動助成・ネットワーク形成事業助成等の受領者の参加で盛況でした。

http://www.akiyama-foundation.org/what/index.php?year=2009&mon=06&day=29#16

 

一方、実質的には今年度から秋山財団で引き継いだ「新渡戸・南原賞受賞式(第6回)」が、14日に東京神田・学士会館で開催されました。今年度の受賞はお茶の水女子大学名誉教授、数学者・作家の藤原正彦さんと、元東京大学出版会専務理事の石井和夫さんに決まりました。これまでのご功績を讃える多くのお言葉が披露されました。

石井和夫さんと藤原正彦さん
石井和夫さんと藤原正彦さん

会場には、マラソン解説でお馴染みの増田明美さんもご出席になり、素晴らしいご祝辞を述べられました。授賞式では私の隣だったので、先日の北海道マラソンでの解説に感動した事をお話致しました。

それぞれにご参加の皆様に心から感謝を申し上げます。