おしどりマコ・ケン 講演会

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 私も世話人の一人、「グリーン九条の会(http://green9zyo.blogspot.com/」第11回講演会が、同じく世話人をしている「メディア・アンビシャス(http://media-am.org/」との共催で、「おしどり マコ・ケン(http://oshidori-makoken.com/」をお招きして開催です、やっと実現した、そんな率直な私の気持です。

* グリーン九条の会関連記事ーー> http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?s=%E3%82%B0%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%B3%E4%B9%9D%E6%9D%A1%E3%81%AE%E4%BC%9A

 テーマは、「『未来のために半径5mを変えていく』~原発事故取材報告~」です。本業はよしもと所属の漫才のお二人ですが、プライベートな時間に東京電力記者会見にこれまで500回以上出席、その他福島県の現地での取材を通じて、数々の新しい情報を引き出している稀有な存在です。今年3月のメディアアンビシャス授賞式(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=32658)で、大賞に輝いた番組の主人公でした。以前から札幌にお招きしてきっちりお話を伺いたいなと思っていたので、この度実現して嬉しかったです。至近距離での「生おしどり!」、迫力満点、ライブの説得力に感動しました。

* メディア・アンビシャス大賞受賞番組ーー> NNNドキュメント「お笑い芸人 vs原発事故 マコ&ケンの原発取材 2000日」(https://www.dailymotion.com/video/x5apu4v

 講演会冒頭から笑顔のお二人、これまでの講演会とは違ったソフトな立ち上がりでした。

冒頭から笑顔のお二人

冒頭から笑顔のお二人

掛け合いは流石!

掛け合いは流石!

とにかくものすごい情報量

とにかくものすごい情報量

 ところで記者会見には多くのマスメディア所属の記者がいるのですよね、その方たちは一体どんなスタンスでその場にいるのでしょうか、何も質問もせずにただ東京電力広報部の言うがままを垂れ流しに記事・番組しているのでしょうか。マコ・ケンさんのお話を聞けば聞くほど、取材を本業とされている方々の奮起を促したい気持になります。講演後は質疑応答もあり、最後まで濃密な情報提供でした。

 講演会後は、少人数の懇親会、ここでも引き続きの情報提供が続きました。プライベートな時間でのこれまでの活動のご苦労等、とにかくお二人の絶妙のバランス、隣で聞いていて感動しました。

懇親会でも情報満載

懇親会でも情報満載

懇親会メンバー

懇親会メンバー

 楽しい懇談を終えて、さらに「グリーン九条の会」代表世話人の植田英隆さんと4人で二次会へ。私は特に、ケンさんの細やかな心使いが印象的でした、本当にお二人で成し遂げ続けているこの間の取材だとあらためて納得した次第です。

バーカウンターで

バーカウンターで

 そして最後のお別れでも。まさに徹頭徹尾「エンターテイナー」だったお二人、素晴らしいカップルでした!

ホテル前

ホテル前

第9回 メディアアンビシャス授賞式

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 入院中には、今年で9回目となったメディアアンビシャス授賞式も開催されました。今年の大賞他は以下の通りです。

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第9回メディアアンビシャス大賞(2017年1月1日~12月31日)

【活字部門】

▶大賞  沖縄全戦没者追悼式典での写真「沖縄の視線」

東京新聞デジタル版/中日新聞 6月23・24日

▶アンビシャス賞  連載「こころを揺らす」1-5部

北海道新聞4月2日から11月23日まで

▶メディア賞    「大阪の国有地 学校法人に売却/金額非公表 近隣の1割か」

朝日新聞2月9日

▶入選      ①「言葉の現在地」計9回(冬㊤㊥㊦、春㊤㊥㊦、夏㊤㊦、秋)北海道新聞 1月―11月の随時

②1強第2部「パノプチティコンの住人」 朝日新聞 4月18日から5回

【映像部門】

▶大賞 NNNドキュメント「お笑い芸人 vs原発事故 マコ&ケンの原発2000日」

日本テレビ(放送:STV) 2月6日 上映55

▶アンビシャス賞 「父を探して」~日系オランダ人終わらない戦争~

NHKBS 10月8日 上映110分

▶メディア賞   NNNドキュメント「記憶の澱」

山口放送(放送:STV) 12月4日 上映55分

▶入選      「生まり島ぬ言葉忘ね 国忘ゆん」

沖縄テレビ(放送:UHB10月15日 上映55分

【特別賞】

望月衣塑子さん(東京新聞記者)

※活字、映像とも受賞作品の内容と推薦の言葉はホームページhttp://media-am.org/の大賞候補一覧でご覧になれます。

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 数日後に、世話人の一人、H氏からも報告が届いています。~~~~引用

 3月3日の表彰式は、みなさまのお蔭様で48人の方が足を運んで頂き、有意義なものとなりました。本当に、ありがとうございました。

 特に、NHK番組の「父を捜して~日系オランダ人 終わらない戦争~」を制作した椿プロの金本麻理子さまは、表彰状1枚を受け取るために、東京から来札して、わずか2時間半の滞在でトンボ返りをされました。「自分の会社をつぶす訳にはいかない」とのことで恐縮の極みです。

 また朝日新聞大阪本社の森友取材班デスクの鎌内勇樹さまは、「文書書き換え問題をはじめ、今回の取材は何年かかっても、真相を解明する」と力強く決意を披露し、拍手を浴びていました。前日の2日に大スクープを打った関係もあり、「この後も仕事があるので」と懇親交流会も辞され、早々に会場を後にされました。

 さらに北海道新聞の連載「こころ揺らすをしており、その途中を抜け出しているので」と表彰状を受け取り、受賞者挨拶をして、直ぐに退席しました。

 沖縄全戦没者追悼式典での写真を撮られた東京新聞の澤田将人さまにはお嬢様2人と、ご伴侶の3人が駆け付け祝福されましたし、「お笑い芸人VS.原発事故 マコ&ケンの原発取材2000日」を取材したNTVの加藤就一ディレクターは「受賞者はマコ&ケンです」と謙虚に喜びを語っていました。

 一方「記憶の澱」を制作した山口放送の佐々木聡さまは情報番組を制作しる傍ら、地道にご自分で戦争をテーマに日本人の加害性や被害を追求してきたことを披露されました。

 久しぶりに東京から帰札された山口二郎代表も「ある意味残念ながら、いまこそ、この活動が重要になっている時だ。もっともっと財政面も強化する必要性さえ感じている」とメディア状況を踏まえて、各表彰者を称えるとともに、当会活動への理解を訴えていました。

 会場からの質問タイムを多めに設けましたが、各受賞者へ激励を込めての問いが相次ぎ、各メディア関係者の抱える問題点なども浮き彫りとなっていました。

~~~~~~~~~~ 引用おわり

 今年で9回目、何か時代がメディアに対して大変窮屈になってきている時代、ますます、このような活動の価値が増しているような気がします。その中で果敢にチャレンジして取材を重ねて掲載・制作しているメディア関係者にささやかながら拍手を送り続けます。今年、出席できなかったことが大変残念です。

3・11、あれから7年

Posted by 秋山孝二
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 図らずも久しぶりの空白を獲得した私は、この間、普段以上にインターネットにのめり込んで、たくさんの情報にアクセスしていますが、やはり、今の時期、2011年3月11日の東日本大震災に端を発した数多くの番組から、7年間の重みを実感しています。

 例えばテレビではNHK教育TVの「ハートネットTV(http://www.nhk.or.jp/heart-net/tv/index.html」、NHK総合の「NHKスペシャル:被曝の森~見えてきた“汚染循環”(http://www6.nhk.or.jp/special/detail/index.html?aid=20180307」、ラジオ番組でも「荻上チキ~遺族が見る亡き人との夢の記憶(https://www.youtube.com/watch?v=7NutsQ9Wye8&feature=youtu.be&t=23m2s)」等、夜9時の消灯時刻に関わらずみられるインターネット環境にも感謝です。

 「被曝の森」では、「帰還困難区域」で、放射性物質はどこに、どのような影響をもたらしているのか?地元の地区の責任者、様々な団体に所属する科学者による研究は、直後から継続し、より深く、より多角化している様子を知ることができます。これまで調査されてこなかった高線量の森に踏み込み、生態系の中で放射性物質がどのように移動・残留しているのか、データの蓄積から新たな解明が進んでいます。科学者たちの挑戦や住民の思いを追いながら、今回の福島原発事故の深刻さの実態を、記録に基づいて視聴者に迫ってきます。特に、地表面と地下水の汚染のコントラスト、昆虫・小動物の内部被ばくの現状を、科学的に見える化しての検証は説得力がありました。地道に努力し続けている方々の存在に勇気と希望を貰いました。

 一方、ラジオから流れる言葉にも涙します。身内・友人を失くした人たちは、誰にも話せなかった夢の話を語ること、聴いてもらうことでようやく成し得る心の復興、東北学院大学の学生が聴き取った記録とそれを基にした朗読です。それらは震災復興の中心にはない、極めてプライベートな心の内側で、それぞれが全て固有の大切な出来事です。一人一人がこの7年間、ひと時も離れることなく向き合い続けている姿に心を打たれます。

* 2011年3月のブログはこちら――> http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?m=201103

* こんな映画の紹介サイトも――> https://www.youtube.com/channel/UCG_r2iC4UlUPnV5IWxF_4Fw

 私にとっては、あれから7年、年一回「8回目」の3・11ですが、多くの当事者の皆さんにおいては、「365日×7」、あるいはそれ以上の時の経過なのでしょうね。そして、特に福島の東京電力福島第一原発事故の被害に遭われた多くの皆さまにとっては、さらにこれから何十年の不安の日々となっています。この国難を乗り越えて、次の世代に自信をもって渡せる地域・環境を回復する、それが生きている私たちの世代の責任だと思います、少なくとも第二次世界大戦後に生まれて、歴史的にもまれな平和な時代に育ち、戦後の民主教育を受けた私としては、強くそう思います。

 3・11を前に、これまでになくあの震災と向き合えた今回の時間は貴重でした、これからもリハビリを続けてしっかり足を鍛えてまた活動を始めます、本日昼、退院致します。円山整形外科病院(http://www.maruyama-seikeigeka.com/index.html)の山崎生久男先生、看護師のKさん、リハビリのNさん、薬剤師の皆さま、ほか大変お世話になりました。素晴らしいスタッフたちのレベルの高さに感動するとともに、この数十年の日本の医療現場のたゆまぬ努力の賜物と、感謝の言葉でいっぱいです、ありがとうございました。

近代日本150年 @ 山本義隆

Posted by 秋山孝二
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 日本の近代については、三谷太一郎先生の著書が心に残っています。

* http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=30348

 一方で、「科学技術」、「日本のアカデミックセクター」の視点から、日本の「近代」を読み解いた山本義隆氏の新著『近代日本150年ー科学技術総力戦体制の破綻』は、彼の一貫した思想を再確認し素晴らしかったです。

近代日本一五〇年 科学技術総力戦体制の破綻(岩波新書 新赤版)

 山本義隆氏についての私の過去の記事――>

* http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=11550

* http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=31144

* http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=31978

 幾つかの解説から~~~~~~

 科学技術の破綻としての福島の原発事故、経済成長の終焉を象徴する人口減少。大国主義ナショナリズムに突き動かされて進められてきた日本の近代化を見直すべきときがきた。近代日本150年の歩みを捉え返す。西洋近代科学史の名著から全共闘運動、福島の事故をめぐる著作までを結ぶ著者初の新書。【本の内容】

 黒船がもたらしたエネルギー革命で始まる日本の近代化は,以後,国主導の科学技術振興・信仰による「殖産興業・富国強兵」「高度国防国家建設」「経済成長・国際競争」と,国民一丸となった総力戦体制として150年間続いた.明治100年の全共闘運動,「科学の体制化」による大国化の破綻としての福島の事故を経たいま,日本近代化の再考を迫る.

著者紹介
山本義隆  略歴1941年大阪生まれ。東京大学大学院博士課程中退。駿台予備学校勤務。科学史家、元東大全共闘代表。著書に「知性の叛乱」「重力と力学的世界」など。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 引用 おわり

 そもそも、日本の近代科学技術の成り立ちは、産業政策というよりも富国政策・軍事政策として生まれており、昨今の文部科学省の科研費の競争的資金化、防衛省の委託研究費といった傾向の素地は出来ているといった指摘は、60年代からアカデミックセクターに身を置いて真摯に自問してきた彼の神髄ですね。2011年3月11日以降の原発問題を契機に、彼の研ぎ澄まされた「知性の叛乱」がまた始まっているような気がします。年齢こそ10歳上ですが、1960年代後半を共有している自分も腑に落ちる論考です。

 じっくり読み返して、後日、もう少し深くコメントしたいと思います。

映画「スノーデン」から知る現実

Posted by 秋山孝二
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 今年4月にNHK総合テレビの「クローズアップ現代プラス」で紹介していたオリバー・ストーン監督映画『スノーデン(http://www.snowden-movie.jp/#home』を先日観ました、最初から最後まで緊張感いっぱいの映画、何とも後味も重苦しいものでした。

今年4月の番組から

今年4月のNHK総合テレビ番組から

 以前ここでコメントした『シチズンフォー スノーデンの暴露(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=27225』と同様に、現代の国際社会の陰とでもいうのでしょうか。スノーデンがプライベートなリンゼイ・ミルズとの絆と相俟って、関わる人間の苦悩と使命感のせめぎ合いに胸が痛くなります。また、日本についての言及も興味深く迫ってきます。

映画HPより ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 アメリカの情報収集プログラムはテロリストだけでなく民間企業や個人におよび、日本を含む同盟国まで対象になっていた驚愕の事実の数々。加えて、スノーデン自身が私生活を監視される恐怖に襲われ、ストレスに蝕まれていった極限心理が生々しいサスペンスとともに描かれる。テロとは何の関係もないインターネットや携帯電話での発言、個人の趣味、愛情、友情さえも脅かされかねない現実はもはやSFではなく、スノーデンが世界最強の情報機関に反旗を翻した動機もまさにそこにあった。

 また本作は、長年にわたってスノーデンのパートナーとして寄り添うリンゼイ・ミルズとの出会いと、その後の軌跡を描出。思想や趣味はまったく異なるふたりが幾多の試練に直面しながらも、共に人生を歩んでいくことを確かめ合い、かけがえのない絆で結ばれていく姿に胸を締めつけられずにいられない。史上最大の内部告発者スノーデンが実は日本のカルチャーに興味を持っていた意外な一面など、プライベートの領域にも深く切り込み、観る者の共感を誘うヒューマン・ドラマに仕上がった。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ HPからの引用おわり

 この映画のテーマは、つい先日国際線機内で観た『The Cirle(http://gaga.ne.jp/circle/』に繋がる怖さかもしれません。国家レベルの監視サイトと個人レベルのSNS、超小型カメラ、「繋がっている」ことと「監視されている」ことは、ほぼ同義語なのでしょうね。

 今年9月に開催した秋山財団の今年の贈呈式(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=31312)で、私が挨拶の中で語った「ポストトゥルース」時代の生き方とも共通するテーマを感じました。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 私のブログからの引用

~ポスト トゥルース(真実)」にどう向き合うか フェイクニュースの中から

トランプ、BRIXIT、五輪誘致での「アンダーコントロール(原発事故)」発言、国会答弁「南スーダン治安状況」

ウソがまかり通る、格差と分断の時代に個人として何ができるのか(SNSほか)

https://mainichi.jp/articles/20170130/dde/012/040/002000c

https://www.rarejob.com/englishlab/column/20170309/

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 引用おわり

 こんな現代、繋がらないこと、プライベートな世界を確保する勇気が必要と思います、人間らしく生きていくには。

秋山財団講演会 & 贈呈式 2017

Posted by 秋山孝二
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 (公財)秋山記念生命科学振興財団(http://www.akiyama-foundation.org/)の2017年度講演会・贈呈式が、今年も札幌プリンスホテルパミール館で開催されました。

* 今年のプログラム http://www.akiyama-foundation.org/news/2384.html

* 秋山財団HPより http://www.akiyama-foundation.org/news/2392.html

* 動画――> http://www.akiyama-foundation.org/news/2700.html

* これまでの記事――> http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?s=%E7%A7%8B%E5%B1%B1%E8%B2%A1%E5%9B%A3%E8%B4%88%E5%91%88%E5%BC%8F

受領者からのメッセージ&講演会

受領者からのメッセージ&講演会

 私のご挨拶 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

開会挨拶 メモ >

秋山財団の紹介:

* 昨年30周年、今年は31年目で新たなスタート

これまでの実績 研究助成、市民活動助成等 1,340件、総額 94,800万円

このプログラム:

「受領者からのメッセージ」  今年で5年目~研究者、市民活動の原点を共有したい

「特別講演」         今年で26年目~第一回は今年718105歳で亡くなられた日野原重明先生(http://earth-words.org/archives/3747

* 今年の 「受領者からのメッセージ」

1)『海鳥と水銀を追跡せよ!』  北海道大学大学院水産科学研究院 特別研究員 庄子 晶子 先生

2)『知育・徳育・体育・食育そして『災育』』  日本赤十字北海道看護大学 教授 根本 昌宏 先生

3)『地域医療とサイエンス』  旭川医科大学医学部 准教授 野津 司 先生

< 特別講演での座長 メモ >

特別講演 ・講師: 桜田  一洋  様 (株式会社 ソニーコンピュータサイエンス研究所 シニアリサーチャー)

https://www.sonycsl.co.jp/member/tokyo/188/

演題:『 「生命とはなにか」 ~コーディネーションによる自由の創出~ 』

1)自然科学と自然哲学

2)医療と生命医科学の課題

3)機械論の生命科学と複雑系の科学

4)疾患発症モデルの変遷

5)身体状態の記述と人工知能による推論

6)新たな総合理論の確立

冒頭:

* 桜田一洋さんの紹介に代えて~なぜ、今、桜田さんがここに

――寺島実郎戦略経営塾 7年続く40人程の企業経営者の勉強会で、昨年ご講演

~ 経営者へのメッセージ 科学史を読み解きながら自然科学のみならず、人文・社会科学を含めた日本の明治維新以降、「日本の近代」における科学技術の導入の歴史にも言及する内容に感銘

常に新しい組織の責任者としてイノベーションの先端を切り拓いてきて(進行形)

~再生医療の実用化を目指す中、早期治療・予防の重要性、個別化(多様性・個別性)医療の必要性を認識、

* ソニーCSに移籍してAIを用いたデータ解析の新しい手法を開発

* 実用化の為に「医科学イノベーションハブ推進プロジェクト(MIH)」に参画、現在、副プログラムディレクター

< 贈呈式での挨拶 メモ >

今年の贈呈式プログラム

今年の贈呈式プログラム

御礼    ご来賓(北大 西井理事・副学長、公益法人協会 鈴木副理事長)、お手伝い スズケン

* 事業の実績

~これまで31年間の実績 1,340件、総額 94,800万円

~今年の実績 47件、 3,600万円

* いくつかのご報告

米光 宰(よねみつ おさむ)先生 今年2月にご逝去 選考委員・理事として10

http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=29206

~ポスト トゥルース(真実)」にどう向き合うか フェイクニュースの中から

トランプ、BRIXIT、五輪誘致での「アンダーコントロール(原発事故)」発言、国会答弁「南スーダン治安状況」

ウソがまかり通る、格差と分断の時代に個人として何ができるのか(SNSほか)

https://mainichi.jp/articles/20170130/dde/012/040/002000c

https://www.rarejob.com/englishlab/column/20170309/

――その一つの回答: 学校法人「加計(かけ)学園」(岡山市)の獣医学部新設問題について、日本獣医学会、全国大学獣医学関係代表者協議会、獣医学分野の教育関係者が630日、文部科学省で記者会見「根拠を欠いたまま進められ、妥当性を欠く」と批判、獣医学教育の現状について、大学同士の連携や教員の確保など「国際水準化へ向けた改革のまっただ中」と強調。「獣医学を学ぶ若き研究者・学生のために、私たちは黙認できない」、と。アカデミズムの責任あるお立場の方の勇気ある行動であり、矜持を感じた

記者会見の中央席に、(第一回秋山財団助成金受領者)稲葉睦先生・(この贈呈式にご出席の)谷山弘行先生のお姿

~背景 物理学者・哲学者の山本義隆氏 日本近代における「科学技術」導入の3大特徴:

1)「科学」、「技術」が「科学技術」として導入

2)軍事偏重 当初は「富国」に貢献し国力をつけたが、次第に「軍事増強」へと

3)国策として 「科学」、「技術」の各セクターの自立なく

http://iwj.co.jp/wj/open/archives/274063

~2011.3.11東日本大震災、そして原発事故、現在に至る状況は、その限界を完膚なきまでに露呈

昨年の私の挨拶:文科省「競争的資金」、防衛省「安全保障技術研究推進制度」に言及、「魔性と闘って」と。1年経った今、むしろ「自分の頭で考えて頂きたい」と。「ご自身の研究が何のためなのか、いつも」

* 財団の課題

コラボレーション イノベーション

助成財団センター深掘りセミナー、公益法人協会トップマネジメントセミナー、保阪正康さん3日間連続講座「近代日本史と北海道史」

~今後のキーワード、「SDGs」、「北海道学」

秋山財団は社会の不条理と闘いながら、変遷する環境において、日夜、自律的に研究活動に邁進する皆さんを、微力ながら応援し続けることをお誓いする。

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 今年の秋山財団賞は、北海道大学低温科学研究所 生物環境部門 生物適応分野 特任教授の田中歩先生(http://www.akiyama-foundation.org/news/2343.html)の「クロロフィル代謝の包括的研究」でした。

田中歩先生の受賞記念講演

田中歩先生の受賞記念講演

 そして、最後は参加者全員による懇親会、話は尽きることなく続きました。

懇親会で

懇親会で

特集 HAWAII 2017 (1)

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 JTB企画の「プライド・オブ・アメリカで航くハワイ4島周遊クルーズ10日間(http://ebook.jtb.co.jp/book/?A2212#3」、四島巡りは天候にも恵まれて素晴らしい旅となりました。

 この船「プライド・オブ・アメリカ」は、1966年設立の「NORWEGIAN CRUISE LINE(NCL)(https://www.ncl.com/jp/ja/」所有、就航が2005年7月、総トン数が80,439トン、乗客定員は2,186名、乗組員数917名のアメリカ船籍の客船です。これから何回になるか分かりませんが、「特集 HWAII 2017」と題してご紹介致します。

* プライド・オブ・アメリカ号 https://www.ncl.com/jp/ja/cruise-ship/pride-of-america

ハワイ島コナ沖の停泊中のPOA

ハワイ島コナ沖に停泊中のPOA

上部にはサンデッキ、プール、ジャグジー

上部デッキにはサンデッキ、プール、ジャグジー

船首横

桟橋に停泊中、船首横

船内・デッキ5のフロントデスク&ロビー

船内・デッキ5のフロントデスク&ロビー

 この企画、実は数回チャレンジしても実現せず、今回4回目で。札幌からのハワイアン航空直行便でかないました。私にとって船旅と言えば、大きく以下の2回の体験があります。今回はこれまでで一番大きな船でしたが、今、世界中で就航しているのはさらに大型の22万トン級と聞いていますから、時代は変わってきていますね。もう一つ、今回は「ハワイ四島巡り」、私にとってはハワイの思い出は奥深いものがあり、最初は1971年の北アメリカ一人旅、それから新婚旅行、そして「JAIMS(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=18767)」での6か月研修等、人生のエポックメイキングな場となっています。

 1971年に横浜から乗った船は、1848年に設立された「アメリカン・プレジデント・ライン(APL:http://www.apl.com/wps/portal/apl/apl-home/about-us)」の船舶「プレデント・クリーブランド(http://yelec.web.fc2.com/ELEC8-2/ship/President-Cleveland/President-Cleveland.htm」で、アメリカで1948年に建造された16,000トンの貨客船。

 2012年に小樽港から乗った船は、運行会社「ロイヤル・カリビアン・インターナショナル(RCI:http://www.royalcaribbean.jp/cruise/rci/info/contents.do?contentsId=8)は、1969年に設立された世界最大規模の客船会社で、本社は米国マイアミにあり、2011年11月現在22隻の客船を保有しているそうです。船舶は「レジェンド・オブ・ザ・シーズ:http://www.royalcaribbean.jp/cruise/rci/ship/ship_detail.do?classCode=VI&shipCode=LG」、1995年就航の70,000トンの客船。しかし、残念ながら、2011年3月11日の日本での大震災、その後の原発事故による放射線の影響を考慮して、この時のクルージングを最後に、日本の港に寄港することはないとのことです、あまり日本では報道されてはいませんが。

’71 北アメリカへの一人旅

http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?s=%E5%8C%97%E3%82%A2%E3%83%A1%E3%83%AA

* 小樽港から日本海へ

http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?s=%E5%B0%8F%E6%A8%BD%E6%B8%AF

寺島文庫「未来先見塾」から二題

Posted by 秋山孝二
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 昨年後半に、BS11・寺島文庫「未来先見塾(http://www.bs11.jp/news/sp/miraisenkenjuku/」で、ハッとさせられる二つの話題がありました。いずれも、外からの新鮮な目線、というか客観的に自分たちをどう位置づけるのかに対する貴重な視座とでもいうのでしょうか。見方を変えると発想も変わる、そんな気がしましたね。

 一つは、青森県知事・三村申吾(みむらしんご)さん(http://www.gogo-shingo.jp/)と寺島実郎さんとの対談から。物流の変化と地理的な優位性を見事に結びつけています。

青森県の提唱する「Aプレミアム」の物流戦略

青森県の提唱する「Aプレミアム」の物流戦略

 その基盤となる現状認識です。この地図は、もう何回も見ていますが、これから地域の将来をどう位置付けていくか、その辺りがまさに「モルティング」なのでしょう。産業から北東アジアをどう認識するか、遅々として進まない政治・外交的アプローチではなく、民間の経済・産業的視点から、時代に遅れることなく新しい発想を持たなければと、あらためて痛感しました。

東アジアの地政学的な物流の現状

北東アジアの地政学的な物流の現状

 さらにズームで見据えると。

津軽海峡の重要性ですね

津軽海峡の重要性!

 北海道新幹線の開業を絶好のチャンスとして、面的な「立体観光戦略」を展開する青森県の意気込みがすごいです。

北海道新幹線開業の戦略的活用は、北海道以上かも

北海道新幹線開業の戦略的活用は、北海道以上かも

 目を転じて、「最新世界情勢地図(https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-08-EK-0375264」から観る日本の現状は?

各国のコメントがありますが、日本へのメッセージも新鮮!

各国のコメントがありますが、日本へのメッセージも新鮮!

一言で言えばこういうことなのでしょう!

一言で言えばこういうことなのでしょう!

 そして、今の日本に対しての率直な印象・課題は?あまりにアメリカに近寄っていて、日本の自立的ポリシーの展開が本当に可能なのかと、疑問も投げかけられています。

近寄って見ると、フクシマ原発事故は大きなファクター!

近寄って見ると、フクシマ原発事故は大きなファクター!

 フクシマ原発事故は、やはり、日本に対する大きなファクターようです。

激震、深夜の大分県・別府 !

Posted by 秋山孝二
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 4月23日の私のブログ(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=26260)の最後の部分:

 それぞれの地域の特徴も理解できて、どこも頑張っているな、というのが正直な印象でした。山﨑史郎さんとはこの日の夜にホテルロビーでバッタリお会いし、その時、彼が「今、熊本で大きな地震があったようだ」とおっしゃっていました。それからの地震を巡るリアルストーリーは後ほどに・・・。~~~~~~~~~~~~~~~と書きました、以下がその続報です。

 14日夜に熊本県益城町で震度7を観測したマグニチュード6.5に続き、16日未明に起きたM7.3の「本震」。熊本県阿蘇地方や大分県でも激しい揺れ、まさに「激震」でした。10日経た今も、進行中と理解すべきなのでしょうね。

* 気象庁発表 http://www.jma.go.jp/jma/press/1604/25a/201604251030.html

* 朝日新聞 http://www.asahi.com/special/kumamoto-earthquake/tremor/

 私は、14・15日、岡山での経済同友会全国フォーラムを終えて、15日午後に岡山から新幹線で小倉へ、さらに特急に乗り換えて別府まで移動しました。16日午前中に中津の「廣池千久郎中津記念館(http://www.hiroike-chikuro.jp/chikuro_hall/nakatsu/nakatsu.htm」訪問、午後は臼杵での「ANJINサミット」に出席するために別府のホテルに泊まっていて、16日未明の地震に遭遇しました。

* 第4回「ANJINサミット」 https://www.oita-press.co.jp/1010000000/2016/04/09/221730015

 17階のホテルの私の部屋、充電中のスマホから「緊急地震速報」の大きな警告音で目を覚ますや否や、激しい上下左右の揺れで思わず床に四つん這いでしばし静まるのを待ち、その後の繰り返しの揺れにもただ部屋の中をウロウロしている状態でした。やがて館内放送で、非常階段を使って向いの駐車場に避難するようにとの指示があり、私自身、屋外と部屋の中のどちらに身を置くべきか迷いましたが、ここは避難の経験も大切かとすぐに着替えてコートを着て、我ながらかなり冷静に非常階段を降りました、地上に出るまで約10分くらい掛かったでしょうか。各階から、荷物を背負った方、浴衣姿のままの方ほか、不安そうに皆さんそれぞれの格好で階段を無言で降りていました。

 地上に着いてみると、向いの駐車場は満杯なのでホテル建物方面へとの誰かの声、移動してしばし正面玄関前で立っていると、今度はホテル職員の方が、ここは危険ですので向いのコンビニの駐車場へ移って下さいのアナウンス。ここでもまた、建物の中か外の広場のどちらが安全なのかの少しの迷いがありました。結局、向いのコンビニの駐車場へ移動して、30分位もただ時の経過を待っていたでしょうか、その間、パトカーが走っていったり、コンビニで買い物をする人々を見ていたり、何をしていたのかよく覚えていません。ただ、ツアー添乗員と思われる女性数人が、手元の名簿を持ってツアーメンバーを確認する姿が印象的でした、こんな状況の中でも仕事に徹していることに。

 それに比べて、男性は何ですか、この期に及んでも缶ビール片手に酔っ払いながら駐車場を徘徊している日本人の浴衣姿の男性、大きな声で唄を歌う韓国の観光客の男性がいたり情けない状況、しばし気を紛らわせながら時間を過ごしていました。コンビニで飲み物を確保しておこうと思ったのですが、何と財布をホテルの部屋に置いて降りてきたことに気が付きました。スマホはFBにアップしようと忘れなかったのに、お金は手元に一銭も持っていなかったのです。

 しばらくすると、ホテルの職員が、「安全確認が終了しましたので、お部屋にお戻りください」とのアナウンス。大丈夫かなとは思いながらも外にいるよりは部屋の方がゆっくりできるかと、ロビーを通って再度非常階段を、今度は昇って17階まで戻りました、何分かかったかを測る余裕はありません。荷物が無かったとはいえ、17階まで深夜に昇るのはなかなかのエクササイズでした。私は一気でしたが、途中、踊り場で休憩する方がたくさんいらっしゃって、中にはかなりの肥満の方も多く、息も荒く汗びっしょり、階段を上がる途中に具合が悪くなるのではと心配になるほどでした。

 今回の地震、別府では震度6弱、私がこれまで体験した最大の揺れであり、午前1時半頃から少なくても部屋に戻ってから午前6時頃まで、ずっと揺れが続いて大変不安な時間で、もちろん一睡もできませんでした。途中に「緊急地震速報」が4回程鳴りましたが、何か自分のいる場所の揺れとは違いもあったりして、「どこのことか?」と情報への信頼は薄れましたね、鳴らなくても強い揺れもあったり。

 私は避難時、ジャーナリストではありませんので、その場の写真は撮れませんでした、夜中午前2時頃だったと思います、この2枚だけ。

深夜午前2時頃、ホテルから向いの駐車場に避難する宿泊客

深夜午前2時頃、ホテルから向いの駐車場に避難する宿泊客

部屋に残っている人たちも不安そうに窓から下の様子を窺う

部屋に残っている人たちも不安そうに窓から下の様子を窺う

 振り返ってみると、15日昼過ぎに全国経済同友会フォーラムが終わり、岡山から新幹線で小倉へ、さらに特急に乗り換えて順調に別府まで。前夜に熊本地方で大きな地震があったというのに、今、考えると何と呑気な気持で移動していたのかと、我ながら少々呆れるお目出度さでした。

別府に向かう電車の中で

別府に向かう電車の中で

 夕方に別府のホテル到着後、市内の居酒屋で大分の焼酎で雰囲気を味わうのんびり気分、「とっぱい」は美味かった。いつもより早めに寝て、冒頭の未明の強い地震でした。

とっぱいをセレクト

とっぱいをセレクト

 4時間以上揺れが続きましたが、早朝、日が昇ってから、「ANJINサミット」事務局に問い合わせると、「中止を決定」との返答。やれやれ何しに大分まで来たのかとかなりの疲労感を滲ませて、早速予定を切り上げて空港に向かうと、何か信じられない静けさでした、普段は変更ができない切符でもこのような非常時は変更可能になりますね。

 JRはほぼ全てが始発から運休、空港バスも運休。考えてみると別府に到着してからやったことは、ホテル内コインランドリーで出張中に溜まった洗濯物を洗い終え、大浴場に入って、マチの居酒屋で飲んで食べて、強い地震を体験し、避難し、連続の地震に耐え、タクシーで空港に向かっただけとなりました。ホテルの職員、タクシーの運転手が言っていました、「ずっと別府に住んでいるけど、震度6弱とこんなに続く揺れは初めて」、と。

 東京経由で札幌に戻れることが決まり、少々ホッとして空港ビル2階へ上がると下のようなポスターが。前日の岡山での大原謙一郎さんのお話を地で行く芸術・文化の力ですね!

* 別府アルゲリッチ音楽祭 http://www.argerich-mf.jp/

芸術・文化は人の気持に力を与える!

芸術・文化は人の気持に力を与える!

 今、10日ほど経って、私は過去形で言える安堵感がありますが、その後も大きな地震が続いているようで、熊本・大分の現地にいらっしゃる方々は不安な日々をお過ごしと、何とも言葉もありません。Facebookでは知人の方々の投稿から現状を知ることができます、どうかくれぐれもお気を付けになって、心身のご健康にご留意を。

 14日夜以降、今回の地震についてはいろいろ捜索・調査も進んで分かってきていることも多いようです。

* http://www.asahi.com/special/saigai_danso/

 札幌に戻り当局の発表、報道から感じるのですが、「熊本地震」とタイトルを打つのは強い違和感を持ちますね。大分、鹿児島での揺れもかなりのもの、何か熊本に意図的に限定して地震を小さく見せようとの魂胆を感じます、少なくとも「九州」という活字で範囲をイメージしなければ現状を正しく表現していないと思うのですが。さらに、分からないという発表は勇気を出しての姿勢だと評価しますが、新しいタイプの地震とかと言うと、どうしても原発事故時の「想定外」の繰り返しを思い出します。

 10日以上経て、やっとこのような「対応」が――>http://www.asahi.com/articles/ASJ4T3RCBJ4TULFA00M.html

 初動の生き延びる判断は、自らの日頃から研ぎ澄まされた知識・知恵に依存するしかないのでしょうね、納得性から言っても今回つくづくそう感じました。また、中島みゆきの「宙船(そらふね)」の歌詞(http://www.kasi-time.com/item-18378.html)を思い出しました、そうです、「オールを任せて」はいけないのです。

【番外編】 そう言えば、数日後のNHKニュースでは、彼が解説をしていました、まだやっているんだ?!

福島原発事故後、彼は少しは学んだのか?

福島原発事故後、彼は少しは学んだのか?

映画「首相官邸の前で」、満席!

Posted by 秋山孝二
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 映画「首相官邸の前で」(http://www.uplink.co.jp/kanteimae/)が、札幌で自主上映され、満席の観客で埋まりました。原発事故の恐怖、運動の台頭、首相との会談までの経緯を、元首相を含む8人のインタビューで構成されています。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~HP より

監督の言葉

 私は、この出来事を記録したいと思った。自分は歴史家であり、社会学者だ。いま自分がやるべきことは何かといえば、これを記録し、後世に残すことだと思った。

 映画を撮ったことはなかった。映画作りに関心を持ったこともなかった。しかし、過去の資料の断片を集めて、一つの世界を織りあげることは、これまでの著作でやってきた。扱うことになる対象が、文字であるか映像であるかは、このさい問題ではなかった。

 いうまでもないが、一人で作った作品ではない。同時代に現場を撮影していた人びと、インタビューに応じてくれた人びとが、すべて無償で協力してくれた。

 なにより、この映画の主役は、映っている人びとすべてだ。その人びとは、性別も世代も、地位も国籍も、出身地も志向もばらばらだ。そうした人びとが、一つの場につどう姿は、稀有のことであると同時に、力強く、美しいと思った。

 そうした奇跡のような瞬間は、一つの国や社会に、めったに訪れるものではない。私は歴史家だから、そのことを知っている。私がやったこと、やろうとしたことは、そのような瞬間を記録したという、ただそれだけにすぎない。

 いろいろな見方のできる映画だと思う。見た後で、隣の人と、率直な感想を話しあってほしい。映画に意味を与えるのは観客であり、その集合体としての社会である。そこから、あなたにとって、また社会にとって、新しいことが生まれるはずだ。

小熊 英二

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

チラシ

チラシ

チラシ裏

チラシ裏

 映画終了後のアフタートークも熱気あふれる会場で素晴らしかったです。

会場は満席、熱気いっぱいでした!

会場は満席、熱気いっぱいでした!

映画終了後はアフタートーク

映画終了後はアフタートーク

福島映像祭 2015

Posted by 秋山孝二
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 「福島映像祭 2015(http://fukushimavoice.net/fes」が、東京・ポレポレ東中野で開催されました。このイベントは、福島原発事故にまつわる、あらゆる映像を集めて上映する映像祭で、今年で3年目を迎えます。

 映画、テレビ番組、そして一般市民による日々の記録まで、多様な映像を通して事故以降の福島の姿、そして「福島の今」を映し出すことが狙いです。 映像祭としては画期的な取組みとして、国内外のテレビ番組も劇場で上映し、事故直後から現在まで、あの日、あのとき、何が起こっていたのかを多角的な視点から浮き彫りにすることを目指します。

 私は最終日の最後のプログラムとなったトークセッション「いま、福島第一原発で何がおきているのか」にやっと参加できました。東京電力福島第一原発内の最新映像を見ながら、東京新聞社会部の片山夏子記者にお話を伺い、その後、白石草さんとの対談でした。4年半が経ったいま、原発事故の原点に戻り、原発内で続く”収束作業”の厳しい現状を知ると同時に、それを支える原発作業員ひとりひとりの人となり、人生が表れるエピソードが印象的でした。

東京新聞社会部・片山夏子さん

東京新聞社会部・片山夏子さん

 片山記者が、継続的に定点観測の如く取材する姿勢は大変感動を与えるし、それを後押しする東京新聞の懐の深さを強く感じます。新聞記事が、几帳面な当事者との信頼関係に基づく関係性から書き上げられることを、再確認しました。現場の声を真摯に受け止めて、苦闘する現場の様子を果敢に社会に提示する、まさにジャーナリズムの原点でしょうね、私にとっては、時間を割いて足を運んだ甲斐がありました。

片山夏子さん、白石草さん、これからも頑張って下さいね!!!

震災復興シンポジウム 2015 in 盛岡

Posted by 秋山孝二
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 今年の「3・11全国経済同友会震災追悼シンポ」は盛岡で開催されました。岩手県立不来方(こずかた)高校音楽部の「ふるさとの山に向ひて」、「星めぐりの歌」、「時代」、は素晴らしい天使の声、そして参加者全員と手に手つないで「ふるさと」の大合唱は、心に染み入りました、まさに追悼の歌声でしたね。終了後、参加された全国の経営者の多くが、「感動した」、「涙が込み上げてきた」とおっしゃっていました。

不来方高校合唱部

不来方高校合唱部

* 「ふるさとの山に向ひて(https://www.youtube.com/watch?v=yDcKmgrbgjU

* 「星めぐりの歌(https://www.youtube.com/watch?v=w_SeZysa_Ss

* 「時代(https://www.youtube.com/watch?v=vCeNH_vQjfY

 今年も私は第一分科会に出席しました。昨年の様子はこちら――> http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=19311

第一分科会:今年も福島原発事故のその後に注目

第一分科会:今年も福島原発事故のその後に注目

希望を求めて

希望を求めて

 政府、各省庁、電力会社幹部の無責任には憤りを感じますが、今年も現場を預かる方々の使命感はヒシヒシと伝わってきました。毎年毎年、困難な状況の中でも自分の立ち位置で最大限の努力をしている姿を受けとめ、メディアではいろいろ批判がある中、まだ日本は捨てたものではない、そんな気がしてきます。

 あの高校生たちの歌声を聴いて、或はあの場にいた経営者の方々がご自身の故郷の山に向かって、相変わらず「原発再稼働」を思考停止の如く叫び続けるとすれば、その感性に人間か否かを問いたいものです。そして、感性無き経営者が、今の日本の経済界を率いているそのことが、日本国にとって最大の「リスク」であることに間違いありません、担い手を代えないと日本の将来はない!

 <ふるさとの山に向ひて>    作詞:石川啄木   作曲:新井満

 ふるさとの山に 山に向ひて
 言ふことなし ふるさとの
 山は あ~ ありがたきかな

 やはらかに柳 柳あをめる
 北上の 岸辺目に見ゆ
 う~ 泣けとごとくに

 かにかくに 渋民村は
 恋し 恋し 恋しかり
 おもひでの おもひでの山
 おもひでの川

 ふるさとの訛 訛なつかし
 停車場の 人ごみの
 中に あ~ そを聴きにゆく

 かにかくに 渋民村は
 恋し 恋し 恋しかり
 おもひでの おもひでの山
 おもひでの川

 ふるさとの山に 山に向ひて
 言ふことなし ふるさとの
 山は あ~ ありがたきかな
 ありがたきかな

戦後日本の体制、そして世代の責任

Posted by 秋山孝二
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 以前、『戦後史の正体』について、或は昨年のグリーン九条の会「講演会」についての記載でも書きましたが、沖縄から見えてくる「戦後日本の体制」について、今回のこの本もまさに目からウロコです。そして、私たちの「世代の責任」も再確認します。

* http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=14211

* http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=21437

本の表紙

本の表紙

目次から

目次から「沖縄の基地」、「福島の原発事故」、「安保村」

 私たちが生きてきた「戦後」なる時代、私はどうやら大きな勘違いをしていたようです。「食」、「エネルギー」、「基地」等、みな同じ構図とも言えます。「論評」よりも「記録」、それに基づいて能動的に「記録すること」、「残すこと」、「伝えること」の大切さを痛感します。

 そして「私たちの世代の責任」も強く感じますね、以下、寺島実郎さんの「世界1月号2015・特別寄稿」より抜粋です:

 人間は環境の子であり、生きた時代に制約される。団塊の世代が、戦後なる時代によって刷り込まれた限界を自覚するにせよ、後代に残してはならない課題を心して直視すべきである。「シルバー・デモクラシー」時代が迫る。人口の四割が高齢者という超高齢化社会では有権者人口の五割、「老人は投票に行く」という傾向を踏まえれば現実に投票に行く人の六割を高齢者が占めることになる。「老人の老人による老人のための政治」になりかねない。

 戦後民主主義が与えられた民主主義であるにせよ、また民主主義が「悪平等」を助長して煩瑣で時間がかかる仕組みであるにせよ、我々は国家主義の誘惑に引き込まれてはならない。「戦争を知らない子供たち」ではあるが、戦争を意識の奥に置き、戦前と戦後をつなぐ時代を生きてきた団塊の世代は、「国家」の名における犯罪を拒否する責任を有す。民主主義の価値を尊ぶからこそ、代議制民主主義を鍛える意思を持つべきで、「代議者の数の削減(議員定数削減)」「議員の任期制限」などによって代議制を通じたリーダーの育成と意思決定の高度化を図らねばならない。

 改めて、戦後日本に光の部分があったとすれば、一つは、冷戦期の「社会主義」からの体制転換の圧力の下に、「分配の公正」を真剣に論ずる資本主義を模索したことであり、空虚なマネーゲームを抑制し「産業と技術」を志向する経済社会を目指したことであろう。さらにもう一つは、日本近代史の省察に立って「開かれた国際主義」に真摯に生きたことであり、大国意識に立つ「国威発揚のための国際貢献」を「積極的平和主義」と言い換える浅薄なものではなかったはずだ。

 そして戦後日本の忘れ物としての最大の課題は「米国との関係の再設計」だ。それは「独立国に長期にわたり外国の軍隊が駐留し続けるのは不自然」という世界史の常識に還ることだ。この意思を失った国を世界では「独立国」とはいわない。

~~~~~~~~~~~~~~~ 抜粋 おわり

 右とか左とかではなく、ギリギリのその時々の選択で戦後日本を支えてきた勢力が劣化し、創り上げてきた価値が破壊されていく過程を観ているような現在、せめて次世代には廃墟となる前に建て直して受け渡す努力をしなけらばならない、それが今を生きる私たち世代の使命であり、責任だと確信します、たとえどんな犠牲を払ってもですね、この「戦後」を生きてきた私たちは。

町内会での防災研修会

Posted by 秋山孝二
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 秋山財団事務所がある札幌市中央区宮の森地区の連合町内会で、この度防災研修会が開催され、そのプログラムの一つ、秋山財団の「ネットワーク形成事業(http://www.akiyama-foundation.org/history/history_08」で応援した根本昌宏さんが講師として発表の機会がありました。

* 冬期被災対応ネットワーク形成事業(http://www.toukihisaitaiou.jp/

宮の森・大倉山連合町内会で防災研修

宮の森・大倉山連合町内会で防災研修

 この事業の目的は次の通りです:~~~~~~~~~~~

 「北海道には冬と対峙する昔からの知恵が数多く存在しています。これらの知識を掘り起こし、蓄積をしながら、最新の技術との融合を目指します。

 古くから生活は三原則「衣・食・住」とされています。しかし災害時はそれらに加え「情(情報)」「情(心)」を加えた五原則が不可欠であることを本ネットワークでは提言いたします。

 五原則を均一に網羅し、最低限必要な備えを提示し、最低限必要な知識を考案し、最低限必要なネットワークを構築します。これらを総括した「いきる力・いきぬく力」を、机上シミュレーションではなく、演習・実践によって培い会得し、多種多様な災害に対応する能力を見出すことが本ネットワークの目的です。」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 もう一つの講演は、同じ町内で私も「宮の森の環境を守る会」でお友達のみかみめぐるさん、「みみをすますプロジェクト(http://mimisuma-sapporo.com/)」でした。

HPより~~~~~~~~~~~~~~~~

 2011年3月11日に東北地方を襲った大地震や大津波は多くの尊いいのちを奪いました。
そして福島原発の大事故が起き、放射能汚染によるいのちの危険や健康被害の危機にさらされた方達は広範囲に及びそれは今も続いています。

 この大災害や原発事故によって多くの方達が避難生活を余儀なくされ、特に放射能汚染から逃れるために沢山のこどもがお母さんに手を引かれながら全国各地に避難して暮らしています。
避難生活にあるこども、被災地に留まって暮らすこどもなど、置かれている状況はそれぞれに違いますが、放射能汚染によってこどもたち本来の落ち着いた生活が奪われてしまったことは明白で、これはおとなたち社会全体の責任です。

みみをすますプロジェクトは、2011年に起きた大災害と大事故を契機に被災者支援活動をはじめた者たちが、手をつなぎ合わせて誕生させたプロジェクトです。わたくしたちは未来あるこどもたちの今を大切にしながら、いのちの鼓動に耳を澄ませ、放射能からいのちを守り育てたいと思います。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 引用 おわり

「みみをすますプロジェクト」の報告

「みみをすますプロジェクト」の報告

みかみみぐるさん

みかみめぐるさん

 数年前から、秋山財団では「アウトリーチ活動」に注力をしています。研究者にもそれを限りなく望み、市民活動の担い手の方々にも情報発信の場を提供すべく努力を続けています。今回もそんな流れから、「ネットワーク形成事業」の成果の発信の場として、まさに足元での活動となりました、参加者の満足度も高く嬉しかったですね。今後は北国のみならず、全国モデル、モンゴル・ロシア等世界に、この北海道防災モデルを発進していきたいと思っています。

応援する一員として秋山財団も参加

応援する一員として秋山財団も参加

 秋山財団のアウトリーチ活動の様子はこちらから――> http://www.akiyama-foundation.org/news/1158.html

サザン、人質報道に思う

Posted by 秋山孝二
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 新年早々、「長渕剛、サザンへの期待!(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=22132」と題して、私は新しい年の新しい空気を吸い込んでスタートしましたが、その後、少し気分の悪い展開を目の当たりにしています。

 まずは、サザンの年末ライブを巡って、所属事務所がお詫び文を出す局面となりました(http://www.amuse.co.jp/saslive2014/)。私がサザンに期待したことは、彼のパフォーマンスに何か政治的、社会的メッセージを感じたからと言うよりも、ライブのステージで一年の振り返りを彼らなりの独特の表現で実に率直に聴衆に語り掛けた、そのミュージシャンとしての強いメッセージ性ゆえでした。文化勲章への冒涜だの反日だの、全く筋違いのバッシング等は、実に下劣な誹謗中傷だと思いますね、ミュージシャンに浴びせる言葉ではありません。サザンの批判的精神に依存して過大評価するのも違和感ですが、何でも反日・不敬というのも、知性のカケラも感じません、そういうお前らはどこに立ち位置があるのか、と。実に窮屈な世の中になっています。

 長渕が3・11の後、宮城の航空自衛隊基地で全国から集まった航空自衛隊員たちを激励したライブ(https://www.youtube.com/watch?v=EMtbGbGLQ2A)も、ミュージシャンとしてあの当時彼ができる最大限のパフォーマンスとして、私は高く評価しています。右でも左でもない、おもねるでも卑屈でもない、ステージに立つミュージシャンとして率直に表現しているその姿に感動するのです。

 それ対して今の日本社会というのはかなり壊れていますね。わずか数十名のヘイトスピーチたちを過大に報道するマスメディア、ソーシャルメディアも病んでいます。匿名性の中に身を潜めて、罵詈雑言のつぶやきとも言えない活字の羅列、いつから日本人はこんなに下劣になってしまったのか、そう思わざるを得ません。

 そんなこんなして1月を過ごしていると、今度は「イスラム国」による日本人・後藤健二さん人質事件です。今現在、まだ解放されてないので、ただただ無事の帰還を祈るばかりですが、この件のマスメディア、ソーシャルメディアの姿勢も醜悪です。新しいニュースがないのに、ただただ時間潰しの如くつないでいるような繰り返し報道、原発事故報道と同じように、状況を解説する「専門家」たち、時には「専門家もどき」もしたり顔で語っています。「あーぁ、また始まった」と感じる昨今です。

 国際社会の今の日本の立ち位置は、従来から言われている「巻き込まれる」状況ではなく、明確に「ターゲット」となっていることを認識しなければなりません。自国の首相が放つメッセージに一市民が外国で影響を受けるという時代、たとえ観光客で滞在しているとしても、「Japan」の名の下に事件・事故に遭遇するリスクを、私たちは覚悟しなければなりません。そんな時代を生きていることをです。

 こちらも今年の年頭に書き留めました(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=22106)。敢えて繰り返してまた掲載します。

~~~~~~~~~~~~~~内田樹さんのブログから引用

国破れて山河あり。

統治システムが瓦解しようと、経済恐慌が来ようと、通貨が暴落しようと、天変地異やパンデミックに襲われようと、「国破れて」も、山河さえ残っていれば、私たちは国を再興することができる。
私たちたちがいますべき最優先の仕事は「日本の山河」を守ることである。私が「山河」というときには指しているのは海洋や土壌や大気や森林や河川のような自然環境のことだけではない。日本の言語、学術、宗教、技芸、文学、芸能、商習慣、生活文化、さらに具体的には治安のよさや上下水道や交通や通信の安定的な運転やクラフトマンシップや接客サービスや・・・そういったものも含まれる。

~~~~~~~~~~~~~~~引用 おわり

彼が言う、「リプレイのためには、その上に立つべき『足場』が要る。その足場のことを私は『山河』と呼んでいるのである。せめて、『ゲームオーバー』の後にも、『リプレイ』できるだけのものを残しておきたい。」、まさに「足場」を残す作業を今、地道に、確かに行っていく時期である、全く同感ですね。

【1月31日に追加した部分】 私も全く同感です

http://www.doi-toshikuni.net/j/column/20150130.html

ブログ、1,000本目です!!!

Posted by 秋山孝二
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 2008年10月16日から始めたこのブログ「秋山孝二の部屋」が、今回、めでたく6年目で1,000本を迎えました。量の問題よりもまずは良く続いたなと、率直に思います。

深まりゆく秋・札幌 2014

深まりゆく秋・札幌 2014

 スタートは、ちょうど「G8北海道洞爺湖サミット(http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/summit/toyako08/」が終了して、リーマンショック直後でした、何か残したいなとの自然な気持から。

 第一回はこちら――> http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=24

 最初は何も分からずにおっかなびっくり、ただただ文字だけを書き連ねていましたが、読まれた方が「写真もあったらいいね」とおっしゃったので、6か月経って初めて写真を挿入してみました、その第一回がこちら――> http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=799

 「予めのカテゴリー分けもままならず、最初からしばらくはアトランダムに垂れ流しになりますが、そのうちに整理していこうと思っています。取りあえずスタートを前に、『決意表明!』です。」と始めたのですが、今もってカテゴリー分けもできずに、垂れ流しです。途中、一時「コメント可」にした時期もあったのですが、スパムがひどくて今は「不可」にしています。ただ、Facebookも途中から活用し始めたので、時々はそちらにも投稿したり・・・。この6年間でインターネットの世界は格段に拡がり・奥行きを見せていますね、同時に少々忙しくなったりもして・・・。

 Facebookはメッセージのやり取りのスピードがかなり速く、ある環境系のオピニオンリーダーは、「内圧が上がらない内にアップするので、思考が浅くなるような気がします」とおっしゃっていましたが、私も全く同感です。ロジック以前の反射・反応のレベルでメッセージのやり取りが成立している、ノリのいい方向き(?)、そんな場と感じられます。

 自分のブログの中で、私的に「連載」で気に入っているものは以下の二つでしょうか。

* 愛生舘の「こころ」

http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?s=%E6%84%9B%E7%94%9F%E8%88%98%E3%81%AE%

’71 北アメリカへの一人旅

http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?s=%E5%8C%97%E3%82%A2%E3%83%A1%E3%83%AA

 この間、「2011.3.11」が起こり、原発事故報道ではマスメディアへの不信でいっぱいでしたが、私はブログのお陰でインターネットの大海から検索機能で世界の知恵と出会う機会も多く、かなり正確な状況を把握できました。関西の新聞社の方、メディアの方から「写真を使わせて頂いて宜しいでしょか」とか、検索でアクセスし、引用で使って頂いた時もありますし、ご連絡がありその後も何回もお会いしている方もいらっしゃいます。一方、私の場合は未だにありませんが、特定のブログへのヘイトスピーチ、品の無い誹謗中傷も頻発し、情報社会の裏面、社会の病んでいる様子も垣間見ます。

 いつまでとか、出来るだけ長くとか、何も特段の目標は持ち合わせてはいません、自然体で書けなくなった時には静かに消えたいと思っています。今では書くことが「日常」になっているので、それまではお時間のある時にご覧い頂ければ大変嬉しいです、これからもよろしくお願いします!!

秋山財団贈呈式 2014 (2)

Posted by 秋山孝二
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 肝心の贈呈式の写真は、残念ながら皆関係者なので、当日のプロの年報用写真以外に一枚もありません、難しいところですね。受賞者の皆さまはほぼ全員ご出席頂き、財団関係者も役員はもちろん、選考委員の先生方も数多くご出席、毎年思うのですが大変高い出席率を維持していて嬉しいです。

 今回、冒頭の理事長としての私のご挨拶は以下の通りです。この間の若き研究者への思いを、「俊鶻丸(しゅんこつまる)」に込めて語りました。昨年のテレビ番組については以前にもこのブログで書いています(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=19083)。

~~~~~~~~~~~~~~ 理事長としての私の挨拶

 本日は、多数のご来賓のご臨席を賜り、またお手伝いに株式会社スズケン様より社員の皆様に駆けつけて頂き、当財団「平成26年度贈呈式」を開催出来ますことは、大変光栄に存じ感謝申し上げます。

〇 秋山財団(昭和621月に設立)、本年28年目

・助成総額約84,000万円  ・助成累計件数1,204

<近況報告>

「ネットワーク」化への取り組み

・研究分野の「アウトリーチ活動」

・市民活動分野の「コラボレーション」

実施例

a7月6日、前田一歩園財団との第4回助成事業合同報告会

合計20団体(秋山財団:12ネットワーク形成事業助成プロジェクト)

b)7月19日(本日出席の)上田評議員(北大北方生物圏フィールド科学研究センター)のバックアップで、札幌旭丘高校生物部(顧問:綿路先生)とのコラボ企画を学校祭の中で実現、反響あり。

取組み事例は財団HP・年報等に掲載 → 財団事業の柱の1つに育てる

評議員会、理事会での議論

・「生命科学」と「自然科学」の概念の理解について

・財団賞への人文科学・社会科学分野への拡がりについて

<私からのメッセージ> STAP細胞ほか、何かと研究者に対する社会的注目が増えている

20139月 NHK教育「ETV特集」

「海の放射能に立ち向かった日本人~ビキニ事件と俊鶻丸~」

 60年前の195431日、アメリカは太平洋ビキニ環礁で水爆実験を強行。マグロはえ縄漁船第五福竜丸など数百隻、人によっては1千隻以上とも言われる漁船が被ばく、放射性物質に汚染されたマグロの水揚げ等、大きなニュース。アメリカは「放射性物質は海水で薄まるためすぐに無害になる」と主張。

 それに対して、当時の国立衛生試験所、理化学研究所等により、日本独自に海の放射能汚染の実態を解明しようという一大プロジェクトが始動。水産庁長官が国会で約束。海洋学、気象学、物理学、化学、食品学など幅広い分野で活躍する第一線の研究者が結集し科学者たちの「顧問団」を組織。当初予算3、000万円が1,400万円に減額されたにもかかわらず、水爆実験から2か月後、そこに至るまでに断る口実はいくつでもあったにもかかわらず、、科学者22人を乗せた調査船・俊鶻丸(588トン)がビキニ実験場に出動!

 科学者たちは死の灰による被曝の恐怖、“米潜水艦の魚雷攻撃を受けるかも知れない”という極限の状況の中で、2か月に亘る調査を実施.調査の結果は、海の放射能汚染は簡単には薄まらないこと、放射性物質は食物連鎖を通じてマグロの体内に蓄積されること、部位によってかなりの違いがあること等を豊富なデータに基づき、初めて明らかにした。

 俊鶻丸の中心的な科学者たちは、大気や海洋の放射能汚染の調査・研究を継続→大きな原発事故にも対応できる環境放射能の横断的な研究体制の必要性を主張!しかし、・・・

この活動から私が指摘したい4つのポイント:

〇 60年前、日本の若き科学者たち、当時その任にあった関係諸機関の責任者たちが、リスクを恐れずに行った行動から、私たちは何を学ぶべきなのか!

〇 私たち戦後世代は、「戦争を知らない」では免罪されない。広島・長崎の原爆、そして原発事故、「自然災害」、「人的災害」。経験者は本当に語れるのか、語ってきたのか、経験しなかったが故に伝えられることがあるのではないか!

〇 「伝えていかなくては」ならない。今を生きる私たちが次世代に対してその責任を負っている、それが今を生きる者の「時代認識」ではないのか!

〇 2014年、私たち一人一人、とりわけ生命科学の道を歩む科学者の矜持が、人間としての良識が、人間性そのものが問われている!

 私たちは歴史から学ばなければなりません!

<ご出席の大学関係者、研究機関、そして受領者の皆さん!>

 助成金の中には28年間、秋山財団に寄せられた沢山の方々からの大切な志と熱き想い、期待が込められている事を忘れないで頂きたい。ステージは、秋山財団が用意、心寄り添う「パートナー」として、共に歩み続けたい。

<最後に>

 100年の時を越えて、北の生命と共に歩んで来た秋山愛生舘の歴史とDNAを受け継いだこの財団。生命と向き合い、道民のいのちと共にある科学、自然と共生する生命科学の進化の為に貢献し続ける事をお誓い申し上げます。

 本日ご列席の皆様には日頃のご支援、ご厚誼に感謝致しますと共に、引き続きなお一層のご厚情を賜りますようにお願い申し上げて、私のご挨拶と致します。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~挨拶 おわり

秋山財団贈呈式 2014 (1)

Posted by 秋山孝二
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 「公益財団法人 秋山記念生命科学振興財団(http://www.akiyama-foundation.org/」の一年で一番のイベント、「特別講演会」と「贈呈式」が、200名の出席者で盛会裏に終了しました。当日の様子は、後日、秋山財団HPに掲載されると思いますので、是非ご覧ください。(http://www.akiyama-foundation.org/news/1020.html

< 特別講演会 >
 昨年に続いて今年も、特別講演の前に「受領者からのメッセージ」を企画しました。これは、今後の研究やプロジェクトの理解者を拡げる「場」を創り出したいとの趣旨で、最前線のお二人の若き研究者と、冬場の災害に直面した時の「生きぬく力」を提唱される、ネットワーク形成事業助成の受領者お一人、合計3名に発表して頂きました。研究者としての取り組みが率直な語り口から伝わり、活動については、実証的な取り組みの成果を知ることができました。

〇 「受領者からのメッセージ」

・『乳腺胞上皮細胞における乳汁分泌機構の解明』 北海道大学大学院農学研究院 助教 小林 謙 様

・『私が研究をする理由』 北海道大学大学院歯学研究科 助教 佐藤 真理 様

・『冬の万が一を想定した寒冷期災害対策の実証と提案』 日本赤十字看護大学看護薬理学領域 准教授 根本 昌宏 様

特別講演、贈呈式のしおり (秋山基氏 撮影)

特別講演、贈呈式のしおり (秋山基氏 撮影)

開会前から多くの参加者 (秋山基氏 撮影)

開会前から多くの参加者 (秋山基氏 撮影)

〇 特別講演会

・講師:小澤 祥司 様(環境ジャーナリスト・環境教育コーディネーター)

・演題:『 地域を潤すエネルギーの選択

~ 持続可能なエネルギーシステムへの転換 ~ 』

 特別講演会では、環境ジャーナリストの小澤祥司さんを東京からお招きして、私が座長を務めました。

< 講演要旨 >

  東日本大震災とそれに引き続く東京電力福島第一原発の事故によって、日本のエネルギー状況は大きな転換点を迎えたといえます。事故前には、気候変動を防ぐためとして原子力発電の比率を高める政策が進められようとしていました。

 しかし福島原発事故であらためて原発の危険性と廃棄物処理の困難さが浮き彫りになり、新設はおろか再稼動も容易には進められない状況になっています。一方で、化石エネルギー資源の枯渇する状況もそう遠くない将来に訪れるでしょう。もともと原子力発電は危険であるばかりでなく、非効率な発電方式です。私たちはややもするとエネルギー=電気と思いがちですが、私たちが使うエネルギーのうち電気の比率は小さく、また実際に電気でなくともよい用途は多いのです。

 自然エネルギーの活用を考えるときにも、電気へのこだわりを捨て、より効率のよい使い方を選択することが必要です。それには、現在の大規模集中型からコミュニティ型(小中規模分散型)へのエネルギーシステムの転換が必要になります。この転換は、海外や域外への経済的な依存を減らし、地域に雇用を生むことにもつながります。内外ですでにそうした取り組みは進んでいますし、自然条件に恵まれた北海道はエネルギー自立の可能性に満ちていると思います。

<経歴>

1956年 静岡県掛川市生まれ、1980年 東京大学農学部卒業、出版社に勤務の傍ら自然保護ボランティア活動に参加、1986 チェルノブイリ原発事故をきっかけにエネルギー問題・地球環境問題に関心を深める、1990 以後、自然環境教育や自然エネルギーの普及をテーマに活動、2011 東日本大震災後に福島第一原発事故による汚染に見舞われた福島県飯舘村民の支援活動、放射能汚染調査に携わる

<著書>

『エネルギーを選びなおす』(岩波新書)、『減電社会』(講談社)、『飯舘村 6000人が美しい村を追われた』(七つ森書館)、『コミュニティエネルギーの時代へ』(岩波書店)、『メダカが消える日 自然の再生を求めて』(岩波書店)、ほか多数。

今、あらためて検証しよう!

Posted by 秋山孝二
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 朝日新聞のスクープをきっかけに、マスメディアで福島原発事故「吉田調書」を巡って報道が始まり、9月中旬には政府も公開を決めたようです。それに先立ち、北海道新聞でも一面トップで記事となっています(http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/science/science/1-0043690.html)。「撤退」、「逃げた」といった言葉の問題よりも、私は事故現場、本社・官邸、原子力ムラ、マスメディアのギャップと癒着を検証したいですね、「原発安全神話」の愚を繰り返すことはもう出来ませんから。

 この調書のポイントはこちら――>http://www.hokkaido-np.co.jp/news/dogai/559967.html

 それとは別に、youtube上にも、2年前に原発事故報道の検証が大変興味深く行われていました。

 「徹底検証!~テレビは原発事故をどう伝えたか?(https://www.youtube.com/watch?v=RiDkLmTeCk0#t=9925」は、当時の報道を振り返りながら、実に多くの問題を私たちに提起してくれます。4時間弱ですが、忘れていた報道を振り返り、テレビに登場した「専門家」たちの呆れる発言を聞き、あらためて無責任構造を炙り出します。「情報が少なく判断が出来なかった」とすぐに弁解しそうな輩ですが、当時このようなコメントをした責任を重く受け止めて頂きたいと同時に、私たち日本国民はそれを免罪してはいけません。

 多くの皆さんには是非4時間じっくりご覧頂き、今後のマスメディアの検証にお役に立てて下さい。そして、「専門家」と言われる研究者たちが如何にいい加減な連中であり、それらを番組に登場させているマスメディアの体質も見極めておかなければ、今後の教訓と改革に役に立ちません。個々の人間の思考力が問われます。そして、その責任を問い続けなれば、将来に向けた展望が拓けません。

内容の概略~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

2012/04/19 に公開

徹底検証!テレビは原発事故をどう伝えたか?

 福島原発事故から1年が経った。政府の事故調査委員会や民間事故調、国会事故調と、3­つの調査委員会によって、事故直後の東電や政府の対応が徐々に明らかになってきている­。では、その当時、果たしてテレビはどのような役割を果たしていたのか? 311直後のテレビを見続け、分析してきた研究者やジャーナリストらが徹底検証する。

ゲスト

* 伊藤守(早稲田大学メディアシティズンシップ研究所所長)

* 小田桐誠(放送批評懇談会/ジャーナリスト)

* 広河隆一(フォトジャーナリスト/DAYS JAPAN編集長)

司 会:白石草(OurPlanetTV)

徹底検証!テレビは原発事故をどう伝えたか?
Part1 緊急事態をどう伝えたか?
Part2 避難指示をどう伝えたか?
Part3 1号機爆発をどう伝えたか?
Part4 被曝リスクをどう伝えたか?

テレビは原発事故をどう伝えたのか (平凡社新書) 伊藤 守 http://www.amazon.co.jp/dp/4582856314…
NHK独り勝ちの功罪 (ベスト新書) 小田桐 誠 http://www.amazon.co.jp/dp/4584123594…
DAYS JAPAN (デイズ ジャパン) 増刊 検証原発事故報道~あの時伝えられたこと
http://www.amazon.co.jp/dp/B007FSZHDU…

制作:OurPlanetTV
http://www.ourplanet-tv.org

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~紹介 おわり

<幾つかのキーワード>

* 外国メディアと国内メディアの報道の落差、危機感・スピード感の違い、BBCの危機報道姿勢

* 映像と現実とのギャップ~意図的に平穏な時の映像を放映していた

* パニックを恐れて、結局は人命を軽んじている

* 直後より時間が経てば経つほどひどくなる報道

* 人々を人質にして原子力産業を守った

* NHKは「番組」としてばかりでなく、「ニュース」としてもっと速く、早く報道できなかったのか

* 反省の番組を一つも作らない日本のマスメディアの状況

* 研究者(地震、津波、原子力分野)、メディア、政府、自治体等、あらゆる領域で自己検証をしなければならない。どのような取材があったのか、どのように報道すべきだったのか等

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 当時、私はここのブログで今回の検証と同じような感想を述べています、今もその時の意見が間違っていなかったことを確信しています。

* http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=7807

* http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=7922

* http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=8003

* http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=12165

* 「大地震で、今、感じること」シリーズで: http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?s=%E5%A4%A7%E5%9C%B0%E9%9C%87%E3%80%81%E4%BB%8A%E3%80%81%E6%84%9F%E3%81%98%E3%82%8B%E3%81%93%E3%81%A8

 日本の企業は、やはり現場力で今日の地位を築いてきたのですね。東京電力の本社の危機感の無さは、事故直後だけでなく、日頃の経営陣を覆う雰囲気だと思います。そして、3年後の今も、全国の電力会社の経営者たちは一体どれだけあの事故から学んだというのでしょうか。

 一度に4基の原発が爆発事故を起こしその対処に立ち向かっていた吉田所長を想像し、胸が熱くなります。

あるヨーロッパ人のつぶやき

Posted by 秋山孝二
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 先日、あるヨーロッパの経営者とゆっくり食事をしながらお話をする機会がありました。今の国際金融情勢における日本の位置づけ、2011.3.11以降の日本社会の変化等、歯に衣を着せないというか、明快な表現でのお話は、実に興味深く新鮮でした。

 まずは、いきなり「日本人のほとんどは東日本大震災を忘れ掛けているのでしょうか?」と。来日以来、彼は多くの日本の経営者たちに、「福島原発事故ほか、東北の被災は大変でしたね」と問うと、ほぼ全員が「いやいや、もう大丈夫、日本全体としては何も心配はありませんよ」と言っていたと。「忘れている」と聞かれて、一瞬、私は「ウーん」と返す言葉に詰まりましたが、「それは、日本全体が被災した訳ではない、という意味なのだと思いますが」と、私は苦しい弁明。この辺りは日本人の曖昧な表現が「忘れているのか」との印象に映るのでしょうかね。

 曖昧とか誤解を受けると言えば、「風評被害」という言葉も危険な言葉ですね。福島の変わらぬ現状を語る多くの方々の発言が、「そんなこというと『風評被害』で多くの福島県民、日本国民が迷惑するからやめろ」みたいな論調を目にする時があります、口封じに通じる状態です。

 さらに、彼は原発事故の放射能に対する認識にも容赦ありませんでした。他の外国人からも聞いていましたが、ヨーロッパに住むビジネスマンたちは、会社からも家族からも日本への出張の際には、「長い滞在はしないように」と言われているそうです。そして、成田着の飛行機便では、福島県上空を迂回して着陸するルートを選択的に通っているとか。放射能への恐怖は、チェルノブイリを経験しているだけに、関係当局、国の発する情報への信頼は、かなり薄いのでしょう。自分たちで放射線量を測定するか、さもなくばその地域に近づかないことだと。出張中の日本の滞在ホテルでは、靴のそばに懐中電灯とヨウ素タブレットを置いて寝るようにと会社からの指示が出ているそうです。もちろん会社関係者の命を思っての措置なのでしょうが、そうとばかりは言えないようです、何の注意もしていなかったと会社の責任を後から問われることを回避するためだとも考えられます。

 以前に書きました、確かに3・11以降、会食をする機会が多々ありましたが、食事の付け合わせのシイタケ類はほぼ全員が食べずに残していますし、魚類もみずからはあまりオーダーしていない感じがしますね。日本人に比べて、格段に放射能汚染には敏感な気がします。というより、これが今の日本を見る世界の「常識」なのかも知れません。

 ヨーロッパの経営者の面白いのは、アメリカとの距離感ですね。湾岸戦争時でもいつでも、アメリカの大統領の発言には基本的には批判的ですし、金融政策に対してもきっちりした防衛策で迎え打つ姿勢があります。日本のように、まさに「隷属状態」とは真逆の自立した視点から、多くのことを学ぶことができます。