ノーベル賞 2025

Posted by 秋山孝二
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 今年もこの季節、ノーベル賞受賞者が次々と発表になっています。

* https://news.yahoo.co.jp/pages/20251006

 今回は、日本人研究者が2部門で受賞されて大変嬉しい限りですが、毎回日本人受賞者がおっしゃる基礎研究への研究費の貧弱さ、私どもの財団の設立理念とも相まって、2000年代になっての国の「競争的資金」への傾斜の弊害は、目を覆うばかりです。私どもは北海道の研究者、基礎研究分野、比較的若手研究者への助成という基本軸をこの39年変わらず唱えて選考委員会の委員の皆さまにも毎年理事長の私から強調しています。

* これまでのノーベル賞の関連記事ーー> 秋山孝二の部屋

 毎年ニュースでも取り上げられる日本の研究費の疲弊状況、これからの国際社会における日本の凋落を心から危惧すると同時に、ささやかではありますがこの秋山財団が北海道の基礎研究者の一助になればとの思いで今後も助成活動を続けて参りたいと、決意を新たにしている昨今です。

懐かしいお名前の方々

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 北海道新聞の朝刊「卓上四季」、朝永振一郎先生、湯川秀樹先生のお名前が懐かしかったですね。私は高校時代に、大学入試で朝永振一郎先生に憧れて東京教育大学応用数理学科を受験しようと年末までその気でいましたが、年明けの1969年、東京大学が学園闘争で、東京教育大学も筑波移転問題等だったかで共に入学試験が中止となる前代未聞の年でした。

 私はノーベル物理学賞受賞されたということばかりでなく、世界平和へのスタンスでも朝永先生を尊敬し、直接教えを請いたい思いでしたが叶いませんでした。

朝永振一郎 の画像をもっと見る

* <参考> 朝永振一郎教授の「思い出ばなし」

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<卓上四季>
 科学者の社会に対する責任とはなにか。物理学者の朝永(ともなが)振一郎が向き合い続け、実践したテーマだ。ともにノーベル賞に輝いた湯川秀樹と手を携え、核兵器廃絶へ力を尽くす▼研究成果の善用がいかに好ましく、悪用がいかに破壊的か。<正しい評価は科学者が科学上のデータに立ってはじめてなし得ることであります>。政策決定者が判断を誤らぬよう、科学者には伝える責務がある―。1962年発表の朝永の講演録にある▼科学者が戦時下、軍事研究に関わった負の歴史があった。朝永はレーダーの開発、湯川は原爆の可能性を検討する形で軍部の研究に加わっている▼人文・社会科学でも同様の動きはあった。片や政府や軍部の意に沿わない研究が弾圧される。学問の自由を奪って、異論を消し去ったことが無謀な戦争につながったのではないか。その反省から日本学術会議が生まれる。朝永は60年代に学術会議の会長を務め、平和を大切にする姿勢を貫いた▼こうした積み重ねを揺るがしかねない。学術会議を改組する法案の国会審議が大詰めを迎えている。政府が介入し、会議の独立性が損なわれるとの懸念は強い▼フランスの哲学者コンドルセは学問の精神を説いた。<現行制度の賛美者を作ることではなく、制度を批判し改善する力を養うこと>。これこそが学術会議の役割だ。
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 日本学術会議の位置づけを巡って、今国会での法案提出で、研究者の方々の反対が激しくなっていますが、戦時下の自らの研究を猛省してのお二人の戦後の活躍は、今も高く評価されてしかるべきだと思います。
*日本学術会議に関連するこれまでの記事ーー> 秋山孝二の部屋

経同会全国セミナー 2025 @ 広島(下)

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 一日目の終わりは1000人を越える懇親パーティ、広島市の松井一實市長のご挨拶も被団協のノーベル賞受賞に言及して、今回の広島開催の意義を強調していました。会場内がすでにドリンクも配られて少々騒々しかったのが市長には失礼な気がしましたね。

 二日目は前日の分科会の議長総括、その後に現在の経済同友会の代表理事を務める新浪剛史氏の全体総括でしたが、私がこれまで20回以上参加してきた全国セミナーでは最も酷い内容、総括にもならない3分程度のコメントの後はミーイズム丸出しの持論の話を予定時間を10分以上越えての饒舌な話。これまでの彼の代表としてのコメントにも経済同友会代表としては私は違和感を強く持っていましたが、ダメ押しの時間でした。前日も自分の時間だけにやってきて、二日目も自分の時間にやってきて、終わったらそそくさと退出でした、前日の分科会登壇者に対しても失礼なお話ですし、予定時間大幅越えは、次の特別講演者にも大変失礼な振る舞いです、品格を疑います。

 最終は特別講演で「『能』への道しるべ~広島と能楽~」と題して、シテ方喜多流能楽師の大島衣恵さんのお話と舞いでした。直前の後味の悪い新浪氏の挨拶を払拭する凛とした大島さんのお話は、心に深く染み入りました。

* アーティスト|ひろカル

 二日間、舞台上には生花のバラの装飾、ひと際華を添えて素晴らしかったですね。

* 咲き誇る初夏のバラ。芳醇な香りに包まれる広島県のバラ園9選-ルアンマガジン

 今回はオプショナルツアーは申し込まず、終了後にすぐに東京経由で札幌に戻りましたが、行きの大阪空港で見た夕日は真っ赤に燃えて印象的でした。

 来年は高知での開催、2010年にも開催しました。前回は前夜祭と称して桂浜で大勢の参加者の懇談会で賑わいましたが、来年は地震のリスクの為に桂浜では行えず、街なかでの前夜祭の開催とアナウンスされていました、いやはや、ですね。

* 秋山孝二の部屋 » Blog Archive » 初めての土佐の地で(1)

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久しぶりの北大博物館

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 アポイントの合間に時間が出来たので、久しぶりに北海道大学の博物館をじっくり見学しました。

* 北海道大学総合博物館

 特に北海道大学の歴史を記した1階フロアーは大変ユニークな札幌農学校の理念ほか、日本の国立大学の創成期の心意気を感じる内容です。と同時に、今その伝統をしっかりと継承しているのかどうか、北大出身ではない私ですが懸念するところです。

* 一階フロアーーー> 北大の歴史 | 北海道大学総合博物館

アメリカ合衆国の独立宣言ですd!

アメリカ合衆国の独立宣言です!

 一連の歴史に新渡戸稲造博士もきっちり記載されています。

 そして遠友夜学校のことも。

 更に、ノーベル賞のコーナー、鈴木章先生と共に永らく私どもの財団の副理事長を務めて頂いた森美和子先生のご功績も写真入りで掲載されています、誇りですね。

右下の辺りに

右下の辺りに

日本被団協にノーベル平和賞 2024!!

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 日本被団協 (www.ne.jp)が2024年『ノーベル平和賞』に決まりました、永年の地道な非核活動と若い世代へつなぐ活動が高く評されての結果です。ただ、それだけ現在の状況が核兵器使用への危機感を強めているとも言えます。ノルウェーで発表された選考委員長の受賞理由は実に明快でこの間の活動を高く評価し、世界に与えて功績を称えていて感動しました。

ノーベル平和賞 日本被団協 受賞の理由と背景は【解説】 | NHK | ノーベル賞2024

 発表後に日本でも記者会見が開かれましたが、ひと言ひと言がズシンと心に響く言葉でした。特に、記者からの質問に対して、「被爆者の声は単に広島・長崎の被爆者だけではなく、あなた方全てが将来の被爆者である可能性ということも忘れてはなりません」といった趣旨は強く印象に残っています。それにつけても日本政府の理念性の無さには情けなさを通り越して憤りを感じます。

 当日は号外も出たようですが、翌日朝刊は一面トップはもちろん見開き含めて数ページの特集記事で埋まりました。

 12月のスウェーデンストックホルムでの授賞式で、どんなご挨拶をされるのかが楽しみですね。

今、研究者の環境は?

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 少し前の記事ですが、研究者を取り巻く切実な環境をあらためて知る思いでした、千葉大学の飛び級ということにも魅かれて、です。

~~~~~~~~~~~朝日新聞デジタル版4月1日より抜粋

https://digital.asahi.com/articles/ASR3045KVR2GUPQJ00S.html?
千葉大飛び入学、研究者、そしてトレーラー運転手 研究者の現実とは

 物理の才能を見いだされ高校2年で千葉大学工学部に飛び入学し、今はトレーラー運転手として働く佐藤和俊さん。なぜ研究者の道をいったん諦めることになったのか。政府が科学技術立国の実現を掲げるなか、学ぶ側や研究者にどんな現実が立ちはだかっているのか聞きました。

・・・・・

 「研究自体は絶対に面白い。面白いのはわかっているのですが、仕事として考えるとどうなのか。当時していた仕事より給料は少し下がり、任期もある。色々と迷った末に大学の研究員に挑戦しました」

 「ただ、研究員は労働者として見られていないのかなと思う部分がありました。2年契約が終わる3月に、翌年の契約ができるかどうかわからないと言われました。別の職を探していいのかどうかわからない。半年後に契約できるかもしれないと言われても、その間どうやって暮らせばいいのか」

・・・・・・・

佐藤和俊(さとう・かずとし)
1981年生まれ。千葉県出身。高校2年次に千葉大学工学部に飛び入学。2004年、千葉大院修了。13年からトレーラー運転手として働く。

~~~~~~~~~~~~~

 この数十年、日本の研究者を取り巻く環境は、およそ『科学立国ニッポン』を標榜するには全くお粗末な国の施策です。ノーベル賞受賞時には大騒ぎするマスメディアも含めて、いわゆる基礎研究への支援体制は21世紀に入って一層この国では疲弊しています。秋山財団で巡り合う研究者の方々が口々におっしゃるのは、この間の文部科学省の科学研究費における「競争的資金」の在り方、継続的傾斜配分による研究機関格差等の弊害です。

 特に審査員と受賞者との関係性、これまでの実績と先駆的・ユニークなテーマとの乖離により、新しい研究の掘り起こしは現実的にはかなり困難な状況下と推察します。そして更に、今回ご紹介した佐藤さんのようなライフワークを難しくする研究者の経済的環境も。新しく有望な若手研究者に参入を促すような社会的環境を是非創っていきたいものです。年寄りはダメとは申し上げませんが、少なくとも今の立法府の議員達への報酬を大幅に減額して配分を研究分野に振り向ける英断を期待したいものです。

 今日も後半の選挙投票日、昨今の国政選挙・統一地方選挙でみる議員たちの振る舞いを見ていると、以前にも書きましたがまさに「就職活動」を税金を使って行い、職を得て「国会・議会」に座ると寝ている酷い状態、納税者としてはとても許すことができない現実です。今後を背負う若い研究者、女性研究者が思いっきりこの日本国内で活躍できる環境づくり、北海道の地でその微力な応援を私どもの財団は担っていきたいと思っています。

『地球クライシス2022』 BS朝日

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 BS朝日のシリーズ『地球クライシス~第三弾(https://www.bs-asahi.co.jp/earth-crisis2022/』、先日はその道の専門家の大変興味深いお話の数々でした、今回は、「地球温暖化による“水”の脅威」をテーマに日本と世界の現状に迫りました。

 特別ゲストの平田仁子さん(NPO法人「クライメート インテグレート(http://climateintegrate.org/」)、2021年、環境分野のノーベル賞とよばれる「ゴールドマン環境賞(https://www.goldmanprize.org/」を日本人の女性として初めて受賞。(日本人としては3人目 23年ぶりの受賞)されています。

* https://www.kikonet.org/kiko-blog/2021-07-06/4485

 海外ではイギリスBBCが制作し、世界各地に起きている気候変動の全貌を描く骨太ドキュメンタリーで、バングラデシュとブータンでのの事例紹介、映像の力により説得力があります。国内でも起こっている「“水”の脅威」とは。

 一方国内では、近年、「日本の砂浜が減少」しているといわれ、そこでは生態系の変化、経済価値の損失、高潮・高波被害が増え、このままでは将来、より深刻な状況を迎えることに。さらに、今、琵琶湖に起きている危機も映像を交えて紹介されていました。

誇り高き『マグサイサイ賞』

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 アジアのノーベル賞と言われている『マグサイサイ賞(https://www.nhk.jp/p/etv21c/ts/M2ZWLQ6RQP/episode/te/3P2LQ3V5J2/』について、先日のNHK教育TVで道傳愛子さんのレポートでした。

* 道傳愛子さん関連記事ーー> http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?s=%E9%81%93%E5%82%B3%E6%84%9B%E5%AD%90

道傳愛子さん

道傳愛子さん

 『マグサイサイ賞 』は、フィリピン大統領ラモン・マグサイサイを記念して創設された賞。ロックフェラー・ブラザーズ基金(本部・アメリカ、The Rockefeller Brothers Fund)の出資で1957年4月に設立されたラモン・マグサイサイ賞財団(Ramon Magsaysay Award Foundation、RMAFと略される)によって運営されています。毎年マニラ市のラモン・マグサイサイ賞財団により、アジア地域で社会貢献などに傑出した功績を果たした個人や団体に対して贈られるもので、権威ある賞です。

 この賞はアジア地域が抱える社会的課題の解決や平和と連帯などの公共における業績や成果を重視し、6部門の賞を設けています。

(1)政府(Government Service)

(2)社会奉仕(Public Service)

(3)社会指導(Community Leadership)

(4)報道・文学・創造的情報伝達(Journalism, Literature and Creative Communication Arts)

(5)平和・国際理解(Peace and International Understanding)

(6)新興指導者(Emergent Leadership)

 6番目の新興指導者部門はフォード財団(本部・アメリカ、The Ford Foundation)の助成を受け、2000年に設けられた、新人賞ともいえる新たな賞。地域の社会変化によって生じた課題に取り組み、際だった業績をあげた40歳以下の個人に贈られています。

 昨年は香港で新聞が発行停止に追い込まれ、ミャンマーでクーデターが起きるなど、この1年で民主主義の後退とも言える事態が相次いだアジア、一方、ヨーロッパでも長期に国のリーダーが続き独裁政権化している昨今です、その未来のために果敢に活動を続ける方々の声が私たちに勇気を与えてくれます。

振り返り1) ノーベル賞 受賞

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 昨年末は、何かと気忙しく、手元に認めたコメントをアップできずに新年を迎えてしまいました。ここから数回、「振り返り」として続けてアップさせて頂きます。

 まずはその初回です。

 昨年10月にハンガリー訪問から帰国して、Facebookに私は書きました。

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 ハンガリーから戻ってきて久しぶりに日本の新聞を読んで、何とも脆弱な政治状況を痛感!戦争では負け続けているハンガリー、ただ、どの博物館に行っても「祖国防衛のために戦った誇り」を伝える展示が骨太です。それに比べて、「ヤジ懸念で街頭演説日程非公表」?、自らは何のための存在か、何の信念もなく権力を弄ぶ、権力の座にしがみ付く姿はみっともない。今年のノーベル平和賞、文学賞、多くのハンガリーの方から「おめでとう!」の言葉を頂きました、意識の根底にアジアの一員としての我々との連帯意識が。良く今の状況を戦前と似てきたというけれど、市民社会の活動、NGOの存在等、今は、国政の劣化を私たち市民の連帯が補って余りある状況とも言えるのではないでしょうか?それにしても日本の政治はみっともなく、恥を知れ!ですね。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ここまででコピーおわり

 2017年のノーベル文学賞を受賞した日系英国人作家、カズオ・イシグロさんが10月10日夜(日本時間11日早朝)、ストックホルム市庁舎での記念晩さん会で行ったスピーチ全文は以下の通り。格調高い内容に、日本人として誇りを感じます。

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 陛下、殿下、そして紳士淑女の皆様。

 大きな外国人の顔、西欧の男の人の顔が、私の本の1ページを埋めるようにカラーで描かれていたのを、鮮明に記憶しています。堂々とした顔の後ろの一方に見えたのは、爆発による煙とほこりでした。もう一方に描かれていたのは煙の中から空へと昇っていく白い鳥でした。私は5歳で、伝統的な日本の家の畳の部屋で腹ばいになっていました。この瞬間が印象に残ったのは、私の後ろの方で、ダイナマイトを発明した人が、その使われ方を心配して(日本語で)「のーべるしょう」を作ったと話す母の声に特別な感情がこもっていたからです。「のーべるしょう」という言葉を日本語で聞いたのは、これが初めてでした。「のーべるしょう」はね、と母は言いました。(同)「へいわ」を促進するためにあるのよ、と。「へいわ」はピースやハーモニーという意味の日本語です。私の街、長崎が原爆によって壊滅的な被害を受けてから14年しかたっておらず、まだ年端もいかない私でも、平和とは何か大切なものであること、それがなければ恐ろしいものがこの世界を襲うかもしれないことを分かっていました。

 ノーベル賞は他の偉大な賞と同じく、小さな子どもでも分かるようなシンプルなもので、それがきっとこれまで長く世界の人々の想像力をかき立て続けてきた理由でしょう。自分の国の人がノーベル賞を受賞したことで感じる誇りは、オリンピックで自国の選手がメダルを勝ち取ったのを見て感じるものとは違います。自分の部族がほかの部族より優れていることを示したからといって、誇りをもったりはしません。むしろ、自分たちのうちの一人が人類共通の努力に著しい貢献をしたことを知って得られる誇りです。わき上がる感情はずっと大きく、人々を融合させてくれるものです。

 私たちは今日、部族間の憎しみがますます大きくなり、共同体が分裂して集団が敵対する時代に生きています。私の分野である文学と同じく、ノーベル賞は、こうした時代にあって、私たちが自分たちを分断している壁を越えてものを考えられるよう助けてくれ、人間として共に闘わねばならないことは何かを思い出させてくれる賞です。世界中で母親たちがいつも子どもを鼓舞し希望を与えてきたような、母親が小さな子どもに言って聞かせるようなものです。このような栄誉を与えられて、私はうれしいと思っているでしょうか? ええ、思っています。私は受賞の知らせを受けて直感的に、「のーべるしょう」と声に出し、その直後に、いま91歳の母親に電話しました。私は長崎にいた時、既に多少なりとも賞の意味を理解しており、今も理解していると思っています。ここに立って、その歴史の一部になることを許されたことに感動しております。ありがとうございます。

https://mainichi.jp/articles/20171211/k00/00e/040/177000c

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 同じく2017年のノーベル平和賞を受賞したNGO「ICAN(http://peaceboat.org/21213.html」を代表して、ベアトリス・フィン事務局長と広島の被爆者であるサーロー節子さんが共同して、ノーベル平和賞受賞講演を行いました。

 この演説と講演の日本語訳を以下からダウンロードできます。なおこれらの日本語訳はピースボートによる非公式訳であり、英語の原文の著作権はノーベル財団にあります(© THE NOBEL FOUNDATION, STOCKHOLM, 2017)。聴衆の真剣な眼差し、節子さんの力のこもった語りとスピーチ、これにも日本人としての誇りを感じます。

http://peaceboat.org/22083.html

https://www.youtube.com/watch?v=W_nIa520gu0

 日本国政府のみっともなさとは裏腹に、世界で活躍する日本人の素晴らしさ、国破れても人財あり、でしょうか。政治家の劣化と恥さらしをカバーして余りあるお二人の国際舞台でのスピーチでした。

新渡戸の足跡 @ カナダ(3)

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 Tad Suzukiさんとの濃密な意見交換の翌日、今回の目的の2番目が、ブリティッシュコロンビア大学(UBC)の「NITOBE MEMORIAL GARDEN(http://botanicalgarden.ubc.ca/visit/nitobe-memorial-garden/」の訪問と公園管理責任者・学芸主任のRyo Sugiyama(杉山龍:すぎやまりょう)さんとの意見交換です。

 早朝、前日にホテルのフロント嬢に教えてもらった路線バスで、ブリティッシュコロンビア大学(UBC)バンクーバーキャンパス(http://you.ubc.ca/tours-info-sessions/virtual-tour/を目指し、ホテル近くのバス停から25分くらいでキャンパスのバスセンターに到着しました。モントリオールのマギル大学の分校として設立され、1915年に独立したことを後から知りました。ここではおよそ4万5千人が学び、現在の第29代カナダ首相ジャスティン・トルドーをはじめ、これまで4人のカナダ首相経験者、さらに7人のノーベル賞受賞者を輩出しています。

 余談ですが、久しぶりに乗った路線バス車内の乗降の仕組みは、昔と変わってなかったですね。降りたい停留所に近づくと、車内両側のカベ上角に前方から後方に張ってある黄色いヒモを下に引くと、運転手横のボードに「STOP」の赤ランプが付き、完全に止ると降りる人がドアを手で押すと開くという、実にアナログ・マニュアルで降車する仕組みです。日本のように、やたら降車ボタンを設置するよりも、はるかに安上がりな気がします。

 時期的に夏休み中のせいか、本来の学生達の姿は少なく、サマースクールの高校生たちでしょうか、数グループと少しの観光客が歩いているくらいで、静かで落ち着いた雰囲気でした。聞いてはいましたが、402ヘクタールの敷地はとにかく広く、日本で一番広いと言われる北海道大学・札幌キャンパス(177ヘクタール)の2倍以上の面積です、面談時刻の前に時間があったので、かなり歩いて散策しました。

バスターミナルから真っすぐ上る

バスターミナルから真っすぐ上る

 ここから右にずっとMAIN MALLを歩くと、有名な観光スポットのバラ園と素晴らしい背景です。

花、海、山々、ファンタスティック!

花、海、山々、ファンタスティック!

バラ園とカナダ国旗

バラ園とカナダ国旗

 そして、真後ろを先ほどの噴水を通り越してずっと2㎞くらい歩くと、南端にはトーテムポールが山方向を見つめています。

まるで守護神のよう!

まるで守護神のよう!

直径1mはあるでしょうか

直径1mはあるでしょうか

 MAIN MALL、途中には樹齢100年を越える樹々、古い建物を大切に使っている様子も。

昔の大学本部建物?

昔の大学本部建物?

堂々たるMAIN MALL

堂々たるMAIN MALL

熟樹が通りの両サイドに延々と

熟樹がMAIN MALLの両サイドに延々と

綺麗に手入れされている感!

綺麗に手入れされている感!

 さらに歴史をきっちり刻んでいる「Totem Park」、不思議な霊的雰囲気を醸し出す森です。

霊感を漂わせる不思議な空間

霊感を漂わせる不思議な空間

 キャンパスを散策するうちにすっかりUBCの雰囲気に取り込まれてしまいました、素晴らしい学びの場です、ね。

米光宰(おさむ)先生、逝く

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 三代目秋山康之進・喜代夫妻をはじめとする秋山家と北海道大学薬学部との関係、秋山財団の設立から現在までの歴史をリアルにご存知の米光宰先生の訃報が届きました。私にとってはまさに急なお知らせでしばし茫然、先日の葬儀でも着席した場からご遺影を拝見しながら、思い出が次から次へと脳裏を駆け巡り、涙が止まりませんでした。

ご遺影は昨年6月の「秋山財団30周年記念の集い」の時のもの

ご遺影は昨年6月の「秋山財団30周年記念の集い」の時のもの

 北大薬学部創設時の秋山康之進の役回り、その後の薬学部学生への奨学金助成、そして秋山財団の名付け親・伴義雄先生、金岡祐一先生ほか、現在の薬学部との関わり合い等、生の思い出として語って頂ける最後の方で、一昨年の「北大薬学部60周年記念の集まり」のDVDでもご紹介していらっしゃいました。

* http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=24562

2015年「北大薬学部創設60周年記念で鏡割りでご登壇の在りし日の米光宰先生のお姿。

 ご自身はいつも「毒舌で申し訳ない」と笑顔で前置きをされて、秋山財団の活動についてもいつも心のこもった辛口のアドバイスを頂いていました。常務理事ほか事務局職員も可愛がって頂き、その笑顔はこれからも忘れることはないでしょう。

2016年6月、秋山財団での「30周年記念の集い」で、設立時からの萱場利通監事と宮原正幸常務理事、城越ゆかり事務局員と歓談する米光先生。

 北海道大学名誉教授の鈴木章先生が「カップリングメソッド」で秋山財団研究助成の採択となった年の選考委員長で、その19年後にノーベル賞を受賞された時に財団事務所にいち早くお電話を頂いたのを覚えています、我がことのように喜ばれていた米光先生の姿が今も強く心に残っています。

葬儀の朝、北海道神宮境内は前日からの真っ白な雪

葬儀の朝、北海道神宮境内は前日からの真っ白な雪

 米光宰先生、これまで本当にお世話になりました、秋山財団の理念の具現化として、先生からこれまで頂いた貴重なアドバイスを活かして一層研鑚を積んで参ります。感謝の意をこの欄で十分表現できませんが、どうか安らかにお眠りください。

秋山財団贈呈式 2016

Posted by 秋山孝二
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 少々報告が遅くなりましたが、今年も秋山財団の受領者からのメッセージ、講演会、贈呈式、祝賀会が開催されました。これまでの贈呈式についてはこちら――>http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?s=%E7%A7%8B%E5%B1%B1%E8%B2%A1%E5%9B%A3%E8%B4%88%E5%91%88%E5%BC%8F

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〇 「受領者からのメッセージ」

・『 シラカバ樹液の研究と地域づくり』

・『「生きづらさ」を抱えた私たちにできること』

・『 がんを何とかしたい!〜私のモチベーションとコラボレーション〜』

〇 特別講演会  ・講師:鷲谷 いづみ 様(保全生態科学者・中央大学 理工学部 教授)

* http://www.human.chuo-u.ac.jp/?page_id=1881

演題: 『 「ナチュラルヒストリーと市民科学」  ~ 保全生態学のよりどころ ~ 』

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 受領者からのメッセージでは、研究者になった動機ほか、興味深いお話の数々でした。

研究者への道を選択した動機ほか

研究者への道を選択した動機ほか

 特別講演は保全生態科学者で中央大学理工学部教授の鷲谷いづみ先生です。

ナチュラルヒストリーと市民科学

ナチュラルヒストリーと市民科学

特別講演 鷲谷いずみ先生

特別講演 鷲谷いづみ先生

 今年の受領者はこちら――> http://www.akiyama-foundation.org/news/1743.html

 贈呈式での私の挨拶は以下の通りです:~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

本日は、多数のご来賓のご臨席を賜り、またお手伝いに株式会社スズケン様より社員の皆様に駆けつけて頂き、秋山記念生命科学振興財団「2016年度贈呈式」を開催出来ますことは、大変光栄に存じ感謝申し上げます。

秋山財団は1987(昭和62)年1月に設立以来、本年度30周年を迎えることとなりました。お陰様でこの間、総額約91,000万円、1,293件の助成を行う事が出来ました。本日お集まり頂きました皆様をはじめ、これまで当財団に寄せられましたご指導・ご支援に対しまして、改めて心からの御礼を申し上げます。

今年度の選考の詳細につきましては、このあと、各選考委員長よりご報告がありますが、「秋山財団賞の受賞者なし」の決定について、選考委員会に陪席した私から一言申し上げます。財団賞選考は選考委員会において、2時間を超える白熱した議論、率直な意見交換の結果、出席選考委員全員一致で「受賞者なし」と決定しました。審議の過程で、私は各選考委員の利害関係を排除して合意形成しようとする粘り強さと高い見識を目の当たりにし、第一線研究者の矜恃を感じると同時に、30年間培ってきた秋山財団の財産であることを再確認致した次第です。秋山財団は設立以来、選考委員会の「透明性」を最も大切にしており、それゆえ理事会・評議員会でもその選考決定を尊重し、今日まで順調に事業を推進して参りました。この場を借りて選考委員の皆さまに心から感謝申し上げます。

設立30周年の節目の今年、理事長として考える当財団の立ち位置をお伝えしたいと思います。

当財団設立時に、最初の理事会において、ひとりの理事がおっしゃいました、「生命科学の基本目標は、人類、そして地球の『健康』を確保する点にあり、『健康』とは、人類が、世界が、平和を保つ状態だと思う」と。そしてある理事は、「生命科学(ライフサイエンス)は心の問題を含め、人類の幸せを目指す いのちの科学”であり、その領域は自然科学分野のみならず、哲学も含む人文科学、更には社会科学をも視野に入れた学問と理解している」と。

私はこの間、毎年この場で受領者の皆さまに「夢を託している」と申し上げてきました。今年はさらに、ただの夢ではなく、「魔性(悪魔のささやき)と闘う勇気」、或は、「社会課題と真摯に向き合う姿勢」を求めたいと思うのです。

NHKで放送された、映像の世紀プレミアム「戦争 科学者達の罪と勇気」をご覧になった方も多いかと思います。歴史上大きな功績を挙げた科学者たちは、時代の要請の中、その成果が戦争に応用されたり、或は積極的に戦争推進に加担した経緯を記録から浮き彫りにしていました。番組の後半では、「ラッセル・アインシュタイン宣言」が取り上げられていました。この宣言は、イギリスの哲学者・バートランド・ラッセルと、物理学者・アルバート・アインシュタインが中心となり、195579日、ロンドンにて世界の最先端の科学者ら11人の連名(うち9名はノーベル賞受賞者)です。米ソの水爆実験競争に対して核兵器廃絶と科学技術の平和利用を訴えた科学者の平和宣言文で、日本の湯川秀樹も署名しています。

湯川秀樹、朝永振一郎、小川岩雄は、宣言の後、カナダ・ノバスコシア州でのパグウォッシュ会議や科学者京都会議の活動を通して、日本国憲法の平和主義に基づきながら、「反戦・反核」の思想と理論を一層深化させていった物理学者でした。その理念は、現在も日本パグウォッシュ会議に脈々と受け継がれて、来年、創立60周年を迎えます。

一方、昨年、秋山財団贈呈式の特別講演では、保阪正康先生の言葉が思い出されます。「魔性、悪魔のささやきと闘うことこそが、本当は科学者としての最も大事な要件、資質だと考えています。自主・自立の民間財団として北海道にその歴史を刻み続ける秋山財団への期待を込めて、“魔性と闘う人間性”を受賞者、受領者を決定する際の重要な選考の柱、基準として頂きたい」と結ばれました。

本日の特別講演でも、鷲谷いづみ先生のキーワードとして、“生物多様性の保全”や“市民科学”、そして、3・11からの復興においても、“生態系”“生物多様性”という視点抜きでは、人間自身の持続性、生存を担保できないと語られました。

私たちは、今後も「競争的資金」と位置付ける文部科学省の科研費、或は実質的「軍学研究」である防衛省の「安全保障技術研究推進制度」とは一線を画し、微力ながら、とりわけ若き世代の育成を担い続けたいと考えています

本日ご出席の大学関係者、研究機関、そして受領者の皆さんに申し上げます。

100年の時を越えて、北の生命と共に歩んで来た秋山愛生舘の歴史とDNAを受け継いだ財団です、しなやかに、レジリエンスに活動を展開して参ります。皆さんに期待すると同時に、私たち自身も社会の不条理とひるまず闘い続けて行くことを、ここでお誓い致します。本日ご列席の皆様には30年間のご支援、ご厚誼に感謝し、引き続きなお一層のご厚情を賜りますようにお願い申し上げて、私の挨拶と致します。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ おわり

 贈呈式に続いての祝賀会、冒頭ご挨拶は理事の佐藤昇志先生、「Duty」としての公的な助成金と「Prize」としての民間の助成金の対比を実に分かりやすくお話を頂きました。

佐藤先生の素晴らしいご挨拶

佐藤昇志先生の素晴らしいご挨拶

 締めは(株)スズケン常務取締役愛生舘営業部長の山本律さん、懐かしいお話で嬉しかったですね。

(株)秋山愛生舘での入社当時のお話も

(株)秋山愛生舘での入社当時のお話も

 今年も長丁場でしたが、「式典」というよりも「交流の場」としての時間を多くの方が過ごして頂けたと思っています。今年は創立30周年の節目の年、贈呈の後に30分時間を頂き、私から「秋山財団三十年のあゆみ~地域をつなぐ、世代をつなぐ~」と題してお話をしました。その様子は秋山財団HPに近々アップ――> http://www.akiyama-foundation.org/news/2190.html

「北を語る会」、25周年100回例会!

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 「北を語る会・25周年100回例会」が200名の参加で盛大に開催されました。記念講演は、ノーベル化学賞受賞の北海道大学名誉教授・鈴木章先生でした。昨年は、北大工学部の新研究棟落成記念講演会にもお招き頂き、鈴木章先生の「カップリング・メソッド」をお聞きしました(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=20265)。

 これまでの「北を語る会」の記載

* http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?s=%E5%8C%97%E3%82%92%E8%AA%9E%E3%82%8B%E4%BC%9A

当日のプログラム

当日のプログラム

 鈴木章先生は、講演後の質疑応答、懇親会と、この日最後までご出席になり、多くの参加者と親しく懇談しました。私も今回の例会に際して鈴木先生のつなぎ役として、渡会純会長、吉岡潤三幹事長のお心遣いでメインテーブルに座らせて頂きました。

渡会会長と鈴木章先生

渡会会長と鈴木章先生

 この記念すべき例会で、事前に私は懇親会の締めのご挨拶をするようにとのお話があり、開宴前は少々アルコールを自重してと思っていましたが、隣の横路由美子さんと話をするうちにいつもにも増して、赤・白ワイン、日本酒と飲んで顔は真っ赤になっていました。杉田知子さんのバイオリン演奏、ダンディ・フォーの素晴らしい歌声で興奮し、終盤は参加者全員での「知床旅情(https://www.youtube.com/watch?v=kTt4wjqgsdY)」の大合唱で会場は大盛り上がり。

 そして静けさが戻った中での私の締めのご挨拶と乾杯タイム。私は、鈴木章先生が北海道生まれの道産子で、北海道大学一筋での研究によりノーベル賞を受賞されたこと、そして秋山財団がその19年前に研究助成として同じ研究テーマを採択してご支援させて頂いたことを誇りに思うと、ご挨拶の中でお話を致しました(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=6835)。さらにその日が私の誕生日だったので、言うまいと思っていたのですが、皆さんにお祝いして頂いているようで心から感謝致しますとも付け加え、たくさんの拍手を頂きました、渡会会長、吉岡幹事長ほか、皆さまありがとうございます。

 記憶に残る一日となりました。

「鈴木章ホール」、落成記念式典ほか

Posted by 秋山孝二
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 4年前のノーベル化学賞を受賞された鈴木章先生は、22年前に秋山財団の研究助成を受けられました。

* http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=6835

 昨日は、「北海道大学フロンティア応用科学研究棟(http://www.eng.hokudai.ac.jp/building/detail.php?area=2)」の落成式、記念式典が開催され、さらに記念講演会が、「公益財団法人 杉野目記念会」創立四十周年記念事業と共催で行われました。私は、杉野目記念会の評議員をさせて頂いている関係でご招待を受け、貴重なお話の数々を伺うことができました。

* https://www.eng.hokudai.ac.jp/entry/ev20140612/

記念ホールの落成式典でテープカット

記念ホールの落成式典でテープカット、山口佳三総長(右)もご出席

研究棟二階の「鈴木章ホール」

研究棟二階の「鈴木章ホール」

ホール前のホワイエにある記念展示スペース

ホール前のホワイエにある記念展示スペース

クロス・カップリングの幅広い応用と分かりやすい説明

クロス・カップリングの幅広い応用と分かりやすい説明

<記念講演>  ~~~~~~~~~~~~~~~

1. 東京大学大学院工学系研究科教授 藤田 誠

自己組織化によるナノスケール物質創成

Self-assembly Control of the Structure of Matter on the Nanoscale

2. 北海道大学名誉教授 鈴木 章

“Cross-Coupling Reactions of Organoboranes: An Easy Way for Carbon-Carbon Bonding

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 お二人のお話は専門的な分野ではありましたが、私にとっても理解できる部分も多く、2時間半の時間がアッという間でした。鈴木章先生のご講演の演題は、ノーベル賞受賞時にストックホルムで行った時のレクチャーと同じタイトルとのこと。「自分のこれまでの研究は、この北海道・札幌の地で積み重ねたものです」と繰り返し語るお言葉は、本当に心に染み入るものでした。

 聴衆には若い学生たちも大勢いましたし、これからの研究を深めて、さらに世界に打って出てもらいたいものと、生命科学分野でささやかに北海道で応援し続けた私としても、大変誇り高いひと時でした。

生命科学の研究者を応援する立場から

Posted by 秋山孝二
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 一つ前のブログをFacebook に掲載したら、大変たくさんの反応があったので、こちらにもそのやり取りを載せたいと思います、初めての試みですが、これは著作権的にはOKですよね?

私のブログ――>http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=19588

  • あえて私にも言わせて下さい!
    まるで「トカゲの尻尾切り」で終わらそうとしていた感ありありの理化学研究所の面々、特にノーベル賞まで取った野依さんの評判は私の中ではガタ落ちしました。
    居て欲しくない上司の典型に見えましたね。

    小保方さんには研究の成果で、理化学研究所を見返して欲しいです!
  • 社会的実績と人格は別、イコールではないですね。
  • 発見というものは、なかなか自分一人では判断が難しいはず。見つけたと思っても、其を、発見と同意してくれる仲間や先生がいて初めて確信が持てると思うのです。これだけ予算のかかる研究、さらに発見によって多くの利益が生まれるものだと尚更です。
    間違いと嘘も視点によっては変わってきます。何故ならそれだけシークレットな面もありますし。核心に迫る発言が出来ないこともあるのではと。こうした事件に怯えず、研究者たちは胸を張って研究に邁進していただきたいです。
  • 同感です。
  • 小保方晴子さん、がんばれ!!!
  • 彼女に落度があったことは事実だと思いますので、一方的に彼女を応援したり、理研を批判する気にはならないんですが、若い研究者を潰さずに育てようという視点が、なぜメディアや世論に出て来ないのかな?と思います。彼女がやったことはまずかったことに変わりはないですが、科学技術の分野で闘うことのシビアさに社会が気づいてくれないもどかしさも同時に感じます。
  • 私は理研の捏造も小保方さんの不服申し立てもある意味マスコミの被害者であると思う。ただ研究論文である以上検証実験による再現性について実験して欲しい。200回も再現できたとしたら、尚更。
    結論を早く出しすぎたのでは。
  • 秋山孝二 メディアからの質問に、「公開すれば私たちが取材して確証を得られる」みたいなものがありましたが、先端技術研究分野で熾烈な国際競争の渦中で、当然「機密部分」もあるでしょう。それと、今朝の北海道新聞の香山リカさんのコメントも失望しました。小保方さんの置かれた昨日の場は、診察室ではなく300人以上のメディアを前にした記者会見です、自分一人でメディア、組織を相手に必死で説明する、弁解する、口を濁すのは当たり前でしょう。この構図自体が異常であり、そもそもフェアな場でありません。彼女はインディペンデントではないのですよね、理研の研究員ですよ。
  • おっしゃる通りです。リケジョとしてもてはやしたのは、理研とマスコミです。ミスは大きかったけれど、謝罪したうえで、明らかにしていくことが、先決なのでは。
    得てして、女性に敵対するのは、女性です。
  • いろいろな問題が露呈した今回の騒動でした。科学者として(プロとして)足りない部分があったという小保方さんの問題もありましたが、理研の権威的な事なかれ主義の方が問題だし、なにより懲りないメディアの姿勢は大問題だと考えます。現在の原発・エネルギー問題でも、外交・安全保障の問題でも、懲りないメディアの姿勢が大きく悪影響を及ぼしていると考えています。
  • 本当に気の毒以外に言葉が無いですね~ 出来るなら海外の整った環境で研究を続けてスタップ細胞の存在を立証してほしいと思えるくらいでした 本当に頑張ってほしいです
  • 秋山孝二 本当に情けないですね、若い方々に「外国に行った方がいいよ」と言いたくなる日本の既存研究環境。税金でこの程度の組織しか運営できないとすれば、金額の問題ばかりでなく質の劣化として二重の落胆です。
  • わたしは本人にも理研どちらにも肩入れはしませんが、謝罪する必要はないと思います。なにに対して謝るのか、騒いでいる人はよく考えるべきです。
  • 「論文を撤回すればSTAP現象が間違いであったとの意味になる」というごまかしの論理にだまされてはいけないように思います。
    撤回しても、STAP細胞の存在を否定されるはずがありません。否定されるのは、将来STAP細胞の存在が確認されたときの、彼女が先駆者であるというステータスだけです。もし、きちんと現象を再現できる自信があれば、それをきちんと論文に仕上げて再度投稿すれば良いだけです。不備のある論文で手に入れたステータスにしがみつく様子をみて、科学者としてのプライドが感じられないのは私だけではないと思います。もっとも、理研自体の責任や、マスコミ報道の異常さを否定している訳ではありません。トカゲのしっぽ切りは許せないので、小保方さんの問題とは別に、理研その他の組織の問題をきちんと正すべきだと思います。あと「悪意」についてですが、今回の不備は、ついうっかりして起きることではないと思います。論文は、きちんと論理を構成して作成するものですから。なので、「過失」ではなく「故意」と判断されて当然と思います。そして、「故意」に行った行為の目的は、「ごまかして論文を完成させる」ということだったと推察されるのが自然と思います。たとえ出来心であっても、それは「いけないこと」をしようとしたのだから、「悪意」と表現されても仕方がないと思います。
  • 小保方さんも理研も、乗る土俵を間違っていませんか…?
  • 秋山孝二 千葉さんのご意見を伺っていて、私は研究機関のマネジメントについて言及しているのだと分かりました。自然科学の専門分野には素人ですが、研究助成を永く続けていて、これまでの研究論文にもかなりコピー&ペーストがあったようですし、それを見抜けないで通している指導的立場の方々も多かったのでは?間違い、不適切を全て個人に帰しているその無責任体制の下では、リスクを含んだ先進的研究などできないのではと思うのです。さらに飛躍すれば、画期的事実の発見は、所詮その時代からは相手にされない、そう研究の場を与えている組織が開き直れるかどうか、ただの予算獲得機関に成り下がっているのではないかと、そんな気がします。野依先生も、理事長就任前にはそうおっしゃっていたはずですが。
  • 秋山さんのおっしゃる通り研究機関のマネージメントの問題は、是非解決の方向に向かって欲しいと思います。
    一方、マスコミが、小保方さんvs理研の構図を娯楽ショーのごとく煽り立てるのを、小保方さん陣営がうまく利用している、というゲスな見方もできそうです。ただ、小保方さんをそう動かしてしまうのは、マスコミの過剰な偏向報道が大きな原因の一つだと思うので、彼女もまた、マスコミの被害者なんだと思います。
    彼女のやるべきことは、理研を訴えることではなくて、研究者として再出発することだと思います。彼女に限らず失敗をした人を社会から葬り去るのではなく、次のチャンスを与える社会であって欲しいです。
    その意味で、娯楽ショー提供者と化したマスコミの罪は非常に重いです!そのためには我々国民がマスコミに振り回されない様に努力する必要もあると思ってます。
  • ノーベル賞受賞、野依さんの管理者としての責任は重大でしょう。「学者バカ集団」差別用語ならゴメンンナサイですが、それを地で行く我が国の権威ってなんだったんだぁ~!
  • 科学者の端くれとして、一言言わせて頂きたいですが、今回の事例は、少なくとも私の分野では到底考えられない、異常な事態だと思っております。どうか、理系科学者全体がこうだというように思われませんように。。博士論文の件で、指導教官の無指導ぶりがひどすぎるのもさることながら、当該論文についても、笹井副センター長の責任は、もっと追及されてしかるべきです。(そもそも、こんな未熟なポスドクを、何故リーダーに据えたのか!)マスコミが、どうしてここをもっと責めないのか、理解に苦しみます。小保方さんの会見については、「一労働者」の弁明としては、理解できますが、科学者としては、頂けません。200回も成功しているのであれば、客観的な土俵で、再現実験をすれば済むことです。それが科学です。あと、野球でも同じだと思いますが、「名選手=名監督」ではないということです。ところが、ノーベル賞をもらうと、みんながその人をオールマイティだと思って持ち上げるのでおかしなことになるのです。ノーベル賞学者は研究者として優れてはいますが、マネジメントや科学政策に対して、必ずしも資質がある保障はありません。なのに、ネームバリューで理事長などに据えてしまう。。。日本がいかに本当の専門性を軽視しているかの表れと思います。
  • 仰る通り!!です。

映画「ZERO:9/11の虚構」

Posted by 秋山孝二
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 「あなたは、どれだけ知っている?」と問いかける衝撃のドキュメンタリー、「ZERO 9/11の虚構:http://zero.9-11.jp/」は、期待を上回る驚がくの105分でした。今月30日まで、札幌のシアター・キノ(http://theaterkino.net/)で午後7時20分からの一日一回上映です。昨晩は30分前で番号札16番、その後続々と多様な世代のお客様が押し寄せて、上映直前には満席状態でした。シアター・キノの株主としては嬉しかったですね。

「あなたは、どれだけ知っている?」チラシより

「あなたは、どれだけ知っている?」チラシより

あの日、本当は何が起きたのか

あの日、本当は何が起きたのか

 アメリカ政府の公式見解、それに依拠した「同時多発テロ」の世界のメディア報道、9・11を契機に始めた戦争等、何の確証もない(ZERO)一連の出来事に対して、今を生きる私たちは「真実」と真摯に向き合う必要があります。2007年秋にイタリアで原版が制作されて以来、注目された映画ですが、日本では事件から9年を経て、2010年9月11日以降全国で順次上映されています。あらためて制作者の覚悟と勇気に敬服致します。

 とにかく証言の全てが実に説得力が有るのです、いやアメリカ政府の公式(?)見解があまりにもデタラメと言った方が良いのかもしれません。プロパガンダにもなっていない作り話の数々を指摘、立場を越えて記録映像を分析するその道のプロ達の科学的アプローチ、ノーベル賞受賞者のメッセージ、国を越えた人間の良心が振り絞る言葉の重みを感じます。「アルカイダ」の本来の意味も、恥ずかしながら初めて知りました。

 本当にアッと言う間の時間だったのですが、私にとっては、では「誰が一連の事件を仕掛けて実行したのか」を帰り道で考えると、現代社会の「底知れぬ闇」・「一群の存在」を感じて、「面白かった」では済まされない気持でした。それ以上に、それぞれの当事者たちが、真摯に、勇気を持って事実を証言する姿に、「良識」の価値、何にも代えがたい力を得ました。

~~~~~~~ジュリエット・キエザ:ジャーナリスト/前欧州議会議員/共同制作者の言葉から~~~~

 日本の人々に言いたいことはただ一つ、“彼ら”、つまり9・11を画策した人たちは、人類にとって非常に危険な存在だ、ということです。彼らは今でも権力のある地位にいて、強大な力を持っています。また新たな惨事を次々に引き起こすかもしれません。彼らを阻止することが、現代を生きる私たちの責務です。私たちは、自分や子どもたちの未来を守らなければならないのですから。

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ノーベル賞受賞、鈴木章先生

Posted by 秋山孝二
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 今年度のノーベル化学賞に輝いた北大名誉教授・鈴木章先生(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=6045)は、工学部応用化学科教授として、18年前の平成4(1992)年度、秋山財団(http://www.akiyama-foundation.org/)研究(一般)助成金(100万円)を受賞し、当時の贈呈式・懇親会にもご出席されました。研究テーマは、「医薬品など生理活性物質合成を指向した高選択的炭素ー炭素結合形成反応」で、この年の選考委員長は、後に財団理事としてもご尽力頂いた米光宰先生でした。

秋山財団年報より:第6回研究助成(一般)で

秋山財団年報より:第6回研究助成(一般)で

  このレポートの最後に「ひとこと」として、次のように結ばれています。

―――日頃、学生には「重箱の隅をほじくったり、人真似のような仕事をするな。そして教科書に載るような研究をせよ」と言っている。この言葉は、実は私に対する戒めなのである。―――

最前列中央が秋山喜代理事長・その右が特別講演者の日野原重明先生、その後が鈴木章先生

最前列中央が秋山喜代理事長・その右が特別講演者の日野原重明先生、その後が鈴木章先生

1988年(平成4年)秋山財団初代理事長・秋山喜代から贈呈書を受け取る鈴木章先生

平成4(1992)年:秋山財団初代理事長・秋山喜代から贈呈書を受け取る鈴木章先生

当時の贈呈式後の懇親会で、鈴木先生(右端)

当時の贈呈式後の懇親会で、鈴木先生(右端)

 鈴木先生は、これまで各種の助成金を受け取られているのでしょうが、今から18年前に、秋山財団が研究助成金を鈴木先生グループに贈呈していることを、私たち財団関係者は大変誇りに思います。ノーベル賞・北海道・秋山財団が、鈴木章先生のご業績を通じて確かな繋がりとなりました、こんな嬉しいことはありません。これからも多くの北海道からの研究者が、世界に飛躍して頂きたいものですね。あらためて、おめでとうございます!!!

ノーベル化学賞受賞に思う

Posted by 秋山孝二
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 2010年のノーベル化学賞を鈴木章・北海道大(http://www.hokudai.ac.jp/)名誉教授、根岸英一・米パデュー大(http://www.purdue.edu/)特別教授ら3人が受賞しましたが、特に北海道大学の鈴木先生は鵡川町ご出身の道産子(どさんこ)で大変身近なせいでしょうか、いつもとは一味違った感動を覚えますし、誇り高いですね。「HOKKAIDO」がまた世界ブランドになりました。

 昨年11月9日のこの欄(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=2583)に、ノーベル賞の理念ほかを書き留めました。本来の意図が十分日本では伝わっていない部分もあり、特にノーベル平和賞の位置づけについては、中国の反応を見ていると、彼らも十分把握していないのではないか、と思われますね。国際社会の中で、なぜ今回、劉暁波さんにノーベル平和賞が授与されたのか(http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20101008-OYT1T01158.htm)を、冷静に受け止めるべきだと思いますし、同時にノルウェーのノーベル委員会の決定にも敬意を表します、受賞理由が実に明快です。

 2001年に名古屋大学の野依良治先生がやはりノーベル化学賞を受賞された時(http://www.natureinterface.com/j/ni05/P24-28/)に、北大薬学部の先生が、「この分野は、日本の研究レベルが世界をリードしている」とおっしゃっていました。今回それを証明するかのように、お二人の先生が幅広い分野への応用を可能にする技術で受賞でした。ただ、懸念されることは、これまでの受賞者もそうですが、その殆どの研究が1970年代に為されている成果であることです。

 2000年代小泉政権時代に、国の自然科学に対する研究費が大幅に傾斜配分されて、基礎研究等への「投資」が必ずしも十分にはされていません。高等教育機関への資金も他の先進諸国に比べて、大変見劣りのする金額となっています。独立行政法人化により、研究の成果を近視眼的に追及されるとった弊害も指摘されています。政権交代後の「仕分け」でそうなったという方がいますが、それは事実と違います。間違いなく、小泉政権時代の「競争原理の導入」が直接の契機です。

 今回の受賞をきっかけに、自然科学系研究への関心が高まり、基礎研究分野でも日本の力を発揮して貰いたいものです。秋山財団の24年間の研究助成が、少しでもお役に立っていればとささやかな期待もしたいですね。そして、今後の助成活動にも大きな励みとなりました。ノーベル賞受賞だけがゴールでは勿論ありませんが、研究者の皆さん、これからのご活躍を祈念しています!!!

「事業仕分け」に思う

Posted by 秋山孝二
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  新政権による一連の「事業仕分け」は一通り終了しました。率直に言って、大変新鮮で面白かったと私は感じています。

 初めての試みにメディア、特にテレビは連日「編集した」場面の放映に終始し、実際に足を運んだ方の感想とはかなりかけ離れた印象を与えていたことも明らかになってきています。今まで「速報性」を売りにしてきた従来型メディアのテレビ局も、インターネット上のテレビ画像、twitter等のニュー・メディアの前には、その機能に陰りが出ているのでしょう。真実を知りたい私たちにとっては、大変楽しみな時代になってきています。日本における従来のメディアの劣化は、目に余る程ひどいものでしたから。

 蓮舫http://www.renho.jp/議員の切れ味のよい質問は、ただのパフォーマンスなどではなく素晴らしいですね。彼女のHPにも掲載されていますが、これまでの国会・予算委員会での経験を踏まえた、一味違う官僚への突っ込みに拍手を送った国民は多かったと思います。

 高野孟「ラジオ万華鏡」http://www.the-journal.jp/contents/newsspiral/2009/12/post_445.htmlでは、彼女は「何故、今、事業仕分け?」を分かりやすく説明しています。

 そこで、今までの国会・予算委員会はなんだったのか、そう言わしめるほど「公開の場での質疑応答」は意義があったと。そして高野さんもおっしゃっていますが、これらは本来国会の仕事のはずですね。緊張感の欠如、空虚な委員会での質疑、財務省と各省庁との密室でのやりとり・・・・。1時間が短いと官僚・メディアは喧伝していましたが、今までは密室で各案件せいぜい10分程度とのこと、それが全てのメディア、市民に公開されたからこその効果は計り知れません。

 その中でインターネット上の幾つかのコラムでも、仕分けに関わった議員の方もおっしゃっていましたが、防衛省官僚の予算説明の論理性と説得力は際立っていたようです。それに反して、スパコン・先端科学技術予算を巡っての文部科学省官僚の応答は、皆さん実にお粗末と口をそろえて語っています。仕分け人は「世界2位ではいけないのですか」と予算を提起した官僚に質問をしたのであって、「第2位で良いのだ」と断言したのではありません。力強いメッセージを期待したに違いありません。ところが、それに対する全く論理性も気迫もない官僚の言葉に、あの場にいた殆どすべての方々が失望したようです。毅然とした態度でその予算の必要性を力説するのではなく、ただ「夢」と言った様で、思考停止もはなはだしい。

 ノーベル賞受賞者の方々の記者会見も、私は違和感を持ちましたね。まず仕分けのプロセスを彼らは正確に理解していないのではありませんか。明らかに事実誤認と思われる発言が相次いでいました。彼らの発言は、第一義的には、仕分けの公開の場で、あの程度の答しか出来なかった文部官僚に向けられるべきです。恐らく公開仕分け後、文部官僚が省内に戻り、科学者たちに自分本位な報告で泣きついたのでしょう。海外事情に詳しい方々もおっしゃっていますが、現在の日本のこの分野の実力は、すでにかなり前から凋落の一途をたどっているとのこと。自然科学分野総体の水準アップには、格差の問題を含めてどういった予算が必要なのか、の議論がまず重要なのだと思います。

 一連のやりとりを見ていて、今後も継続して頂きたいし、地方でも是非「事業仕分け」を導入して頂きたいですね。今のような激動期、首長の役割はこれまで以上に重要になってきています。新しい時代のリーダーが、全国各地に出現することを期待したいです。本来は議会に求める仕事ですが、議員に今より遥かに高い質を求めるよりも、優れたその道の方々による「事業仕分け」の方が、時間的にも可能性としても現実的です。

 私は最近、地方公務員を主体とする集まりの冊子に「新政権に期待する」と題して寄稿しました。その終わりの部分から引用します。

―――――

国際社会の中で地盤沈下が著しい今の日本の状態では、3か月・100日が新政権の勝負です。政権に関わる全ての方々に「覚悟」を決めて頂きたいし、初心を忘れてほしくない。そして私たち一人ひとりが自立する市民として声を出し続けて、結果に関しては「待つ」覚悟も必要です。新政権にはあらゆる抵抗勢力を突き抜けて、新しい時代の指針を示し政策の実行を期待したいのです。――――――

メディアを含めて、私たちは見極めなければなりませんね。

日本にノーベル賞が来る理由

Posted by 秋山孝二
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 12月10日は、ノーベル賞受賞式が行われます。「日本にノーベル賞が来る理由http://bookweb.kinokuniya.co.jp/htm/4022732520.html」を読みましたが、時の歴史と受賞者との間に密接な関連のあることが良く分かります。著者の伊東乾(いとう・けんhttp://business.nikkeibp.co.jp/article/person/20070619/127758/)さんは、この欄の「09.7.30付」でもご紹介していました。直接パネラーとしてお話をお聞きして以来、ずっとその着眼点に興味を持っていて、日経BPのウウェッブ版「常識の源流探訪」も続けて読んでいました。

 
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アルフレッド・ノーベル

 ノーベル賞はノーベル財団http://nobelprize.org/nobelfoundation/index.htmlが100年以上も前から実施している褒章事業であることは大変有名です。私がいわゆる「財団活動」を知ったのも、ノーベル賞がその始まりでした。小学校の担任の先生が、基本財産を運用して(その時こういった言葉を使ったかどうかは定かではありませんが)毎年の利息で事業を続けている、と教えてくれました。それ以来「財団法人」に関しては特に興味もありませんでしたが、実際秋山財団を設立する25年程前、「褒賞事業」、「助成事業」の選考方法を決める際に、欧米各国の民間財団法人を研究しました。

 ノーベル財団の選考は、「物理学賞」、「化学賞」、「経済学賞」の3部門についてはスウェーデン科学アカデミーが、「生理学・医学賞」はカロリンスカ研究所が、「平和賞」はノルウェー・ノーベル委員会が、「文学賞」はスウェーデンアカデミーがそれぞれ行っています。そしてご承知のように、ノーベル賞の選考過程は秘密裏に行われていて、選考過程は受賞後50年経過してから初めて公表されています。

 私がこの本を読んで新しい発見をしたのは、ノーベル財団には大変明確な「戦略」と「理念」がある事です。「メッセージ性」、「個性」とでもいうのでしょうか。それは「人類の平和」であり、「豊かなくらし」であったりです。それに忠実な活動が、「差別の非対称性」を克服するバランスのとれた国際間の「対称性」ある配慮への信頼感を生み出しているのでしょう。

 伊東さんは、第二次世界大戦での原子爆弾とノーベル賞受賞との密接な関連性を分かりやすく説明しています。湯川秀樹博士の受賞もこの脈絡の中で語られていますし、日本におけるノーベル賞の紹介が、終戦直後の占領軍政策の中で、メディアに大きく制約があり、今もって歪に説明されているのです。受賞者のその後の世界平和に向けた活動にも注目です。湯川秀樹博士は、1955年に「世界平和アピール7人委員会http://worldpeace7.jp/」を創設メンバーのお一人として立ち上げました。現在のメンバーのお一人、土山秀夫先生との対談でも、長崎に投下された原子爆弾について貴重なお話が記載されており、この本の中でも語られています。この対談については、この欄の「09.10.15付」でご紹介しています。

 伊東さんは、またバーンスタインとの出会いが、札幌でのPMFサマースクールhttp://www.pmf.or.jp/で実現した事を語っています。欧州からアメリカに渡ってきた先達から学んだ「三つの伝統」についてです。1)活動・研究それ自体、2)それを支える仕掛け、研究施設から出版社まで等、3)担い手としての次世代、すなわち人材育成。

 結論として、このノーベル財団の崇高な理念の実現に、日本は国際社会の中で大変「期待される国」としてのポジショニングを十分持っていること、言い換えるなら21世紀の地球規模の課題解決に世界第二の経済大国としてだけではなく、国際平和・環境等の分野においても、勇気を持ってメッセージを発信していく人材の輩出を促したい、そう私は理解しました。